「お願いよ、祐巳ちゃん、聞き分けてちょうだい…」
「やです」
だだをこねる子供のように頬を膨らませた祐巳が、蓉子に抱きつく。
「ちょ、ちょっと、祐巳ちゃん…」
祐巳の体が放つ甘ったるい香りに鼻孔をくすぐられた蓉子が、後ろによろめく。
対照的な自分の匂いに気付かれてしまうことを恐れた。
「好きです、蓉子さま」
祐巳は腕にギューッと力を込めながら、背伸びをして蓉子に顔を近づける。
「ダ、ダメ…いけないわ、祐巳ちゃ…」
蓉子の言葉は、祐巳の唇で遮られる。
「んぷっ…ちゅぅ…ちゅっ、ちゅっ…」
祐巳の感触、体温、匂い、味。
実際には他人とそう違わないのかもしれないのに、なぜだか祐巳だけは特別に思える。
他の誰かであれば気持ち悪いと思うはずのことが、気持ち良くてたまらなかった。
「ンッ…ンンッ…」
蓉子の膝が震える。
ベチャベチャになったパンツから汁が溢れ、
太ももを伝ってツーっと流れ落ちていく感触に、鳥肌が立った。
「祐巳ちゃん…き、今日で、最後だから…これで、もうおしまいよ…いいわね…?」
声を震わせながら言う蓉子。
祐巳の唾液が絡んだ舌が、口の中で糸を引いていた。
*
「祐巳ちゃん…アッ…アンッ…」
テーブルに乗っかり、後ろに手を付いて背中を反らしている蓉子。
祐巳は蓉子の足を両方の肩に乗せるようにして、その股間に顔を押し当てている。
蓉子の恥丘を覆う、髪の毛と同じ色をした陰毛は、祐巳の唾液でベットリと濡れていた。
パンツとスカートは無造作に椅子に引っ掛けられ、
蓉子は下半身だけ裸になって、祐巳に性器を舐められていた。
蓉子のお尻が乗っているのは、さっきまでお茶会をしていた場所。
パンツが掛かっているのは、祥子が座っていた椅子。
薔薇の館の中は、まだ皆が呼吸していた空気さえも入れ替わっていないのに、
もし今あの扉が開いたらという恐怖さえも、蓉子の興奮を加速させるだけだった。
祐巳はさっきまで無邪気に言葉を紡いでいた舌と唇を使い、蓉子のピンク色の粘膜を愛撫する。
指で秘唇を左右に広げながら、ヒダでびっちり埋まった入り口を舌先でほじくるように刺激すると、
内側まで柔らかくほぐれてゆき、やがて白っぽい粘液を分泌する。
それは愛液と呼ぶよりガマン汁と呼ぶのがぴったりな、
蓉子の清楚な外見にはとても似つかわしくない、ひどく下品で粘ついた汁だった。
「ハァッ…ハァッ…ハァッ…」
蓉子は言葉を無くしてしまったかのように口で荒い呼吸を繰り返す。
自分以外は触れてはいけない、あるいは繁殖の目的でペニスを挿し込まれるだけのはずの場所を、
よりにもよって“孫”に舐められて激しく興奮している様は、発情した動物のよう。
祐巳の前でだけ、蓉子はメスになってしまう。
「蓉子さま、欲しいですか?」
テーブルに乗った蓉子を見下ろしながら、スカートを床に落とし、パンツを脱ぎ捨てる祐巳。
「欲しい、ですよね」
祐巳のクリクリッとした愛くるしい瞳に、股を開いた蓉子の姿が映る。
「祐巳ちゃん…」
顔を紅潮させながら、勃起した祐巳のペニスを見て息を吐く蓉子。
「後ろ、向いてください」
「こ、こう…?これで…いい…?」
促されるままにテーブルから下り、すぐに後ろ向きになって、上半身だけテーブルに寝そべる蓉子。
「そうです。それで、入れられます」
祐巳が蓉子のお尻を掴む。
「アァッ…は、早く、ンァアアッ…!」
つま先立ちになって、待ちきれずお尻を突き出す蓉子。
開いた秘唇から、ジュルジュルと汁が垂れていた。
「入りますよ、蓉子さま」
手を添えずとも、盛り上がった膣口のフチにペニスを引っ掛けるのは簡単だった。
そこをえぐるようにして軽く腰をくねらせると、
ネチャッという粘ついた音と共に先端部分が埋もれた。
「はぁうっ…うっ…うぅぅぅんっ!!」
ミチミチッと、ヒダをかき分けるようにして侵入する祐巳。
まだ3分の1も入っていないうちから、蓉子は首を反らし大きくうめいた。
ツルツルした祐巳の先端は掴みどころがなく、内側のヒダが不安そうに全体を撫でまわす。
やがてペニスにくびれた段差があるのを見つけると、
ヒダはそこを逃すまいと一斉に張り付き、奥へと引き込んでいく。
あとは祐巳が動くまでも無く、ペニスは自然に蓉子の深くまで挿入されていった。
「すご…蓉子さまの中、気持ちいい」
祐巳のため息。
「アァッ!わ、私も、すごいの…!!」
蓉子のほうも、嬉しくてたまらないという感じで、膣をキュンキュンと締まらせる。
すでに祐巳は根元まで入って、これ以上深くは無理なのに、
それでもさらに奥まで引っ張ろうとする。
ヌッ…ヌロロロロ…
女らしい綺麗な形をした蓉子のお尻をムチッと掴みながら、
ゆっくり腰を引いて、その強烈な吸い込みを祐巳が楽しむ。
すると、ペニスを抜かれてしまうと勘違いした蓉子が、悲鳴を上げる。
「やっ、いやっ、やめて、祐巳ちゃん、いじわるしないで…!!」
頭の悪い女が下手な演技をしているような台詞。
真面目な優等生の蓉子とは思えない台詞。
しかも、当の蓉子は至って本気で言っている。
「蓉子さま…可愛い」
祐巳は、顔がにやけるのを止められなかった。
「大丈夫です、動かすだけですよ。蓉子さまがイクまで、絶対に抜いたりなんてしませんから」
その言葉通り、祐巳は夢中になってヘコヘコと腰を振った。
見てくれなど気にしていられないほど、ムラムラが限界まで高まっていた。
「アァンッ!アンッ!アンッ!アンッ!」
鼻にかかった高い声を出して乱れる蓉子。
祐巳が突くたび、自らの重みで押しつぶされた乳房がテーブルと擦れ、
下着の内側でぷっくりと膨れたチクビが赤みを帯び、敏感さを増す。
動きに合わせてムニムニと変形しているのが背中越しにも分かり、それが祐巳を大変に興奮させた。
「蓉子さま、気持ちいいですか?!」
数回、数十回どころではなく、百回単位で腰を前後させ、
摩擦で熱くなるくらいにペニスと膣を擦り合わせる祐巳。
ヌボッ、ヌボッ、ジュッ、ジュッ、という派手な音と一緒に、
祐巳の先走りと蓉子の愛液が混ざった汁がポタポタと床に散る。
皮がめくれてツヤツヤに張ったペニスと、クリトリスまで勃起させて入り口を露出している膣。
充血した生殖器同士を結合させ、ひたすらに出し入れさせる。
蓉子の一番デリケートな場所に自分の一部を突き刺している満足感に祐巳は酔い、
祐巳の一番デリケートな部分で自分を貫かれている満足感に蓉子は酔っていた。
「アアアッ!!イイッ!!祐巳ちゃん、すごいのぉっ!!」
「蓉子さま、イキそうですか?」
「だ、ダメ、一緒に…祐巳ちゃんも一緒がいい…!!」
「じゃあ、私もイキますね!」
「そう、アアッ!一緒に、一緒に!!」
「イクッ…もう出しますよ…!」
「アッ、私もイクッ!イクッ!イッちゃうぅっ…!!」
「くっ…出ます…!!」
「祐巳ちゃぁぁんっ!!!!」
「うぅぅぅっ…!!」
「ンアアアァァッ!!!」
ビュルルルルー!!ビューッ!ビューッ!!
グンッ、と突き上げるようにして結合を今日一番の深さにしたところで、祐巳の動きが止まった。
蓉子はつま先立ちになった両足をピンと揃え、お尻を祐巳に押し付けながら、硬直した。
2人は繋がったまま、同時に絶頂した。
ビューッ!ビュッー!ビューッ!
噴き出した精液は狭い膣内で弾き返り、真っ白な波のようになって祐巳のペニスも溺れていく。
ゴポポポ…ブビッ…ブビッ…
最初に出された分から、随時根元のほうまで上がって結合部の隙間から溢れてくる。
同時に奥ではすぐに新しい精液が注がれる。
そしてそれがまた押し出され、溢れる。
ドビュッ…ドビュッ…ビュッ…
「あっ…あぁぁ…」
祐巳の勢いが衰えてくると、蓉子が悲しそうな声を出した。
役割を終えたペニスは、射精が収まってくるとすぐに硬さを失ってしまう。
ヌロロロ…ブッ、ブボッ…ブビッ…
真空のようになっていた膣内が空気を吸い込み、精液を噴き出しながらいやらしい音をさせる。
小さくなったペニスの先端が抜ける最後の瞬間まで、
蓉子の盛り上がった膣口は必死に祐巳に吸い付き、名残惜しそうに味わった。
ドボボボッ…
ほどなくして祐巳が完全に抜け落ちると、奥のほうから塊になった精液が流れ出した。
「…これで、最後なんですね」
興奮が引いた祐巳は、捨てられた子猫のような顔をして、ポツリと言った。
蓉子は顔を歪めた。
これで最後だからと、祐巳よりもまず自らに言い聞かせていた。
そうやって、快楽を受け入れる口実を作っていた。
そうでないと、罪悪感を埋め合わせることが出来なかったから。
だが、いざ本当に祐巳を失いそうになった時、胸が焼けるような焦燥が蓉子を襲った。
「蓉子さまなら、私の体を受け入れてくださると思ったのに…
やっぱり、私みたいな女の子はダメですか…?」
追い討ちをかけるように、保護欲をそそる仕草で涙ぐんでみせる祐巳。
「ち、違うわ、ダメなわけない…!」
蓉子はたまらず、祐巳を抱き寄せた。
温かくて柔らかい体を、きつく抱きしめた。
祐巳はスン、と鼻をすすって、それきり泣きやんだ。
蓉子の腕の中で、祐巳はひっそり微笑していた。
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