□BACK
□□□ ゆーま □□□
「ぴこぴこぴこ」

「ん?」
なんかの音らしきものが聞こえた。
その方向を向いてみる。
「……」
「ぴこぴこぴこ」
階段の袂になにかが存在している。
…なんだ、この奇怪な生物らしきものは。
「ぴこぴこぴこ」
なにか怪しい音を発しているが、一体なんなんだ?
物の怪だろうか、それともUMA?
いや、それにしてはあまりにも…。
とりあえず、声でもかけてみるか。
「なんか用か?」
「ぴこぴこっ」
返答しやがった。
意外に知能指数は上なのかもしれない。
……グレイの一種か?
いや、そう簡単に決めつけてはダメだ。
どことなく犬に見えなくもないが…。
また訊いてみよう。
「おまえ…猫なのか…?」
だぁ、なんで思ったことと反対の事が口からでるんだぁ!
「ぴこぴこぴこっ!」
どうやら違っていたらしい。
当たり前だが。
「それじゃ…犬か?」
「ぴこっ」
当たったようだ。
これで明日はホームランだ。
…違う。

…目の前の未確認動物を検証すべく、隅から隅までながめる。
外見上は犬に遠からず近からずというところだ。
さっきから怪しい音を発しながら、俺になにかを求めているようだ。
「ぴこぴこぴこー」
待てよ……。
ここは田舎だ、どこかにナチス残党の秘密工場が存在してもおかしくない。
こいつは、もしかするとそいつらに生み出された新手の生物かもしれない。
そう思うと、不憫に思えるな。
「……」
よく見れば、どこか愛嬌を感じられる。
よし、この瘋癲(ふうてん)のムツゴロウと言われた事のある俺が抱いてやろう。
「ほーら、ムツゴロウさんが抱いてやるぞー、こっちこーい」
……自分で言って気持ち悪い。
「ぴこぴこっ」
さすがは、外見上だけでも犬だ。
俺の気持ちがわかるのか素直に近寄ってきた。
「ははははー」
爽やかスマイル(¥0)とともに、この生物を抱き上げる。
ああ、今俺はまさしくムツゴロウさんの気持ちを完全にわかった気がする。
動物を偏見で判断してはいけないんだ、ホラこんなにかわい…。






みにょーーん。






「……」






…胴(?)が伸びてました。
(語り:森本レオ)





「なに!!」
「ぴ、ぴこっ」
叫び声にビックリしたのか、ヤツは俺の手から放れ、走り去っていった。
「……なんだったんだありゃ」
本当にナチス残党が造り上げた生物かもしれない。
数分の間、俺の頭の中にはグラサンのコックとか怪獣アンゴルモアなどが渦巻いていた。
だが、その後すぐに走り出す。
全盛期のアベベの如く。
何故なら、ヤツが俺の人形をいつの間にかくわえていたからだ。
「待てぇっ!」

そんなわけで、瘋癲のムツゴロウさんと犬さんの追いかけっこが始まりましたとさ。
めでたしめでたし、と。



「終わっても始まってもないっ!」


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