かわいいひと

novel



「よく眠ってるな……」
「ほんとですね」
 アスランとルナマリアがふたりして覗き込んだのはシンの寝顔だ。さっきまではアスランを避けるようにねっ転がったまま雑誌に視線を向けていたのに、いつの間にやらすやすやと気持ち良さげに寝息を立てている。
「でも、珍しいかも、シンの寝顔見るの」
 えい、とばかりにルナマリアがシンの頬を突っついた。途端に、んん、とシンの眉根が寄る。アスランもルナマリアも思わず笑みを零した。
「起きるぞ」
 それでもアスランが窘めるように言うと、ルナマリアも素直に指を引き、「寝てれば可愛いのに」と首を竦めた。
 その言葉に、アスランが噴出す。更にはルナマリアが視線を向けた先で、「確かに、可愛い寝顔だな」とシンに微笑んで見せた。
 その笑顔に、可愛いのはどっちかしらとルナマリアは目をぱちくりとさせて口元を押さえる。いいものを見た。
 後でレイにでも自慢しようと何とはなしに思いながら、悔しいのでルナマリアはシンの頬をもう一突きしておいた。


end

2005/03/03


novel


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