「全く・・・可愛い娘ね♪私と競(せ)っただけはあるわ♪」 臼姫は赤魔子を抱きしめたまま、その長い耳へと囁いた。ついでに吐息も入れてみる。 赤魔子の身体が刺激に揺れる。 「ふふ・・・久しぶりに遊んじゃおうっかな〜♪♪」 「・・・・?」 疑問の表情を浮かべる赤魔子と透明に微笑む臼姫。 夕闇のロランベリー耕地に風が流れる。 しばらくその表情を味わった後、臼姫は赤魔子に口付けた。 「!!!」 赤魔子が反射的に身を引こうとする。紅茶色の瞳には様々な感情が行き来。 「抵抗は許さないわよ♪♪」 臼姫は赤魔子を抱きしめた腕をずらし、その手首と肩を取る。 モンクの技を使い、腕を引き、肩を回し、重心のかかりかけた足を払う。 一瞬後、赤魔子はロランベリー耕地の芝生に倒され、両手首を押さえつけられていた。 未だ太陽の熱を残す新緑を背中越しに感じる。 赤魔子にのしかかり、額にかかった前髪を払い、臼姫がまた、透明に笑う。 邪気も何も無い笑い。この女性(ひと)は今、何を考えているのだろう。 赤魔子はその微笑みを直視することが出来ず、視線を逸らす。 臼姫の細い手がタバードの合わせの隙間から赤魔子の胸をまさぐる。 ひんやりとした手が動転した身体には心地いい。 「あんまり胸ないのね・・・・♪」 普段気にしていることを言われ、赤魔子が真っ赤になる。 睫毛同士が触れ合うほど顔を近づけた臼姫が、赤い舌を出し涙の跡を舐める。 舌で肌に触れたまま、目から耳までなぞる。手は片手だけで器用に服のボタンを外す。 舐められた右側の顔が自分の物でなくなった気がして、赤魔子は身震いした。 熱い舌が耳に行き着く。尖った耳の裏側を舐め、赤魔子の反応を愉しむ。 手は既に服の前を開けていた。素肌に当たる夜風に改めてここが外であることに気付く。 「・・・・!」 こんな格好を他人に見られたら、と思うと赤魔子は急に恐ろしくなった。 押さえつけられている手首に力を入れ、身じろぎをする。 「抵抗しちゃダメだって♪♪」 耳のすぐ横で囁かれた言葉に何故か抵抗できなくなる。 微かに震える赤魔子の肩を見ながら、臼姫の手が胸にかかり、下着を取り去る。 小ぶりな乳房が月光に晒された。肌がほんのりと赤いのは火曜日の月光のせいだろうか。 息を飲む赤魔子に臼姫が言う。 「私とこういうことするのは・・・いや?」 嫌ではない。嫌でないが何故されるのか分からない。 分からない赤魔子はただ首を振る。 「そっ♪♪♪」 言葉と共に臼姫は、再び赤魔子に口付けをし、手で胸を弄ぶ。 よく手入れされた爪を軽く立て、乳房の外側から螺旋を描くように駆け上がる。 頂点に行き着き、それを弾くと、今度は強弱をつけて乳房全体を愛撫する。 弾力のある柔らかさを楽しみ、乳首を指の腹で押しつぶす。 赤魔子は背筋に電撃が走ったように感じた。 舌で赤魔子の口内を攻め、味わう。長く深い口付けに息が出来なくなる。 臼姫が何かする度に跳ね上がる身体。 臼姫は唇を離すと赤魔子の胸に吸い付く。 さっき爪でやった行為をそのまま舌で再開。 その手は胸を離れ、赤いタイツにかかる。 既に硬くなった胸の先端に甘く歯を立てながら、手首を押さえていた左手を離す。 赤魔子は初めて感じる快感に朦朧としながら、放された手を臼姫の背に回した。 背中に回された手の感触に臼姫は嬉しそうに微笑むと、タイツを一気に引きずり下ろした。 いつの間にか開かれていた脚を閉じようとするが、臼姫の身体が素早く割ってはいる。 誰にも見せたことのない場所が外気に当てられた。 臼姫の指はその秘所に当てがわれるとゆっくりと上下に動き、熱くなった胎内へ入り込む。 「ーーー!!」 白い衝撃。今までと比べ物にならない刺激を赤魔子はそう受け取った。 臼姫の背中に回された手に力が入り、肩口にしわを作る。 朦朧としていた目の焦点が合い、不安げに臼姫を見上げる。 「ふふ♪まだ一本なのにそんな顔しちゃって♪♪」 赤い月を背にした臼姫を、赤魔子は美しいと思った。 臼姫は内藤達に向ける笑顔と、全く変わらぬ笑顔を赤魔子に向ける。 これも、彼女の中では、同じ、事なんだ。 赤魔子は脚に入っていた不要な力を抜くと、臼姫に身体を預けた。 臼姫は赤魔子の反応に気を良くすると、二本目の指を赤魔子の中に入れた。 厳しい戦いを生き抜いてきたとは思えない程細い指。 そんな指の二本でさえ限界なのか、赤魔子は大きく息を吐いて ともすれば吹き飛ばされそうになるその感触に耐える。 臼姫は赤魔子の奥から湧き出る粘ついた液体を感じながら赤魔子が落ち着くまで待った。 「・・・・。」 左手は未だにゆっくりと赤魔子の胸を弄(まさぐ)っている。 赤魔子はその刺激に反応しながらも臼姫の姿を見つめた。 彼女のようになりたいと思った。 彼女のような仲間がいればいいと思った。 彼女のように皆と笑いあえればいいと思った。 自分には難しいことも分かっている。 だけど今は、今だけは。 彼女と一緒の場所にいられるかもしれない。 赤魔子は強張った指を広げ、ゆっくり力を入れた。 肩を浮かせ、自分から臼姫に口付ける。 臼姫は目を閉じ、深くキスを返しながら、指を動かしだした。 二本の指が奥まで突き入れられる度に、赤魔子の身体が意思に関係無く跳ね上がる。 星空を向いて揺れる乳房を掴まれ、その痛みも心地いい。 指は胎内で形を変え、赤魔子の愛液を掻き出し、快感へと変える。 酷く淫猥な音が夜のロランベリー耕地に流れる。 赤魔子が快楽の波を上り詰める寸前に、臼姫は深く交わっていた唇を離した。 同時に乳房を愛撫していた手を腰にかけ、蠢く指を胎内に突き刺したまま、 一気に赤魔子をひっくり返した。 二本の指で中から持ち上げられ、無理矢理四つん這いにさせられる。 赤魔子は必死に身体を支えようと痙攣する腕を突き出した。 背中にのしかかってきた臼姫の顔を探し強烈な快楽から逃れるようにキス。 臼姫は赤魔子の赤い髪を撫でながら、しかしその指はその数を三本に増やし、さらに速度を上げた。 赤魔子の短い悲鳴が臼姫の口内で上がり、背中が何度も反り返る。 さっき限界だと思った快感の強さは、とうに通り過ぎ、その何倍もの刺激が与えられる。 大量の愛液が赤魔子の太腿を伝い、その感触すら快感として感じた。 神経を焼くように伝わってくる快楽に、思わず恐怖を覚える。 後一歩押されれば見知らぬ昏(くら)い場所に踏み込みそうだった。 臼姫は満足そうに唇を離すと、赤魔子の耳に口を寄せて囁いた。 「それでいいのよ♪そのままイッちゃいなさい♪♪」 臼姫の指が痛いほど締め付けられ、さらに大量の液体が肘にまで伝う。 臼姫をその締め付けを心地良く感じながら最も強く赤魔子を突いた。 「ーーーー!」 視界が白くなるのを感じながら、赤魔子は恐怖を放棄した。