緋色のたなびく髪。尖った耳。槍を携えた長躯。無敵のナイト。それがヤツだった。 ヤツはいつも僕達の盾で、ヤツがいたから、僕達はいっぱしの冒険者になれた。 男の僕から見ても、ヤツは格好よかったし、眩しかった。それなのに。 「んじゃ、またな」 雪がちらつく中そういって、いつものように街の前で別れたきり、ヤツは戻らない。 引退するなら、ひとこといって、国かえって、冒険者登録消して、モグハウスも引き払っていけって。 領事館の冒険者登録名簿には、ヤツの名前がまだあって、借りっぱなしのモグハウスでは、モグが毎日掃除して、荷物整理してて。「ご主人さまは、きっと帰ってくるクポ」だって。健気だよな。 そして僕たちだって、まだ帰ってくるかもって 諦められないまま 季節はもう、灼熱が近い。 「は〜 今日もきつかったねえ」 今日の野営地は、元、ゴブキャンプ。キャンプファイヤーして、酒かっくらってくつろいでるところ申し訳なかったが、丁重に力ずくでお願いして、どいていただいた。 「5人でやってるから 未だに」 野営の番は、赤魔の僕と、戦士の彼女。護るべきは黒魔と白魔のお姫様2人と、早々にダウンしてしまった、戦士の坊主。ヤツがいなくなっても、かけだしの頃から一緒の僕達は、つるむことが多かった。 「もう、戦士様が先に寝ちゃったらダメじゃんねえ」 野営する意思はあったが、耐え切れず火の側で沈没してしまった坊主の黒い髪を撫でながら彼女が笑った。 …いや、あなたがゴブのおいていったヤグ酒飲ませたから、沈没したんですが。 「未成年なんだから、手加減してあげないと」 明日は多分二日酔いで苦しむだろうな、と坊主に同情した。 僕は街の外では酒を飲まない。アタマが切れなくなるので、魔道士としてヤバイから。 「そうだったわねえ つい、 ヤツと同じ感覚で接しちゃって」 彼女が遠くを見た。持っていたヤグ酒をぐぃっとあおる。 …あの、それ、ゴブが思い切りラッパ飲みしてましたが。 「…どうして…戻らないんだろう…」 彼女の頬をつーっと、涙が一筋伝った。 彼女が、ヤツに特別な感情を抱いているのは、随分前から知っていた。 ていうか、ぶっちゃけやっちゃってるってことも、知っていた。 だって野営はいつも二人で、坊主はいつも酒飲まされてつぶされてて(コイツもそれで強くなるようなことは、全然なかった)、姫たちは熟睡で、職業柄かいいひと。のポジションが定位置になっている僕は手もだせないで(まぁお嬢ちゃん達だからそんなに興味もなくて)、それでも何とか寝付いたのに、なんかあやしーい声で眼がさめて、オイオイと思いつつ天幕からこそーっと顔出してみると(いや、好奇心で…) な ん で そ こ で や っ て ま す か あ ん た ら 。 彼女を腹の上にのせて抱えていたヤツと目があっちゃって、お互い一瞬固まったのは秘密。 そしていなくなってからも、ヤツは彼女のココロを捉えて離していないわけで。 彼女も普段は気丈だけど、酒が入っているからか、いいひと。担当の僕の前だからか、 「わたし…すきだったのに…すごくすきだったのにぃ…」 いつになく弱気で、ぼろぼろ泣きが入ってたりする。 …僕、損な役回りだよな。 酒が入ってるから、ほんのり紅い顔に、潤んだ大きな眼。戦士の装備は何故か肝心なところのガードが甘くて、やっぱり紅く染まった胸元まで開いている。少し年上の、綺麗な彼女。 …何で僕の前で、そんな無防備になりますか。僕、そんなに無害に見えますか? 酒も飲んでないのに、なんか、カラダの奥が熱くなってきた。 喉が妙に乾く。口の中もからからで、唾が絡んで気持ち悪い。 …あのね、僕だって男で、 血が通ってるんです。 「…こんな別れ方するんだったら…最初から会わなければよかったわよぉ…!」 ぐびぐびっ と音がしてヤグ酒が白い喉を通っていく。 げふんげふんげふん! 激しくむせた。ほーら一気飲みなんかするから。 「もう やめましょ」 僕は彼女からヤグ酒の瓶をとりあげた。しゃがみこんで激しく咳き込む彼女の背中をさすってやる。 筋肉は感じるけど、細くて小さい、女の人の背中。華奢な肩。ハーネスの隙間から見える白い肌。 心臓が、ばくばくする。身体中の血がぐつぐつ沸く感じ。背中から眼をそらそうとしたけど、背中から手を離そうとしたけど、もう、かなわなかった。 モーグリを黒く塗ったような悪魔が僕の脳内に沸いて出て、ひそひそと囁く。 ヤ ッ チ マ エ ヨ 。 爆発しそうな衝動。やばい。ぼく、いいひと。担当なのに。 天使モーグリがお約束どおり沸いて、僕の脳内でがなりたてる。 ダメダヨ!ダメダヨ!ダメ…… フギャッ! 黒モーグリが白モーグリを頭の隅っこで屠るのが見えた(気がした)。 やばい、スイッチはいった。 もう駄目。 「…今夜だけでも、忘れちゃいましょか あいつの事」 僕は彼女を後ろから抱きしめた。 髪から埃の匂いと一緒に、カモミールの香りがした。林檎に似た、甘い香り。 「……なに…?」 彼女が僕の腕の中でもぞもぞと振り返る。潤んだ眼が僕を見上げる。 「今夜だけ…僕が全部」 その眼をまっすぐみれなくて、ピンクに染まった耳たぶを見ながら囁いて、 「全部、忘れさせてあげる」 悪いなとは思ったけど、パライズも囁いて、細い肩を掴んで、地面に押し付けた。 弱体魔法に耐性のない彼女を組み敷くのは、あっけないほど簡単だった。 「………なっ………?」 何かいいかけた彼女の言葉を、唇で遮る。ほの暖かい唇の感触。 舌先で割って中に入ると、アルコールの匂いがした。舌を絡め取って、音をたてて吸う。 「………っっ……!」 息苦しいのかカラダごとじたばたともがく。かまわず口腔の中を嘗め回した。僕と彼女の唾液が混ざって、口の中でくぐもった水の音をたてる。 駄目。まだ離さないよ。 舌で歯茎をなぞりながら、手を胸元に滑らせた。黒い布の胸当ての中の、少し汗ばんだ柔らかい肉を、力を入れて掴む。彼女の体がびくんとはねた。 「………ん…っ…」 「坊主と、姫たちが起きちゃうよ…」 唇を離し、そう言いながらやわやわと胸を揉みしだく。本当に柔らかいけど、柔らかさの奥に掌を押し返す弾んだ感触。しこりはじめた突起を指でつまんで軽く転がした。 「………はぁ……ぁぁっ…」 麻痺させたので彼女の体はその意思では殆ど動かせない。その癖、僕の与えた刺激には敏感に反応する。体をびくびくさせながら、声をかみ殺しているのに、腕はどこにもつかまれなくて、だらりとしたまま、細い指がやるせなく地面を引っ掻いている。…可愛い。こういうの、好きかも。 「僕の魔法は 痺れるでしょ…」 背中に腕を廻して抱き寄せて、硬く勃った胸の突起に口をつけた。 「……ゃぁぁ…っ…はぁぁ…」 舌で転がして、ちゅくちゅく音を立てて吸う。舌先でつつく度に、軽く歯をたてる度に小さくのけぞる。 「声だしちゃ 駄目だって」 喘ぎ声を止められない彼女の耳の中にサイレスを落とした。湿った声が止んで、ぱくぱくと唇が動く音だけする。サイレスは本来魔法詠唱だけしか止められないけど、なれてないと暫くは発声そのものが阻害される魔法。こういう使い方することは、あんまりないけど。 片手と口で胸を弄びながら、もう一方の手でサブリガの留め金を外した。ぱちん、と音がして薄い下着でだけ覆われた下半身が露になる。 「………っ…っ……」 無理やり声を喉に押し込められた彼女がいやいやとかぶりをふった。身体の熱さが増している。 「…恥ずかしいの?」 三角の部分に触れると、もうじっとりと湿っていた。 「……こんなに しちゃってるから?」 布の上から、縦の線にそってつーっとなぞる。 「……−−−−っ!!……」 声にならない叫びをあげて、彼女は腰をがくがくさせた。すがるような眼で僕をみている。 「…布越しじゃ嫌かな……って、僕が喋れなくしたんだったね」 力の抜けている彼女の脚から濡れた下着を剥ぎ取り、花弁の中に指を滑らせた。ねっとりからみつく熱い蜜。 「すっごい 濡れてる」 くちゅくちゅ音をたてながら、眼をまっすぐ見て言ってやった。 「あいつじゃなくても 僕でも……誰でも、感じちゃうんだ」 「…………−−んーーーっ……」 否定するように首を振るが、蜜はどくどく溢れつづけて、膨らんだ肉芽をなぶる僕の手に纏わりつく。 「腰と首、一緒にふられたって、どっちなのかわかんないよ?」 軽く言葉で貶めてから、蜜壷の中に指を差し入れた。軽く指が締め付けられる。 「−−!」 内部はとろとろに溶けて熱い。指を奥まで差し入れて、乱暴にかき回した。 くちょっぐちょっ…ぬちゃ……ぬちゃ… 「すっごい音… 僕の指、おいしそうに食べてる」 「………−−−っ……ぅ……ぁぁ…」 僕の言葉に彼女は羞恥をかきたてられるらしく、眼をつぶって顔を背けた。 ヤツも彼女のこういう表情、見てたのか。 …なんか むかつく。 「駄目 僕のこと ちゃんとみてよ」 彼女の髪をつかんで引っ張って眼をあけさせ、あいたところで、2本目の指を蜜壷に突っ込む。 「−−−あぁあぁ…はぁぅ…」 サイレス、切れたみたいだ。 まぁいいか。坊主、ぐっすりだし。ヤバそうならスリプルいれりゃいい。 声をあげる彼女の中で、指を擦りつける。親指で肉芽をこりこり擦ると、背中が大きくのけぞった。 「…いやぁ…あぁ…はぁぁ…あふぅぅ……!」 喘ぎ声と一緒に蜜がとめどなく、僕の掌に落ちる。とろとろの蜜が僕を誘う。 …あー駄目。もう駄目。TP300%たまってます。 …連携おっけーバーニンいきまーす!…って、僕赤魔だから0番なんだけどね大概。 「行くよ」 指をじゅぽっと引き抜く。 「いやぁ…ぁぁ…」 彼女が弱々しくかぶりをふったのが見えたけれど、それで僕が諦めるなんてことはもちろんなくて、力の入ってない彼女の脚を開いて、ぐっちょぐちょになったそこに、僕自身をゆっくり押し挿れた。 「ひぃ…ひぁぁ…」 指で感じるよりも、彼女の中はもっと熱くて、柔らかい肉壁が、僕をやわやわと締め付ける。 「入っちゃった ほら 君の中にいるのは 僕だよ」 腰を動かしながら、彼女が恥ずかしがるであろう言葉を投げる。 じゅぷっ じゅぷっ 淫靡な水の音が響いた。 「……あいつでなくても いいんでしょ? すごいエッチな音してる」 「…はぁ……あぅぅ…やだぁ………」 切なそうに喘ぐその顔がとてもとてもいやらしい。 ダチのモノ盗ってるっていう罪悪感と優越感のまざった気持ちが、僕を興奮させているみたいだ。 シチュエーションで感じるのは、女だけじゃないらしい。 彼女の太腿を抱えて、奥まで深く押し挿る。 「あぁぁぁ……ぅ…っ」 前かがみになって、肩に脚を抱え上げ、深く深く突いた。 「ひぃぃ…はぅ…はぁふっ…」 喘ぐ度に肉壁が僕を締め付ける。腰を動かし、淫らにからみついてくる彼女。 「…ひぃ…いやぁ…あぁぁ…ヘンになっちゃう……!」 僕の腕にすがりついて、爪を立てて嬌声をあげる。 パライズ、解けたのか。このタイミングでよかった。 「ヘンになっちゃって…もっと泣いて」 その手を絡め取って地面に押さえつけて、僕は彼女を責め続けた。 ぬっちゃぬっちゃ じゅっぽじゅっぽ 「……あぅ…はぁぁぁ……ひぃぃ……」 ぴたんぴたんぴたん 「……ひぁっ…ぃぃ…いいよぉ……やぁっ……」 彼女は壊れたカーディアンみたいに喘ぎながら、それでも僕に絡み付いてきて、ゆるくきつく締めてくるから、僕もなんか、かなり、高まってきた感じ。でも僕が先に果てちゃったら、やっぱマズイわけで。 「……イっちゃって………もう…ぼく……」 泣き言いいつつ、強く強く揺すった。チキンレース?そうかも。 幸い、チキンレースは辛くも僕が優勢で 「…はぁぁ…だめぇ……いぃ……いっちゃうぅっぅ………!」 僕の意識がとぶ、ほんのちょっと前に彼女は痙攣しながら絶頂に達し、 「……ぼくも……もう……」 その直後に来た肉壁の締め付けで、僕もあっけなく陥落した。 傍らで眠ってしまった彼女の装備をそーっと直して、毛布をかけてやってから、僕は煙草に火をつけた。 「………」 彼女がむにゃむにゃと何かつぶやく。 「おきてたんですか…?」 白い頬に手をあてて、顔を覗き込んだ。さっきまでの蕩けた顔と全然違う、子供みたいな無邪気な寝顔。寝言かな。 「………」 ヤツの名前の形に、唇が動く。 ぎゅっと手を掴まれ、ヤツの名前を呼ばれたのは僕。 一瞬叩き起こして、もう一度犯してやりたい衝動にかられたけど、思いとどまった僕は、やっぱりいいひと。担当なのかもしれない。 でも衝動はやっぱり抑え切れなくて。 「全然いいひとじゃないですよぉ なんでボク殴って起こすんですかぁ!(泣)」 「うるせえ、前衛がいつまでも寝てるんじゃねえよ(怒)」 傍らで延々と熟睡し続けていた坊主にやつあたりしてしまったあたりが自称いいひと。 −−−−−−−−−−−−−−− 戦士は一般的にハーネス+サブリガ装備しないでしょ というのがつっこみどころです…。 あと、ナイトはEXジョブだから、スタンダード組と駆け出しから一緒はないでしょ、ってのと。 過去作品あります よかったらお越しください^^ http://f15.aaacafe.ne.jp/~kitamomo/