サンドリアの森の道を行くエルヴァーンの戦士、アルス。 ここから冒険を始め、サポも取り、ジュノにも行った。 それなりに順調に冒険をしていた。だが最近彼は迷っていた。 目的を失っていたのだ。なんの為に冒険をしているのだろう…と。 そして原点に戻ろうと思い、彼は故郷のサンドリア城を目指していた。 『もうこの辺の敵は襲ってはこないな。昔はあんなにてこずるほどだったのに。』 そんな昔を思い出しながら朝日を浴び、久しぶりの空気を感じながら道を歩いていた。 『あれ?ゲルスパ?』 どうやら道を間違えたらしい。 『いくら久しぶりでも道を間違えるとは…。』 と、一人で照れながらサンドリア城のあるほうへ向きを変え、再び歩き出そうとした時だった。 『誰か助けてー!!』 助けを求める声が森に響いた。 周りを見渡す。日も昇り始めたばかり、霧もまだ晴れてはいない。 『声は結構近かったのに…見つけられない…!』 焦りながらも耳をすませ周りの状況を読もうとする。 『ゴルルル…』 オークの声だ。低レベルなら間違いなく襲われる。 助けを呼んだ声を思い出す。高い声だった。 『チッ!タルの声だ!』 タル、襲われるレベル、オーク…一たまりもない。彼はそう直感した。 『キャーッ!』 また声がした。今度は彼の耳ではっきりと捕らえた。 『こっちか!』 剣を抜き猛然と声のした方向に走り出す。時間がたてば逃げているだろうから離れていってしまう。 『間に合え!』 目の前にかすかに見える見なれた黒い影、オークだ。斧を振り上げている。 そしてその横に小さな影。見つけた瞬間、 『いやぁぁぁぁぁ!』 断末魔の様にも聞こえた。 そしてその叫びが彼に確信を持たせた。 『こいつかぁ!』 斧を振り上げたオークの腕を落とさんばかりに切りかかる。 オークも突然切りかかられ、攻撃対象を切り替える。 彼にとってはこのオークは練習相手にもならない。 しかし、もうほとんど体力のないタルが近くにいる。 この状態でまたオークに襲われたらこのタルは多分…。 彼は全力でオークを倒しにかかる。 彼の一撃一撃がオークの体力を奪う。周りにはまだ新手はいない。 『これで終わりだっ!』 彼は渾身の力を込め、剣を振った。 『ゴアアッ!』 オークは断末魔を残し地に伏せた。 剣を収めながらタルに駆け寄る。 『大丈夫か!?』 オークに襲われ傷だらけになり、木の根元に小さくなり震えるタルの女のこ。 彼は彼女の頭のうえに手をかざしケアルを唱えた。 傷も直り、体力も回復しただろう。だが彼女は立ち上がろうとしなかった。 まだ座って震えたままだ。相当怖かったのだろう。 『そういえば俺も…。』 自分のことを思い出し、もう一度彼女に声をかける。 『怖かったのかい?』 手袋をはずし、そっと彼女の頭に手を添える。 とたんに瞳から大量の涙がこぼれ出す。 『ぅわああああああ…』 どれくらい泣いていたのだろう。ようやく落ち着いてきたらしい。 『ヒック…ごめ…ヒック…ん…なさい…。』 泣き過ぎたのだろう。かすれた声だった。 『いいんだよ、冒険は助け合いも大事だから。』 彼女は落ち着きを取り戻し、自分のことを彼に話した。 名前はクルル。サンドリア出身のタルタルでジョブは黒魔道師。レベルはまだ6。 レベル上げをしていて、道に迷っていたところをオークに襲われたらしい。 彼は自分のことも彼女に話した。 名前はアルス。同じくサンドリア出身でメインに戦士、サポに白魔道師、レベルは22と。 『黒の6でこの辺はまだ危ないな。なんだったら手伝おうか?』 『えっ、けど、悪いですから…。』 『いいんだ。しばらくは特に予定もないから。よければ一緒させてくれないかな?』 『いいんですか?経験にもならないのに…。』 こんな会話を交わし、アルスはクルルのレベル上げの手伝いをすることになった。 ケアルで体力を回復し、危なくなれば助けに入る。 その日はクルルは6から8に上がっていた。 『日も落ちてきたし、野営する場所を探さないとな…。』 『…野営…ですか?、したことないんです…。』 『そっか、教えてあげるよ。たいしたことないけど。』 安全そうな場所を探し、火を起こし、野営の準備をするアルス。 その傍ら、どうすればいいのかわからずたち尽くすクルル。 『もうちょっと待っててね。』 軽く声をかけて準備を続ける。 準備も終わり、火がしっかりとついたころ日は完全に落ちていた。 『終わったからこの辺に座ってて。』 アルスはクルルを呼び、座らせる。 かばんからさっき倒したウサギの落とした肉、野草、パンを出す。 それらを手際よく調理する。 『すごいですね…。』 クルルはアルスを尊敬した。 『いちいち町に戻るよりはこの方がいいときがあるからね。ウィンダスに行けるようになったら  調理ギルドをたずねるといいよ。色々教えてもらえるからね。』 そう言いながらできたサンドイッチらしき物をクルルに手渡す。 『ちょっと大きかったかな?』 アルスの手渡したそれは、クルルには両手で持つのが精一杯な大きさだった。 タルタル族とエルヴァーン族の体の大きさの違いに改めて気づき、お互いに笑った。 アルスは『こんなに笑うのはいつぶりだろう…。』と、感じながら。 『飲み物はミルクでいいかな?ただ、カップがひとつしかないんだ…。』 一つのカップでミルクを二人で飲む。アルスにとってはどうということのないことだが、 野営の初めてなクルルにとってはちょっと照れることだったらしい。 うつむき、ちょっと赤くなりながら、タルにとっては大きなエルのカップでミルクを飲んだ。 『そろそろ寝るかい?』 『大丈夫ですか?こんなところで…。』 『僕がいるから平気だよ。』 アルスは自分のブランケットをクルルにかけてあげ、近くの木の根元に座り睡眠をとろうとした。 『ごめんなさい…なんか…。』 そう言い出したクルルの言葉を停めるようにアルスは、 『いいんだよ。』 とだけ優しく言った。 ところがクルルはじっとアルスを見つめて寝ようとしない。 『どうしたの?』 『あの…近くに来てもらえませんか…?』 どうやら始めての野営とだけあって、怖い上に寝つけないらしい。それを察知したのか、 『いいよ。』 と、言い、クルルのすぐ脇に横になる。 するとアルスの服のすそをクルルがぎゅっと握り締めた。 赤くなりながらうつむいて目を閉じているクルル。 しかし、疲れていたのだろう。すぐに寝息が聞こえ出した。 その寝顔を見つめながらアルスも目を閉じた。 アルスにとって今日一日とても新鮮な気持ちで、充実した一日だった。 クルルが攻撃をし、アルスはクルルを守る。 クルルはアルスが近くにいることに安心を覚え、 アルスもまた、クルルを守ると言う決意に満ちていた。 連日それを繰り返し、クルルのレベルが12になったころだった。 アルスが 『もう、誰とでもパーティーを組めることが出きるレベルになったね。』 と言った。 『えっ…。』 クルルは別れを直感した。そして例えようの無い、複雑な感情がこみ上げる。 『このヴァナ・ディールにはたくさんの人、ジョブがいる。そういった人とパーティーを組んで  もっと経験をしたほうがいい。僕も目的を見つけた。それに向かって歩き出そうと思う。』 クルルの顔が悲しそうな不安な顔になったのがアルスにはわかった。 『大丈夫。僕とでなくても立派に戦えるさ。』 クルルが何かを聞こうとしたその時アルスは言い出した。 『僕はナイトになる。仲間を守る為、大事な人を守る為に。その為にはまだレベルが足りない。  その為にまた戦いに出る。』 クルルはアルスの顔を見つめた。 『クルル、僕は君を守るナイトになりたい。その為にナイトになりたいと思ったんだ。』 クルルはすぐにその言葉が理解ができなかった。 『僕がナイトになり、クルル、君がレベル20を超えたら結婚したい。君が好きだ!』 そしてアルスはクルルに一つの真珠をを差し出した。 『もしよければこれを受け取ってくれ。』 クルルは小さな手でそれを取った。 『…!クルル!』 顔を上げたアルスの目の前には小さな両手で真珠を胸の前に握り締め、 目にいっぱいの涙をためたクルルがいた。 最初に会ったときとは違う喜びの涙をためたクルルが。 『ありがとう…アルス。わたしもアルスが好き!』 そういってクルルはその小さな身体をいっぱいに使ってアルスに抱きついた。 アルスもクルルを抱きしめた。そして初めてのキスを交わした…。 そしてその晩は野営ではなく、二人、アルスの部屋にいた…。 明日の準備をする間、言葉は何も出なかった。 明日の出発の用意も整い、ベッドのふちに二人座り暖炉の火をただ眺めていた。 口が開けられずにいた。 ふと、アルスがクルルを持ち上げ自分のほうに向かせ、自分の太ももの上に座らせた。 びっくりしながらアルスの顔を見上げる。 そのままクルルを抱きしめる。クルルの感触を覚えようとするように。 クルルもまた同様だった。 しばらくの間抱きしめ合い、アルスがクルルの額にキスをする。 頬にも、口にも、軽く、何度も。 そして長いキス。 耳にキスをする。クルルの身体が軽く震える。 耳元で『愛してるよ、クルル。』と、ささやく。 クルルがアルスの服をぎゅっと掴む。初めての野営を思い出す。 長い耳に唇をはわす。掴んでいるクルルの手に力がこもる。 アルスは片方の手のひらをクルルの頬にそえた。いつも以上に暖かいクルルの頬。 耳を唇でついばみ、歯で軽く噛む。 クルルが『くぅんっ』と声をあげる。 息が荒くなっているのがわかる。耳から首へ移動しながら更に愛撫を続ける。 クルルの全てが愛しい。はやる気持ちを押さえつつ少しずつ、少しずつ愛撫を重ねる。 首に強弱をつけながらキスをする。きつく吸って跡をつけたりしながら。 手を頬から少しずつ下ろす。首を伝い更に下へ…。 クルルの身体がこわばる。アルスの手の行く先に気づいたのだろう。 アルスの手のひらがクルルの小さな胸を包み込む。 手のひらに感じるクルルの感触。少しのふくらみの柔らかさ。小さな突起物。 服の上からでもよくわかった。 『…っん』 声にならない声がクルルから漏れる。 首や耳への愛撫を続けながらその手を軽く動かす。全体へ、一部分へと。 そのたびにさっきの様に声が漏れる。 手を離し、クルルの体を持ち上げベッドに横にさせる。 アルスも隣に横になりブランケットをかけ、クルルをじっと見つめる。 キスを交わす。何度となく。 そのままクルルの胸に手を触れさせる。 さっきよりもはっきりと鼓動が伝わる。 そしてクルルの上着のボタンに手をかける。 一番上のボタンだけを残し、一つ一つゆっくりと外していく。 キスをやめ、クルルの顔をじっと見つめる。 高揚しながらも少し不安そうな顔。 『クルル、ずっと君を守って行くからね。』 クルルがぎゅっとしがみついてくる。それに答えるようにアルスも抱きしめる。 手を服の下へと滑り込ませる。一瞬クルルの体がピクッと動く。 柔らかいふくらみ。壊れ物を扱うように優しく包み込む。 『…あっ…ん…。』 手を動かすたびに漏れるクルルの声。それでも声を出さないように頑張ってはいるのだろう。 たまに小さな乳首をつまむ。軽く。 『あんっ』 我慢ができなくなり、アルスの事をつかんでいた手から力が抜けていく。 目をつむり、赤く高揚した顔。 クルルの服をそっと開き、顔を近づける。 かわいい乳首をそっと唇でつまむ。 『ひゃっ』 そのまま口に含んだまま舌で転がす。 『あ…ああ…んっ…』 我慢のできない声が何度も聞こえる。かわいい声が。 最後のひとつのボタンをはずし、両方の胸をあらわにする。 それに気付いたらしく、両手で顔を隠すクルル。 『きれいだよ…クルル。』 手で顔を隠したまま左右に顔を振る。 アルスは顔をクルルの顔に近づける。 『手をどけて、クルル。キスができない。』 それを聞いてゆっくりと手をどかす。 キスを重ねる。そしてキスを首へとずらす。 アルスはクルルの手を握り締める。 少しでも多くクルルを感じる為に。クルルを少しでも安心させたいと思ったために。 クルルもまた同様に握り返す。 アルスの唇はクルルの小さな肩を通り、再び胸へ到達する。 手のひらと唇、舌を使い優しく愛撫する。 クルルの口からは止めど無く声が漏れ、途切れ途切れにアルスを呼ぶ。 胸にあった手が更に下がる。おなかに触れ腰をまわり更に…。 服の上からそっとクルルの恥部に触れる。微かにかする程度に。 その瞬間クルルの身体が激しくのけぞり 『ひゃんっ』 と、更に高い声が聞こえた。 クルルの唇を唇でふさぎ、恥部への愛撫を始める。 優しく振れる。草原の葉の先をなでるように。 それだけでもクルルの身体は敏感に反応する。 服の下へと手を滑り込ませ触れてみる。かなり湿っていた。 その状態にクルルも気づいていたらしい。また両手で顔を隠す。 アルスはクルルの身体を片手で少し浮かせ、ズボンを脱がす。 クルルはまだ手で顔を覆ったままだ。 そっと下ろし、手の上から軽くキスをする。 アルスも上を脱ぎ、ズボンを脱ぎ、クルルと一緒の格好になる。 クルルは指の間からアルスを見ていた。 戦士だけに筋肉で引き締まった身体。クルルはアルスの身体に見とれていた。 そしてまたクルルの脇に横になる。 クルルはいくらブランケットがかかっているとはいえ、かなり恥ずかしいらしい。 閉じている足に力が入っているのがわかる。 アルスはその緊張をほぐすかのように優しくクルルを抱き寄せる。 直にお互いの体温、感触が伝わる。 その中、クルルは脚の先に感じた違う物の存在に気づき、 それが何かわかったとき、顔が爆発する思いがした。 アルスはクルルがそんなことになっているとは知らず、ただクルルの感触を楽しんでいた。 アルスはクルルのお尻に手をやり、軽くさする。 下着越しにでも伝わる柔らさ。クルルはもぞもぞと動いている。 『くすぐったいよぉ〜。』 と、一言。 アルスは少し笑いながらクルルの上に覆い被さるようになる。 『クルル、かわいいよ。』 そう言いながらのキス。唇をついばみ、舌をからめながら。 アルスの手はお尻からそのまま下へ。 太もも、ひざ、ふくらはぎと這い回る。 クルルの身体が軽くのけぞる。 『くすぐったい?』 『ううん。』 小さく答える。 アルスの唇、舌は首、耳を。片手は胸を。もう片方の手は下半身をまさぐる。 足の力も徐々に抜けてくる。足の内側も愛撫する。 それはうち太ももから更に上へと。 そして恥部へ。 クルルの身体がぴくっとはねる。 さっきよりは力を入れ、押しうける様に這わせる。 もう湿っているだけではなく、下着越しに粘液の感触をあった。 下着の上ですらぬるぬるしていた。 アルスはクルルの下着の両手に手をかけ、 『いいかい?』 と、問いかけた。 しばらくじっとしていたクルルだが、コクンとうなずくと少し腰を上げた。 ゆっくりとクルルの下着を下げる。 毛のない、一本の筋の入った恥部があらわになる。 そこから下着に向かって引かれる数本の粘液の糸。 全ての衣類を脱がされ横になるクルル。 ただ、手で顔を隠さずじっとアルスを見つめていた。 アルスも最後の一枚を脱ぎ、クルルの脇に横になる。 しばらくの間みつめあう。 起きあがり、クルルの足元に座るアルス。 クルルの足を開き自分をクルルにあてがう。 心臓が爆発しそうなくらいになっている。アルスも、クルルも。 『アルス…手を握ってて…。』 手を握り合う。お互いに小さく震えている。 『クルル…いくよ…。』 小さくうなずくクルル。 『大丈夫だろうか…。』と思いながら下半身に力をこめる。 ゆっくり、ゆっくりとクルルの中に入り込んで行く自分自身。 『辛かったらいいなよ。』 『うん。』 きしむような感覚がお互いに感じられる。 軽い力では入らなくなった。『やっぱり無理かな…。』とアルスが思っていると、 『アルス…そのまま来て…。』 涙目でいうクルル。 『大丈夫なの?』 『うん…。初めてだから怖いけど…、アルスを受け入れたい…。あきらめたくない…。  アルスと一つになりたい…!』 大粒の涙がクルルからこぼれる。 クルルの手を握っていた手に少し力をこめ、キスをする。 『クルル、愛してる…。』 『私も…アルス…。』 アルスは更に力を入れる。なにかを通りぬけて行く感覚と共に、一筋の血が落ちる。 クルルは苦痛に顔をゆがめている。 『クルル…?』 『大丈夫…ちょっと痛いだけだから…。』 今、四分の一くらいだろうか。どこまで入るのだろう…。 『大丈夫…アルス、もっと来て…。』 顔を赤らめながら言う、クルル。 更におくへと進む。きしむ感覚はまだある。かなりきつい。 半分くらい入ったところで突き当たる間隔。 『アルス…もう無理みたい…。』 『うん、わかる。』 『まだ痛い?』 『ちょっとだけ。ジンジンいってるけどね。』 緊張が解けたのか、二人でちょっとだけ笑いあった。 『動いても平気かな?』 『ゆっくりね…。』 少しずつ腰を引くアルス。 クルルの顔がさっきの苦痛とは違う顔にゆがむ。 内壁がアルスを締め付ける。たまらなく気持ちがいい。 大量の分泌液と共に内壁のザラザラ感。思わず声が出そうになる。 『クルルの中、すごくいいよ…。』 恥ずかしそうにふくれるクルル。 しかしはいってくるアルスの起こす感覚に元の顔に戻る。 『あ…んっ…くぅん…。』 かわいい声を上げるクルル。 その声に翻弄され、少しずつ、少しずつ動く早さを上げる。 『…あんっ…だ…め…そんな…。』 アルスの部屋にはクルルの声、ベッドのきしむ音、二人の吐息の音、 そして二人のつながる部分からの水っぽい音だけが響いていた。 『だめ…もう…何も…考えられない…アルス…アルス…  抱いて…抱きしめてて…私…どっか行っちゃいそう…。』 強くクルルを抱きしめるアルス。彼もまた余裕はなくなっていた。 『あ…だめ…アル…アルス…あ…ああ…ああぁぁぁぁぁぁ!』 『クルルッ!』 二人同時に達し、アルスは欲求を吐き出し、クルルはそれを自分の中に感じていた。 アルスはクルル片手で抱え込み、横にくるっと回りクルルを上にした。 そしてそのまましばらくの時間が過ぎた。 『寝ようか…。』 『うん。』 満ち足りた時間の中、二人は暖かなベッドの中で眠りについた。 明日からの一時の別れをも、忘れたかのように…。 幸せの中で…。 朝…。 二人は身支度をしている。 決意に満ちた二人の顔。 もう不安などはどこにもない。 二人での約束…ただそれを果たす為に今日、出発する。 『クルル、行こうか。』 『うん。アルス。』 二人でドアを開ける。 朝日がまぶしかった。 後に闇の王の前に立ちふさがるパーティーの中、 結婚指輪をした騎士と黒魔道師がいたという…。 Fin.