誓約 実はタルタルという種族には酒豪が多い。 元来美味な食事と酒を好む種族なのだ。 しかしどこにでも例外というものがあるらしい。 「う〜、駄目だぁ〜これ以上飲んだら寝ちゃう」 ハナはグラスをラグの上に置いて、もっと飲みたいのに、と溜め息をついた。 隣に座っていたヒュームの青年が彼女の長い耳に口を寄せた。 「寝ちゃえば?…抱っこしててあげるよ」 言うと同時に膝の上にひょいっと抱き上げる。 「おいフィル!お前…っ何やってるんだ ハナも大人しくしてるなよ」 少女の恋人でもあるエルヴァーンの青年…エドがムキになって彼女の身体を取り返そうとする。 勢いあまってラグの上に3人で転がって、なんだかおかしくなって笑い合う。 二人の青年が出会ったの時はまだ「冒険者の卵」だった。 途中でハナが仲間に加わり、早いもので数年が立つ。 出会った当時戦士だったエドは騎士となった。 今日は彼が騎士の任をうけた記念日。 3人の関係は少し変わってきたけれど、この日を祝う習慣は変わらない。 「ああ、もう髪の毛ぐしゃぐしゃ」 二人の男の間に挟まれた少女が這い出してきた。 笑いすぎて涙目になっている。 ポニーテールをほどくと赤い髪が肩にぱさりと落ちる。 「ちょっと髪の毛梳かしてくる〜ぼさぼさだぁ」 「あ、じゃあついでに台所いって酒もってきてくれよ」 「はいはい」 立ち上がって寝室に向かう後姿を見送って、エドはふむ、と神妙な面持ちを作った。 「どうした?」 「いや…髪の毛下ろすといっちょまえに女らしいなと…」 「何いってんの。ハナはいつも可愛いじゃないか」 何!?と過剰に反応するのが面白い… 「お前もなぁ…人の女に構ってないで…ほら、エヴァとはどうなんだよ。こないだ良い感じだったじゃん」 「ああ」 彼女はお前にちょっと似てるから構ってるの。…といったら流石に怒りそうなので それは適当に流しておく。 「…お前の彼女になってもさ、やっぱハナは特別だし」 フィルは傍らに置いていたレイピアを鞘から抜いた。 そうだろう?と傍らの男に同意を求める。 「ああ…そうだったな。悪ィ。」 エドもにやりと笑い返して傍らの騎士剣を抜く。 「うわっ!!なにやってるの?」 二人の青年が剣を抜いて向かい合っていたので、 ドアを開けたハナは驚きのあまり抱えていた酒瓶を落っことしてしまった。 ラグの上に瓶が転がるのも構わず、慌てて二人に駆け寄る。 「ど、どうしたのよ〜部屋の中で…」 「…ハナ」 「は、はい」 フィルとエドは目くばせをして、すっとハナの前にひざまづいた。 剣を傾けて捧げる。 あの日もこうやって二人で誓ったのだ。盾となり剣となり彼女を守ろうと。 誓いを捧げられたハナは、感動したのか胸をぎゅっと押さえた。 「懐かしい…まだ覚えててくれたんだ」 「忘れるわけねーだろ…って、おい!危ね…」 幸せそうに微笑んで小さな手を伸ばす。驚いた彼らがそれを引くより早く 二本の剣で指先に十字の傷をつけた。 白い指先に赤い玉が出来る。 「…お前」 歩み寄り、指先に滲んだ血を二人の額に付けた彼女は 最後に自分の唇にあてて、何か呪文を呟く。 二人の額に少し熱い感触が伝わり、唇を自らの血で紅く染めた少女が艶然と微笑んだ。 「誓いをもらったときは知らなくて返せなかったから。これが黒魔道士流なんだって。」 貴方たちに私の魔力の全てを捧げます。私には大きな剣も頑丈な盾もないけれど。 ハナは二人の頬にキスを落とした。 えへへ、と照れくさそうに笑う。 「なんかーーはーーずかしーーもう、お酒も転がっちゃうし」 誤魔化す様にくるりと後ろを向いた腕を、エドがぐい、と引いた。 「わっ」 「酒はもういらない」 抱き込まれて お前が良いな、と熱い吐息が耳にかかる。 「さっき言っただろ、俺に全部くれるって…いや…」 「俺たち…だな」 「な…なに、なに、いきなり…ひゃああ」 フィルの細い指に部屋着をたくし上げられてハナは悲鳴をあげた。 急にどうしたの、と必死で二人に訴える。 「変だよ急に、やだ、怖いよ、ねぇ」 「怖くないよ、優しくするから」 いやいやいやそういう問題じゃないっすよお兄さん方、と心の中で 非常に色気のないツッコミをしてみる。 シャントット博士に教えてもらった誓いになにか問題でもあったのだろうか。 教えてもらった相手が根本的に間違っている点に気づかないまま 彼女は恐怖や痛みからではない悲鳴を上げた。 ************************************************* 「貴方たちに私の魔力の全てを捧げます」 額に付けられた血が、じんと熱くなる。 さあ、私の全てを食らいなさい、二人の青年の頭の中に声が響く。 ああ、これが魔女の誓約なのか。 フィルは感動に近い思いを抱いていた。 二人の頬に口付けをして、何事もなかったかのようにハナは笑う。 彼の額には、まだ余韻のように熱い感覚がじりじりと残っていて。 目の前の少女を無茶苦茶に犯したいという衝動に駆られそうになった。 彼は元来淡白な方で、あまり自発的な性欲というものがない。 それなのに抱きたいと思う数少ない相手が よりによって親友の恋人というのは頭が痛い。 困ったよなあ、と思って隣を見る。 エドも同じ声を聞いたのだろう… 彼の方は迷わず腕を伸ばしてハナの身体を後ろから抱き締めた。 まっすぐフィルを見て、「来いよ」と口元だけで伝えてくる。 さすがにこれから自分が何をされるのか理解したらしく、 ハナは狼狽してじたばたした。 おそらく本人は自分から誘った自覚なんてないのだろう。 そう判っていたが、構わずフィルは手を伸ばして部屋着をたくし上げた。 多少暴れても後ろから抱え込まれているためにハナは太刀打ちできない。 とうとう下着まで全て脱がされてしまった。 「嫌だぁ…恥ずかしいよぅ、やめてよぅ」 涙目になって嫌々をするが、許されるはずもなく。 両足をM字に開かされて明かりの下でつるんとした下半身が晒される。 「流石に濡れてないか?」 「さぁ…どうだろ…ハナ、ちょっと見せてね」 二人の青年はまるで戦闘前に連携の相談をするように軽口を叩き合う。 まだぴったりと閉じたスリットをフィルの指が押し開くと、ピンク色の花弁はじわりと露を含んでいる。 「あ、ちょっと濡れてる」 「見ないでってば…お願い…」 タルタルの娘はグスンと鼻をすすって訴え、 必死で脚を閉じようとするが当然そうはさせてもらえない。 本当に恥ずかしいのに、下腹部がじんじんと疼いてくる。 「大分出てきたな」 指先が花弁の際をなぞると、秘部から愛液が涙のように溢れ出て菊門に垂れていく。 快感に脆い身体はその時点で降参してしまったようだ。 「もう…意地悪、しないで…」 たまらなくなったハナが涙目で二人を睨み付けて、かすれた声で訴える。 「あれ?意地悪なんてしてる?」 「…じゃあどうしてほしいんだ?言ってみろよ。ん?」 「あぅ…だから、ちゃんと、その……して…」 恥ずかしさの余り半分べそをかきながら小さな声で懇願する姿に 男たちは満足そうに微笑んだ。 「ちゃんと言えたね…じゃあちゃんとしてあげる。」 「ふぇ…あ、ああっ…駄目、汚いよっ」 フィルが下腹部に顔を寄せたので慌てて脚を閉じようとする 「こら、じっとしてろよ。」 「だって、フィルが、や、あ…ひゃう、あああっ」 青年の舌が包皮を除いて露になった陰核を捕らえて嬲る。 触れられたそこがじんじんと熱くなり、局地的だったソレは大波となってハナを襲う。 「きゃうぅっ」 つま先までピンと伸ばしてあっさりと一度目の絶頂を迎えてしまった。 「うわ、もういっちゃったの…」 「ちょろいからな、ハナは。…何回でもいっちゃうぞ、ほら」 「すっごいな…どんだけ出てくるんだろこれ」 ぐちゅ、と二人分の指が挿入される。 狭い膣口は押し広げられ、抜き差しによってほぐされていく。 内壁の敏感な部分をぐいぐいと押されて貪欲な襞が細かく震え出す。 4本程捻じ込まれた指を締め付けながら2度目の絶頂。 「いやぁっ…あ、掻き混ぜないで…ああああっ」 「俺降参、締め付けられて痛いや」 笑いながらフィルが先に指を引き抜くと出口を失っていた愛液が勢い良く飛び出る。 透明な粘液は間欠泉の様に何度も噴出し、シーツに小さな泉を作った。 「どうしたんだよ、ハナ。潮まで吹いてるぞ」 「し…しらないよぉ…っ!あ、あ、熱いっ…」 指が引き抜かれると開いた膣口が名残惜しそうにヒクつきながら閉じていく。 「先に入れるよ…さあ、お尻こっちむけて」 「しゃーねーな、ほらハナ。俺の舐めろよ」 言われるままに4つんばいになり、背後からフィルを受け入れる。 すがる様に目の前の恋人を見上げると、頭を掴んで股間に押し付けられた。 到底口の中に収まらないそれを夢中で舐めまわし、両手で擦る。 後ろからずぶずぶと突き上げられるので勢いで喉の奥まで当たる。 「んぐぅっ…あ、あむっ…ううっ…は、はぁあう」 内壁をぐりぐりと抉られて思わず背が反り返る。 ハナはエド自身の根元に横からしゃぶりついたまま尻をつきだしてぶるぶると震えた。 この波がもう何度も来ている。幾度となく気を遣ってしまいそうになる彼女の長い耳を 自分のモノをしゃぶらせている男の手が優しくひっぱった。 「こら、口がお留守だぞ」 「ひゃうぅ、ごめんなさい…ひゃ、やああああああっ」 「あ、ごめん、こっちもヒクヒクしてたからつい」 菊門にフィルの指が2本突き立てられている。 愛液で滑った指がゆっくりと蠢くたびに、悲鳴が上がって膣がぎゅうぎゅうと締め上げた。 「…こっちでも気持ちいいみたい…うわ、すっげー締まる。」 「まじで?」 「うん。入れてみろよ。」 ぐっしょり濡れた胎内からフィルのモノが引き抜かれた。 秘所が閉じる間もなく身体をぐいと引き起こされてもう一人の男根が挿入されていく。 自分の体重も加わって子宮口にズンと先端がぶつかる。 愛液の飛沫が濡れた音とともにエドのひきしまった腹筋にまで飛んだ。 「ひゃあああうううっ!や、あんっ」 「入れるよ、ほら」 唯でさえ内臓を圧迫されているのに、肛門からも再び異物が侵入してくる。 滑った指は痛みより違和感と次第に快感を与えてきて、ハナはガクガクと痙攣した。 「う…わ、すごすぎ」 「いや、いや…やだあ、お尻の、ぬいて…変なのぉ…あぅ…」 甘えた泣き声が突然悲鳴に変わる。 千切れるかというくらい締め付けられてエドも呻き声を上げた。 「きゃああああああああっ!い、いたいっ…!いたいよぉ…!」 菊門にずっぽりとフィルが自分を咥えこませている。 小さな身体に男二人分受け入れるのは相当つらいのか、 ハナは息をするのもやっと、といった感で涙を流した。 「ぐあ…お、お前無茶しすぎ…」 「うわ、きっつぅ…ハナ、まだ痛い?ほら、力抜いて…」 「いた…いたいの、あ、ああ、だいじょぶ…けどぉっ…ひゃうぅ…」 髪を撫でられて、なんとか呼吸を整えると 下半身にずっぽりと埋め込まれた二人のものが脈打っているのが判る。 「いや…お腹っ…変だよぉ…熱い…なんか入ってる…」 「何かって言うか 入れてるんだけどな…うっ…」 「あ、あ…熱いよぉ、助けて、助けてっ…」 内臓全体が圧迫されて、苦しいのに快感が身体の奥から涌き出てくる。 たまらなくなって嫌々と身体を捩るハナの腰をエドの手が押さえた。 「ひゃうーっ」 「動くなって…コラ腰振るな。出ちまうだろ…」 「…だ…だって…んっ…もっとぉ」 「エド、悪い。俺やばい」 後ろからハナを抱き締めてじっとしていたフィルが掠れた声を出す。 相当我慢していたのか、少し目が潤んでいる。 「動いてないのにイキそ…」 「俺も…くっそ…締まりよすぎ…」 快感のあまり声も出せなくなったのか、 ハナは上を向いて唯空気を求める魚のように喘いでいる。 その度に襞が違う生き物のように蠢いて 根元まで咥えこんだ男たちを離すまいとしていた。 「…フィル、ハナをしっかり支えとけ…動くぞ」 エドが低い声で唸るように呟き、膣内を犯し出す。 更に強く子宮口を突かれて悲鳴に近い嬌声が漏れる。 「いや、いやああああっ」 何度目かの絶頂の波は遥かに大きく、二人の青年を包んだ襞が一斉に震えて収縮する。 「う…くぅっ…」 「…くしょぉっ」 下腹部から脳幹に突きぬけるような衝撃。 子宮が蕩ける様に熱くなり、目の裏に火花が走る。 急激に意識が落下する中、 下腹部で脈打ちながらじわじわと暖かいものが広がっていく感覚にハナの口元が微笑んだ。 「抜くか?」 「…もったいないから、もうちょっとこのままにしとく」 「あー。俺も同感…う、やべー もっぺんしたくなった」 気を一瞬失っていたらしい。 抱き締められたまま頭の上で声がしていて、ハナは意識を取り戻した。 まだ秘部に男たちを留めたままで、蕩けそうな下腹部に刺激が更に伝わる。 「こっちと交換する?」 「あ…そっちもいれてーかも…ハナ、もっぺんやっていい?」 何度イッたかわからないのに。 彼女の身体はまだ男の精を欲しがっている。 …あたし、おかしくなっちゃったかな…でもいいや、すごく、気持ち良い… 「…して、もっと…もっと出して」 背を反らせてぎちぎちと締め上げ、ハナは甘えた声で 足りないよぅ、とねだった。 ****************************************** 「あら、貴女魔力が少し成長しましたわね?」 古代魔法の勉強に訪れたウィンダス。 ハナはスペルの書かれた羊皮紙を手に 目の前の元口の院 院長をぽかんと見上げた。 「…そうですか?確かにINTは上げてますけど…」 「あたくし、そんな低次元な話はしていなくってよ!」 元院長…シャントット博士はいつものポーズで高笑いをする。 「貴女の…そうですわねぇ。魂の力とでも表現できるかしら。」 「え、そんなものが…ありがとうございます!」 変わり者でどうしようもないが、魔道を志す物として博士は憧れだ。 その人に褒められた嬉しさにハナの顔も綻ぶ。 よし、このスペルも完璧にマスターしよう。 うんうん、と一人頷くハナをじぃっと見詰めていた博士が人の悪い笑みを浮かべた。 「そうですわ。貴女…あたくしが教えた誓いの方法、きちんと実践できまして?」 「………!」 羊皮紙を思わず握りしめそうになるほど動揺してしまった。 誓い云々はきちんと行った。 ただ、その後次の日3人ともベッドから出れなくなるほど 痴態を繰り広げてしまったのを思い出してしまって頬がかぁっと熱くなる。 「ホーホッホ!貴女本当に判り易いですわね!  …あたくしに感謝なさい!あの誓いのお陰で魔力が上がったのだから」 誓いを行うだけなら唯のおまじないだが、 それを捧げた相手と契りを交わせば却って自らの魔力が高まる。 黒魔道に古くから伝わる契約方法だが、物が物だけにほぼ封印されていたのだ。 契り云々は(博士的に)面白いので内緒にしてあるのだが。 「それで、どなたに誓いを捧げましたの?あの粗野で馬鹿でかい騎士かしら」 「え…はい。えと、後もう一人赤魔道士の…こないだ来た…」 「…二人?」 「は、はい。二人に誓いをもらったので、その」 「要するに二回したという事?」 「いえ、あの、二人いっぺんに…え、えと、まずかったですか?」 「二人 い っ ぺ ん ですって…」 おろおろするハナに、表面上冷静を装って、なんでもありません事よ、と伝える。  二人一度にですって…?やるわね、この娘…でも  超 生 意 気 で す わ ! シャントット博士のいぢわる魂に火をつけてしまった事に気付かぬまま ハナは古代魔法の羊皮紙を抱えたまま首を傾げた。 おわり 3Pむつかしー シャントット博士むつかしー 修行してきまつ。どろん。