レンタルハウスに帰ると、一通の手紙が届いていた。 裏を返してみても、差出人の名前はない。 『今夜は、種族限定酒場がエル♀Mの日です。よかったら来てください』 白いメッセージカードと地図が添えられていただけで。 「ふーん・・・こんな酒場なんてあったんだ?気がつかなかったな。」 だれに言うでもなく呟いて、彼女はそれをベッドの上にポンと放り投げた。 一番奥の席に通されて、彼女は一人ポツンと座っていた。 やがてグラスが運ばれてくる。 (そういえば・・・。) 酒を飲みに来るのは久しぶりだった。 最後に来たのは―。 そこまで考えて、彼女はグラスをあおった。 3ヶ月前。彼女が恋人と別れたサンドリアの酒場が最後。 前々から、恋人の態度が冷たくなったのを薄々感じてはいた。そして彼の身近に自分が知らない女の影が見え隠れしていたのも―。 (嫌いになったんじゃない。) 彼はテーブルに視線を落とした。 (じゃどうして?ねぇ?) 腕を掴んだ彼女を制するようにして、彼は小さく首を振った。 (オマエ、俺なんかのために一生懸命やってくれたよ。それは感謝してる・・・でも・・・。) 彼は言葉を区切るように、グラスをあおった。 (そういうさ、一生懸命なとこ・・・重荷なんだ・・・。) 人が入ってくる気配を感じて、彼女はハッと我に返った。 どうやら泣いていたらしい。両手の甲で慌てて目をこする。 「やぁ。来てくれてたんだ?」 その声に顔を上げると、そこに一人のヒュームが立っていた。 2,3度PTに誘われた事があって、顔に見覚えがある。 (名前なんていったっけ・・・?) 思い出せない。 「カードは・・・あなたが?」 「ああ。迷惑かな?って思ったけど、来てくれて嬉しいよ。」 『嬉しい』と言われて、悪い気はしなかった。 「どうした?なんか浮かない顔してるぞ?」 図星をつかれて、彼女は慌てて背筋を伸ばした。 「そ、そんな事・・・ないですよ。ちょっと考え事・・・。」 ヒュームはバーテンに注文すると、彼女の横に腰を下ろしてタバコに火をつけた。 「彼氏の・・・事とか?」 タバコの煙を吐き出して、彼はほんの少しだけ笑って見せた。 「ま、まさか!そんな人・・・いません!」 彼女は顔を赤らめてグラスをあおった。 「一人なんだ?」 2杯目のグラスを空けた頃、彼はタバコをふかしながら彼女を見た。 彼女が小さく頷く。 「ふられ・・・ちゃったんです、私。」 「勿体ないな、こんな美人さんなのに。」 「そんな・・・私なんて・・・。」 彼女は俯いて顔を赤らめた。 「もっと自信持てよ。」 「でも・・・。」 潤んだ視界が一瞬滲む。 彼はほんの少し位置をずらして座り直すと、そっと彼女の肩に手を回した。 肩を抱かれて、彼女は一瞬ためらったように彼を見た。 「寂しくないか?」 「そんな・・・寂しいだなんて、私・・・。」 「寂しいと思った事はない?精神的にも・・・。」 彼は彼女の瞳を覗き込むようにして顔を近づけた。 「それは・・・。」 彼は膝の上に置かれた彼女の手に自分の手を載せると、彼女の指先をそっと撫でた。 彼女がピクリと反応すると、その手がやがて彼女の太ももの感触を確かめるように動く。 「あ、や・・・。」 彼女は僅かに体を離した。誰かが見ているのではないかと、ちらりとカウンターのほうへ視線を移す。 「はずかしがりやなんだな・・・。」 「だって・・・こんな所で、誰かきたら・・・。」 「来やしないさ。」 彼は短く言って、再び彼女の太ももをまさぐり始めた。 「ま、待って・・・。」 男は構わず、彼女の耳元に唇をよせた。指先が太もものさらに奥へと侵入してくる。 「抱きたいな。」 「え・・・?」 「抱きたい。」 「そんな・・・!」 「寂しいんだろ?」 彼の手がやや強引に彼女の足を開かせ、下着の横から滑り込んで来る。 指先がたやすく彼女の敏感な所を捉え、押し付けるように愛撫されると彼女はビクっと身を震わせた。 男の指が躊躇なく、彼女の花弁を掻き分けて彼女の膣口へと差し込まれる。 「は・・・ふぁッ!」 久しぶりに与えられた刺激で、彼女の体の奥がちらちらと炎であぶられたように熱くなる。 「もうこんなに濡らしてるじゃないか。」 耳元で男の低い笑いがする。 「いやぁ・・・!」 「ほら、お前のいやらしいここがオレの指に絡み付いてくる。」 「やめ・・・やめて・・・お願い・・・。」 男の手が彼女の膣口から引き抜かれ、彼女の下着にかかると、彼女は反射的に彼の体を押し退けた。 「そんなんじゃない・・・私・・・私・・・」 「・・・・・・」 ローブの裾をぎゅっと掴んだ彼女の手が震えている。 「ごめんなさい・・・私、帰ります・・・!」 彼女は慌てたように立ち上がると、酒場のドアのほうへ小走りに駆け出そうとした。 がしかし、彼女の意思に反して視界がガクンッと揺れ、彼女は床に両手をついた。 (え・・・?) 足が震えて立てそうにない。 彼女が自分の体の変調にパニックを起こしていると、男は咥えタバコのまま彼女の傍らにゆっくりと近づいて行った。 「どうした?ん?帰るんじゃないのか?」 顎ひげを軽く撫でながら彼はほんの少し目を細めるようにして笑った。 「あ、足・・・が・・・」 「足が?」 彼女の体が小刻みに震えている。視線が宙を彷徨ってから再び彼に注がれる。 「あなた・・・お酒になにか・・・」 「さぁ?」 彼はタバコの煙を吐き出して低く笑った。 紫煙の向こうで冷酷な笑みを浮かべながら自分を見下ろす男。 彼女は泣き出しそうな自分を励ますように、キッと彼を睨み付けた。 「なにする気ですか!ひ、卑怯者・・・!」 「たまんないねぇ、その泣きそうな顔。アレがむずむずしてくるぜ?」 「バカにしない・・・で・・・!」 薬が効いてきたのだろう、目の前が霞む。彼女は必死に首を振った。 「あなたになんか・・・。」 「ん?」 男が笑う。 「自由にされて・・・たまるもんですか・・・。」 「いいね、その向こうっ気の強さ。仕込み甲斐があるってもんだ。」 そこまで言うのが精一杯だった。彼女は絨毯の上にガックリと倒れ込んだ。 (助けて・・・誰か・・・) 元恋人の名を呼んだような気がしたが、彼女の意識は暗い波間にさらわれていった。 なにかを引き摺るような重い音―。 鎖のような何か・・・。 (なんの音だろう・・・) 彼女はゆっくり目を開けた。 頭が酷く痛む。それから手が冷たくなっているのに気がついて、彼女は無意識に自分の手を動かそうとした。 しかし、重い金属音はするが、両手は意思に反して思うようには動かなかった。 「え・・・?」 急激に戻ってきた意識で、慌てたように辺りを見回すと石造りの何もない部屋の中にいた。 石でできたレンガの壁と、その壁に取り付けられた鎖。隅にはロウソクの乗せられた小さなセカンドテーブルと。 床にはなにかわからない液体が作ったいくつかの染みがあった。 「ここ・・・どこ?」 見れば、自分の両手は天上から吊るされた太い鎖で繋がれた皮のベルトで固定されていた。 両手が冷たいと感じたのは、たぶんしばらくそうやって手を思い切り上に上げた状態だったからだろう。 「んッ・・・!やぁ!離し・・・誰か!」 「お目覚めかな?」 自由にならない頭で声がしたほうを振り返ると、粗末な寝台の上に足を投げ出すようにしてあの男がいた。 タバコをふかしながら彼女を見ている。 一瞬、軽い恐怖を覚えて彼女の肌が総毛立つ。 「いい格好だな?お姫様。」 「え・・・?」 視線を下ろすと、自分の二つの胸が露わにされているのが見えた。当然全ての衣服は剥ぎ取られた状態になっている。 「いやぁ!なんで・・・?!」 「くくッ・・・。」 「へ、変態・・・!」 彼女は唇を噛んで、キッと彼を睨み付けた。 「おやおや、怖い怖い。」 「離して!」 彼はタバコを咥えたまま、寝台から降りると、ゆっくりと彼女の傍へと歩みよった。 「離してって言ってるでしょ!」 彼は口に咥えたタバコを取ると、煙をふぅーっと彼女の顔に吹きかけた。 「んッ・・・!」 彼女は顔を背けて、軽く咳き込んだ。煙が染みたのだろうぎゅっと目を閉じる。 「わかってないな。」 彼はタバコを指先に挟んだまま、その火のついた部分を彼女の胸に近づけた。 「いやぁ!あ、熱い・・・!」 肌に直接押し付けてはいないものの、焙られた部分がチリチリと傷む。 「や!やめて・・・!熱い!」 彼は満足気に笑うと、再びそれを口に咥えた。 「なにが目的なの?!」 彼は答えず、彼女の脇腹をすぅっと撫でた。彼女の横を通ってゆっくりと彼女の体を撫でながら彼女の真後ろに立つ。 視界から消えた分、それは彼女の恐怖心を煽るのには充分だった。 「ねぇ!なにが目的なの?!」 男の両手が彼女の尻を撫で、ふいにぎゅっと鷲掴みされる。 「ひ・・・!」 「怖いか?」 彼女の足首にベルトが巻かれ、両足を開いて固定するための長い棒がつけられていた。 そのベルトを外さない限り彼女が自分の意思で足を閉じる事はできない。 「離して・・・!ねぇ、お願いだから・・・!」 不意に。 男が傍らにあったテーブルから何かを取り出す。彼は躊躇う事無くそれを振り上げた。 空を切る音がして、彼女の尻にするどい痛みが走る。 「ぎゃぁ!」 獣のような叫び声が彼女の口から発せられる。 そして再び。 「いやぁッ!!や、やめてぇ!!」 2度、3度と肉を叩く音がしたかと思うと、彼女の体がガクガクと震え、足の間から多量の液体が太ももを伝って落ち、 石造りの床に大きな染みを作った。 「あーあ。もう漏らしやがった。こりゃまた随分躾のなっていないメス犬だな。」 彼女は震えていた。ぎゅっと閉じた目からボロボロと涙が溢れる。 痛さと恐怖と、そのせいで男の前で無様に失禁してしまった己を恥じて。 「も・・・やめて・・・おねが・・・い。」 彼女は涙に濡れた目で、男を見ると掠れた小さな声で哀願した。 「聞こえないな?」 「もう・・・やめて・・・痛いの・・・お願い。お願い・・・だから・・・。」 「口の聞き方がなってないな?」 男の手が彼女の髪を掴み、彼女は無理矢理上を向かされた。 こんな男に―。 涙でぐしゃぐしゃになった顔を見られるのさえ汚らしいと思ったが、これ以上逆らえば再びぶたれるかも知れない。 「やめて欲しいなら、それなりの言い方で丁寧に頼んだらどうだ?」 「ひっく・・・ぐすっ・・・」 「ちゃんと言えたら止めてやってもいいんだぜ?」 「・・・・・・」 男は手に持っていた短鞭で、彼女の顎をぐいっと上に押し上げた。 「ほら、どうした?」 彼女は暫く黙っていたが、諦めたように目を伏せた。 「ゆ・・・許して・・・ください。痛い・・・んです。お、お願い・・・しま・・・す。」 「それだけか?」 男は表情すら変えずに彼女を見つめていた。 「手・・・手を・・・緩めてください・・・。つらくて、もう・・・。」 涙に濡れた瞳で男を見上げる。彼は無言のまま壁にあったレバーをほんの少しだけ下げた。 肩に張り詰めていた力が不意に戻って、固定されていたせいか鈍い痛みが彼女の肩を襲う。 「ッ・・・!うぅ・・・!」 だがしかし、彼女の両手は彼女が自分の自由にできる位置までは下がる事がなかった。 「な!いや・・・!離して!」 男は手に持った鞭で、ヒュっと空を切った。 彼女の体がビクリと震える。 「緩めろ、とは聞いたが。離してくれとは言われてないな?」 「そんな・・・」 「大体・・・」 再びピシリッと、彼女の尻に鞭を叩きつける。 「きゃぁッ!」 「オレに命令できる立場か?」 「うぅ・・・う・・・」 彼女は男から顔を背けるようにして唇を噛んだ。くやしさに顔を歪ませる。 男は手を伸ばすと、彼女のバストの感触を楽しむようにやんわりと握った。自由にならない体をよじってその手から逃げようとする。 「あーあ。なんだ?ちょっといじっただけでもう腰振りやがって。」 「ち・・・ちが・・・!」 「聞こえないな?」 男はまるでこねるように彼女のバストの感触を楽しんでいる。乳首を指先で摘まれて彼女の体が小さく震える。 「やめてぇ・・・もう・・・」 彼女は顔を伏せてしくしくと泣き出した。 「もうやめてぇ・・・お願い・・・お願い・・・し、します。」 涙が石造りの床にひとつ、ふたつと落ちて小さな染みを作っては消えていく。 「な・・・なんでもするから・・・ぶ、ぶたないで・・・ください。お願いします・・・」 髪をぎゅっと掴まれて、再び上を向かされた。 男の顔がすぐ近くにあって、彼女は咄嗟に顔を背けた。 「なんでもする、って言ったな?今。」 「は、はい・・・」 (ジュノは賑やかだけど、怖い場所もあるんだ。) いつか恋人が言っていた言葉を思い出す。 ジュノに来たばかりの頃は、恋人のいいつけを守って怪しい場所に足を踏み入れる事がないように気を張っていたはずなのに。 いつしか冒険者としての実力をつけてきた自分に自惚れていたのかも知れない。 きっと犯されて終わるだろう。これは事故なんだ。差出人もない手紙の場所に警戒する事もせず行った自分の浅はかさ。 その為の罰なんだ、と彼女は思った。 犯されている間だけ。ほんの少し我慢すれば自分はきっと解放される。その後は自分が黙ってさえいれば誰にもバレないだろう。 彼女はそう思っていた。 男は彼女の背後に回ると指先で彼女の花弁を掻き分けた。そのまま彼女の奥まで無遠慮に指が入り込んでくる。 「んッ・・・!」 彼女はビクっと身を震わせた。 男の低い笑い声にも、じっと目をつぶって耐えるしかなかった。 「おっと・・・さっき出したモンが溢れてきたな。」 彼女の膣口から、どろりと白濁したものが溢れて腿を伝う。 「・・・え?」 「さっきは凄かったな・・・?。意識がないとはいえあんなに腰振られちゃ、オレだってさすがにもたないよ。」 彼女の足が震えている。 「すんげぇ声出してひぃひぃ言って・・・。いつもあんななのか?お前。」 彼女は自分の足元からすぅっと血の気が引いていくのを感じた。眩暈と吐き気がする。 「いい体だ・・・」 男の両手が、まるで慈しむように彼女の体を撫で回す。 「うッ・・・うぅ・・・!あ・・・あぁあああああッ!」 彼女は体を震わせながら激しく泣きじゃくった。 男が見ている事など関係ない。声をふりしぼるようにして、彼女は号泣した。 犯されている間だけ。ほんの少しの間だけ我慢しようと思った。 しかしすでに、意識がない間に自分は陵辱されていたのだとわかると、彼女の意思とはもう無関係で、 それを認識した時初めて自分が抑えられなかったのだ。 やっとの思いで繋ぎとめていた意識の砦が崩壊した瞬間だった。 「いやぁぁ!いやっ・・・いやぁッ!」 彼女は自由にならない体を震わせて泣いていた。 男はタバコをふかしながら、ただ黙ってそれを眺めていた。 つづく・・・かな(汁) ********************************************************************************** どうも。お久しぶりでゴザイマス。ななピ改めJadeでございます。 ってか、いつもの路線とちょっと違うものを・・・と思って書いているのですが どこを切ってもエロまみれの金太郎飴系エロ@ちょこっとSMよ、イヤン。みたいなね。 なにを言ってるか良くわかりませんが。 最近トシなせいか、腰を痛めてしまい、立つのも座るのもアレな感じです。 日頃の行いのたまものっつうヤツですか?コレ。 神はいない!と身に染みてわかりました。 んなわけで、これの続きはTP50%くらいまで書きあがってんですけども どうにも腰が痛くてアップはちょと遅くなりそうでつ。 ごめんなちゃい。