港を抱えるセルビナの町は、3つの国から集まる冒険者の喧騒でいつも賑やかだ。 明るい太陽の降り注ぐ、開放的なイメージが人を寄せるのかは不明だけれど。 私の少し前を、長身のエルバーンが歩いていく。 きっちりと後ろで束ねられたホワイトブロンドの髪が歩くのに合わせてわずかに揺れる。 私は早足で歩く彼の後を、ちょっと遅れてついていった。 私が早足でなければ追いつけないのを彼は知っているが、今の彼は 私がそうしない理由を知っているはずだ。 そう。私は今さっき彼に叱られたばかりで。 『お前は白魔道士の仕事をわかっていない』 それが彼の言ったセリフだった。 (私だって・・・一生懸命やってるのに・・・それに・・・) 私はちょっと立ち止まって足元の小石を蹴飛ばした。 わざとやったわけじゃないけれど、それがまた運悪く彼の踵に当たり、彼は足を止めた。 (あちゃ、また怒られるかな・・・) 肩越しに振り返った彼と目が合って、私はびくっと肩を竦ませてしまった。 そんな私の反応を見て、彼はくるりと踵を返すと、私のほうへ近づいてきた。 「ミズキ」 彼は腰を屈めるようにして私の顔を覗き込んだ。とび色と銀色が混ざったような 不思議な瞳の色。私は初めてその瞳を見た時、それがまるで宝石のようにさえ見えた。 「ミズキ」 再び彼が私の名前を呼ぶ。 「は、はい・・・なんですか?マスター・・・」 私はちらっと彼を見て、また怒られるのでは?と思い、後ろに組んだ手を もじもじさせるしかなかった。 ご機嫌取りなんてしようものなら、彼の不機嫌さをさらにアップさせてしまう。 彼はしばらくそうやってじっと私の顔を見ていたが、やがて小さく溜め息をつくと やれやれ、というように腰に手を当てた。 「もういい。但し・・・今日のPTでなにが悪かったかをちゃんと思い出して覚えておくように。 次の戦いでまた同じようなヘマをしたら、その時は・・・」 「はぁい・・・」 「返事は短く!『はぁい』じゃなくて『ハイ』だ!」 「は、ハイ・・・!」 私はびくんと飛び上がって、咄嗟に両手で頭をガードしてしまった。 「まったく・・・そういう反応だけは素早い・・・」 彼は大げさに肩を竦ませて見せた。 ------------------------------------------------------------------------------ 私の名前はミズキ。 出身はバスの鉱山区。母は私が幼い頃に亡くなり、父が冒険者だったために 私は小さい頃からいつも一人で留守番だった。 たまに帰ってくる父に、思い切って家にいてくれるようにせがんだ事もあったけれど 冒険者として得られる収入以外に方法はなかったし、父の寂しそうな困ったような顔が 今でも忘れられない。 そんな生活が何年か続いた頃。父が少し難しいミッションに参加する事になった。 それが無事こなせればバストゥーク軍に正式に登用される。 そしたら前よりずっとお前と一緒にいてあげられるし、もう寂しくさせない。 だからあと少しだけいい子で待っているんだよ。 そう言って父は出かけていった。 父の姿を見たのは、それが最後だった。 一緒に住もうという約束を果たす事なく、父は母と結婚した時に買ったという 形見の銀のペンダントを一つ残して。 それから私は、父の知り合いだったというある夫婦に引き取られたけれど、 そこでの生活はまるで奴隷と同等だった。 私は知らなかったけれど、父親はその夫婦に借金があった。その借金のために 私はその家に一生飼われるのだ、と夫婦に告げられた時 私は自分を憎んだ。そして父と母も。 そんな生活が3年続いて、私が15歳になったばかりの頃だった。 ある日の朝、私はまるで叩きだされるように、屋敷の前に停められた荷車に載せられた。 「お前をサンドリアにある宿屋に売る事にしたよ。まぁせいぜい可愛がられるといいねぇ。 上手くやれば誰かがお前を拾ってくれるだろうさ。役立たずのお前も自分が女に生まれた事を感謝できるさ。」 そういって奥さんは、私を一瞥すると手を振るでもなく、御者にいくらかの金を渡して そそくさと屋敷の奥に引っ込んでしまった。 まだ子供だった私には奥さんの言った言葉の意味がわからなかった。 ただ、サンドリアの宿屋に自分が売られた事。そこで新しい生活が始まる事。 でもそれがどうして私が女に生まれた事と関係があるのだろう? チョコボに引かれた荷車に載せられたまま、私は景色にみとれていた。 コンシュの高原の美しい景色。どこまでも青い空。その時初めて見たデムの岩の大きかった事。 羊を追っていく冒険者達を見て、私は父を思い出していた。 私を育てるために一生懸命だった父。 同じ冒険者として知り合い、愛し合った母の事。 「私もいつか冒険者になるの!」 小さい頃そう言うと父はすごく慌てて、外には沢山の怖い獣人がいて・・・と、始まって 聞かされた沢山の冒険の話が大好きだった。 私は首から下げた父の形見のペンダントを撫でながら、幼い頃の思い出に包まれていた。 いつの間にか眠ってしまっていたのだろうか。 ふと目を覚ますと、そこはもう砂丘に入った辺りで、すっかり日が暮れていた。 眠っちゃっていたんだ・・・。 そう思って身を起こすと、御者の男が私の傍らで酒を飲みながらじっと私を見下ろしていた。 「え・・・あ、なに・・・?」 なにか私に言いたい事でもあって、彼が私の隣に座っているのだろうと少し寝ぼけた頭で考えていた。 しかし、彼は無言でしばらく私の顔を眺めていたかと思うと、突然私の体を荷台から引き倒すように して引きおろした。 砂の上に落ちたとはいえ、背中を打ちつけた私は暫くその痛みに耐えてから体を起こそうとした。 なにがなんだかわからなくて・・・。 「なにする・・・の・・・?」 私の問いかけに答えず、彼は突然荒々しく私の服を掴むと思い切り左右に開いた。 「な!や、やめて・・・!」 私は両方の胸が露にされるのを見て、必死に抵抗した。 私を見る男の目に、暗い炎が燃えているように見えて、恐怖に震えた。 「いいだろ、どうせサンドリアに行ったら、いやでも毎日コレさ。」 男は野卑た笑いを浮かべて、強引に私の胸を掴んだ。 遠慮なんかない。力いっぱい掴むという感じで、私は思わず悲鳴を上げた。 「減るもんじゃないんだ・・・いいだろ?なぁ?」 男の舌がなめくじのように私の首筋を這って、私は全身に鳥肌が立つのを感じた。 「やめてったら!いや!」 「へへ・・・初めてか・・・」 「誰か・・・!助けて・・・!」 泣いている場合じゃない。そう思っても私は私の体を撫で回す男の手を必死に払いながら 泣いて助けを呼ぶしかできなかった。 「おとなしくしなよ・・・なに、すぐに良くなってくるさ・・・」 「やだったら!いや!やめて!」 「痛いのは最初・・・だけ・・・」 滅茶苦茶に暴れていると、私の上に馬乗りになっていた男が突然叫び声を上げた。 男の体が大きくのけ反って私の傍らにぐったりと倒れこむ。 私は一瞬で自由になった体で、必死に彼から離れようとした。 ぬるりとした生暖かいものを感じて視線を下ろすと、私の服にべっとりと赤いものが滲んでいた。 「え・・・?」 誰かの気配。そして私がいままで嗅いだことのない匂い。 大量の血を見て、私の頭は麻痺していた。 誰かが助けてくれたんじゃない。そんな安心感はなぜか微塵もない。頭のどこかで危険を知らせる 警報に似たものが激しくなり響いていた。 「だれ・・・?」 その影に、私は問いかけた。答えなどあるはずもないのに。 次の瞬間。私の胸に鋭い痛みが走って、私は砂の上に倒れ込んだ。 私を犯そうとした男を殺したのは、砂丘にいた獣人だったのだ。 冒険者でない私に、抗う術などなかった。 獣人はまるで飽きたオモチャをポイと捨てるように、私に背を向けて行ってしまった。 こんな所で死んじゃうんだ・・・。 痛む胸を抑えながら、私はぼんやりと月を見ていた。 楽しい事、なにもなかったなぁ、私・・・。 悲しくて涙が出た。 こめかみを伝って流れた涙が、乾いた砂の上に吸い込まれていく。 痛みはいつのまにか感じなくなっていた。 ただ体が熱くなったような、冷たくなったような、不思議な感じがしていた。 私は夢を見ていた。 幼い頃に暮らしていたバスのあの家。 誕生日みたいな、ささやかなごちそうとケーキ。 父がテーブルの前に座って微笑んでいる。 (ミズキ、誕生日おめでとう) そういって手を差し伸べた父の胸に飛び込んで私はおもいきり甘えた。 父の手が優しく私の髪を撫でてくれる。 (今まで寂しい思いをさせてごめんよ) 父の胸に形見のペンダントが光っていた。 (これからはずっと一緒にいられるね?) そういって抱きつこうとした父の姿が突然消えた。 (パパ?) 目を開けると、父も母もおらず、私は真っ暗な空間に佇んでいた。 (パパ・・・どこ?) 自分の頬が涙に濡れているのに気がついて、私は目を開けた。 ぼんやりと岩場と、砂の景色が目に飛び込んでくる。 「ここ・・・どこ・・・?」 思い出したように、胸が激しく痛んだ。 顔を上げた私の目に、最初に飛び込んできたのは、とび色がかった銀色の目だった。 「気がついたか?」 そう問いかけられて、私はハっと目を開けた。 慌てて身を起こそうとしたけれど、胸が痛んで思わず息を止めた。 「無理するな。あんなに深い傷で・・・」 私は黙って頷いた。その時自分が見ず知らずの男性に抱きかかえられている事に気がついて 恥ずかしくなったけれど、その温もりが自分が生きていた事、助かったんだという事を 確認できたような気がして嬉しかった。 「私・・・」 「君が乗っていたらしい荷車がゴブリンに襲撃されて・・・私が通りかかった時には一緒にいた人はもう・・・」 死んじゃったんだ。 そう思って、私は身震いした。 いくらあんな酷い人でも、目の前であんな死に方したら・・・。 「君はどこへ行こうとしていた?バスか?」 私はとっさに首を振った。 「サンドリアの・・・」 「そうか。酷い目にあったな。」 「でも・・・」 そこまで言いかけて、私はまた泣いてしまった。 「どうした?」 「私は・・・売られて・・・」 「え?」 「私・・・サンドリアにある○○○という宿屋に売られていく途中で・・・」 「娼館・・・か」 見上げると、彼は僅かに眉根を寄せて、吐き出すような溜め息をついた。 「私の親はもういなくて・・・父の借金のために働いていて、それで・・・」 「・・・・・・」 「しかたないんです。私は家族もいないし、それに・・・」 「それは君が自分から望んだ事か?」 彼はどこか痛いような顔で私をじっと見つめた。 「え・・・?」 「君が自分からそうしたいと望んで?」 私は首を振った。私の意志じゃない。私が望んだんじゃない。 「違う・・・私はそんな事・・・だって・・・」 夕べ、御者の男に組み敷かれた時に見た、あの暗い炎のような瞳。 あの一瞬ですら総毛立つような恐怖を感じたのに。 「なら、後は君の自由にしたらいい。」 自由。その言葉に私は一瞬呆然となった。 まるで奴隷のようにこき使われ、汚い物のように見下され、いつしか 自分で自分がどうしたいか、考える事すら忘れていた。 彼は少し呼吸を整えると、なにかの呪文をつぶやいた。 彼の手から優しい光が満ちて、私の胸の傷を覆ってゆく。 「魔法・・・?」 「あぁ、回復呪文だ。」 「すごい・・・!」 「いや、魔法はからっきしでね。このくらいしか・・・。剣を振るほうが性に合ってる・・・」 ゆっくりと体を起こすと、さっきまでの痛みは随分引いていた。 「あなたは冒険者?」 彼が小さく頷く。 「こう見えても、一応ナイト・・・とはいってもまだ駆け出しだ。」 そう言って、彼は自嘲したみたいに少しだけ笑った。 「私を連れて行って・・・!」 「え・・・?」 「私冒険者になりたいの!」 「でも君は・・・」 突然の申し出に、彼は困惑していた。 「私、冒険者になりたいの!お願い・・・なんでもするわ。魔法を覚えろというなら覚えます。 剣の扱いだって・・・覚えるから!だから・・・」 暫く考えてから、彼は小さく頷いた。 「私はロバート。君は・・・?」 ------------------------------------------------------------------------------- 「あーあ・・・魔法って難しいんだもんなぁ・・・」 私は誰に言うとでもなく呟いて溜め息をついた。 自分を助けてくれ、そして同行者にしてくれたマスターのために。 少しでも役に立てるようになりたい、と自分から望んで選んだ白魔道士だった。 私が彼をマスターと呼ぶのは、年上の人を気軽に「ロバート」なんて呼べなかったからで、 かといってご主人様、なんて呼ぶとなんとなく誤解されそうだったし。 冒険者として、私の師匠(?)という事で、いろいろ考えた挙句「マスター」と呼んでいる。 「怒られてばっかりだもんなぁ、私・・・」 海ばかり眺めていても仕方がない。 そう思って、私は宿屋に戻る事にした。マスターが先に宿に帰っていると言っていたので 多分彼は仮眠をとっているか、武器の手入れをしているはずだろうし。 マスターのいう「どこが悪かったか」をもう1度聞いて、自分なりに戦い方のおさらいをしようと思った。 「あら、可愛いお弟子さんのおかえりよ?ロビィ。」 ドアを開けると、マスターより先に、見知らぬエルヴァーンの女性に声をかけられた。 「ん?あぁおかえりミズキ。」 本を読んでいたらしく、マスターをちらりと私を見ると再び開いていたページに視線を落とした。 「た、ただいま・・・」 なんかこう、エルヴァーンの女性って苦手・・・。ものすごくキレイなんだけど、一種の 近寄り難いオーラみたいなものがあるっていうか・・・。 「マスターの・・・お知り合いですか?」 圧倒されたとはいえ、ちょっとマヌケな事を聞いた自分に自己嫌悪した。 「うん?あぁ、まぁね。古い知り合いってとこだ。」 「親しく・・・お付き合いさせていただいてます。」 そういって彼女はうふふ・・・とまるで喘ぐように笑った。 「あ・・・いつもマスターがお世話に・・・」 「あらあら。マスター?」 「え?あ、はい・・・だって・・・」 「なんのマスターかしら?ねぇ?ロビィ。」 「いちいち突っ込むな。」 彼女は大げさに肩を竦めて見せた。 「私そろそろ帰るわね。お邪魔さま。」 「ん?あぁそうか。またな。」 「相変わらずクールですこと。」 彼女は立ち上がって、再び肩を竦めた。 「あ、お茶もまだ・・・」 「気にしないで〜。気が向いたらまた遊びにきちゃうかも?」 「ミズキの勉強の邪魔をしなきゃな。」 「ミズキちゃんっていうの?可愛い名前ね。」 「あ、はぁ・・・どうもありがとうございますぅ・・・。」 通るのに邪魔かと思い、ドアの横によけた私の前に塞がるように立って、彼女は私の顔を覗き込んだ。 「私、クリスティーナよ。クリスって呼んでね。よろしく。」 「はい・・・ミズキです、よろしく。」 「ふふ・・・かーわいい。」 彼女の手が、私の頬っぺたをむにむにと突付く。 「あやや・・・うひゃ。」 「クリス!」 マスターが本を閉じて立ち上がると、彼女は肩を竦ませて肩越しに手を振った。 「まったねー。」 パタンとドアが閉じる。 私は思わず深い溜め息をついた。マスターも同じように溜め息をついた。 「お前が覚えられそうな魔法のスクロールを買っておいた。ちゃんと勉強しておくように。いいな?」 「はぁ・・・いえ、ハイ!」 「よろしい。」 「ハッ・・・寝ちゃったぃ!」 はっと目を覚ますと、部屋の中は真っ暗で私は机につっぷしたまま熟睡していたらしい。 「あひゃ〜・・・勉強してないし・・・」 マスターの怒る顔が目に浮かぶ。 ふと気がつくと、私の肩にマスターが掛けてくれたらしい毛布がかかっていた。 いつもなら、居眠りなんかしてた日には、耳を引っ張られて起こされるのに・・・。 「マスター・・・?」 部屋の中は真っ暗で、マスターの姿はなかった。 「どこいっちゃったんだろ?」 下の階にある酒場の営業時間が始まったのか、酔客の騒ぐ声がかすかに聞こえる。 「酒場かなぁ・・・?」 マスターがごくたまにお酒を飲むのを知っている。けれどそれは本当にたまにしかしない事で・・・。 私は昼間部屋にきた、クリスの事を思い出した。 彼女に誘われて飲みに行ってるのかも?ちょっとだけ覗いちゃおうかなー? なんて思いながら階段を降りて行く。 酒場のドアを開けると、喧騒がより一層激しくなった。 「うわ・・・騒がしい・・・」 各々のテーブルに、冒険者と思しき人々が座り、武器談義やら狩りの話やらで盛り上がっている。 「ミズキー!こっちこっちー」 呼ばれて振り返ると、昼間PTを組んだガルカさんと、ヒュームのヒゲさんが手を振っていた。 「おら!こっち来て飲め!」 「酌しろや!酌を!」 「あー、そうじゃなくてですね・・・その、マスターを・・・」 「マスターならカウンターの向こうにいるだろ?ん?」 「いや、そのマスターじゃなくて、私の・・・」 そうこう言っているうちにガルカさんにひょいっと襟首を掴まれて、私は強引にテーブルの前に座らせられた。 「ほら、お前の分。」 目の前に、大きなマグになみなみと注がれたビールが差し出される。 「ありゃ、でも私お酒は・・・」 「飲め。」 「そうだ、飲め。」 「えー・・・」 「うー・・・酔っ払ってしまった・・・」 結局無理やり飲まされて、私はベッドの上でぐでぐでになっていた。 「なんだかなー、もう・・・」 窓から入ってくる潮風が火照った肌に心地いい。 「ふい〜・・・」 マスターを探しにいったのに、結局みつけられず終いで。 「なんだかいい気持ち・・・」 ドキドキする胸を両手で抑える。体の奥がじんじんしてるみたいで・・・。 なんだかイケナイ気分になって、私は両手で自分の胸を愛撫した。 酔っ払っているのも手伝って、すごく敏感。 マスター帰ってきたら・・・どうしよう・・・。 そう思いつつ、私はシャツの中に手を入れた。ブラを横にずらして乳首を指先で転がす。 「ん・・・ッ・・・ふ・・・」 気持ちいい・・・。 私は片手で自分の胸を愛撫しながら、もう片方の手でショーツの上から自分の敏感な部分をなぞった。 「だめだ・・・やっぱり我慢できない・・・」 私はショーツを脱ぐと、足を左右に開いた。 もし、マスターが帰ってきて、こんな姿見られちゃったら・・・。 そう思いながらも、硬くなった敏感な部分を指先でなぞるようにしながら、オナニーに耽った。 「んぁ・・・きもちい・・・あぁ・・・」 自分のいい所はすぐわかるし、なんだか今日はすごく敏感。 あそこが濡れてきて、くちゅくちゅといやらしい音がし始める。 「んっ・・・やぁっ・・・い、いく・・・いっちゃう・・・」 波がすぐに来て、私の体がひくひくと痙攣する。 「きもちい・・・うぅ・・・あ!あぁっ・・・!」 頭の奥がじーんとして、私はすぐに絶頂を迎えた。 「はぁ・・・はぁ・・・」 けだるい余韻に浸っていた。潮風も気持ちいい・・・。 その時、突然私の腿に触れるものがあった。 「え・・・?!」 一瞬悲鳴をあげそうになる口を、誰かの手が塞いだ。 「しっ・・・!怖がらないで?」 慌てて頭を起こすと、クリスが私の横に屈んで私の口を塞いでいた。 「あ・・・」 あられもない姿でいた自分に気がつき、私は自分の顔がカーッと赤くなるのを覚えた。 「うふふ・・・見ちゃった。ミズキの可愛いオナニー・・・」 「え・・・うそ・・・やだぁ・・・」 私は羞恥で、体の力が抜けていくのがわかった。あんな恥ずかしい姿を人に見られるなんて・・・。 「ふぇ・・・」 もう泣きそう・・・。 「うふふ・・・私が部屋に入ってきたのも気づかなかった?」 「う、うん・・・だって・・・」 「ふふ・・・可愛い声であんあんいいながら、オナってるなんて。まさかね・・・」 「いや・・・いわないで・・・」 「勿論言わないわよ?」 「だって・・・恥ずかしい・・・」 私は恥ずかしさで丸くなると、彼女に背を向けるように縮こまった。 「かわいー、ミズキって・・・」 私のベッドに入ってくると、彼女は私の耳元に唇をよせてきた。 「黙っててあげる・・・でも」 彼女の手が私の脇腹からすぅっと入ってきて、私の胸をゆっくりと揉み始めた。 「やっ・・・!」 小さく声をあげた私の唇を、彼女の唇が塞ぐ。 「んッ・・・ふっ・・・」 彼女の唇は柔らかくて、舌がねっとりと絡んでくる。 「やぁッ・・・」 「敏感なんだ。」 「そんな事・・・」 「ロビィとしてるの?いつも。」 「え・・・?」 彼女は私のブラを外してしまうと、硬くなった乳首を口に含んだ。 軽く歯を当てるように噛まれて私は思わず身をよじった。 「してないの?こういう事。」 彼女の指先がするっと太ももを這う。 「そんな事・・・だって・・・」 足を左右に開かれて、私は思わず目を閉じた。彼女の指先がわたしのアソコを左右に押し広げる。 「だって・・・?」 「そんな事・・・言えないもの・・・」 「バージン?」 「うん・・・。」 「ロビィの事好き?」 「・・・うん。」 「抱いてって言ったことないんだ?」 マスターは私の命の恩人で、行くあてのなかった私を引き取ってくれた人で冒険者として育ててくれて・・・。 でも・・・。 私は初めて会った時とは違う感情が、マスターに対して生まれていたのをもうとっくに気づいていた。 私にはかけがえのない人で。いつも一緒にいたくて。 でもそれを口にしてしまったら、なにかが壊れるような気がしていた。 だから今のままでいいと思っていた。 もし、私の気持ちを受け入れてもらえなかったら? それで離れる事になってしまったら?と。 そう思うと、怖くて言えないままだった。 「しちゃおっか?私と。」 「え・・・?でもぉ・・・。」 「うふふ・・・。」 クリスは喘ぐように笑って、私の首筋にキスした。 「マスターが帰ってきたら・・・。」 「平気よ。」 そう言って彼女は上着を脱いだ。丸い重たそうなバストが露わになる。 「バルクルムのOPまで行ってるわ。さっきまでそこで一緒だったし。」 クリスは、私の唇を貪るようにキスしながら、下着の上から私のアソコをなぞった。 「あ・・・んッ・・・」 「こんな可愛い子ほったらかして、どうかしてる。自分がいない間に知らないヤツに食べられちゃったら どうする気なんだろ。ねぇ?」 「そんな・・・私は・・・。」 敏感な部分を指先で弄ばれて、私は思わず声を上げた。 「あぁッ・・・やぁ・・・ッ」 「もうこんなに硬くしちゃって・・・。ほら、気持ちいい?」 彼女の細い指が、捉えた私の敏感な部分をゆっくりと弄んでいる。 「んッ・・・あぁッ!あ・・・あぁあんッ!」 「可愛い・・・食べちゃいたいくらい・・・。」 「んッ・・・!はぁ・・・あぁッ!」 「私にも・・・同じようにして・・・?」 言われるままに、私はクリスの股間に手を伸ばした。彼女のヘアの感触のすこし奥に しっとりと潤った秘密の場所があった。 「自分でする時みたいにして・・・?さっきみたいに・・・」 指をゆっくりと動かすと、あつく潤った奥に硬くしこった部分があった。 でも・・・。 「え・・・?」 「驚いた?」 クリスは私の目を覗き込むようにして、小さく笑った。 たぶんそこは私と同じ女の構造のハズで。でも・・・。 「エルヴァーンの女はみんなここがこうなの。」 彼女の―。 クリトリスであろう部分は、まるで男の子のペニスと同じくらいの大きさで、硬くそそり立っていたのだ。 「ほんと、初めてなんだね?」 「うん・・・。」 彼女は体を入れ替えると、私のあそこを指先で押し広げるようにして顔を埋めた。 子猫がミルクを舐める時のような、ぴちゃぴちゃという音と、彼女の熱くて柔らかな舌が 私の敏感な部分を捉える。 「んぅッ・・・!あッ・・・」 私はシーツを掴んで体を反らせた。初めての刺激に頭の奥がじーんと痺れてくる。 「はぁ・・・!あぁ・・・!」 「私にも・・・してぇ・・・」 甘えるように言って、彼女は私の胸を跨ぐようにして足を開いた。 月明かりの下に、キレイなピンク色の花が咲いたような、しっとりと潤った彼女の部分。 花びらをいくつも重ねたような複雑な奥に小さく開いた膣口と、男の子のペニスのような 小さくそそり立ったクリトリスと。 私は、両手で彼女のそこを押し広げると、舌を這わせた。 「あッ!んぅ・・・」 彼女のクリトリスに舌で愛撫して、優しく唇に含んでみた。嫌じゃなかった。 「あんッ・・・あっ・・・そんなの・・・ダメぇ・・・」 彼女は甘えるように言って、小さく腰をくねらせた。 なんか可愛い・・・。 初めて会った時は、エルヴァーン特有の近寄り難いような雰囲気があったけれど・・・。 「これ使ってあげるね・・・。」 ひとしきり愛撫しあった後、彼女は自分の持ち物の中から、小瓶を取り出して見せた。 「それ・・・って?」 「ミズキ初めてでしょ?だから痛くないようにしてあげたいの。そのための薬。」 「でも・・・。」 「平気。あそこがちょっと熱くなるけど、緊張しないように。ね?」 「う、うん・・・。」 言われるままに足を開くと、ひんやりとした感触がして、クリスの指が私の中に入ってきた。 「・・・ッ!」 「痛い?」 彼女が少し不安げな目で私を覗き込む。 「ううん、指入れられるの初めてだから・・・。」 「そっか。ふふ・・・可愛い・・・。」 彼女は私の体を自分のほうへ向き合うようにさせて、再び私の唇に深くキスしてきた。 ちらちらと舌を絡めるようにして答えると、私の足を自分のウエストの辺りにからめるようにして 私の中をゆっくりとかき混ぜ始めた。 くちゅくちゅという音と、舌を絡める感触で、体の奥が熱くなっていくのがわかる。 「うふふ・・・効いてきたみたいね。ほら、もうこんなに・・・。」 彼女は私の中から指を引き抜いて、それを私の目の前にかざした。 月明かりを受けて、彼女の指先に絡んだ私の愛液がわずかに光る。 「いやぁ・・・。見ないで・・・。」 私は恥ずかしくなって、目を伏せた。 薬が効いてみたのがわかる。体がカーッと熱くなってきている。 「なんだか・・・アソコの入り口がむずむずするような・・・。ヘンなカンジがする・・・。」 「うふふ・・・。」 彼女は体勢を入れ替えると、枕を取って私のお尻の下にあてがった。 「足広げて・・・?」 「う、うん・・・。」 腰を高くした位置から足を開くと、彼女の両手がさらに私の膝を左右に開いた。もうこれ以上ない くらい広げられて、私のアソコはまるで剥き出しにされたみたいになる。 「こんな・・・すごい格好・・・。」 「何言ってるの。セックスの時はこのくらい足を開かなきゃ入れられないじゃない。」 私は、開いた足の間にいる人が、彼女じゃなくてマスターだったら・・・。 一瞬そんな事を考えて、頭の奥がじん・・・と痺れるような錯覚を覚えた。 こんなあられもない姿をもし見られたら・・・。そう思って体の奥が熱くなる。 クリスは私の中を確認するように、再び指を差し入れた。くちゅくちゅという音がかすかに聞こえて また恥ずかしくなってくる。 クリスは私の中から指を引き抜くと、私と向かい合わせになるようにして足を開いた。 彼女のそそり立った大きなクリトリスの先端が私の膣口にあてがわれる。 「熱い・・・。」 ぬるり、と熱いものが入ってくる。薬のせいで敏感になったそこがひくひくと動いて彼女を迎え入れる。 「あぁ・・・ッ。」 「あぁッ・・・すごぉぃ・・・。もうこんな・・・。」 「いやぁ・・・ん。」 私は恥ずかしくなって両手で顔を隠した。 彼女がゆっくりと腰を動かして、私の入り口を掻き回す。 「ふッ・・・!あっ・・・、あぁんっ!」 敏感な所なせいか、クリスは夢中で私の膣口にクリトリスを押し付けてきた。 「ミズキ・・・あぁ・・・!」 彼女は目を閉じて切なそうな苦しそうな顔で喘いだ。頬がピンクに染まって・・・すごくキレイ。 なんだかいとおしくなって、私は彼女の動きに合わせて少しだけ腰を動かしてみた。 「あぁんッ!そんな・・・ダメぇ!動いちゃ・・・あぁッ!」 「クリス・・・。」 「キス・・・して。」 覆いかぶさってきた、彼女の唇に深く口付けする。舌をちらちらと絡めながら、私はクリスの動きに 合わせて、ゆっくりと腰を動かした。 「このまま・・・イッちゃいたい・・・。」 喘ぐように囁いたクリスの動きに合わせてあげながら、私は指先で自分の敏感な部分をゆっくりと 円を書くようにして愛撫した。自分でもびっくりするくらいクリトリスが大きく硬くなっていた。 「気持ち・・・いい・・・!」 「一緒に・・・ねぇ・・・一緒にイこ・・・。ミズキ・・・。」 「う、うん・・・。」 私はクリスの唇を貪るようにして、彼女の舌をからめとってキスした。 もう夢中だった。お腹の奥がすごく熱くなって、指が早くなる。 「はぁッ・・・あぁ!いや・・・もう・・・!」 「私も・・・!」 「あッ・・・!あぁッ!い、いく・・・!いっちゃうッ!」 頭の奥が真っ白になって、私はぎゅっと背を反らせた。膣口が恥ずかしいくらいひくひくと痙攣して クリスを飲み込もうとする。 「あ・・・あぁんッ!だめぇ・・・!あッ・・・あぁああ!」 クリスの体が大きく揺れて、しばらく間があってからベッドの上にぐったりと崩れ落ちた。 「はぁ・・・はぁ・・・」 私の中から、ぬる・・・っと彼女が出ていく感触がして、クリスは私の傍らに寝そべった。 「可愛い・・・ミズキ・・・。」 「クリス・・・。」 クリスはうっとりしたような目で私を見ると、私の髪を撫でながら鼻先にキスをした。 「ヒュームの子とするの初めてだったけど・・・。すごく・・・良かった。」 「私も・・・。」 「痛くなかった?最後の方結構奥まで入っちゃってたかも・・・。」 「ううん、平気・・・。私なんだか夢中で・・・。」 そこまで言ってから、私は何だか恥ずかしくなって目を伏せた。 「可愛い・・・ミズキ。」 「クリス・・・。」 彼女は体を起こすと、チュッと音を立てて私の唇にキスをした。 「もう1回したいな・・・。いい?」 「うん・・・。」 私はクリスの首筋に両手を回して、自分から彼女の唇に口付けした。