「月くん月くん」
Lが妙にうきうきと弾んだ声で言う。たいていこういう時は何かよからぬことを考えている場合が多いから
僕は少し緊張気味な心を抑えてごく冷静に言葉を出す
「何、竜崎…?」
僕の声を聞いて竜崎がさも嬉しそうに笑みをこぼす。間違いなく僕の心情を読んでいるであろう竜崎
僕はいらいらしつつも目で先を促す
竜崎はさも自信満々で言葉を発する
「私2位でした、ご褒美下さい」
ああやっぱりそうきたか、絶対来ると思っていたから返しはもう考えてある
「…そう?でも票数は僕のほうが上だからね」
にっこりと笑顔で答える僕、不満げに爪を噛む竜崎
「でも4位ですよね?」
「でも僕のほうが上だからご褒美は無し」
こういうことは間髪いれずに返して畳み掛けてうやむやのうちに決め付けるのが一番
僕はそう思っている。けっして誤魔化しなんかじゃない
「月くん勝負は運も含みます、後々事実として残るのは私が2位で月くんが4位であるという事です」
「うるさい時として真実は風化し偽りの真実が事実として残る事だってある、運なんか関係ない。だから僕の勝ち」
L相手に小難しいことをいっても効かないのはわかっているがこれはもう習慣
これで黙ってくれれば大体勝ちなんだけど…
「…」
よし黙った、あとはもう強気で攻めるだけだ!
「文句ある?何か僕の言ってることおかしいの竜崎?」
優雅に膝を組み流し目で睨み付ける、いけるか!?
しかし竜崎は…ふっと表情を和らげ告げる
「…フウッしかたがないですね、今回はそれで通してあげます」
「しかたがないって何だしかたがないって」
感情的になってはいけないとはわかっているが、つい感情的になるのが僕の悪い癖
やばいこのままじゃいけない負けてしまう
焦って考え事をしつつも必死にそれを隠すも
「いいえ、気にしないで下さい。それより月くんが事実2位ということをお祝いしましょう」
竜崎の言葉が聞こえると同時に急激に視界がぐるりと回る
背中に衝撃があり僕はソファの上に押し倒されたのだということを知る
「えぇっな何す…!?」

僕の頬をいやらしく舐め笑顔で告げる竜崎
「お祝いのHに決まってるじゃないですかv」
「結局それかーーーーー!!!」

結局この後美味しくいただかれてしまったのはいうまでもない…










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