「久しぶりだな、煮亜」
「…ノートを手に入れたと聞いたからLAまで来たんです。
 私は貴方が玩具を調教しているのを見て楽しむ趣味なんかありません。
 早くノートを見せてください。
 ─そうしたら初めて負けを認めてあげましょう」

マフィアの屋敷の地下。薄暗くだだっ広い部屋の中央で全裸の
青年が鎖で手首を拘束され、天井から緩く吊るされている。
顔は俯いていて判らない。
芽露は彼の後ろに立ち、こちらを見ながら何度も腰を打ちつけ、彼を
犯していた。

「そう急くなよ。それよりコイツ誰だと思う?」
「私が知ってる訳ないでしょう。興味もありません。ノートを手に入れた
というのは嘘だったのですか?」
「はっ、嘘なんかじゃねえよ。…教えてやる、コイツがキラだ」
「!!!」

芽露は口元を歪め青年の薄茶色の髪を掴むと、ぐいと引っ張った。
俯いていたその顔が露わになる。

青年はとても美しい顔をしていた。
流れるような柳眉、すっと通った鼻梁、艶やかで柔らかそうな唇。
だが、目だけは固く閉じられたままだった。


「来と…目ぇ開けろ。お前の目の前に立っている奴が、真の得るを継いだ者だ。
 …クククッ、得るもキラも出し抜いた俺が今は一番だけどな……ハハハハハハッ!」

芽露がキラだと言った来との左足を持ち上げ、更に激しく抜き挿しをした。
繋がっているところが丸見えだ。
思わずそこに目をやると、強い視線を感じた。

来とが目を開け、こちらをじっと見ていた。
目線を合わすと、何を考えているのかは読めないが、深い何かを感じさせるブラウン
の瞳に一瞬にして全意識を捕らわれた。
体中に走る焼けるような未知の電流。
この私が。何者にも引きずられない、電脳とさえ言われるこの私が。
喉がゴクリと独りでに鳴った。

「何だよ、来とに欲情したのか?、ハハッ。
 いいぜ、お前のも来とのケツに挿れてやれ。二輪挿しだ」
「……ッ」

芽露が悪魔の様な笑みを浮かべて誘った。
私はこの時既にコントロールを失っていた。
ふらふらと彼の吐息が触れる位置まで近づくと己の指をぺろりと舐め、芽露の
物を深深と加えているアナルに伸ばした。
きつい。

しかし来との前を弄ってやると、喘ぎとともに徐々に指を飲み込んでいく。
いい頃合いになって来た頃、ジッパーを下ろして最前より固く立ち上がっていた
ペニスを取り出し、ゆっくりと来とに埋め込んでいった。

「…あっ、い、いたっ、あっ、あっ、あっ……あああああっ」

来との激しい悲鳴を唇で塞いだ。
さすがに二本同時に入れるときつすぎて動く事はできなかった。
だが、熱い肉にぎゅっと包まれて気持ちが良い。
芽露が面白そうに私を見ていたが気にならなかった。
涙を流し浅い呼吸を繰り返す来との唇を何度も貪りながら、頭の隅でこれから
芽露を殺し来とを連れ去るありとあらゆる手段を考えた。
勿論死のノートも手に入れる。

君はやっぱり甘い。わざわざ私を呼んで、勝ち誇りたかったのだろうがそれが命取
りだ。
最後に勝つ者が一番なんだよ、芽露。
そして一番はいつだって私だ。


  END




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