鬼女の謝肉祭

デビルチルドレン ライト&ダーク
作:

「俺は見回りしてくる」
焚き火を囲み、わずかな休息をとっていたみんなに対してアキラは言った。
「アキラ、最近おかしくないか。いつもゲイルやスクルドも連れて行かないでいつもどこに行っているんだ?」
「見回りだから心配しなくもいい」
「アキラ…」
かすかな苛立ちを浮かべたアキラをみて、スクルドはそれ以上のことは言えなかった。
「帝国軍の勢力下で一人行動するのは合理的ではないな」
「すまない、ゲイル。……少しひとりで考えたいことがある…」
「アキラは一人でも心配ないよ。それに、なーにも心配事が無いジンと違って、アキラは考えたいことがあるんでしょ」
「ジンの場合、心配事が無いどころか何にも考えていないからな」
「ランド、お前までそんなこと言うのかよ。俺だっていろいろ考えているんだぜ」
「馬鹿の考え休みに似たりといいますしね。」
「ネー!!」
「みんな、どうかしましたの?」
「亜美、それ何か違う」
とレナがつっこみをしている間に、アキラはこっそりみんなから離れた。

森の中を10分ほど歩き、アキラは茂みに隠れるように座った。
彼の心にはある思いが這いずり回っている。
それは獣欲と言う名の熱い欲望。
イシュタルと交わって以来、欲望は彼の心を放さなかった。
このことをパートナーのゲイルにさえ言うことが出来ず、
欲望は炎となり、それが熱い高ぶりとなり、その高ぶりを抑えることができなくなる。
我慢の限界に達したとき、彼は一人隠れてその欲望を解放していた。
そして今、煮えたぎった下半身を楽にしようとまだ皮を被った勃っているものをズボンから解き放ち、
しごく。
イシュタルとしたときのことを思い出しながら。
初めて一人でしたときはただひたすら何も考えずに手を動かしただけだった。
それはただ痛みしかなかった。
しかし、だんだんと気持ちよさが得られる仕方がわかり、今では慣れた手つきだった。
イシュタルの暖かさを思い出しながら、どんどんと気分を高ぶらせる。
だんだんと頭が呆けてきて、身体の下から沸騰するかのような感覚に陥った。
イシュタルの幻影が頭に何度も浮かび、手だけでなく自らの腰を動かした。
身体を支える力を失い、そのまま前に倒れていった。
顔に土を付いてもなお、手を動かす。
そして…強烈な快楽とともに思いっきり射精した。
荒い息遣いから次第に呼吸が静まってくる。
ようやく顔を上げた。
地面には濁った液体が散らばっていた。
自分がしたことに羞恥心が責める。

服を整えようと立とうとしたとき、上から何かが降りてくる音がした。
(しまった!!…帝国軍か?)
「はーい、アキラ!お久しぶり!!」
「ランダ!?」
振り向きざまのアキラの目に映った人影は巨大な魔獣のお面を思わせる兜を被った薄赤色の肌をした女性だった。
「あらあらあら、せっかく会いに来たのにタイミング悪かったかしら」
確かに大事なものを曝け出して座っているアキラの姿は間抜けな姿だった。
慌ててズボンを履こうとするものの、座っているためうまく履けない。
そんなアキラの姿を見たランダは爆笑した。
「あはははは………ははは……はぁはぁ。
いまさら慌てなくもいいのよ。
だって、ずっと見ていたんだから」
「ずっと?」
「うん、ずっと。
それこそアキラがパンツを脱ぐところからね」
ランダは愉快そうに言った。
「アキラってこういうことに興味なさそうだと思っていたけど、こういうことするんだ?」
軽快なステップを踏みながらアキラの前に回りこんだ。
「私にとってはそっちのほうが都合がいいのだけどね」
舌で唇を舐めながら蟲惑的な笑みを浮かべ、アキラの顔の前に近づく。
「どういうことだ」
アキラは今まで気づかなかったが、目の前にあるチューブブラトップ一枚で覆われた彼女の胸の大きさに心臓が昂ぶった。
情けないことにアキラの自制に反して再び血が集まってくる。
「あーらら、出したばかりと言うのにもう大きくなるなんて…ねーえ、あたしを見て興奮してくれたの?」
ランダの煽情的な服をできるだけ見ないように顔を背けた。
しかし、そんなアキラの努力を無為にするかのようにランダは紫色のベストを脱ぎ、そしてアキラを抱いた。
「アキラが欲求不満だったら、あたしにしていいよ」
耳元に息がかかる囁きと服の上からでも感じる胸の柔らかさがアキラの劣情に火をつけた。
「いいのか」
「いいのよ。というよりはして欲しかったの。まだ気球のお礼をもらっていないしね」
「なら、そのお礼代わりに」
アキラの右手はランダの顎を上げ、そして唇と唇を重ね合わせた。
お互いの口唇をお互い噛み合い、その一方でアキラの左手は布の中に入りランダのふくよかな右胸を直に揉んだ。
そしていつか口から唇を出し二人の間で二匹の蛇のように絡み合った。
何分だろうか…
かなり長い間キスをしていたような気がする。
絡み合った舌を解いた時には、ランダの右胸は完全に曝け出していた。
ランダの硬くなった乳首を舌で転がすように舐める。
そして、左にも同じ刺激を与えるために彼の右手がするすると布の下を這い回った。
ランダはアキラの愛撫に身を任せながら、邪魔なトップスの結び目を解いた。
もう胸を隠していない布はアキラの顔の横をスルリと舞い落ちた。
次にショートパンツに手をかけ、刺激に耐えながらずり下ろす。
アキラの左手は首を撫ではじめ、背中と腰を這い、そしてパンツの中に手を入れた。
手触りのいいお尻の柔らかさを味わいながら、その手を前の方に持っていった。
アキラの指に濡れた感触がする。
そのとき高らかに勃っている彼のものが温かいものに包まれた。
それはランダの手であった。
アキラのに付いていた精液ですこし濡れた彼女の手は微妙な動きで彼のものを搾り取ろうとしていた。
それはアキラにとって一人でしたときよりも遥かに気持ちいいものであった。
アキラは負けじに触っていたランダの秘所に指をいれた。
そこは生暖かく粘着とした触り心地でアキラの指をより奥に入れようと蠢いていた。
お互い相手をもっと気持ちよくさせようとがんばり、
その様子はまるでどっちが先に逝かすことになるかの競争であった。
そしてその勝者はアキラだった。
アキラの手に急に温かい液体が流れ落ちた。
ランダの手は止まり、彼女は呻くように硬直させ、
そのまま身体はアキラを巻き込みながら倒れた。
「ハァハァハァ……アキ…ラ……思っていたより…うまいね」
ランダは息を少しづつ整え、言った。
彼女のおなかにいきり立っている熱いものが触れていた。
「…まさか…あたしのほうがいかされるなんて…少し…悔しいわね。
でも、絶対満足させてあげるんだから」
ランダはアキラの上で最後の布を脱ぎ、そしてアキラに自分のを見せ付けるかのように身体の方向を入れ替え、アキラの顔の間近に股間を近づけた。
「ほら見て、アキラがうまいからこんなに濡れているよ」
月光に照らされたわずか光でも溢れ出ている様がわかる。
チュチュとアキラの先端に何か当たった。
根元のほうから湿った生暖かい柔らかい何かが棒を這う。
それが何度も何度も繰り返されるたびにアキラの背中に電撃が走る。
「…アキラの苦くておいしいよ……こんなに大きくなっちゃって……ハッムゥ」
ペチャペチャと淫靡な音とともにアキラは名状しがたい快楽に襲われた。
アキラもランダのを舌で奉仕したが、
主導権を握られたアキラはほぼ為すがまま。
ランダのフェラ○オに耐え切れなくなり今にも放出しそうになったそのとき、
締め付けられた。
強烈な痛みがまず襲ってきたが、
そんな痛みよりも出す直前で止められた行き場を失った快楽をどうすべきかとアキラは焦燥感に駆られる。
「駄目よ、いま出しちゃ………ちゃんとここに出してよ」
ランダは挑発的にお尻を振り、そして自分の指で秘所を広げた。
それに答えるように立ち上がったアキラは、四つん這いになっているランダを後ろから思いっきり突いた。
「ッハァァァ!!」
森中を響くかのような嬌声がランダの口から漏れる。
緩急を織り交ぜた彼の腰使いがランダを翻弄させていく。
もうランダの口からは余計なおしゃべりをする余裕が完全に失われていた。
アキラはさらに快楽を与えようと両手で胸を掴み、胸の形が変形するほど揉みくちゃに揉んでいく。
ランダももっとアキラのを奥に入れようと身体全体の筋力を使い、身体を揺り動かした。
次第に二人の身体の重心は後ろに移動し、
ランダはアキラの骨盤に腰をかけ、あたかも二人一緒に座っているかのような格好になった。
もうこのときにはランダの体重が重荷となっているためアキラの代わりにランダのほうがアキラを翻弄する番となった。
結合部が完全に曝け出すほど広く広がった両脚でランダは自分の最も気持ちいい点にアキラの物がぶつかるように腰を激しく動かしていった。
もうこの段階になるとランダにとって胸の刺激は突かれる刺激と比べて弱い刺激であり、
アキラの手はランダがもっともっと快楽を得るためには邪魔だった。
ランダはアキラの手を無理やり外す。
バランスを崩したアキラはそのまま仰向けに倒れこんだ。
アキラの手の拘束から解放されたランダは自分の思うがまま腰を動かしていった。
その身体は上下、縦に横に、そして回転していく。
喘ぎ声の合唱しか聞こえないこの二人の姿はまるでサンバダンスを踊るかのように見える。
永遠に続くかと思われたこの踊りのような儀式にも終わりのときが訪れる。
アキラがついに欲を抑えきれなくなった。
ただでさえ蠢く彼女の中でもアキラには強すぎる快楽である。
ましてや鬼女の体力から生み出されたその動きはまだまだ未熟なアキラには過剰といえるほど強烈なもの。
アキラの頭は突如真っ白になった。
一度解放した彼の門から出ていく精液はランダの腰使いによって搾り取られ続けていく。
それでも彼のものはなかなか萎えなかった。いや、ランダの動きによって無理やり勃たせていた。
アキラの精が完全に吸い取られそうになり意地で腰を思い切って上げたとき、
ランダはそれこそ森の外まで聞こえるほどの叫び声を上げた。
ようやくランダから解放されたアキラの逸物は折れそうな柳のようにへたった。

余韻浸りながらランダは自分の穴から漏れ出ているアキラの分身をうれしそうに見ていた。
そして、疲れきったアキラの胸に甘える子猫のように頭を預ける。
別々に聞こえていた二人の荒々しい呼吸が次第に整い、同調をし始める。
お互いの目と目が見つめあい、唇も次第に近づきつつあった。
ガサッガサガサ
繁みから誰かがやってくる足音が聞こえた。
「ランダさん、どこにいるのですか?…ランダさーん!!」
その声はアキラにとって聞き覚えのある声だった。
「ランダさー……ランダさん、こんなところにいたのですか…って、あのこの…」
「ラファエル、どうしてここに…」
「もうせっかくいい雰囲気だったのに、マグナ!!」
ドカッ!!
石の塊を頭上に落とされのびているラファエルはアキラの問いに答えることができなかった。
「彼、あたしがアキラのことを知っている言ったら勝手に着いて来ちゃったのよ」
動かない天使の姿を見つつ、
「大丈夫か?」
「大丈夫よ。
普段から自分の発明品の自爆に耐えているんだから。
…あ、そうだ!
大切なこと忘れちゃった。
見て見て、帝国軍がこんなものを配っているんだよ」
その紙には時の鎖の欠片の絵とともにヴァルハラ語で何かが書かれていた。
「どうやら時の鎖の欠片はヒュドラが住む沼にあるらしいのよ。
これだけ高額の賞金をかけているのだから本物みたいね」
「ヒュドラの沼って、どこにある?」
「ここからね、歩いて5日位の距離よ。あたしが案内してあげる」
「ランダ、ありがとう」
「いいのよ、お礼は着くまでの間愛してくれれば…」
ただ触れるだけの口づけでふたりはそのまま止まった…
立ち去る赤い羽に気づくことなく……

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あとがき

DチルL&Dの47話「秘境!ヒュドラの沼」のころの話です。
アニメではラファエルがランダに一目ぼれし、熱烈アタックで見事にカップルに
まったく予想しなかったので驚きました。
おかげでランダとアキラの話を作ろうとしていたとき、どうHにもっていこうか頭を悩ますことに。
次はスクルドの話に。
でも、次の話でもうヴァルハラ編クライマックスだから、どう話を持っていこうか・・・

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