7/大蒜
5day/October 24(Fry.)
シャーロック&ルイ合作
夜になり、私はユイと雑談していると、琥珀さんが夕食を何にしようかと私たちに尋ねて来た。
すると、シエル先輩が……。
「カレーはいかがでしょう」
あぁ、やっぱり………。
以前、志貴から先輩の好きなものを聞いたらカレーと返答してきたのだ。
そのあと、シエル先輩に確認を取ったら、五時間ほどカレーのついて語ったのだ。
アレはきつかった……。
「私はカレーは料理と認めてないですよ」
琥珀さん、隙の無い突っ込み…。
そうかこの人はカレーがあまり好きじゃないんだ。
「っなんですって!!あれほど効率よく栄養分を摂取できるものはありませんよ!?それにですね、カレーというのは…」
あぁ、始まった……。
先輩のカレートーク……。
アルクエィドも、
「インドシエルがカレーを話し始めたにゃ」
余計なツッコミを入れる。
志貴はコツンと頭を叩く。
また長いんだろうなぁ〜………。
しかし救い人がいた。
「まぁ〜まぁ〜先輩、説明はそのくらいで。僕が作りますよ」
おっ、志貴が作るか?
皆を見ると、みんなおぉ〜という顔をしていた。
「ですからカレーというのはっ…〜まぁ、遠野君が言うなら・・・もう少し話したたかったのですが・・・残念です。ところでそこの吸血鬼、何か言いましたか?」
おっ、地獄耳!
そして、珍しく志貴が夕食に腕を振るった。
「兄さん、遠野家の長男たる物がそんなことをしなくていいんです!」
「私も秋葉様に賛成です。志貴様はごゆっくりしてて構わないんです」
翡翠と秋葉は真っ向から志貴が夕食を作るのを反対した。
志貴はたまには俺が作ってもいいじゃないかと言って二人をなだめると、調理にかかった。
しばらくすると、具を炒め始め、いい匂いがしてきた。
「ユイさん、傷のほうは?」
秋葉がユイに言う。
何だかんだ言って秋葉は誰に対しても優しい。
私はそう思った。
「大丈夫ですよ、このくらい」
「よかったです、琥珀の注射は大丈夫でしたか?」
「あははは〜」
苦笑いするユイ。
本気でユイは針がダメだから、大変だっただろう……。
確かあの時琥珀さんに打たれた数は……10本?
確かそのくらいだったような〜…。
でも私もあの時の琥珀さんはほんとに怖かった………。
「ほ〜ら、できたぞ〜」
と、志貴がラーメンを乗せたお盆を持ってきた。
お〜、なかなかのできばえ。
いい匂いがする。
箸をとり、いただきますとと言う。
スープをまず飲む。
おいしい。
ユイもにこっりとおいしそうな顔をしている。
「う〜ん、志貴のラーメンおいしい〜」
ほんとにおいしいのだ、スープもなかなかのもの。
思わず、がつがつと食べてしまうくらいおいしい。
「たしかに、遠野君どこで覚えたんですか?」
「あぁ、有馬のおばさんに教えてもらったんだ、スープがなかなかむずかしいんだよ」
「へぇ〜、ほんとにおいしいですよ」
ユイも目を瞑ってスープを飲んでいる。
ユイは、礼儀作法が完璧で、私も驚くぐらい、うまいのだ。
秋葉も、礼儀作法に関しては文句一つないのだ。
私も、いつか見習おう。
しばらくすると、アルクエィドがおかわり〜と言い出した。
「すこし待ってろよ、他におかわりは?」
誰も手をあげない……と思ったら小さく秋葉さんが顔を赤くしながら手をあげていた。
「オッケ〜、秋葉とアルクだな」
志貴が台所へ戻る。
「秋葉て食いしん坊なんですね」
シエル先輩が、蓮華をスープの中にいれ、にっこりした顔で問い掛けていた。
しかし秋葉は…………
「そんなことありません!!ただ…兄さんの料理がおいしくてその……」
「秋葉、それが食いしん坊と言うのですが」
「うっ……」
私の突っ込みで、思わず黙ってしまう秋葉。
すぐに二杯目ができ、アルクエィドと秋葉は食べ始める。
にしてもよく胃袋にはいるなぁ〜。
「ふぅ〜…ご馳走様でした」
箸を置き、手をあわせる。
「おいしかったよ、ほんとにご馳走様、志貴」
「そういってくれるとうれしいよ」
志貴はにっこりとする。
思わずドキッとする。
「あっステアー、いまドキッとしたでしょ」
あ〜しまった。
ユイはこの変なことにはするどんいんだよね…。
うっかりした……。
私は正直にうなずく。
その時、がたっという音が聞こえた。
音がしたほうを見ると、アルクエィドが口に手を抑えていた。
顔が青い。
「どうしたのアルクエィド?」
ユイが心配そうにたずねる。
志貴がハッと何かを気づく。
蓮華を取り、自分のラーメンのスープを飲む。
もう一度味わって飲むと、志貴の顔も青白くなった。
「悪いアルクエィド、このスープ・・・・・」
「に…にんにく・・・・・だめ・・・・・・」
「まさか・・・・アルクエィド・・・・・」
先輩も大蒜というワードを聞き、あとずさった。
「ちょ、ちょっと!!こんなとこでしないでくださいよ!!」
「わ〜まて!!こっちへこい!!」
志貴に手を引っ張られてリビングを出るアルクエィド。
ユイもアルクエィドの表情を見て気づいた。
「アルクエィド、トイレにいったね…」
「えっ?」
「彼女、今、大蒜っていったでしょ?」
「あっ……」
それを聞いてみんなあっという顔になった。
「うっ…………ごぼっ…」
とんでもないことになった……。
聞こえるのだ……アルクエィドの…アレが……。
思わず私は耳をふさいでしまう。
私まで気持ち悪くなる……。
はぁ、ユイに続き、災難だなアルクエィド。
大蒜を食べてしまったとは………。