10/シキ

7day/October 27(Mon.)
シャーロック&ルイ合作


 ファアアア……、眠い……。
それに寒い……。
窓があいているのか………。
閉めにいこう……。。
う〜、何か羽織る物……。
あったあった、さて閉めに良くか……。
 外を見ると、月が出ていた。
きれいだな……。
私は寒さも忘れしばらく月を見ていた。
寒さも忘れて………。

「ほんとにきれい………」

 なんだか不思議な気分…。
 ふと、庭を見ると、人が居た。
あれ?誰だ?
 白髪の髪で、着物を着ている。
しばらく見ていると、その人物がこっちを見た。
何故か知らないが、背筋がゾクッと悪寒が走った。
 すぐに私は、扉を閉め、ベッドに戻った。
何?あれ……。
 しばらくすると、その考えも忘れ、睡魔が襲って来た。
私は抵抗なく睡魔を受け入れ、眠った。



 朝日が昇っても私は寝ていた。
夜、一度起きたせいだ。
まだ寝ていたい。
しかし………

「ステアー、もう朝だよ」

「う〜ん、まだ寝てたい………」

「式たちがきているんだよ!ほらっ、起きて!」

 しかたないな〜………。
私は体を起こす。
 眠い………。

「それじゃ、先に行っててるからはやくね」

「ああ、わかったぁ……」

 頭をカキカキ………。
私は体に鞭を打ち、着替えを始める。
いつものように黒服をきて、私は居間へ向かった。
 リビングには、式と黒橙がきていた。

「…………」

「どうしたんだ式?」

 黒橙が式の異変に気づき、声をかけた。
式はブスッとしたまま黒橙に言い返す。

「……遅い」

「まぁまぁ、おはようエレイス」

「おはよう黒橙、式」

 私は朝の挨拶をする。
時刻を見ると、もう10時30分じゃない。
 やば、寝すぎたかな?

「今、ユイの話をしていたとこだ。こいつはよく倒れるそうだな」

「し、式!そんな言い方ないだろうっ。ごめんね、式は不器用だからこんな言い方しかできなくて」

「僕は気にしてませんよ、式のいうとおりですから」

 確かに……。

「しかし、普通なら死んでいるのに不思議だな」

 式はユイをにらみつける。
フォローしてあげるか。

「彼はちょっとした理由があって、だからだよ」

 フォローにあまりなっていないか。
私はどうもフォローが下手だな。

「確かに何か秘密は持っていそうだな、まっ、その辺は聞かないでおいてやるよ」



 昼になり、式達を囲んでの昼食になった。
琥珀さんも腕を振るい、昼食にしては豪華なものばかりだった。
 黒橙は、昼食のボリューム驚いていたが、式はいつものままだった。
私は、久々にユイ以外に長々と話した。
 正直、学校が終ってもすぐに帰って、ユイとのんびりしているのだ
 夕方になっても、私たちは、庭を散歩したり、カードゲームをしたり、さらに夕食も式たちと一緒に食べた。
そのときは、ユイの案でシエル先輩とアルクェイドも誘った。
時々、ドタバタにもなったが、久々に充実した時間をすごした。
 途中、私は、志貴達の中から抜け、夜風にあたろうと庭へ出た。

「ふぅ〜………」

「どうしたのステアー?」

「ユイ、ただ夜風にあたりたかっただけよ。あなたも来る?」

「うん」

 ユイは私の隣に来る。
今日も月が出ている。
 私は月が好きだ。
こうやって月を見ながらボォっとするのがいいのだ。

「ねぇ、ステアー」

「なんだ?」

「ううん、なんでもない」

 また隠し事か……。
またいつもの手で吐かせようか…。
 まぁ、今日はみのがしてやるか。
 ふと私は、あることに気づいた。
あれ?虫達の囀りが聞こえない。
 なんだ?
何かおかしい、この感じ、いつもと違う。
 その時、突然、私の胸を何かが貫いた。

「ガァ!!」

「ステアー!!」

「やっと見つけたぞ……、お前達が不死の躰、俺とは違った遠野の血を持つのは」

「だれだ!?」

「お前も黙れ!」

 次の瞬間、ユイの胸も何者かの手で貫かれた。

「がはっ!!」

「ゆ………い………」

 私は自分の胸をみる。
明らかに心臓を貫かれている。
 ユイも同じだ。
もし、私たちが一般人、もしくは彼の中に私の『不死の躰』がなければ即死していただろう。
しかし、今回はダメージが大きい。
 そのため体が動かない。

「エレイス!!」

 屋敷から、この惨劇に気づいたのか式と黒橙が走ってくる。
式は、状況を察し、黒橙を止める。

「黒橙、志貴たちを呼べ、はやく!」

「わ…わかった!」

 黒橙はUターンし、屋敷に戻る。
式は、『彼』をにらむ。

「貴様、何者だ?」

「ふっ、貴様に用はない…」

「っ!?」

 式は、『彼』の攻撃をかわす。
懐からナイフを取り出し、刃を出す。

「貴様、ただのものではないな………」

 式は無言で『彼』をにらむ。
そして、屋敷から志貴達が駆けつけた。

「お前!シキか!?」

「シキ、こんなところで愚かなことをしているなんて…」

 秋葉の髪も赤くなっている。
しかしシキは、私とユイをつかむと、空高く跳躍した。
 私たちは、ダメージを受けているため、抵抗すらできない。

「くっ!待ちなさい、シキ!!」

 秋葉は、シキを追い始める。

「俺も行く、黒橙、お前はここに残っていろ」

「アルクエィド!シエル先輩!」

「わかっているわ志貴!」

「行きましょう!」

 秋葉、志貴、アルクエィド、シエル先輩、式の五人はシキを追う。
先輩は、時々、屋根に乗りあがり、シキの行方を追っていた。
 すると、シキは私たちが通っている学校へと向かった。

「ロアはどうやら学校に向かったようです!」

「学校か……」

「今はともかく追いましょう!」

 志貴達は、学校へと急ぐ。



 シキは、私たちを屋上へ連れて行くと、床に私たちを置いた。
手についた私たちの血を舐めると、満足そうな顔をしていた。

「いい血だ………」

 シキは、私をつかむと、首の部分の服を下げ、首に噛み付いた。

「うぁ………」

 そして少しずつ私の血をすっていく。

「うぁぁ………」

 しばらくし、彼は私を再び床に落とす。
そして今度はユイの首に噛み付いた。

「ぐぁ…………」

 ユイの血もゆっくりと飲んでいくシキ。
血を飲み終えると、ユイを床に落とし、シキは口についた血を舐めとる。

「お前達の血はうまいこんなにうまいのは久しぶりだ……」

 私たちは、負傷しているうえに血も大量に抜かれているため、体は完全にダウンしていた。
くそ………。



 学校内を散開し、私たちを探す志貴達。
しかし、屋上は思いつかないのか他のところを探していた。
 しばらくし、志貴の教室前に集まった。

「いたか?」

「見つかりません………どこにいるのでしょうか……。ここはロアの巣みたいなものですからね」

「学校がか?変なやつだな。………いやそうでもないか」

 式はあたりを見回す。
確かに広大な敷地に、いくつ物部屋があるこの学校はシキの巣に等しいのだ。
 そのとき、志貴が何かを思いついた。

「まだ探していないところがあった…屋上だ!」

「なるほど、確かにまだ誰も探していません!」

 志貴達は、階段を上り、屋上へと向かう。
そのとき、秋葉とシエル先輩はこう思っていた。

『シキ、待っていなさい。今度こそ…あなたからすべてを奪い尽くしてあげるわ』

『…やつを倒してしまえば私の体は普通に戻ってしまう……それでもロア、あなたのしたことは許せるものではありませんよ』

 ようやく屋上にたどり着き、ドアを開ける。
志貴達の目に飛び込んできたのは、血の海に横たわるエレイスとユイの姿……。
そして、シキだった。

「シキ!あなたという人はっ!」

「くくく、こいつらの血はうまかったぞ秋葉……、久々だよ、こんな良い血が飲めるのは、ヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!」

 普通の人が聞いたら、耳をふさぎたくなるほどの笑い声だっただろう。
しかし、志貴達は動じなかった。

「今までいろんな奴を殺ったが、お前みたいにここまでエグいのは…初めてだな」

 式は、すそからナイフを取り出す。

「エレイスさんとユイ君はまだ息があるようですね?しかし彼女達にとってここまでの苦痛は耐えがたいものがあるでしょう……」

 先輩は黒鍵を構える。
 アルクェイドも目の色が変わり、戦闘体制に入っている。
 秋葉も髪が赤くなっている。

「シキ、お前をもう許さない……」

 志貴も眼鏡を外し、ポケットからナイフを取り出し、刃を出すとシキに向かって走り出した。

「志貴!むやみに突っ込むなっ」

「兄さん!」

 式の静止を無視し走る志貴。
 先輩は黒鍵を投げ、秋葉はシキの周囲に「髪」を出し、アルクエィドは志貴を追い、援護攻撃をする。

「おろかな……」

 志貴は、シキの心臓、いや、彼の目でいうと『点』目掛けてナイフを刺す。
しかし、シキはそれを見過ごしたごとく避けると、黒鍵を避け、アルクエィドの爪も避け、秋葉の「髪」も避けると、逆に接近していた志貴の胸にナイフを刺した。

「ぐっ!?」

「兄さん!!」

「遠野君!?」

「志貴!!」

 床の私たちの血に志貴の血が混ざる。
秋葉も「髪」を消す。

「あ……ぁぁぁ……」

 先輩は黒鍵をしまう。
 志貴はシキの盾にされたと同じで、今この状態で投げれば確実に志貴にあたるからだ。
こうなればうかつに手を出すことはできない。
 アルクエィド、秋葉も身動きができないでいる。
しかし、一人だけそれに動じない人がいた。
 式だ。
 式は、式に向かって走り出した。
足元の血が飛び散り、着物に付着する。

「両義さん!?むちゃですっ」

「貴様も殺されにきたか、ならばお望みどおりにしてやるよ」

 シキは志貴を血の海に捨てると、もう一本ナイフを出し、式に向かって振った。
式はそれを避けることもなく、腕でガードをする。
 ナイフは見事に刺さり、鮮血が飛ぶ。

「自分の腕で……ナイフを……」

「志貴…いつまで寝ている」

 式はシキの腕をつかみ、ナイフを腕から抜いた。

「お前の体はそんな一突きで殺られるほど、やわじゃないはずだろ」

「あなた、兄さんの何を知っているの?」

「やつの動きを見たらわかる秋葉。明らかに志貴の体の中には退魔の血が流れている。戦う技術もちゃんと染み付いている。そしてやつは直死の魔眼を持っているはずだ。どこに負ける要因がある?」

「そうですね、だからこそ、二十七祖であるネロを、殺せた……というわけですか」

「寝ろという奴は知らんが志貴、お前がこんなヤツに負けるはずなんて有り得ない」

 志貴は、ゆっくりとだが血の海から起き上がった。
式は、彼を支えよう肩を貸す。
 式が離れた瞬間、シキは、私とユイの頭をつかみ、持ち上げた。

「だがこうすればお前達も手が出せまい!!」

「好きにしろよ」

 式は、表情を変えずに言う。

「なっ!ちょっと貴方っ!」

「本気で言ってるんですか?」

 さすがにこれには先輩と秋葉は黙っていなかった。
しかし、式の顔は本気の顔だった。

「ああ、オレは冗談が嫌いだ。…シキ、そいつらを盾にしたところで、お前に得はないぞ」

「フハハハハ!!ならやってみろよ!!」

 式は、志貴に肩を貸しながらナイフを再び構える。
アルクェイド、シエル先輩、そして秋葉も、チャンスを狙いつつ構えた。
 


 さて、血は足りてないけど傷口は閉じたか。
ユイも、大丈夫そうだ。
 何だかおかしい、笑いがこみ上げてくる。

「フフ………♪」

 これにはみんな驚いたようだ。

「今………」

「笑いました……よね……」

「人のこと盾にしないでくれる?」

「…ほんとだよ……痛っ………」

「貴様ら、まだ死んでいなかったか!?」

「私たちは死なないわ、絶対に、ね」

「そういうことだ、志貴、いくぞ」

 私は彼の顔面にありったけの力を振り絞って、肘内をした。
 そしてユイも、腹に蹴りを食らわした。
そのひるんだ瞬間を狙って、志貴と式は、ナイフで『線』を切った。

「………死ね」

「私たちを甘く見たのが、あんたの敗因よ」

 私たちは最後の言葉をシキにささげた。

「オレは必ず戻るぞ!!覚えておけ!!!ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」

 シキは、そのまま消えた。
私たちは自由になり、地面に着地する。
 しかし、お互い血が少ないため、着地というより落ちたといったほうが良いかもしれない。
すぐにアルクェイドたちが私たちを血の海からだし、介抱をする。

「大丈夫ですか兄さん?」

「なんとかな……」

「ユイさん、貴方も………」

「僕は平気……です……それよりステアー……」

「体は、だいぶ戻っているけど……くっ………こっちも血が足りないみたい………」

「急いで屋敷に戻りましょう、あそこなら輸血用の設備もありますから」

「う、あ………」

 よろめく私、何とかアルクエィドに支えられ、かろうじて立つ。

「急げるなら行くぞっ」

 志貴を支えながら歩く式
シキとの戦いが終わり、屋敷に戻る私たち。
 屋敷につくと、黒橙も協力し、血で真っ赤になった服を脱ぎ、私とユイはベッドに寝た。
注射嫌いのユイも、今回はおとなしく、腕に針を通しても静かだった。
 私も、輸血が始まる。
隣で寝ているユイを見ると、もう彼は寝ていた。
私は、彼の手を握る。
 式と志貴も、負傷した部分を治療し、すぐに動けていた。
そして、それぞれの部屋でおとなしく寝ることにした。
 一通りの処置が済み、琥珀さんたちが出て行くと、部屋は静かになった。
私は、素直に睡魔に体を預けた…………。




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