※ギガイに入って生活してるお話です

 

 

C R Y

 

 

 

 

暗い部屋に鳴り響く曲。
洋楽だから歌詞は忘れたけど、女のきれいな歌声。

もういない。

 

街の中を歩いていたら、
電球が切れかかって、ちかちかする街灯とか、
人がざわざわ歩いている道路だとか、
暗い細い、ゴミがたくさん落ちている路地だとか、
なんだか思い出がたくさんで、泣けてきた。

二人並んで歩いた街の中は、
明るい電球の下でキスをしたり、
人とぶつかりながら、はぐれないように手をつないで歩いたり、
路地に隠れてまたキスをしたり、
そんな思い出がたくさんで、笑みがこぼれた。

 

もういない、市丸さんは、  いない。

よくわからなかった。
電話の音が鳴って、受話器を取ったら市丸さんの声。
バックにはヒステリックな音楽と、
叫び声。そして、
たくさんの、にんげんの足音。

「もうやばいわ。じゃ、な。」

そのときおれは、なにがなんだかわからなくて、どうしたんだ・としかいえなかった。
なにがやばいのか、なにがじゃぁななのか、なぜいちまるさんはくるしいこえなのか。
いみがわからない、せかいがゆれる、しかいがくらくなる。

意味が分かったのは10秒後。

急いで上着を着て、
急いで靴を履いて、
向かう先はいつものところ。

小さな路地に入ったら、
小さくうずくまっている塊があった。
神鎗はない。
ギガイがころん・と残っていた。

 

もういない。

抱きしめた感触と抱きしめられた感触とキスした感触と手をつないだ感触は、幻だったのだろうか。
俺だけに向けられた笑顔は俺の名を呼んだ声は、幻だったのだろうか。

 

 

 

 

ギガイに向かって、さよならですね、と一言つぶやいた。

 

. . . E N D

わけわかんねー。はじめはNARUTOのキバシカにするつもりでした。急きょ変更
03.21 しま

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