私がアトピーから脱出するまでの道のり
最近、新聞を読んでいたら、アトピーの子供を持つお母さんが、将来を悲観した挙げ句、無理心中をした記事が載っていました。つらいのは、これだけが特別なのではないようだ、ということ。そしてお母さんは苦しいかもしれないけど、アトピーを持つ本人はもっと苦しいのだということです。
私は今から15年ほど前、社会人になって4年ほど経ったとき、子供のころから持っていたアトピーが、一気に悪化しました。もともと「アトピー」「ア
レルギー性鼻炎・結膜炎」といった体質ではあったのですが、子供のころはそれほどひどくなかったんです。体の一部、「膝の裏」「肘の内側」といった、汗がたまりやすい関節部分だけでした。
しかし社会人になってから、何年か苦しんだ後、やっとアトピーから脱出することができました。
現在は症状も出ず、普段は自分がアトピー体質だということをすっかり忘れています。それどころか「肌がキレイでうらやましい」とすら言われるようになりました。もちろん完治はしておりません。アトピーのようにアレルギーの病気は「完治する」というものではないのです。「症状が出ないようにする」わけですね。
最近、アトピーで苦しんでいるお子さんや、お母さんが多いことを知って、もし私の経験が何かの参考になれば嬉しい、楽になるお子さんたちが楽になれば嬉しいなと思って、ここに書いてみました。
私の場合は先ほども書いたように、子供のころからアトピー体質でしたが、それほど目立ってひどい、ということはありませんでした。一気に悪化したのは社会人になってからです。直接のきっかけは、何となく肌がブツブツしてるな〜と思って、大きな病院の皮膚科に行ったこと。そこでにきびの薬をもらったり、アトピーの薬をもらったりして、いろいろなものを塗っているうちに急激に悪化しました。肌が汚かった原因は、ストレスや生活リズムの乱れ、食生活の乱れといったことが理由だったのだと思いますが、それに思い及ばず、その後も病院をはしごし続けました。
ほかにも自己流でいろいろなことに手を出したことにより、一気にアトピーを悪化させることになりました。
かなりひどくなってきたころ、ある日、銀行に行ったら、そこでお客の誘導をしている、パートのおばさんに話しかけられました。
「あなた、その顔どうしたの?」
「ちょっとアトピーなので……」
「まあ、せっかく整った顔立ちなのに、もったいないわね〜」
今の時代なら、こんな事を直接本人に言う人はいないでしょう。私も今の年齢なら「余計なお世話です」とはっきり言うでしょう。(笑)
でも、その時はうつむくしかありませんでした。
「かゆみ」というつらさはもちろんですが、それ以上に「見た目のひどさ」が、一番傷つきました。顔だけでなく腕などにも症状があり、ジクジクした浸出液が出るので包帯を巻いていたことがあります。ある日、包帯を代えていたら、それを見た男性社員から、「うわ〜汚ねえ、なんか変な病気移りそう」と言われたこともあります。そんなこんなで、死んでしまいたいと思うくらいつらく、ベッドで泣いたこともあります。