『しの×才蔵』by木登りブタさん ※イラストは文章中に目立たぬ様リンクを貼りました。



 

今日のしのはご機嫌斜め。
せっかくのお休みだというのに、あの粗忽者は家政婦よろしく家事にいそしんでいるのだもの。
半年前、思いを伝え合った。
数ヶ月前、2人だけの秘密も出来た。
正兄さまも知らない秘密。
誰にも知られてはいけない、秘め事。
しのだって、わかってる。
だからそのあとも、今までどうりにしてる。
主のしのに手を出したと知られたら才蔵は断罪される。
それでも、どんなに危険だってわかっていても2人は止められなかったのだもの。
こんなに愛しい人をどうして抱きしめられずにいるというのだろう。
この気持ちはきっと誰にも負けない。
まだまだ加速してしのの心は破裂してしまいそう。…それなのに。
…それなのに。
才蔵ずるい!!本当に今までとかわらないんだもの。
今日だって、正兄さまも、佐助も出かけていていないというのに。
いつもしのを悩ませる宿題もないというのに。
こんなに可愛いしのがずうっとみつめているというのに。
………………だというのに!
まっっっっっったく、まっっっっっっったく、いつもと変わらないのだもの。
こんなに焦れているのはしのだけだというの。

「才蔵!しのは部屋にかえるわ!だからお茶をもっておいで。」
もう我慢できない。
才蔵が困るのはわかるけれど、しのはそんなに我慢強く出来ていないのよ。
少しくらい、からかったっていい筈よ。
しのの気持ちも知らないで、和やかな表情でポットとカップをもって才蔵が現れた。
「昨日、新しい葉を買ってきましたので紅茶にしました。ミルク、レモン、ストレートなんでもご注文にお応えしますよ。」
そう。なんでも応えてくれるのね。
「才蔵。」
私のオーダーを呼びかけと勘違いしたみたい。
「はい?なんですか、しのぶさま?」
「カップに紅茶をついで、そのままこちらにおいで。」
ティーセットののったトレイを持ったまま才蔵がやってくる。
「?どうしたんですか?しのぶさま?」
才蔵の身動きが制限されたことを確認すると、おもむろに才蔵の頭に手を伸ばす。
「髪の毛にほこりがついてるわよ。今日1日しのをほっておいて掃除ばかりしているから。」
「ですが、しのぶさまが快適に過ごせるように環境を整えるのは才蔵の仕事です。」
どうしてこうなのかしら。ほこりだらけになったって死ぬもんじゃないわ。
確かに清潔なほうが好きだけれど。
優先事項があるでしょう!?しのの気持ちを晴れやかにするという。
才蔵にしか出来ないコト。
「ねぇ、才蔵、あなた服の中にもほこりが入り込んでいるわよ。しの、とってあげる。」
頭に乗せた手を、顔の輪郭に沿わせてシャツに伸ばす。
才蔵は驚いて、後ろに飛びのこうとする。目で、それを禁止する。
「どうしたの?そんなに動いたら紅茶がこぼれてしまうじゃない。すぐに取れるから、そのまま。」
ボタンを一つ、二つはずしていく。
カップから立ち上る紅茶のいい匂い。
「もう、結構です。自分でしますから…。」
「ダメ。しのがするといったらしのがするの。」
上目遣いに才蔵の表情を確かめると、本当に困った顔。
ボタンの位置がトレイと同じ高さまで下がってきたとき、ついに才蔵は後ろに下がった。

テーブルにトレイを置くと、なにかごちゃごちゃ言いながらそそくさと部屋を出ようとしてる。
「お待ち、才蔵!戻りなさい。」
予想どうりの才蔵の反応に思わず微笑みが浮かぶ。
戻ってきた才蔵をそのままにし、部屋の鍵をかける。
「何をなさるつもりですか?紅茶が冷めてしまいますよ。」
「いいのよ、紅茶なんて。しのが注文したのは才蔵だもの。」
はっと何かに気づく表情。
いつもフワフワしてるのに、時折鋭い表情を見せる。そんなところも好き。
しのが、ブラウスのボタンを一つずつはずし始めると才蔵が息を飲んだ。
「やっぱりいけません!しのぶさま。」
沈黙を破る才蔵の声。
「どうして?いいじゃないの、しのはしのの意思で才蔵が欲しいと思ったの。才蔵もしのと同じ気持ちでいて欲しかったから…。」
才蔵の顔が染まる。
「…この前のことは、軽率だったと思っています。…それに、しのぶさまにすごく辛い思いをさせました。」
今度はしのの顔が火照る。
「そんなことどうでもいいのよ。それよりも、しのをしっかり抱きしめて。」
それでもまだ才蔵は我慢して逃げ出そうとするから、とっさにシャツを引っ張った。
さっきはずしておいたせいで、才蔵の肩が露になる。
ほっそりしているようで、実は鍛えられた滑らかな筋肉に覆われた男の体。
数ヶ月前にしのがつけた爪あとは跡形もない。そのまま、背中に抱きつく。
突き飛ばさないように力を加減しながら、しのをはなそうとするけれど。
そんなに簡単に、離れてあげるものですか。
また、才蔵がしのの腕を振り払おうとしたとき、軽く、踵を払った。
しのが下敷きになりそうに倒れこんだのに、床の感触は柔らかかった。
いや、床ではなくてしのを庇った才蔵の体があった。どうしてこの人はこんなに優しいのかしら。
「どこも打ちませんでしたか?」

こんなに困らせているのに優しい声。
もう、だめよ。才蔵。しのはもう、止まれないわ。
才蔵の深い優しさに触れ、愛しさが膨れ上がってしまったみたい。
初めて、しのからキスをする。
ついばむように、軽く唇で挟むように。繰り返し繰り返し。
才蔵が逃げ出せないように、両頬を包んで繰り返すほどもどかしさの増す気持ちをこめてキス。


最初、才蔵はしのを押しのけようと必死に抵抗していた。
それでも、拙いキスを繰り返すうちに、しのの体に触れる手は反対の役割をするようになっている。
才蔵の手はしのの髪を梳き、背骨がきしみそうなほど強く抱きしめている。
気づけば才蔵の舌はしのの腔内へ浸入している。
しのの舌も、同じように才蔵の腔内へ。
長い時間をかけたせいで、二人の口の境目がどこだかわからなくなりそう。
才蔵の手がブラウスの裾から背中を登り、下着のホックをはずす。
そして、しのが途中まではずしかけていたブラウスのボタンをはずす。
コンプレックスにしている小さな胸が、はだけた襟元から直に才蔵の熱を感じる。
それだけのことなのに、もう、先端が固くなっているのがわかる。
いや、見られたくない。才蔵の泣き所。眼鏡を取って放り投げる。正気の沙汰ではないわ。
才蔵だけなのよ。しのをこんなに狂わせることが出来るのは…。
キスだけじゃ足りないわ。もっと才蔵を感じたい。
しのは邪魔をされるのが嫌いなの。
2人の皮膚の間にあるシャツにさえ嫉妬しているわ。
唇をつなげたまま、才蔵のシャツを引きちぎる。
そのまま才蔵の体に指を這わせる。
少し他の場所とは異なる感触の場所。
わき腹にある傷跡。
一瞬、しのの手が止まる。
その隙をついて、視界が反転する。
離れた口からはお互いを繋ぐ淫らな銀の糸。
その先にあるのは、まるで獲物を狩る獣のような鋭い表情。
「いけない人ですね。一度火がついてしまったら僕は止まれません。責任。とっていただきますよ。」
わかってるわ、才蔵。しのはお前が感じられるなら痛みでも怖くないのよ。
耳たぶを甘噛みされて、ピチャという音を立てたり、息を吹きかけたりする。
「んっ!っやぁ……。」
そちらに意識をもっていくと、思わぬところから強い刺激を感じる。
尖って自己主張している2つの蕾。
一度に刺激されて思わず予想外の声がでる。
才蔵の舌が作り出す音と、呼吸が自分の声をいっそう淫らなものに色づける。
少し冷たい才蔵の手のひらに包まれたふくらみは、どんどん熱を帯びるよう。
「あ…まり。さわらない…で…。」
小さくて恥ずかしいから、胸を触られるのは苦手。
でも、才蔵はわざと執拗に胸を愛撫しているみたい。
「恥ずかしがることないですよ。しのぶさまは綺麗です。それにこうしてると大きくなるって言うし。
実際、大きくなりましたよね?ひょっとして自分でもされてたんですか?」
なんてことを言うの。眼鏡を取っているからって…。
でも、…確かに、それは事実…なのだけど。
言葉に窮しているしのをよそに、反応こそが答えとばかりに、
いじられて敏感になっている蕾を舌でつつく。
「っぅん。」
柔らかく湿った舌の感触を予想していると、軽く歯を立てられる。
甘く噛み付き、次に優しい舌の感触。
その刺激を繰り返されるうちに、気づけばしのの手は才蔵の頭を胸に押し付けるように抱きしめていた。
片側の手がお臍をグリグリと刺激する。
なぜかは、わからないけれどしのはお臍がとても弱いみたい。
お臍の刺激が、一番敏感な芽に響く。
内側からそこをいじられているみたいな感触。
「あっ…ふぁ……やぁぁ…ぅぅぅん…はぁん…」
それまで控えめにしていた声も我慢できずに溢れ出す。
そして、その芽の傍にある泉の存在もはっきりわかる。
才蔵の手がスカートの下から浸入してくる。
太ももをさすった指は、ショーツに触れるとそれを一気に抜き取った。
スカートに隠れて才蔵の手がいつ触れるのかわからない。
全ての神経がそこに集中されている。

クチュリ。
たっぷり間を置いて才蔵の指が侵入してくる。
溢れている泉にたどり着き、頬をほころばせる。
「すごく、濡れてますよ。」
ゆっくり泉のなかに指を進める。
才蔵の指が、しのの中にある、そう思うときゅうっと狭まっていくのがわかる。
ちょっと驚いた顔。
「そんなに、欲しかったんですか?」
指を引き抜くと、てかてか光る中指を意地悪な表情で舐めている。
「もう、こんなに溢れてるし、すごく締まってましたよ。」
恥ずかしい、だけど、中途半端な刺激で余計に渇望感が強まる。
「そう、ずっと、さい…ぞう が…欲しかった…。」
「本当に、いけない人ですね。そうやって僕が我慢していたものをすぐに飛び越えてしまうんだから…。」
足を割り開き、顔を近づけながらスカートの中に入っていく。
「…お仕置き、しなきゃいけませんね。」
しのはもう、早く次の刺激が欲しくて何もまともに考えられない。
恥ずかしさも、とんでもないことを言われているということも、才蔵が与える刺激の前ではスパイスでしかなかった。
敏感な部分に、才蔵の息を感じる。
指がまた、泉の中をさぐる。
さっきの内側から感じた刺激で敏感になった芽にも指の感触。
続いて、暖かく湿った感触。
強い刺激が次々にしのを襲う。
徐々に追い上げられて高められていく。
何かにつかまらないと遠くに飛ばされてしまいそうなのに、カーペットではつかめない。
才蔵の顔が見えない。いや、怖い、才蔵、才蔵!
瞬間、頭の中でフラッシュが起きた。
自分の鼓動が大きく聞こえる。
次第に、感覚が戻ってくると、才蔵がこちらを見ている。
すぐにまた、快感の波が押し寄せようとしている。

「しのぶさま、すごいですよ。一度いったのにまだまだ締まってくるんです。しのぶさまの中。」
すぐに波にさらわれそう。また、一人でいくのはイヤ。
「才蔵も……しょじゃなきゃ…ぃや。」
才蔵が小さく頷いた。
才蔵は自分の分身を取り出し、なにかゴソゴソしてる。
しのの頭はぼんやりしていて、何をしているのかわからない。
また、芽をいじられる。
少し落ち着きかけたところに、強い刺激。
また、波の中に引き戻される。
軽く触れるようにキスされる。
才蔵が来る。
張り詰めたものが泉の入り口に当たる。
指とは比べ物にならない存在感。
蕩けきっていてもまだ、なれない。
浸入が止まって、二人で息を吐く。
なんだかおかしくて2人で微笑みあう。
「才蔵、すごく…熱い…。」
「しのぶさまだって、…僕、溶けてしまいそうですよ。」
もうこのまま離れたくない。
「しのぶ、って呼んで。今…だけ…しのが…才蔵のモノに、して…。」
「そんなこと言われたら、我慢できなくなっちゃいますよ。」
すこし、上ずった声で才蔵はそう告げると、ゆっくり動き出した。
痛みのなかに、むずがゆいような快感は感じるけれど、まだ痛みのほうが勝っている。
その様子に気づいた才蔵は、しののお臍に手を伸ばす。
敏感な芽へ内側からの快感。
大きくなる動きと、快感に襲われて、またどこかに流されそうになる。
必死に才蔵につかまりそのときを待つ。
才蔵の手が直に芽を刺激する。才蔵の動きもいっそう速くなる。
「っっしのぶ…!」
才蔵の顔が歪んだ瞬間、才蔵はしののなかで熱を放ち、しのは意識を手放した。
しのが目を開けると、しのはベッドに横たえられていた。
しのはお気に入りのネグリジェを着せられていた。
ただ、下着は一切つけていないのだけど…。
才蔵はどこに行ったのかしら。
部屋を見渡すと、途端に恥ずかしさがこみ上げた。
そういえば、ベッドまで我慢できなかったのよね。
2人の情事の後は綺麗に片付けられている。
ただ、汚れを落としたらしい水の染みがさっきの出来事を物語っている。
こんなことまで才蔵にさせてしまったのかと思うと、少し、情けなく思う。
そこへ、暖かい紅茶をもった才蔵が入ってきた。
「あの…。すみませんでした。無理をさせてしまいました。」
「いいのよ、しの嬉しかったんだもの。時には才蔵のしのでいたいもの。」
2人で並んでお茶を飲んでいると、正兄さまと、佐助が帰ってきたみたい。
また日常が始まるのね。
後、少しだけ、ただの恋人でいさせて。
せめて、このわがままだけ…。
才蔵が立ち上がり、食事の仕度をしなければ…なんて言って部屋から出ようとした。
わかっていたのだけど、引き止めてしまった。
現実に引き戻される前に、耳元でささやく。
「背中の傷の消毒は、しのがするわよ。…必ず、毎日、来なさい。」
赤く頬を染めた才蔵を、ドアの外の現実に押し出す。
佐介の声が聞こえてくる。
「おい、才蔵、具合でもわるいのかぁ?顔、えらく赤いぞ?」

― the end ―


 

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