『咲十子×風茉(2)-3』by木登りブタさん


□ □ □

もうだめだ、限界を完全に突破した。
俺たちは息をすることも忘れたように、お互いを求め合っている。
もう周りのものは目に入らない、耳はキーンという音がしてくるほどだ。
合わせた唇から時折もれる、咲十子の息遣いが頭にこだまする。

咲十子の手は俺の頭を捕らえて放さない。
塗れた髪の毛をぐしゃぐしゃにかき乱している。
まるで唇を放したら死んでしまうかのように、お互いが離れられない。
さすがに苦しくなって、ゆっくり唇を放す。
「咲十子がのぼせそうだから、俺が静めてやるよ。」
耳元でささやくと、咲十子の手が俺の頬を包む。
「…風茉くんじゃ、静められないよ。…余計、暑くなっちゃう。」
思わず、ニヤリと笑ってしまう。
「じゃ、やめようか?」
もちろんそんな気はさらさらない。
「やだ!このままにしないで!…もっと暑くして欲しいの。」
薄暗がりの中でも分かる。
咲十子の目は潤んで、すでに呼吸も乱れ気味だ。
 
 

「なら、覚悟しろよ。」
もう一度深く口付けながら、浴衣の帯を解く。
さっき風呂場でつけた印に今度は軽く歯を立てる。
咲十子の声にならないため息をどんどん引き出していく。
「へぇ、浴衣でも下着ってつけないんだ。」
袂からこぼれる乳房にもキス。
「あれ?でも今日は下はつけてるの?」
やわらかい乳房の感触を唇や舌で確かめながら、
浴衣と肌の間に手を滑り込ませ徐々に肌をあらわにしていく。
「そ、、なこと……、いっわないで…。」
風呂場で聞いたのと同じ、上ずった声だ。
咲十子、感じてるんだ。
俺の自信は完全に回復した。いや、むしろ倍増した。

胸の先端を含み、舌で押しつぶすように刺激する。
下着の上から入り口を触ると、もうすっかり濡れていた。
敏感なところまで、すぅっとなぞりあげると咲十子の体が跳ねる。
そしてまた、新たな液体が染み出してきた。
「ねぇ、もうとろとろになってるぜ、咲十子のココ。せっかくの下着も台無し。」
「もぅ、触るのぉ、、ヤメテ。……怖いのぉ。」
そんなこといってももう、分かってるんだよ。
すごく感じすぎて『怖い』んだってことは。やめてなんかやらねーよ。
「わかった、じゃ、触るのやめるよ。」
ほっとしつつもどこか残念そうな顔をみて、俺の方が我慢できなくなりそうだ。
言葉とは裏腹に下着を抜き取り、足を開く。
そっと顔を近づけマジマジ見てしまった
 

知識として、医学書などでは見たことがあったが、こんなに見たのは初めてだ。
ゆっくり近づいて、敏感な突起をチョンっと刺激すると、激しい快感に襲われるらしく、
咲十子の息が詰まる。
触っていないのに、相変わらず入り口からは新たな水が染み出してくる。
ちらりと咲十子の表情を確認すると、目を閉じ唇をかみ締め恥ずかしさに耐えているようだ。
可愛さあまってにくさ100倍。
嫌でもこっちを向かせてやろう。
長い沈黙のあと、静かに行動を起こす。

ヒクヒクと動いている入り口から水を絡めとり、ぷっくりした突起になすりつける。
「ふぅぁっ!」
突然の強い刺激に咲十子は声を漏らす。
指で突起を刺激し続け、入り口には舌を差し入れる。
「あぁん!」
咲十子の声は一段と甲高くなって、俺の舌はきゅうっとしめつけられる。
「や、やぁん。…こわ…ぃ…。」
咲十子の手が俺の頭を押し戻そうと髪をかき乱す。
それをものともせずに、口と指の場所を交代し、
咲十子に刺激を与えつづける。
これで俺のほうを向かずにはいられないはずだ。
「ま・・・た、、変にぃ…ふぅ、…やぁぁん。っっっっっあん!」
俺が突起をカリっと噛み、指に一番の締め付けを感じた瞬間、
俺の髪をかき乱す咲十子の手から力が抜けた。
 

快感の波にさらわれて、まだ呆然としている咲十子の鼻の頭にキスをする。
やさしくするつもり、だったんだけど…。
今日一日の、蛇の生殺し状態が思った以上に効いているらしい。
俺は浴衣を脱ぎ捨てて、乳房に印をつける。
「1回目。」
そう、咲十子のいった回数の印をつけるつもりだ。

深く口付けながら、いったばかりの咲十子のからだを愛撫する。
新たな刺激ですぐに咲十子は可愛い声をあげる。
指を入り口に差し入れ、なかがすっかりとろとろになっているのをもう一度確認し、
「入れるぞ?」
ゆっくり俺のモノを押し当てた。
返事を待ったが、咲十子は小さくうなづくのがやっとだった。
昨日よりもゆっくり時間をかけて入れていく。
「あっ、あっ、…ん。」
咲十子のさっきまでとは異なる声が聞こえる。
昨日ほどではないにせよやはり、痛いのだろう。
全部入った。
辛そうな顔を見ると申し訳なくなるが、咲十子の中は、ものすごく熱くすごくきつい。
我慢できずに動いてしまう。
最初は、昨日同様苦しそうな咲十子だったが、なんだか声の色が変わってきた。
一番深く差し込んだ瞬間、俺はいってしまった。
やはり、咲十子はいけなかったようだ。
「ごめん・・な。やっぱまだ、痛いんだな。」
息も絶え絶えに謝る。

奇妙な沈黙。

咲十子はすごく、複雑そうな顔をしている。
今日、これ以上するのは止めたほうがよさそうだ。
「俺ばっかり、気持ちよくてごめんな。咲十子が可愛いから、我慢できなくなっちまうんだ。」
そういって、軽くキスすると、身体をずらそうとした。

その時。

咲十子に抱きつかれ、バランスを崩してのしかかってしまった。
「わりぃ!重いだろ?」
急いでどけようとしたが、咲十子の腕が放してくれない。
なんだ?どうしたんだ?
軽くパニックになりかけたとき、咲十子が耳元でささやいた。
「……なんだか、途中から痛みより快感の方が強くなってたの。」
そ、そうなのか?
「それに、…なんだか、本当に身体が熱くて静まらないかも…。」

プツン!!

恥らいつつも、大胆な咲十子の言葉に俺の理性は吹っ飛んだ。

咲十子が可愛いせいで、また俺の予定は狂ってしまった。
きっと、一生俺は咲十子に惑わされつづけるんだ。
 

―the end―
 
 
 

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