表紙に戻る『咲十子×風茉(2)-3』by木登りブタさん
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もうだめだ、限界を完全に突破した。
俺たちは息をすることも忘れたように、お互いを求め合っている。
もう周りのものは目に入らない、耳はキーンという音がしてくるほどだ。
合わせた唇から時折もれる、咲十子の息遣いが頭にこだまする。咲十子の手は俺の頭を捕らえて放さない。
塗れた髪の毛をぐしゃぐしゃにかき乱している。
まるで唇を放したら死んでしまうかのように、お互いが離れられない。
さすがに苦しくなって、ゆっくり唇を放す。
「咲十子がのぼせそうだから、俺が静めてやるよ。」
耳元でささやくと、咲十子の手が俺の頬を包む。
「…風茉くんじゃ、静められないよ。…余計、暑くなっちゃう。」
思わず、ニヤリと笑ってしまう。
「じゃ、やめようか?」
もちろんそんな気はさらさらない。
「やだ!このままにしないで!…もっと暑くして欲しいの。」
薄暗がりの中でも分かる。
咲十子の目は潤んで、すでに呼吸も乱れ気味だ。
「なら、覚悟しろよ。」
もう一度深く口付けながら、浴衣の帯を解く。
さっき風呂場でつけた印に今度は軽く歯を立てる。
咲十子の声にならないため息をどんどん引き出していく。
「へぇ、浴衣でも下着ってつけないんだ。」
袂からこぼれる乳房にもキス。
「あれ?でも今日は下はつけてるの?」
やわらかい乳房の感触を唇や舌で確かめながら、
浴衣と肌の間に手を滑り込ませ徐々に肌をあらわにしていく。
「そ、、なこと……、いっわないで…。」
風呂場で聞いたのと同じ、上ずった声だ。
咲十子、感じてるんだ。
俺の自信は完全に回復した。いや、むしろ倍増した。胸の先端を含み、舌で押しつぶすように刺激する。
下着の上から入り口を触ると、もうすっかり濡れていた。
敏感なところまで、すぅっとなぞりあげると咲十子の体が跳ねる。
そしてまた、新たな液体が染み出してきた。
「ねぇ、もうとろとろになってるぜ、咲十子のココ。せっかくの下着も台無し。」
「もぅ、触るのぉ、、ヤメテ。……怖いのぉ。」
そんなこといってももう、分かってるんだよ。
すごく感じすぎて『怖い』んだってことは。やめてなんかやらねーよ。
「わかった、じゃ、触るのやめるよ。」
ほっとしつつもどこか残念そうな顔をみて、俺の方が我慢できなくなりそうだ。
言葉とは裏腹に下着を抜き取り、足を開く。
そっと顔を近づけマジマジ見てしまった
知識として、医学書などでは見たことがあったが、こんなに見たのは初めてだ。
ゆっくり近づいて、敏感な突起をチョンっと刺激すると、激しい快感に襲われるらしく、
咲十子の息が詰まる。
触っていないのに、相変わらず入り口からは新たな水が染み出してくる。
ちらりと咲十子の表情を確認すると、目を閉じ唇をかみ締め恥ずかしさに耐えているようだ。
可愛さあまってにくさ100倍。
嫌でもこっちを向かせてやろう。
長い沈黙のあと、静かに行動を起こす。ヒクヒクと動いている入り口から水を絡めとり、ぷっくりした突起になすりつける。
「ふぅぁっ!」
突然の強い刺激に咲十子は声を漏らす。
指で突起を刺激し続け、入り口には舌を差し入れる。
「あぁん!」
咲十子の声は一段と甲高くなって、俺の舌はきゅうっとしめつけられる。
「や、やぁん。…こわ…ぃ…。」
咲十子の手が俺の頭を押し戻そうと髪をかき乱す。
それをものともせずに、口と指の場所を交代し、
咲十子に刺激を与えつづける。
これで俺のほうを向かずにはいられないはずだ。
「ま・・・た、、変にぃ…ふぅ、…やぁぁん。っっっっっあん!」
俺が突起をカリっと噛み、指に一番の締め付けを感じた瞬間、
俺の髪をかき乱す咲十子の手から力が抜けた。
快感の波にさらわれて、まだ呆然としている咲十子の鼻の頭にキスをする。
やさしくするつもり、だったんだけど…。
今日一日の、蛇の生殺し状態が思った以上に効いているらしい。
俺は浴衣を脱ぎ捨てて、乳房に印をつける。
「1回目。」
そう、咲十子のいった回数の印をつけるつもりだ。深く口付けながら、いったばかりの咲十子のからだを愛撫する。
新たな刺激ですぐに咲十子は可愛い声をあげる。
指を入り口に差し入れ、なかがすっかりとろとろになっているのをもう一度確認し、
「入れるぞ?」
ゆっくり俺のモノを押し当てた。
返事を待ったが、咲十子は小さくうなづくのがやっとだった。
昨日よりもゆっくり時間をかけて入れていく。
「あっ、あっ、…ん。」
咲十子のさっきまでとは異なる声が聞こえる。
昨日ほどではないにせよやはり、痛いのだろう。
全部入った。
辛そうな顔を見ると申し訳なくなるが、咲十子の中は、ものすごく熱くすごくきつい。
我慢できずに動いてしまう。
最初は、昨日同様苦しそうな咲十子だったが、なんだか声の色が変わってきた。
一番深く差し込んだ瞬間、俺はいってしまった。
やはり、咲十子はいけなかったようだ。
「ごめん・・な。やっぱまだ、痛いんだな。」
息も絶え絶えに謝る。奇妙な沈黙。
咲十子はすごく、複雑そうな顔をしている。
今日、これ以上するのは止めたほうがよさそうだ。
「俺ばっかり、気持ちよくてごめんな。咲十子が可愛いから、我慢できなくなっちまうんだ。」
そういって、軽くキスすると、身体をずらそうとした。その時。
咲十子に抱きつかれ、バランスを崩してのしかかってしまった。
「わりぃ!重いだろ?」
急いでどけようとしたが、咲十子の腕が放してくれない。
なんだ?どうしたんだ?
軽くパニックになりかけたとき、咲十子が耳元でささやいた。
「……なんだか、途中から痛みより快感の方が強くなってたの。」
そ、そうなのか?
「それに、…なんだか、本当に身体が熱くて静まらないかも…。」プツン!!
恥らいつつも、大胆な咲十子の言葉に俺の理性は吹っ飛んだ。
咲十子が可愛いせいで、また俺の予定は狂ってしまった。
きっと、一生俺は咲十子に惑わされつづけるんだ。
―the end―