『咲十子×風茉(1)』by木登りブタさん


終了から5年後のある日・・・
「・・・・?」
「咲十子ちゃん、ちゃんと聞いてる?」
「それ、・・本気で言ってるんですか!!」
あまりのことに、一瞬、脳みそが止まってしまった。
そりゃあ、和久寺家が、大名家出身の元華族だって言うことは、
嫌というほど、わかってたつもりだけど、、まさか、こんなしきたりがあるなんて・・・。
その知らせは、いつものように突然降ってきた。
今日は、風茉くんの誕生日だから、張り切ってご飯を作っていたの。
相変わらず、いつも仕事ばかりで、気の休まらない生活を送っている風茉くんに
今日くらい、のんびりしてもらいたいな、って思って・・・。
私たちが、一緒に暮らし始めて、もう、5年。
当時から、大人びていた風茉くんはもちろん、大人の女性になる予定だった私も
何も変わらず、平穏な日々を送ってきた。
気持ちが通じ合った後も、(確かに一緒にお昼寝したりするようにはなったけど・・・)
恋人らしい雰囲気なんて、あんまりなかったな。
そもそも、風茉くんは仕事で忙しいし、家にはママや鋼さんや寿千代くんもいるし、、。
たまに二人きりになっても、必ず、いい雰囲気になりそうなところで邪魔がはいるのよねぇ。
それでも、物足りないなんて思ったことはなくて、ずっと幸せだったの。
そんなことを考えながら、キッチンに立っていたはずの私は、なぜか、今、和久寺美容部隊に
よって、成人式の時にきた振袖を着せられてます。
アッという間に、着付けが終了して、一人取り残された私。
やっと、頭の働きが戻ってきた気がする。
確か、キッチンに九鉄さんが現れて、こう言ったのよ。
「本日は、和久寺家当主 和久寺風茉さま ご元服の儀にあたり、咲十子様が宿直役に選ばれましたこと謹んでお喜び申し上げます。」
「??九鉄さん、なんでそんなにかしこまってるんですか?さっきのどういう意味だか、わからなかったんですけど・・・。」
「えっ?!坊ちゃんから聞いてない? あー、つまりだね、元服ってぇのは、大昔の成人式で大人に、なりましたよー!って、お披露目するようなもんかな。んで、その儀式のメインイベントに咲十子ちゃんが関係してるんだよ。」
「はぁ。なんだか、大変そうですね?じゃあ、今日は風茉くん、一緒にご飯食べれないんですか?」
「って、おいおい。そんな人事じゃないんだぜ。」
「でも、私は公の場では役に立たないし。どうせ報道対策で一美ちゃんが代役をするんでしょう。」
「・・・・。ほんとに、全然、知らないんだな。エーっト、今回の儀式は、ごく内輪だけなんだ、というか、
咲十子ちゃんと、坊ちゃんだけで、やらなきゃいけないんだ。」
「そんな、いきなり言われても、ぜんぜん練習してないことなんか、出来ませんよぉ。」
「いや、いいんだよ、練習とか必要ないことだから、まー。つまり、その、流れに、身をまかせて・・・」
「??」
「あぁ〜!!じれったい!!ようは、子作りしておいでってことだよ!!」
この九鉄さんの言葉を最後に、私の頭はフリーズしてたんだっけ。
それよりも、ここはどこなんだろ?きっと、和久寺の敷地の中だとは思うけど、来たことはないと思う。
隣に誰か、いるのかしら?
左がわの襖を開けてみると、そこは食事をする場所みたい。お膳はならんでるけど、誰もいない。
反対側の障子を開けてみると、縁側があって、目の前には小さいけれど手入れの行き届いた庭があった。
正面の襖を開くと、そこは玄関みたい。上がりかまちまで、言ってみよう。
!私の履物がない。これじゃ、外に出れない。
後、残っている部屋は、後ろの襖。
スタン!バタン!!なんとなく、想像はついてたけど、思わず見た瞬間に襖を閉じてしまった。
あの、時代劇でよく見るような、お布団がしいてあるお部屋だった。
九鉄さんの言葉は、冗談じゃなかったんだ。
そう思うと、また、頭が止まってしまいそうになる。
その、風茉くんといつか、そうなる、というのは考えてた。
でも、こんなに突然やってくるなんて、思ってなかった。
嫌なわけじゃ、ないんだけど、、実感が湧かない。
それに、「さぁ、どうぞ」っていわれてもできるものではないような気がする。
そもそも、風茉くんだってこんなことになるなんて、思ってもないだろうし・・・。
こんな、まとまらない考えばかりが、グルグルして、落ち着かない。
ガラガラガラ。
玄関の引き戸を開く音がした。
心臓が飛び跳ねてしまう。
風茉くんだ。
髪型が違う、いつもはおろしている髪を上げているから、なんだかいつもより大人っぽい感じ。
「咲十子」
思わず、背中を向けてビクンとしてしまった。
「大丈夫だよ、とって食やしないから。いろいろ、驚かせちゃったな。」
いつもの、風茉くんだ。ちょっと、安心した。相変わらず、心臓はドキドキしてるけど。
ゆっくり振り返った。
すると、やわらかく微笑む風茉くんがいた。
「懐かしいな、この角度で見る咲十子の顔。」
「どうしたの急に?振袖なんか着てるから、成人式の時を思い出したの?」
ゆっくりクビを振りながら、一段下から私にやわらかく抱きついてきた。
「もう、どうしたの、急に。」
段差のせいで風茉くんの顔が、心臓の近くにある。やっと、落ち着いたのに、また、ドキドキしちゃう。
「はじめてキスした日のこと覚えてるか?」
「うん。絶対に忘れない。」
「あの頃の、俺。いつもこの角度でおまえを見上げてたんだ。いったろ、本当はもっと成長してから会うつもりだったって。」
そういいながら、風茉くんは私と同じ高さに立った。
「もう、私が風茉くんのこと見上げなきゃいけなくなってきてるよ。」
風茉くんの顔が、私の胸元から、肩にもたれる位置を移動した。
「予定では、15で咲十子より、アタマ1つ大きくなるはずだったんだ。つまり、今日、咲十子に婚約者は俺だって、宣言するつもりだったんだよ。」
顔は見えないけど、きっと、風茉くんの顔は真っ赤だ。もちろん、私の顔も。
「あの頃は、とにかく、自分がガキなのが悔しくて、時期が早まったことを悪く思ってたけど、今考えると、良かったな。」
耳元で風茉くんの声が聞こえる。それに、背中にある手にも、力が入ってきたみたい。
「咲十子といられる時間が増えたし、咲十子がきれいになっていくのも見れた。」
そういってぎゅっと抱きしめた後、腕を緩めて、正面から顔をまじまじと見ている。
私は、恥ずかしくて、我慢できなくなってしまった。
「もう、そんなに、見ないでよ。いつもの見慣れた顔でしょ。それより、私、おなかすいちゃった。こっちの部屋にしたくしてあるんだよ。」
言うが早いか、風茉くんの腕から、すり抜けて奥の部屋に進んだ。
 

どうしよう、全然余裕ないよ。なんだか、風茉くんの様子もいつもと違うし、、なんていうか、
その、そこはかとなく、色っぽいというか・・・。
「へぇ。意外だ。ばあさんの趣味にしては、まともだな。」
!!!
「うわ!びっくりした、急に背後に立たないで!驚くじゃない!」
「なにそんなに、焦ってんの?さては、なんかイケナイこと考えてたんだろ?」
「・・・そんなことないわよ」
だめだ、自分でも説得力ないのが解っちゃう。
「本とに、お前って隠し事できないんだな、顔、えらくあかいぞ。」
「もう、やだ、そんなに見ないでよぉ。ね、ご飯にしよ。」
「いいよ、俺、メシより咲十子見てたいもん。ね、何、考えてたんだよ?」
そんなこと、言えるわけないじゃない。何か、別の話題、別の話題
「そ、そんなことより、ね。このお家って勝手に使っちゃっていいの?」
ドギマギしている私が、そんなにおもしろいのかな。風茉くんの顔はずっと微笑んでる。
「俺がばあさんから、もらったんだからいいんだよ。」
!!相変わらず、さらっと、とんでもないこと言うのね、やっぱりこの感覚には慣れないなぁ。
と、とりあえず、さっきの追及はかわせたのかな・・・?
「それって、誕生日のプレゼントってこと?」
「さぁね?俺にもあの人の考えることはよくわかんないけど。
とりあえず、お気に入りが幕末から室町以前までさかのぼってるのは間違いないみたいだけどな。
??それが、どうして家をプレゼントにする理由になるの?
「やっぱり、咲十子はいいな。表情がコロコロ変わる。表情に演技がないっていうか、
すごく自然で、すごく落ち着く。」
もう、それじゃ私、小さな子どもみたいじゃない。ちょっと、ムッとしちゃう。
「ほら、今、ムッとしただろ。俺、咲十子の考えてることなら何でも解るんだ。
さっきだって、本とは、俺、解ってたんだ。」
そんな、まさか・・・。
「咲十子がようやく俺のこと、大人の男として見てくれて嬉しかった。」
私の心臓、どうにかなっちゃうんじゃないだろうか、それに、今の顔もきっと見られてる。
「それだけ、あかくなってるってことは、図星なんだな。」
コクン。小さく頷くことしか出来なかった。もう、恥ずかしくて、風茉くんの顔が見れない。
次の瞬間、急に体が宙に浮いた、、
「きゃっ。なに?」
「思ったより、軽いな。ひそかに筋トレしてたおかげかな。」
軽々と、お姫様抱っこされてしまった。
「ね、ねぇ、どうするつもり?どこにつれてくの?」
ジタバタしようとしても、着物のせいでうまく動けない。
風茉くんの顔、さっきまでとはうって変わって、ちょっと、怒ったみたいな顔。
何にも応えてくれないみたい、怒らしちゃったかな?
あきらめておとなしく抱っこされてると、なんとなく、行き先が解ってきた。
風茉くんがゆっくり目的地に近づくにつれて、私の心臓はますます、ドキドキしてくる。
もう、心臓がアタマの中にうつってきたみたい。
ついに、あの、一番奥の寝室の襖の前に到着した。
襖の前で、やっと風茉くんが口を開いた。
「咲十子、俺、咲十子が嫌がっても止まれなくなりそうなんだ。
もし、どうしても無理なら、今、言って。」
風茉くん、こんなときまで優しすぎるよ。
「・・・大丈夫なら、咲十子が襖を開けて。」
怖くないって言ったら、ウソだけど、風茉くんの声が掠れているのに気付いて
安心できた。風茉くんも緊張してるんだ。
抱っこされたまま、そっと、手を出して襖を開けた。
ゆっくりふとんの上に、降ろされる。
おでこ、瞼、ほっぺた、鼻、顔じゅうに、優しく風茉くんの唇が降りてくる。
「ヤダ、くすぐったいよ。」
思わず、笑ってしまった。
「でも、肩の力抜けただろ。緊張してガチガチだったぜ。」
風茉くんには解っちゃうのに、つい、強がっちゃう。
「いつもと一緒よ。ふつ・・・。」
唇がふさがれてしまった。さっきまでのキスと違って、すごく力強い。
いつのまにか、風茉くんの舌が侵入してきてる。
あっ、なんだか、全身から力が抜けてきちゃった。
なんだか変なかんじ。風茉くんに触られてる、手首とか頬がアツイ。
唇から離れた風茉くんが意地悪くニヤっとした。
「まだ、いつもとかわらない?」
もう、何もかんがえられない、風茉くんじゃなくて、私が止まれなくなりそう。
「・・・なんだか、アツイの。・・・だけど、嫌な感じじゃないの。」
すごく、満足そう。恥ずかしくてますます、体があつくなる。
「俺も、あつくなってきた。咲十子、ボタンはずして。」
そういいながら、風茉くんは私を起こして、帯をほどきだしてる。
私も、風茉くんのシャツに手を伸ばすんだけど、うまくはずせない。
風茉くんも、帯に苦戦してるみたい。
もう、だめ、ボタンに集中できない。風茉くんに抱きついた。
「どうした、咲十子?苦しかった?」
ただ、首を横に振ることしか出来ない。
風茉くんの声が響いて我慢できない。
帯を解く風茉くんの手の動きに、ゾクッとしちゃう。
「・・・ん。」
どうしよう。我慢していても息が、漏れちゃう。
シュルル・・・。帯が解けたみたい。
風茉くんの手でゆっくり、着物を脱がされて、私は肌襦袢一枚。
ゆっくり、横たえられて、もう一度、キス。
「・・・ふっっっ。・・・ん・・・。」
襦袢の上からなのに、すごく感じてる。
体に沿って降りていった、指が襦袢の紐を解くのがわかった。
「着物のときって本とに、下着つけないんだな、ねぇ、下もつけてないの?」
そういいながら、風茉くんの手はゆっくり襦袢の上を滑って、私の腰を撫でる。
風茉くんが触るところに、ゾクゾク感が伝わっていく。
「ねぇ、どうなの?」
「・・・ふぅ・・まく・・、ぃじ・わる・・。」
「胸の方は、体が応えてくれたんだけど・・・。ほら、上からでも咲十子の気持ちいいとこ、解るよ。」
風茉くんの指が、襦袢の上から、胸の先端をこする。
滑らかな絹の感触と、じんわり伝わってくる体温でおかしくなりそう。
恥ずかしいのに、もっと、強く触って欲しくなっちゃう。
「・・・咲十子の恥ずかしそうな、顔ってHだな。」
「や、、だぁ!・・あっ・ん・見ない・で・・・。」
顔をそむけようともがくと、紐が解かれた襦袢の裾や襟元が乱れた。
風茉くんが息を飲むのが解った。
はだけた胸元を合わせようとしたら、手を押さえ込まれてキスされた。
首筋、胸の間、お臍、腰、ふともも・・・
指が、手が、襦袢を剥ぎ取るように、直接、肌を通っていく。
体中を走るざわざわした快感に、思わず、風茉くんのシャツを握り締める。
「・・離して、・・咲十子の全部、見たい。」
風茉くんの息も、弾んできてる。
風茉くんが手を止めてくれないから、力が抜けない。
「・・・ぃや・・そん・・は・ずかしぃ・・。」
「・・離さないと、もっと恥ずかしくするぞ。」
耳元でささやかれるのダメみたい、少し、力が緩んだ。
その、隙を突いて風茉くんが離れた。
あっという間に、袖から腕を抜き取られ、隠すものが何もなくなった。
やだ、全部見えちゃう。そう思うと、体の中心がますますあつくなるのを感じた。
 

ブチ・ビリビリ・ブチ(シャツのボタンを引きちぎる音) カチャカチャ(ベルト)、シュ、シュ、トサ
目を閉じて必死に恥ずかしさに耐えていると、ふしぎな音が聞こえてきた。
思わず音の方に、目を向けると行灯の光に風茉くんの裸が浮き上がって見えた。
オレンジ色の明かりの中にある背中は、知らない男の人みたいだった。
振り返った風茉くんは、少年の顔でイタズラっぽく笑った。
「これで、もう、止められないからな。覚悟しろよ。恥ずかしくしてやる」
とんでもないことを言われてるんだけど、少年の風茉くんにほっとした。
ちょっと、油断するとすぐに、恥ずかしいところを隠していた手をどけられた。
さっき、指でなぞっていったところを、今度は、舌が伝う。
胸の先端を口に含まれて、転がされると、気持ちよすぎてジンジンする。
逆の先端を指でつままれると、体が逃げてしまった。
「ん、痛い!・・・風・・ま・くん。強すぎ・・だよぉ・・。」
心配そうに、顔を見上げながら
「・・・ゴメン。・・咲十子が可愛いから、・・思わず力が入っちゃった。」
なんて、いいながらそっちを舐めてくれた。
「じゃ、・・どれくらいまでいいか、教えて。」
また、先端を口に含むと、カリッと歯を立てる。
ゆっくり、ゆっくり力が強くなってる。
逆は、指でおんなじ刺激を与えられてる。
「・・・も・・だめぇぇ・・。」
自分でも、痛くてダメなのか、気持ちよすぎてダメなのかわかんない。
シーツを握り締める手に爪が食い込んで痛い。
「・・もぅ・・胸・・はぁ、、やめて・・。変に、なっちゃぁ・・・ん・・・。」
「それな・・ら、こっちがいいの?」
風茉くんの手が、足の間に滑り込んだ。体が跳ねる。
「あれ、よく、わかんないけど、もう、かなり濡れてる?女の、人っていつも、こうなの?」
もう、これ以上恥ずかしいことなんてないと、思ってたのに、顔が真っ赤になってるのが解る。
「聞・・かない・・・でぇ。んっ・・そん・・な・の、知らな・・い。ふ・・まく・・のせい・・だも・・」
ゆっくり、優しく、入り口の周りを指が蠢いてる。
そんなところ、自分でも触ったことないのに・・・。
「・・・そこ、やめて・・。・・・はぁ、、ん。」
風茉くんの指の動きは止まらずに、ますます広い範囲になった。
時々、すごく強い刺激に襲われる。そのたびに、腰がびくついちゃう。
「どうして?痛かった?・・でも、どんどんあふれてるよ。」
「やだぁ・・・。そん・・な、・・ん。・・恥ず・・かしい・・」
「言っただろ。恥ずかしくしてやるって。俺、好きなんだ、咲十子の恥ずかしがる顔。」
風茉くんは、悪魔の微笑を浮かべた後、半泣きの私の顔に、キスをして起き上がった。
そして、手のほうは中指をゆっくり、入り口に侵入させてきた。
はじめての感覚に全身が強張ってしまう。
「半分入ったよ。痛い?咲十子。」
「いた・・くは・ないけ・・ど、、怖・・い。」
「じゃあ、ここは?」
さっき、時々感じた強い刺激がやってきた。
風茉くんが一番敏感なところをつまんでグリグリ動かしてるみたい。
今までの快感よりも強くてはっきりした感覚に、何かが押し出されそう。
「んっ・・・ふぅ・・。や、やだ、なに・・こ・・れ。風茉・・く・・。変、へ・・んに・・・。・・怖・・・い・・。」
侵入している指も、動き出して、もう、我慢できない!!
「・・・ふぅぅぅんっっっ・・!」
中心から、快感がはじけて、全身を通り抜けた。頭の中が真っ白になった。
 

自分の鼓動が大きく、聞こえる。さっきのなんだったの?
ぐったりしている、私に風茉くんが優しくキスしてくれた。
「咲十子が、はじめてイクとこ、全部、みてた。可愛いかった。」
あれが、イクってことなの?
「最初の怖がってた顔も、感じてた顔も、はじめてイッタ顔も全部、俺の。」
少しずつ、アタマが働き出して、すごく恥ずかしくなってきた。
逃げたいけど、全身がだるくて動けない。
それに、腰の方はさっきの快感の名残がムズムズ残ってて、うまく力が入らない。
「・・・・咲十子、俺、咲十子のこと全部、独り占めにしたいんだ。いいか?」
コクン。しっかりうなづいた。
「この、誕生日プレゼントは返品不可だからね。」
風茉くんは、ちょっと驚いた顔してた。
「返せって言っても、返さねぇよ。」
もう一度、キスをすると、風茉くんは入り口に分身を押し当ててきた。
「・・・んん。・・・痛・・い。」
さっきの指のときは感じなかった、入り口がひきつれるような痛みがある。
「もう少しで、楽になるから・・・。」
予想以上の痛みに、涙が浮かんでくる。
風茉くんとひとつになるんだから、頑張らなきゃ。
ギチッギチッとすすんでいた風茉くんが止まった。
「咲十子の、中に、全部、入った。」
すごく痛いんだけど、じんわり幸せな気持ちが満ちてく。
「・・・ごめ・・。咲十子。お前の中。気持ち良すぎ・・・。俺、動・・く・・。」
ガンガンガンガン
風茉くんの動きが激しくて、しっかり歯を食いしばっても、声が漏れちゃう。
「ふぐぅ・・・。いっつ・・。んんー。」
止まっていた涙も、流れはじめた。
ビ、ビクン。ドク、ドク。
風茉くんが果てるのを感じた。
すごく痛くて、ものすごくジンジンしてるけど、嫌じゃない。
私の上で、息をついている風茉くんを、ぎゅっと抱きしめた。
風茉くんは、今までで、一番、幸せそうな顔をして微笑んでくれて、
涙を、ぺロっとなめてきれいにした後で
「優しく出来なくてゴメン。」
って、照れてた。
「ハッピーバースデイ」そういって、鼻のアタマにキスをした。
 

エピローグ <翌朝>
妙に早く目が覚めちゃった。
昨日のことって、夢じゃないよね?
寝返りをうってみると、風茉くんのどアップがある。
やっぱり、夢じゃないだ。
昨夜のことを、思い出すと自然に赤面しちゃう。
そういえば、一応、儀式の一貫なんだっけ?
ということは、何か続きもあるの?
えっと、じゃあとりあえず、すぐに動けるように身支度しておこうっと。
お風呂からあがって、ご飯の支度をしてると、風茉くんがおきてきた。
やだ、なんか、すごく照れくさい。
それに、なんか、新婚さんみたい。
「おはよう、咲十子。・・・その、体、大丈夫か?」
いきなり、何てこと聞くのよ!
「おはよ。・・・・・ちょっと、痛いけど平気。儀式もちゃんとでるよ。」
「??儀式?何のこと言ってんだ?」
ヤダ、風茉くん寝ぼけてるのかな?
「え、九鉄さんがいってたよ、その、昨日のことは、和久寺家代々のしきたりで、
その儀式の一貫なんだって・・・。」
「あぁ。あれのことか。いいんだ、もともと、ばあさんが思いつきでやりだしたことで、うちにはそんなしきたりないから。」
は?どういうこと??また、アタマがフリーズしそう。
「どうやら最近のばあさんの道楽は源氏物語だの、平家物語だのらしくて、
影響されたらしいんだ。本とは、このあと、親族一同にお披露目とか言う恐ろしいこと計画してたんだ。」
なんだか、アタマがクラクラしてきた。
「ま、主犯は九鉄だな。ばあさんの提案をおもしろがって、実行しようとしてたんだから。」
「だ、だから、風茉くんは何も言ってくれなかったんじゃなくて、知らなかったの?」
「そーゆーことだな。余計なおせっかい以外の儀式は取りやめたけどな。」
「余計なおせっかいって?」
「その、九鉄のやろう、自分が幸せなもんだから、一美と結託して俺達の中を進展させたがってたんだよ。お前等は、誰かにお膳立てしてもらわないとダメだって・・・。」
「つ、つまり、私はまんまとはめられたってこと?・・・振袖でラッピングされたプレゼントだったのね・・・。」
「だな。・・・俺は嬉しかったけど・・・。」
あまりのことに、放心してしまった。
「咲十子、咲十子、おい、大丈夫か?」
「あぁ、平気、だまされたのにはちょっと腹が立つけど、
風茉くんと、その、そうなったのは嫌じゃなかったし。
2人とも、やりすぎだけど、一応、私たちのこと考えてくれたんだもんね。」
風茉くんは、嬉しそうに笑って
「俺も、今回のことはヤツラを多めにみてやるよ。
それとさ、鋼の誕生日プレゼントは
1週間の休暇なんだけど、このまま2人で過ごさないか?」
テレながら、いうから、こっちまで照れちゃう。
もちろん、返事はO.K.だけどね・・・。
― the end ―
 

戻る時はブラウザの【戻る】で戻ってください。
 

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル