『九鉄×一美』by木登りブタ(=36)さん


暗がりの中、2人の声だけが響いている。
お互いに座ったまま抱き合っていて、表情は見えない。
俺には、ただ背中に流れる豊かな黒髪だけが見えている。
俺の手に絡みつく黒髪は汗に濡れて、なかなか離れない。
そうかと思うと、手に握り締めていた髪の毛は、流れるようになくなっている。
まるで、俺みたいだ。完全に手に入れることも、思い出から逃げ出すことも出来ない。
上の空だった俺を、現実が引き戻した。
「・・・あぁん。九・・鉄・・・、もう・・やめて、すご・・く、奥、まで、きて・・る・・。」
入れたまま、髪をいじり続ける俺に我慢できなくなったらしい。
しっかり、抱きとめてるから自分が動くことも出来ずに、苦しそうだ。
「ずいぶん、積極的になったもんだな。箱入りのお嬢さん。」
そのままの体勢で下からつき続ける。
「っん、、あぁ・ん、、はぁ、・・・。」
甘ったるい声を聞きながら、俺は目を閉じて頂上を目指す。
途中で声が途切れた気がするが、もう止められない。
ぐったりと、もたれかかった体を突きあげ続け、目の裏にちらつくアイツの名前を呼んだ。
「・・・一美!!」
終わった後で俺が髪を撫でてやると、突然、泣き出した。
こいつも、そろそろ限界かな?
どいつもこいつも
根性ねえな。
最初に、身代わりに使ってくれっていったのは、そっちだぜ。
結局、長くても4ヶ月しかもちやしねぇ。
それとも、これが普通の感覚なのか?
見込みのない思いを、年も捨てられない俺の方が、おかしいだろうか。
・・・ねぇ。九鉄、私はただの性欲処理ロボット?この髪の毛がなかったら私なんて価値もないの?」
「・・・割りきった、関係でいたいんじゃなかったっけ?」
彼女は、絶句してしまった。正直、俺も自分が最低な男だと思う。
「・・・でも、・・・少なくとも、私はあなたを見てるわ!でも、あなたは・・・、」
また、泣き出してしまった。
もう、これ以上は無理だな。ベットから抜け出すと、帰り支度をはじめた。
「ほら、したくしなよ。送っていくから。」
彼女はショックのあまり、呆然としている。
そう、それでいい。最悪な男だったと思って恨んでくれればいい。
「それと、もう俺に連絡しないでくれ。お互いその方がいいだろ?」
俺は本当に最悪の男だ。この結末は、二人の関係が始まったときからわかっていた。
それでも、かなわぬ想いに押しつぶされそうで、一人ではいられないんだ。
とことん、自分勝手な男だよ。俺は。
やるせない気持ちのまま、仕事へ向かった。
今日は、長期海外出張に同行して時差ぼけ中の主人を起こすことから仕事が始まる。
ここから既に分刻みのスケジュールは始まっている。
「おら!一姫、起きろ!!時間だぞ!!」
部屋に入ったとたん、花のような香りを感じた。
大声を出しながら、部屋に入っても一美は目を覚まさない。いつものことだ。
お嬢様のお決まりスタイル。キングサイズのベットに、天蓋つき。
レースをかき分けて、ベットの淵に腰掛ける。
この数分間の寝顔だけは俺のものだ。
―たとえ、見ているのが鋼十郎の夢だとしても―
この2ヶ月間、坊ちゃんのパートナー役として忙しい日々を送っていたのだろう。
少し、やせたみたいだな。
「おかえり。一美。」
黒髪に縁取られた頬に、そっと手を沿えて確認する。
一瞬、一美の顔が大人びて見えて、思わず手を引っ込める。
いっくら、成長期でも2ヶ月でそんな、変わるわけないよな。
一呼吸おいて、いつものノリで声をかけた。
「おーい。一姫、14にもなって寝坊するのかぁ!?鋼十郎に言いつけるゾ!」
おー、さすがさすが.鋼十郎の名前が出ると即座に反応するんだから。
「・・・鉄。・・・今、何時?」
「いちおー、まだセーフだよ。あと10分でしたくすりゃ朝飯も食えるよ。」
それを聞くと、がバッと起き上がって行動を開始する。
もう、何年も続いてきた朝の一幕だ。
ただ、最近の俺には、朝日にたたずむ一美の姿はまぶしくて仕方ない。
一美はそばにいてくれるだけで、俺に幸せを与える存在だ。
たとえ、自分の想いが叶わなくても一美が幸せになれるのなら、何でもしてやりたい。なにものからも傷つけられないように守りたい。
そのくせ、未練たらしく、その想いを諦めきれないから、他の女を傷つけてる。
これじゃあ、その辺の小学生と変わらないんじゃないのか?
我ながら情けない。
「ちょっと、鉄?」
物思いにふけってたら、いきなり間近に一美の顔がある。
「おぁっ!なんだよ!!」
「それはこっちのせりふだわ。着替えのときくらい気を利かせてくれても
いいんじゃなくて?」
「おい、それじゃあ俺が全く気の利かない、男みたいじゃないか!
紳士だと評判なんだぜ、俺って。」
「その評判はどういった方にもらったの?」
「主に、ナンパした女の子とか、お店のオネェサンかな?」
「・・・・もう!!相変わらずフラフラしてるのね!!。
とにかく、着替えられないから部屋から出てよ!」
相変わらず、冗談の通じないヤツだな。
背中を押されながら、戻ってきた日常にほっとしている。
最後にひとこと、これは自己暗示でもあるんだろうな。
「そんなに必死にならなくても、お前のまっ平らなお子ちゃま体型なんて見ても興奮しねぇよ。」
「もぅー!!いいから出ていいって!!」
この騒ぎからいつもの毎日が始まる。
部屋から出ると、執事と出くわした。
「相変わらずですな。一美様は普段とても大人びておられますが、藤田様といるときだけは普通の少女のようで、見ていて安心できます。」
「そう言っていただけると、光栄ですが当の姫からはお叱りを受けるんですよ。鉄といると落ち着けないと・・・。」
「良いのですよ。それで。私たちでは逆に気を使わせてしまいますから。きっと一美様はあなたに全幅の信頼を置いていると思いますよ。」
「全幅の信頼ねぇ。・・・そりゃ、荷が重いや。」
「何の、軽々と持っておられるように、お見受けしますよ。
それでは、朝食の準備を急がせますので、失礼します。」
相変わらず、しゃれたじい様だ。
今日の俺はそんなにひどい顔をしていたんだろうか。
あのじいさんは、人が落ち込んでいるときに必ず声をかけて励ましてくれる。
さすが、年の功。きっと俺の気持ちもばれてるんだろう。
しかし、全幅の信頼ねぇ。
正直、俺は一美の信頼に耐えられなくなりそうなんだよな。
一美が望んでいるのは、何でも相談できる兄のような存在だ。
今までは、外見の幼さが俺にブレーキをかけてた。
でも、最近の一美は俺にとって女にしか見えない。
12のとき、一美は貧血で倒れた。そのときの青白い顔は鳥肌が立つほどきれいだった。
そのとき、一美の体に変化が起こっていた。初経だ。一美は女になった。
気さくな兄の仮面をかぶって一美に接するのも辛くなってきた。
俺、前世でよっぽど悪いことしたんだろうか?
俺の好きになる女はいつもこっちを向いてくれない人ばかりだ。
万理さんのときと同じ後悔を繰り返さないように、一美の傍にいる覚悟をしたつもりだった。
でも、このままじゃあ、一美の信頼を裏切って、傷つけてしまいそうだ。
一美にとっての危険人物は、この兄の仮面をかぶった俺なんだ。
情けないが、俺は鋼十郎に泣きついて2ヶ月の海外出張の代行をしてもらった。
本来は鋼十郎が本社に残り、俺が現地に同行するはずだった。
とにかく、一度、一美から離れてこれからのことを考えたかった。
もう、答えはでてるようなもんだったけど・・・。

□  □  □

朝食を終えた一美をつれスケジュールを1つずつ確認する。
後部座席の一美は、パソコンでメールチェックしながら俺の言葉に頷く。
一美は12になってから、ファッションやアクセサリー、飲食店産業などの部門を一部任されている。
坊ちゃんほどじゃないにせよ、多忙なのだ。
それなりに成果も出してきている。
まぁ、これまで頭の硬いおっさんのおかげでグループのお荷物だった部門が息を吹き返し始めたという程度で爆発的に利益をあげたわけではないが。
柔軟な感性と、今まで学んできた帝王学、それに加えて完璧を求める性格が見事にはまった。
最初は文句を言っていたおっさん連中も実力で黙らした。
もう、十分だよな。サポートするのは俺じゃなくても。
むしろ、もっと業績伸びるかもな。
愛の力は偉大だって言うし。
そう、俺はこの2ヶ月間で、一美の傍から離れる決心をした。
後任は有無を言わさず、鋼十郎にする予定だ。
俺が一美のためにしてやる最後のおせっかいだ。
スケジュールの最後にさらっと付け加えた。
「あっ、あと俺、今度の視察でお守役兼秘書業務辞めるから。後任は鋼十郎だ。頑張れよ。」
パソコンの画面でうまく表情が見えないが、ルームミラーの中の一美は身じろぎ一つしなかった。
ただ、髪の毛が肩から、はらりと滑り落ちただけだ。
ま、会社についてからの一美はいつもと変わらなかったから、大丈夫だろう。

□  □  □

それからの日々は本当に飛ぶように過ぎていった。
鋼十郎との業務の引継ぎ、屋敷の中での一美の世話役の選定。
辞めた後どの部門に異動するか、感傷にふける暇もないほど用事があった。
秘書業務は第2秘書に任せた。
当然、一美と顔を合わす時間もほとんどなかった。
あの日以来、一美を起こしに行く事もしなかった。
離れている時間が長いほど、一美との思い出が頭をよぎる。
黒髪の記憶。
きっとどれだけ逃げても、俺の心は黒髪に絡め取られたままだろう。
そして、また俺は身代わりになってくれる女を探すのだろう。
一美から離れることも、一美の傍にいることも、同じだけ苦しい。
情けねぇ、30年近く生きてきて、自分の気持も操れない。
俺が一美の傍を離れることは、すぐに坊ちゃん達に伝わった。
麻里さんのときの後悔を知っている咲十子ちゃんはもちろん、勘のいい坊ちゃんも何か言いたげだった。
それを止めてくれたのは鋼十郎だ。
本当に、アイツには迷惑ばかりかけている。
本当に、俺はどうしようもない。
今回、鋼十郎は俺の申し出を受ける条件を、
『一美の視察旅行には俺だけが同行すること。』にした。
まぁ、最後の思い出だ。
しっかりけじめをつけて、一美の前から去ろう。そう決めた。

□  □  □

今、俺は飛行場のロビーにいる。
今回の視察先は和久寺グループ所有の無人島だ。
数ある島の中から、現在計画中のリゾート施設にふさわしい物件を選び出すのが目的だ。
この計画は、ここのところ不振の続くリゾート開発で目玉となるもので、一美の評価を決定付けることになるものだ。
情報を出し抜かれるようなことがあってはいけないので、表向きは一美の夏休みとして、出発する。
目的地は東南アジアだ。
鋼十郎と話し合った結果、俺は先乗りして現地の下準備を整え、飛行場で一美を出迎える
ことにした。
一美を乗せた飛行機は、どうやら、無事に到着したようだ。
到着ロビーに人があふれる。
一美はまだ、現れない。何かあったんだろうか・・・。
到着ロビーにあふれていた人は既にまばらになってきている。
心配のあまり、航空会社に問い合わせようかと、立ち上がったときボディガードに付き添われて一美が現れた。
シンプルな黒いノースリーブのワンピースに華奢なヒールのミュール。アップにした髪。
以前なら無理をして大人ぶっているように見えた。
でも、今日の一美は違った。よく似合っていた。
ボディガードを下がらせる手の動き、普段は隠れている白いうなじ、色気さえ感じる。
俺を見つけて手を振る一美の笑顔が、きれい過ぎて息をのんだ。
ゆっくり近寄ってくる一美を見ながら、精一杯頭を切り替えた。
「一姫、久々だな!しかし、また、えらく大人ぶったもんだな?胸、余ってるぞ。」
「相変わらずね。久しぶりに会って、いきなりそんなことを言うのは鉄くらいだわ。」
「まぁまぁ、荷物は?全部送ったの?よし、じゃあさっそく移動するぞ。台風が発生しそうだから急いで予定を消化しないといけないんだ。」
「ところで、本当に大丈夫なんでしょうね?鉄の操縦ってなんだか怖いものがあるわ。」
「信用ね―な。車の運転だってうまいだろ。安心しなさい!」
いつもの自分が出来ていることに安心した。
その一方で、このままどこかに連れ去ってしまいたい衝動も感じていた。
台風発生の危険性を知りながらも、ヘリを出そうとしているのはそのせいかもしれない。
まさかな。自分の思いつきに苦笑しながらヘリポートへの道を急いだ。
 

□  □  □

移動手段にヘリを選んだのは正解だった。
プロペラの騒音と、トランシーバーのおかげで会話をしなくてすむ。
俺は少しでもボロを出す事が怖かった。
最後まで、一美の信頼に応えたかった。
もう、俺には余裕なんてない。
早く視察を終えて、日本に帰りたいとさえ思い出していた。
今回の、視察は無人島に建てられた別荘の調査だ。
このリゾート計画は『プライベート・アイランド』をテーマにしている。
島まるごと貸切にするという、大胆な企画だ。
新しく建築するリゾート施設の目玉となるものだ。
その島自体は、歩いて4〜5時間で一周できるほど小さいが、ビーチあり、ダイビングスポットあり、と良いことづくめだ。
もちろん、隣の島からも離れているので、密会にももってこいだ。
グループのおっさん達は何のために使っていたのやら。
坊ちゃんの目が厳しくなり、実力のないものは切り捨てられる今、
のんきなおっさん達も、さすがに不倫旅行している暇はないらしく、
これらの施設は、最近使用されていない。
そんな状態なので、使用人も現在は常駐していないし、発電機の重油も非常用しか置いていない。
まぁ。どんなに寂れていても和久寺の別荘だ。建物自体はありえないほど豪華で頑丈に建てられている。
今回、確かめるところは、建物の老朽度と周囲の環境の変化の有無、内装の補修にかかる経費の概算だ。
島に着いてからの行動を考えるうちに、目的地に近づいてきた。
よし、これからが大変だ。気ぃ抜くなよ!と自分に言い聞かせ、ヘリの高度を下げていった。
ヘリポートの降り立った俺は、いつも車でするように、一美の方に周り、ドアを開けてやる。
階段を下りる一美が手を差し出す。
すかさず俺が手を取る。
言葉はなくても長年培われた呼吸がある、体に染み付いている。
「ふふ。さすが鉄。」
嬉しそうに微笑む一美、俺と同じ事を感じたのだろうか。
こんなことが、嬉しくて早くもメッキがはがれそうだ。
やべぇ。手が汗ばんできた。
これじゃ、本当に中坊だぞ。
俺の変化に気付かれたくなくて、わざと乱暴に手をひく。
「きゃ!階段から落ちたらどうするのよ!」
「いったろ、台風が発生しそうで時間がねぇんだよ。ちんたらすんじゃねーぞ。」
「ちょっと、待ってよー。靴、履き替えなきゃ・・・。もう、待ってたら!」
先を急ぐ俺に一美が小走りで駆け寄ってくる。
いつもは颯爽と歩く一美の後ろを、俺が歩く。
俺の後を一美がついてくるのは、幼いとき以来のことだ。
もう、気持ちは決めたはずなのにこんなに愛しいものから離れてしまっていいのか?と考えてしまう。

□  □  □

ヘリポートからビーチを回り、テニスコート、プール、物資輸送用の港と、ヨットハーバー、最後に従業員施設と、別荘という順序で回る。
ここからは仕事モードだ、それぞれの施設ごとに考えてきたチェック項目を確かめていく。
いくら、俺や一美の仕事が早いといっても、たった二人で全てを調査するのは、大仕事だ。
そもそも、こんな調査、一美自身が赴くことは、ないんだ。
でも、何でも全力投球で、完ぺき主義の一美にとって自分の目で確かめたかったんだろう。
鋼十郎には、時には無理矢理でも休ませるようにいっておこう。
俺の目には、ワンピースをはためかせて、日傘をさしてたたずむ一美が映っていた。
「おぉ、悪い悪い!ようやく機械のチェック終わった。ずいぶん待っただろ?」
「・・・そんなことないわ。私も今、終わったところだから。」
おっかしいな?一美のスピードならそんなに時間かかるはずねぇのに。
「なんか、問題あったのか?」
「そんなことないんだけど、・・・やっぱりタイルは全部張り替えね。」
なんか、変だな。とは思ったものの、明らかに風が強くなってきている。
こりゃ、いそがねぇとヘリが出せなくなるぞ。
「そっか、じゃあ、次は港だ。ちょっと急ぐから後、ついて来いよ!」
プールから港までは一本道だ。そろそろ、見えてきたぞ、と振り返ると一美は10メートルくらい遅れている。
なんだか、歩き方もおかしい。
「おい!どうしたんだ!ひねったのか?いつやったんだ!?早くいえよ!」
「大丈夫よ、たいしたことないわ。」
「んなわけないだろ?あーぁ、えらく腫れてるぞ。」
「そんなことないわよ。ビーチでちょっと足を取られただけだもの。先を急ぐんでしょ、ゆっくり行くから鉄は自分の仕事をして。」
「お前、ビーチから我慢してたのか?仕事よりこっちが優先だろ、歩けてたから骨に異常はなさそうだけど、手当てしないとな。・・・・ほら、乗っかれ!」
一美に背を向けてしゃがみこんだ。
「おい、早くしろよ!雨が降り出すまでにヘリにつかないと島から出れなくなるぞ。重くても、文句いわねぇから、ほら!」
おずおずと、一美が背中に体を預けてきた。
軽い。そのくせ、背中にあたる一美の体はやわらかい。
靴を脱がせたときに気が付いた。
一美はずっと、あの華奢なヒールのミュールをはいていた。
あの時、ヘリポートで一美が待ってくれといったとき、俺が待ってやれば怪我させずにすんだんだ。
後悔が俺を襲う。
「鉄、怪我をしたら優しいのね。私、『ガキが大人ぶるからだ』って怒られると思ったの。正直に言うと、自分でも背伸びをして早く大人になりたいと思ってたし。」
申し訳なくて返す言葉が見つからない。
「・・・本当の大人はそんなこと考えないものね。鉄に安心してもらおうと思って、頑張るつもりだったのに、さっそく迷惑かけちゃった。」
「・・・怒ってなんかないよ。痛かったのに我慢させて悪かったな。」
「本とに怒ってない?予定、狂っちゃったのに。」
コテンと、一美の頭が肩に寄りかかった。俺が怒っていないと聞いて、安心したんだろうか?
「いいよ、半分は予定こなしてるし。それより、どうした?気分でも悪いのか?」
「・・・・ううん、鉄の背中。大きくて暖かくて、鉄の匂いがして安心するの。」
なんでこんなに無防備なんだろう。心臓をわしづかみにされたみたいだ。
「寝ててもいいぞ、ついたら起こす・・・。」
ゴォォォォォ。嫌な音が聞こえる。
ポツン、ポツン、ザァァァ・・・・・。
全てを言い終わる前に、急に強い雨が降り出した。
「やばいな、台風発生が早まるかもしれない。減りを出すのは無理だな。」
一美を背負いなおし、目的地を変更する。
「えっ?鉄、どこに行くの?」
「別荘だよ。遭難者がこの島にたどり着いたときのために、非常用の食料と発電機の燃料があるんだ。」
強い雨に打たれながら、在原業平みたいだな。と思った。
―どうか、雨がやんで夜が明けても、姫が鬼にさらわれていませんように。―
姫の無事を祈るのも、鬼となって姫を奪おうとするのも、俺自身だ。
風の強さが増したようだった。

□  □  □

外は、完全に嵐が吹き荒れている。
よくテレビで見る沖縄の映像のようだ。
東京の台風とはくらべものにならない。
一美はダイニングの椅子に座らせ足にはシップを貼った、
俺は地下の発電機を作動させようとしている。
この別荘にたどり着くまでの間に、俺達はずぶ濡れになっていた。
作業に集中しようとするが、どうしてもこれからのことを考えてしまう。
ヘリの無線で、本島の別荘に連絡を取った。
どうやら、今回の台風はものすごく大型でスピードが遅いらしい。
最悪、3、4日間ここで過ごさなければならない。
雨にぬれた一美の姿を思い出す。
ワンピースは体に張り付き、柔らかな曲線をはっきり見せていた。
まとめられた髪から出ている後れ毛が、一美のうなじに悩ましげに張り付いていた。
発電機が、ゴォォォンという、唸りを上げたのと同時に、
「・・・・やべぇな。」
と、ため息をついてしまった。
なかなか、一美の前に戻る決心がつかずにいると、
ガシャーーン!!というけたたましい音が聞こえてきた。
一美に何かあったのか?考えるよりも先に体が動いていた。
「おい、一姫!大丈夫か??」
ダイニングには姿がない。どこにいるんだ?
バタン、バタンと1つ1つドアを開けて確かめる。
一美はキッチンにいた。
「一姫、怪我はないか?」
俺の、あまりの剣幕にきょとんとしている。
「もう、鉄ったら、そんなに息を切らして、、、。」
「でっかい音がしたぞ、なにをしようとしてたんだ?座ってろって言っただろ。」
??一美の顔が少し曇る。
「ただ、お茶を入れようと思ったの。濡れたままで体が冷えちゃうといけないから・・・。」
「ここまで歩いてくるのも大変だっただろう?俺に言えば良かったのに・・・。」
「・・・・・。」
「いいんだぜ、今更、遠慮しなくても。おっ、それより電気ついたからシャワー浴びて来いよ。そのほうがお茶より早く暖まるぞ。」
「・・・わかった。・・・そうする。」
なにをそんなに落ち込んでいるんだろう。一美は明らかにがっかりしているようだ。
「お前が上がるまでに部屋の支度しておくから、あと、着替えは、、、、多分従業員用の寝巻きだな。地下のランドリーにあったから持ってくる。」
「うん、じゃ、お願い。・・・・・部屋で待ってる。」
きっと、不安なんだろうな。こんなところに何日もいなくちゃいけないなんて・・・。
せめて体だけでも、落ち着かせてやりたい、そう思って俺は必死に働いた。
一階のメインルームを主に、使うことにした。
その部屋は、中で小さく接客室、寝室、バスルームに分けられている。
発電機の燃料を節約するため、こことキッチン以外の電気は使わないように決めた。
そんなわけで、俺は一美のシャワーの音を聞きながら、寝室のベッドメイキングをしている。
正直、今回ばかりは、俺が大人で良かったと思う。
無人島、二人きり、不安な夜、無防備な彼女、・・・中坊だったら我慢できないね、絶対。
そう考えると、やっぱり坊ちゃんは我慢強いといえるのかもな。
いまだに、キス以上してないみたいだし。
しかし、咲十子ちゃんがその気になるときなんて、いつになるのやら。
そう考えると、やっぱり若さゆえの勢い、というか、暴走も必要なんだな。
ベッドメイキングを終えて、ベッドの淵に腰掛けて大荒れの海を見ながらボーっと考えた。
―花の香りがする・・・。―
ふわっと暖かいものが俺の背中にかぶさってきた。
一瞬置いて、
「鉄、抱いて。」
一美の、緊張で掠れた声が聞こえた。

□  □  □

俺の冷え切った体に、じんわりと一美のぬくもりが伝わってくる。
なにが、起こってるんだ?俺は夢でも見てるのか?
このまま、勢いに流されてしまいたい、気持ちも確かにあった。
でも、そうするには俺は大人になりすぎていた。
「・・・相手、間違えてるんじゃねーのか?鋼十郎は日本だぜ。」
首に、巻きついていた腕が緩んだ。
俺は立ち上がり窓の外を見つめた。
「なんで急にそんなこと言い出したのか知らないけど、焦らなくても大丈夫だよ。お前はきれいになるよ。きっと鋼十郎もみとれるくらい。」
ゆっくりと振り返ると呆然と俺の方を見る一美の目とあった。
湯上りの上気した肌はうっすらピンク色になっている。
それを隠すのはバスタオルと、濡れた黒髪だけだ。
黒髪から滴る水滴は、「艶かしい」という言葉を思い起こさせた。
すぐにでも自分の言葉を撤回したかった。
「お前はもう、誰よりもきれいだ」と。
それと同時に、一美をこんなに追い詰めている鋼十郎を恨めしく思った。
俺には慰めることしか出来ない。
浴室からタオルを取ってくると、頭をゴシゴシと拭いてやった。
タオルで顔が見えなくなると、一美の嗚咽が聞こえてきた。
何も、声をかけず、ひたすら手を動かす。
5分くらいたっただろうか、次第に一美の嗚咽が収まってきた。
「・・・鉄。いなくならないで。」
小さな小さな声は聞き取るのがやっとだった。
これだけ長く一緒にいても、こんなにか細い声を聞いたのは初めてだ。
「ちっとも鉄の役に立てなくて、今回だけでも予定を狂わせたり、お茶も入れられなかったり、本当に何にも出来ない子どもで面倒くさいけど、・・・。でも、今の気持ちは本物なの。」
俺は、心にまで傷を負わせていたのか。手が止まってしまう。
「・・・・私、今までずっと、自分の気持をごまかしてたの。それに気付いてしまったらもう我慢できなくなったの。もう子どもじゃないって知って欲しかった。」
一美が顔を上げたひょうしに、俺の手と、タオルは滑り落ちた。
「鉄が好きなの。鉄じゃなきゃダメなの。」
驚きのあまり、言葉が頭で反響する。
「私、鉄との関係を壊したくなかった。自分の気持に気付いてから、また、鋼十郎様の時みたいになったらって思うと怖かったの。だから、相変わらず鋼十郎様が好きなふりしてたの。鉄にとって、こんな子どもの気持ちは迷惑でしょう。」
これは現実なのか?。
「もう、覚えてないかもしれないけれど、私が倒れたとき、抱き上げて運んでくれたでしょ。その時はっきりと自分の気持に気付いたの。胸がドキドキして苦しかった。意識が戻ってきたとき、鉄の心配そうな顔があって、この人を独り占めしたいって思ったの。」
沈黙する二人をよそに、風の音が轟々と鳴り響いている。
やばい、考えがまとまらねぇ。
「ごめんなさい。最後に一番困らせちゃった。もう、こんな馬鹿なことはしないわ。」
涙を浮かべながら、ベッドを降りようとしていた一美が、気付いたら俺の腕の中にいた。
考えるよりも先に体が動いた。

□  □  □

俺も、一美もきょとんとして動けないでいる。
俺って意外にこらえ性ないのかね?思わず、笑いがこぼれる。
だめだ、俺も結局、ガキって事だな。さっきの一美の言葉を聞いてオトナのメッキははげてしまった。
一美はどうしたらいいのか、オロオロして、腕から抜け出そうとしている。
一美を抱く手に力をこめる。花の香りが強くなる。
「わかってんのか?一美?お前のせいで、無駄な我慢しちまったじゃねぇか。」
右手で、髪をすく。
「覚悟しろよ。もう、我慢してやんねぇからな。やっぱ嫌だっていっても、離さない。」
「えっ?!何?どういう意味?。ふざけないで!」
俺から離れようともがく、一美の顔は真っ赤だ。
仕事中の落ち着き払った姿からは、想像できないほど慌てている。
どれだけ我慢したと思ってるんだ。これ以上我慢出るか。
顎をもって、上を向かせると、唇を重ねた。
「!!っいや!何する・・・」
唇で言葉をさえぎる。舌を進めて歯茎をなぞる。少し隙間が開いたところで一美の舌を絡め取る。
俺の胸を押していた一美の手から、力が抜けている。
ちょっとやりすぎたかな?唇を離すと、一美の熱っぽく潤んでいる。
もう一度、一美を強く抱きしめた。
「俺がどれだけお前のこと大切かわかってないだろう?鋼十郎に死ぬほど嫉妬したり、
暴走しそうな自分を必死で押さえてたことなんて、知らないんだろう?
一美のことが愛しくて俺のものにしてしまいたくて、そんな自分が許せなくて一美の前から去ろうと思った気持ちも知らないんだろう?
俺がこんなに我慢してたのに、自分から飛び込んできたんだからな。絶対、離さない。」
腕の中にいる一美が愛しくて仕方ない。
おいおい、こんなに心臓動いたの、いつぶりだ?
俺の胸にぴったりくっついている一美にもばれてるんだろう。
一美は、ゆっくり顔を上げて目に涙をためながら微笑んだ。
「・・・もう、我慢しちゃヤダ。もっと、いろんな鉄を教えて欲しいの。」
無言で頷き、おでこに優しくキスをした。
ゆっくりと、一美の体をベッドに倒した。
外の嵐とは対照的なほど、静かに時が流れているようだった。

□  □  □

頬に手を当て、真っ赤な唇を親指でなぞる。
一美は緊張している様子だったが、親指を遠慮がちに、ぺロッと舐めた。
けなげにも、一生懸命応えようとしてくれているらしい。
ただ、今もまだ、一美の両手はしっかりとバスタオルを握り締めている。
やわらかい唇を自分のそれで覆う。
自然に入り口が開かれて、舌が先へ進んでいく。
今度は一方的ではなく、ぎこちないが舌の動きが感じられた。
なんて可愛いヤツなんだ。
そう思うと、もっと気持ちよくさせたくなる。
一美の力も抜けてきた。そっと、タオルを握り締めていた手をどける。
タオルをどけ、まだ小ぶりでかたい乳房をあらわにする。
頬に当てていた手を、ゆっくり動かし白いふくらみを包む。
俺の手のくぼみにちょうど収まる。
胸の先端を指で転がしながら、ふくらみを揉む。
唇を離すと、一美の息は乱れ始めていた。
「すごく綺麗だ。それに肌がすごく気持ちいい。吸い付くみたいだ。」
恥ずかしいのか、横を向いてしまった。
髪の黒さに、うなじの白さが強調される。
ひきつけられるように、首筋に唇を近づけると、吸血鬼のように思い切りすった。
桜の花びらみたいに、俺の印が浮き上がる。
そのまま、舌をはわせ硬くなった先端を口に含む。
「・・・なに、これ?っあ。・・・て・・つ。」
「どうしたの?言ってみて?」
初めての快感に戸惑っているのだろう、不安げな様子がたまらない。
「あの、、ね、・・・なんだか、、そこ、、さわられると、背中・・が、、やぁ・・ん。」
ペロリと逆の先端を舐める。
「背中がどうした?」
一美の手は、シーツを握り締めた。ふくらみを撫でたり、先端を引っ張ったり、いじりながら意地悪な質問をする。
「背中が、・・・うぅん。・・せな・・か・がね、っふ。・・ゾクッと・・・・するの。」
「じゃあ、やめて欲しいの?」
胸に顔をうずめ、無数に印をつけながら聞いた。
手は徐々に下降して、臍のあたりをさわるかさわらないかのところで動かしたりしている。
「っっやぁ。・・・そん・な・・の・・・・・わかぁ・・ンナ・・・。」
小さな胸は俺の与える刺激を敏感に感じ取っているようだ。
「・・・もっと、して欲しい?」
一美は照れながらも、小さく頷き顔の傍にある、俺の手に両手ですがりつきほお擦りした。
その表情のかわいらしさと、今まで隠されていた華奢な背中が、天使を連想させる。
羽の名残だって言ってたな。一美の言葉を思い出しながら、首筋から肩甲骨までキスを降らす。
さっきまでの刺激よりは弱いけど、じわりじわりと良くなってるはずだ。
流れる黒髪の間から、俺のつけた花びらがのぞく。
俺は全身に俺の印をつけたくなって、一美をうつぶせにした。
「っえ?、、何?」
「大丈夫。変なことはしないから。」
「やぁだ。・・・・何、、するのぉ?」
太ももの裏を舌でたどる。不安の声が消え、体がビクンとこわばる。
もちろん、内側には俺の印をつける。
ふくらはぎ、かかと、くるぶし、膝、つま先、足の指、くまなくキスの雨を降らせる。
時々、甘く噛み付いたり、舌でなぞると呼吸が乱れている。
一美を仰向けにし、つま先から徐々に上へと進んでいく。
一美の体が、小刻みに震え始めていた。
「・・・寒いのか?・・・・怖いって言っても止めてやらねぇぞ。」
「や、、やめるのは・・ダメ。・・・暖めて。」
ウソつけ、本当は怖いくせに。わかってるけど、俺はもう我慢できない。
濡れたまま、まとわりついている服を剥ぎ取ると、一美の手を俺の胸に当てた。
「いーぜ。無理しなくても。俺も暴走しちまいそうで怖いんだ。でも、もう戻れない。」
「いい・・よ。・・・鉄なら、、、なに・・しても・・・。」
少し、落ち着いたみたいだ。今までで、一番長いキスをする。
俺の手は胸から快感を引き出したあとで、ゆっくり太ももへ伸びる。
やわらかい感触を確かめ、そのまま中心にすすめる。
一美のそこは、もう濡れていた。
俺が唇を離すと、一美は声を出さないようにしっかりと自分の唇をかみ締めた。
「可愛い声、もっと聞かせろよ。」
俺の指が、一番敏感な部分をいじる。
イヤイヤをするように首を振ると、髪の毛から、花の香りがしてくる。
一美が目を閉じたので、ゆっくり体を動かし中心に顔を近づける。
ふぅぅっと息を吹きかけると、かわいい入り口は、キュンとしぼんだ。
「っやだ、・・・見ちゃ・・・やぁぁ・・ん。」
声と一緒に、とろーっと新たな水が染み出してきた。
ぺロっと舐めとって舌を入り口へ差し入れる。
背中が跳ねる。もう、唇は甘い声を押さえ込むことは出来ないらしい。
「やぁぁ・・・ン。・・・・ふぁ・・・・あん・・・あ・・。」
入り口にゆっくり指を入れる。やっぱり、狭い。
初めての感覚に少し戸惑っているようだ。
入り口をほぐすように指を動かしながら、敏感なところを舌で刺激してやる。
口に含んだ敏感な突起に吸い付く。
「ん、・・あぁ、・・はぁん、ン、ん、、、ひぅぅ・・・・ん。」
背中が反り返り、ガクッと落ちた。シーツを握る手も緩んでいる。
何がなんだかわからず呆然としているみたいだ。
初めていったんだし、頭は真っ白だろう。
可愛い肩が乱れた呼吸に合わせて上下している。
おでこにキスしてやると、まだ、ぼんやりしたままの目で俺を見つめる。
苦しそうに呼吸しながら、声にならない声で、『テツ』とつぶやき微笑んだ。
俺は、頷いて、入り口に俺の物をあてた。
ゆっくり先に進めていく。
指で慣らしたとは言っても、やはり辛そうだ。
出来る限り痛みの少ないように、進んだ。
一美の目には涙があふれている。
「痛い・・・よな?」
「平・・・気。・・・テ・・ツ、、だ・・から・・・。なに、、されて・・・も・・。」
こんなに愛しいものはかつて無かった。
俺は今、生まれ変わったんだとさえ思えた。
繋がったままだってぇのに、嬉しくて泣けてきそうだった。
「悪いけど、ちょっと動くぞ。」
必死でごまかそうと腰を動かす。
少しでも、痛みから気が散るように、敏感な突起も擦った。
最初、耐えているだけだった一美の声に、少しずつ甘い声が混じってきた。
限界に近づいたとき、一美の中が一段と締め付けてきた。
次の瞬間、二人同時に頂点を迎えた。
外の嵐は、ますますひどくなっているようだった。

□  □  □

エピローグ
結局、二人は5日間島から出ることが出来なかった。
その間、どうしてたのかなんて、野暮なことは聞かなくてもわかるだろ。
まぁ、あと、これからについて話し合った。
その結果、俺は和久寺に婿に入ることになった。
いやぁ。驚いたね。まさか本人達を無視してこんな計画がされてるなんて。
もともと、一美の親父は俺か、鋼十郎を婿として迎え入れ自分はとっとと引退しようと
もくろんでいたらしい。(そんなことはさせないけどね。)
もっとも、親父さんは一美の鋼十郎への思いを知っていたから、候補は鋼十郎だったんだろうけど。
俺達の年の差に、ついては本人達以上に周りがすんなり認めてくれた。
あたりを見渡せば60過ぎた爺様が20やそこらの女の子と結婚する事だってあるんだから、可愛いもんか?
とりあえず、こんなハッピーエンドを迎えられたのも、俺達二人の間で働いてくれた、鋼十郎のお陰だ。
そんなわけで、鋼十郎は希望通り、坊ちゃん付きの勤務に戻した。
一美の秘書は、第2秘書と俺が立場を入れ替わった。
マスオさんってのも、大変で、これから一美の親父さんの仕事を覚えなきゃいけねぇんだと。
まぁ、俺は優秀だから、あっという間だな。
1年もすりゃ、一美付きの勤務に戻ってやるぜ。
みてろよ、親父、愛の力は偉大なんだ。
仕事を全部、覚えたら一美と一緒に住ませてやるって言う絶対、守らせるからな。
傍にいるだけで俺に、幸せを与えてた一美が俺だけに甘えたり、我侭言うんだぞ。
こんな幸せなこと、起こらないと思ってた。
もうこの幸せを逃さないと決めた俺に、怖いものは無い!
なんだってやってやるさ。
― the end ―
 

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