10000ヒット記念 眼鏡プレイ 木登りブタさん





僕の腕の中には本来なら手を触れることもできない綺麗な青い鳥がいる。
もちろん、誰にも見つからないように2人になれるわずかの隙を狙って、僕達は身体を重ねる。
暖かく柔らかく、僕が髪を梳くとくすぐったそうに身を捩る。
この瞬間だけは、僕の、僕だけのしのぶさまだ。
逃げてしまわないように、彼女を閉じ込める檻になっている腕に力をこめる。
目を閉じてもしのぶさまの形を覚えていられるように。
僕の視線に、指に、クチビルに、反応して火照り色づく柔肌を反芻できるように。
甘い吐息も、僕を呼ぶ声も、一つも漏らさないように記憶の中に。
しのぶさまを抱くとき、全身がしのぶ様を求めているのが分かる。
もっと、もっと、僕だけを感じて、僕だけを見て、僕だけを欲しがって。
気が付くといつも、しのぶさまを気遣う余裕もなく追い上げている。
それでもまだ、彼女の全ては僕のモノではない気がしている。
上り詰めた後で、脱力し僕に全身をゆだねてくれる。
僕に酔って、身動きできないしのぶさまを抱きしめたとき、
ようやくしのぶさまを求めていた全身の渇望感が薄まる気がする。
あぁ、また僕の腕の中に綺麗な青い鳥が降りてきてくれたのだと、
奇跡のような幸福感に浸ることができる。
「さいぞ…。そんなに抱きしめたら苦しいわ…。」
小鳥のさえずりは耳に甘く、また、全身がしのぶさまを求めて渇いていくのが分かる。
「ねぇ、才蔵?どうしてお前はいつも眼鏡をはずすの?…しのが不安になっているのを分かってる?」
甘いさえずりは、僕を灼熱の砂漠に引きずりだすようだ。
「最初に眼鏡を外せと仰ったのは、どなたでしたっけ?」

□ □ □

初めて身体を重ねたとき、全てを知りたいと焦れる僕から視覚を奪ったのは、しのぶさまだ。
少し震えた冷たい指先が、眼鏡の弦にかかり、そして、奪い取った。
『…。しのが怖がる顔を見たら、お前は止めてしまうでしょう?
 …怖いのだけど、止めて欲しくはないの…。命令よ。眼鏡を外したままでしのを抱きなさい。』
その時から、僕の身体は渇きを癒すまで止めることができなくなった。
しのぶさまが怖いというのなら、その恐れも僕は奪ってしまいたかったのに。
優しく強いしのぶさまは、それを全て1人で引き受けてしまった。
僕の体の下に、確かにしのぶさまがいるのに、どんなに求めても全てを知ることは許されないのだろうか。
しのぶさまの優しさが、僕をしのぶさまから遠ざけている。
貴女はどんな表情で僕を見ているのですか?
どんな表情で僕に酔っているのですか?
今もまだ、怖いとお思いなんですか?
回数を重ねるごとに反応は少女から女に変化しつつあるのに。
僕のまぶたに映るあなたの笑顔は清らかな少女のままなんです。
僕が首筋を撫でると、甘い吐息が漏れる。
舌先で転がすとすぐに立ち上がる淡い二つの芽。
その芽に少し歯を立てるとビクンと跳ねる身体。
少し小ぶりな乳房の下には、いつも僕の印。
もう、痕をつけるのは嫌だっておっしゃらなくなりましたよね。
長い髪に隠された緋色の花びらを一枚ずつ味わって、花芯の蜜を吸い取る頃には、
貴女の持っているもう一つの花がほころび始めているのを、才蔵は知っているんです。
淡くうっすらとした茂みを探り、柔らかい花びらに指を埋める頃にはしっとりと濡れていることを
知っているんです。
滴り落ちそうなほど潤んだ中心に指を進めるために、今は膝を割り開く必要がないことも
知っているんです。
僕が耳元でささやけば、貴女は誰にも見せない花を僕だけにみせてくれる。
そして、その蜜を口にすることも許してくれる。
可愛らしいぷっくりとした突起に唇を寄せれば、貴女の手が僕を離すまいと押し付ける。
膨らんだそれを舐ると貴女は僕の名前を苦しそうに呼ぶ。
それに応えて、中心に指を差し込むともっともっとというように、僕を飲み込もうとするんです。
内側のある場所を擦ると、貴女は背をそらせ大きな声で叫ぶ。
甘い甘い花の蜜を、全て舐めとってしまおうとする僕を貴女の柔らかい太ももが締め付ける。
その汗ばんだ太ももの感触をほほに受けると、僕の渇望感が限界になるんです。
貴女をもっと鳴かせたい。
声も、表情も、身体も、思考も、全部僕で一杯にしたい。
そう思うのにどうしても貴女の表情だけは、僕は手に入れることができなかったんです。
おぼろげな視界の奥で、僕に貫かれて声を漏らす貴女の表情を僕は見ることができなかったんです。
もう止めてくれと喘ぐ貴女の声が聞こえても、止めることができなかった。
繰り返し貫くことで、少しでも貴女の顔が見えてくるのではないかと思えて。
貴女の爪が僕の背に立てられた痛みが、僕に貴女の表情を見せてくれるのではないかと思えて。
僕を受け止めてぐったりと横たわる貴女を抱きしめるときに、ようやく、貴女の表情が見えるんです。
それでようやく僕は全身が潤された気になるんです。

□ □ □

「ぃや。…さいぞ。なんだか中で……。」
回数を重ねるごとに変わっていくのは僕の身体も同じで、
何度も降り注ぐ水のせいですっかり水はけが良くなってしまったみたいだ。
それとも、表情が見えないという大きな穴のせいで水を留めておくことができないのかもしれない…。
僕の身体はあっという間に渇いてカラカラになってしまう。
密着している皮膚は、2人の汗が交じり合ってしっとりと濡れているというのに。
唇を額に落とすと、ベッド脇のサイドボードに手を伸ばし眼鏡を取った。
「眼鏡がなくて、才蔵も不安だったって…ご存知ですか?」
視線を落とすと、頬を赤らめ僕を見つめるしのぶさまがはっきり見えた。
頬に手を添えると、愛しそうに頬擦りしてくる。
…こんなに、かわいい表情をしていたんだ…。
ドクンと胸が高く打って、また、体の熱が上がる。
柔らかいしのぶさまの内側を押し広げはじめている。
「ちゃんとしののことを見て。目を閉じたお前に抱かれるのは切な過ぎるわ…。」
かわいくさえずる唇に、人差し指を近づけると舌を絡ませ口腔の奥へと誘う。
その表情は、完全に女の顔。
僕が変えた。清らかな少女から欲張りな女に。
唇から指を引き抜きそれを自分の口元に寄せる。
しのぶさまを見つめたまま舌先で濡れた指先をぬぐう。
いつも貴女はこんな風に僕を見ていたのですか?
まるで、僕の指を嫉妬するかのように切ない視線が僕を見つめる。
どうしたことだろう。
表情さえ見えれば、渇望感はもっと和らぐと思っていたのにむしろ、加速している。
繋がっている部分はゆっくりと脈打ちはじめ、僕を締め付け始めている。
泣き出してしまいそうなほど、潤んだ瞳で見つめられる。
「…そんなに焦らなくても、才蔵は全部しのぶさまのモノですよ。」
「しのは…欲張りなの…。まだ足りないわ。もっと頂戴…。」
膝の下に手を入れて持ち上げる。
少しずつゆっくり動き始めると、しのぶさまの指がシーツを握り締めたのが見えた。
水音と心臓の音が大きくなり、いつものようにしのぶさまの甘い声が漏れ始めた。
これ以上早く打つことはないと思っていた心臓がさらに強く打ち始める。
しのぶさまはどんな表情で僕の名前を呼んでいるのだろう。
僕が頭を振ると、パタパタと音をたててシーツの上に汗が散った。
「…さいぞぉ。…もっと…。しの、、ぜ、全部、ちょおだい。才蔵を、全部、みた…い…。」
快感で頭が真っ白になりそうだった。
僕の動きに合わせて揺れる胸も、僕が持っているせいで赤くなっている太ももも、
さらさらと音を立てて流れ出しそうな細い髪の毛も、今まではっきりと見えていなかったものが
全部視界に飛び込んできていつもの何倍もしのぶさまを感じる。
表情を見てしまったら、僕はもう壊れてしまうかもしれない…。
それでも、誘惑に耐え兼ねてしのぶさまの顔を見た。
視線があった瞬間に、しのぶさまは微笑んだ。
本当に幸せそうに。
泣き笑いだったけど、これまで僕が見た表情の中で一番綺麗だと思った。
しのぶさまを怖いくらい好きになった、あの表情よりも、綺麗だと思った。
そして、もう二度と離せないほど愛してしまった。
秘密を知ったら必ず傷つけてしまうと分かっているのに。
三島も御城も関係ない。後ろめたささえ振り切ってしのぶさまだけを求めている。
しのぶさまさえいれば、僕は生きていける。そんなことまで思ってしまった。
しのぶさまが一際強く僕を締め付けてきたとき、僕も我慢を手放した。
せっかく眼鏡をかけているのに、視界は真っ白な光に占領されて何も見えなかった。

□ □ □

息をついて、ゆっくり僕を引き抜くとしのぶさまの体は少し身震いした。
上目遣いに僕を見つめるその表情は、少し不思議そうだった。
「どうして今度は抱きしめていてくれないの?」
息を切らし、少し不満そうな声も僕を誘っていることに気付いていないんだろう。
自分でも驚いているんです。
しのぶさまを知れば知るほど、僕は欲張りになっていく。
しのぶさまは自分を欲張りだと仰るけれど、僕はそれ以上に欲張りなんです。
無理やりにでも離れないと、いけない考えに囚われてしまいそうになるんです。
殿にも、里にも、三島にも、全て暴露してしまってしのぶさまを連れ去りたいと。
本当に僕しか手を触れられない檻にしのぶさまを閉じ込めて、隠してしまいたい。
そんな思いを抱くほど、僕は貪欲なんです。
貴女に対しては…。
今はまだ、その時じゃない。
こんなに身体を重ねていても、ようやく小さな不安を解消できただけ。
やっと僕の腕の中で乱れるしのぶさまを捕まえただけ。
それがわかっているから、離れたんです。本当は。
「もうすぐ殿がお帰りになってしまいますよ。
才蔵は、しのぶさまのお背中をお流ししたいんですが?ダメですか?」
獰猛なまでにしのぶさまを独占したいと訴える気持ちを宥めて、力の入らないしのぶさまを抱き上げる。
「…嫌だって言っても、連れて行くんじゃあないの?」
さっきまでの女の顔とは売って変わって、無邪気な少女に戻ったしのぶさまはクスクスと
幸せそうな笑い声を上げた。
「しのぶさまが才蔵に全部見せるのは恥ずかしいと仰ったから、僕は今まで我慢していたんですよ。」
「………!もちろん今だって恥ずかしいわ。だけど…。
 目を閉じたまま抱かれるとしのでなくても良いんじゃないかと不安になってしまうわ。」
頬を膨らませて、僕を見あげるしのぶさまにささやいた。
「僕は目を閉じてしのぶさまが感じているのを全部、覚えていようとしていたんです。」
全く、眼鏡をかけて見るまで分からなかった。
僕の腕の中で真っ赤になっている彼女が、どうしてあんなに艶やかに乱れていると思うだろう。
しのぶさまが僕の獰猛な独占欲に気付いていないように、僕もしのぶさまの女の部分に気
付いていないのだろうか。
お互いに少年と少女の外見で本性を隠しているのかもしれない。
これから待ち受けているたくさんの試練を乗り越えて、全てをさらけ出せる時が来たら、
僕の渇望感は鎮まるだろうか。
今はただ、少しもおさまらない体の熱を冷ますためにシャワーに向った。
肌に纏わりついた情事の後の汗を流して、清らかな少年と少女に戻るために。

-the end-

 

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