王家の紋章 Ψ別室―その7
1 名前:名無し草 :05/01/30 00:59:47
ここは細川智栄子先生の少女漫画・「王家の紋章」が好きな、
中でもΨ(`▼´)Ψ系・なりきり・「伯爵令嬢」ネタ・なんでもOK
な人のための闇鍋スレッドです。

前スレはこちら:
王家の紋章 Ψ別室―その6
http://aa5.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1097933240/


2 名前:名無し草 :05/01/30 01:00:34
<過去ログ>
O家別室ーキャロル2年後ー
http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1016380697/

O家別室―王族乙女の社交場―Ψ(`▼´)Ψ
http://hobby6.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1071328594/

O家別室―王族乙女の社交場―その2
http://hobby6.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1085158737/

王家の紋章 Ψ別室―その3
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1090405965/

王家の紋章 Ψ別室―その4
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1094262081/

王家の紋章 Ψ別室―その5
http://aa5.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1095169098/

王家の紋章 Ψ別室―その6
http://aa5.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1097933240/



3 名前:名無し草 :05/01/30 01:01:10
<ありがたいダイジェストサイト>
1ROM人様 ⇒ ●○● 王家の紋章スレ@2ch ダイジェスト ●○●
ttp://members.tripod.co.jp/ouke2ch/

Part3の396様 ⇒ ★★王家の紋章@2chダイジェスト暫定版(,,゚ー゚)っ且~★★
ttp://yellow.ribbon.to/~oukeyxvt/

●○● 伯爵令嬢ダイジェスト ●○●
ttp://hakusyaku.easter.ne.jp/




4 名前:名無し草 :05/01/30 01:01:33
<お約束>
・sage推奨でお願いします(メール欄に半角文字で「sage」を入れる)。
・ここは社交場ですので特に形式は決めません。質問・雑談・作品発表ご自由に。
・作品にはΨ(`▼´)Ψ系もアリアリなので、気にいらないならスルー、煽りや荒らしは完全放置。
 あとは常識的マナーの範囲で。



5 :ヤドナナ:04/10/16 22:29:46
<作品掲載について>
・非公式ファン交流広場なので、原作者及び出版元とは一切関係ありません。
・王家を愛する作家さんたちの創作も大歓迎です。
・作家さんは名前欄に作品のタイトルをお願いします。
 連載の場合は巻頭に通しb書き、「>○○」という形で前作へのリンクを
 貼ってもらえると助かります。
・18禁作品にはタイトルにΨ(`▼´)Ψを記入して下さい。


 _,,..i'"':,
|\`、: i'、
.\\`_',..-i
  .\|_,..-┘




5 名前:名無し草 :05/01/30 01:02:17
<創作読みの願い〜作家様へ>


             / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ,__     | 投稿中断の際は 一言下さい、お願いします。
    /  ./\    \__________________
  /  ./( ・ ).\       o〇      ヾ!;;;::iii|//"
/_____/ .(´ー`) ,\   ∧∧        |;;;;::iii|/゙
 ̄|| || || ||. |っ¢..|| ̄  (,,  ) ナモナモ   |;;;;::iii|
  || || || ||./,,, |ゝ iii~   ⊂ ヾwwwjjrjww!;;;;::iii|jwjjrjww〃
  | ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 (  ,,)〜 wjwjjrj从jwwjwjjrj从jr







6 名前:名無し草 :05/01/30 01:22:27
新スレ、乙です〜! 
ありがとう〜!

7 名前:名無し草 :05/01/30 01:33:51
ぬ、ぬ、ぬ、ぬる、ぬるぽ、なんだな

8 名前:名無し草 :05/01/30 01:38:57
彡川三三三ミ
   川川 ::::::⌒ ⌒ヽ
  川川::::::::ー◎-◎-)
  川(6|::::::::  ( 。。))    カタカタカタ
 川川;;;::∴ ノ  3  ノ   ______      
    \_;;;;;;;;;;;;;;;;ノ   |  | ̄ ̄\ \
   /       \__|  |    | ̄ ̄|
  /  \___      |  |    |__|
  | \      |つ    |__|__/ /
  /     ̄ ̄  | ̄ ̄ ̄ ̄|  〔 ̄ ̄〕
 
            ガンガレ 作家サマ


9 名前:名無し草 :05/01/30 01:39:24
エロパロ厨と枯れ葉ババsは出て逝ったんだね、ガッ

10 名前:名無し草 :05/01/30 01:44:17
>>1

>>7
ガッ!
>>8
キモ

11 名前:名無し草 :05/01/30 01:54:05
しばらくは両スレチェックですなあ。

>7 ガッ!

12 名前:名無し草 :05/01/30 01:57:56
その場に居合せた名無しだけで決めたの<エロパロ逝き
8は置忘れ?

13 名前:名無し草 :05/01/30 01:59:46
結果これでいいんじゃないかい?

14 名前:名無し草 :05/01/30 02:04:56
ぬるぽキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!!


15 名前:名無し草 :05/01/30 02:05:39

  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
  ( ・∀・)< マターリしようネ♪ 
  (    )  \_______ 
  | | | 
  (__)_) 

別れちゃったね。
どんな形でも、作品が読めますように。

16 名前:名無し草 :05/01/30 02:06:50
>>12
独り芝居かもねぇw

17 名前:名無し草 :05/01/30 02:07:06
ガッ!

18 名前:名無し草 :05/01/30 02:08:31
>>14 ガッ


19 名前:名無し草 :05/01/30 02:12:51
早くエチィで過激なお話来るといいね

20 名前:名無し草 :05/01/30 03:09:00
どちらで聞けばいいか分からないので、ひとまずこちらで。
過去ログの需要ってありますか?
もしあるなら、UPしますが。

21 名前:名無し草 :05/01/30 03:12:23
>>1さん
新スレ、乙です。

22 名前:名無し草 :05/01/30 03:19:39
アルマンの馬鹿ぁ


23 名前:名無し草 :05/01/30 03:47:02
文庫版がなかなか出なくて
何巻まで買ったのかも忘れてしまいました
もちろん内容も・・・

出せコラw

24 名前:名無し草 :05/01/30 03:52:01
>20
読みたい!

25 名前:名無し草 :05/01/30 09:38:32
      ☆ チン     マチクタビレタ〜
                        マチクタビレタ〜
       ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ヽ ___\(\・∀・) < 作家様まだ〜?
            \_/⊂ ⊂_ )   \_____________
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
       |  愛媛みかん |/



26 名前:名無し草 :05/01/30 09:51:35
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27 名前:名無し草 :05/01/30 09:58:28
呉:在日の人たちにしても、植民地時代に自分の意志で積極的にきた人のほうがずっと多いんじゃ
  ないですか。(軍事動員で)強制連行で連れてこられた人たちはほとんど帰ってしまったわけですから。
崔:そこはいいポイントです。事実はまさしくその通りなんです。ところが、そうであるにもかか
  わらず、意識としてはそうじゃなくなっているんです。自分も植民地のときに強制的につれて
  こられたのだと、これはアイデンティティとしてそうなってしまっているんです。
呉:なるほど、意識と実際は違うということですね。
崔:実際は強制されてきたのではなくても、我々は強制されてきたんだという、そういう物語をつ
  くってそれを自分の意識としてもつんです。ここが在日韓国・朝鮮人を考える場合のかなり大
  きなポイントです。(中略)それで一世たちはそういう物語を二世、三世に懸命に教えるんです。
呉:なんのために教えるんですか
崔:民族意識を守り、それを子孫に伝えるためです。

※呉善花、崔吉城『これでは困る韓国』1997年




28 名前:名無し草 :05/01/30 10:09:35
>1さん、乙です。
早く素敵なお話来るといいですね。

29 名前:名無し草 :05/01/30 11:03:28
。   ∧_∧。゚
 ゚  (゚ ´Д`゚ )っ ゚
   (つ   /   作家さま〜早く〜
    |   (⌒)   待ちきれないよォ
    し⌒
  ...ウワァァァァン


30 名前:名無し草 :05/01/30 11:20:33
バキャロルが拉致られてマグロ船に乗せられたり、風俗に売り飛ばされたりする話なぞ読みたいです。

31 名前:名無し草 :05/01/30 11:32:05
ギャッハハ

32 名前:名無し草 :05/01/30 11:42:55
>>30
そのまま帰ってこなければいいよねえ

33 名前:名無し草 :05/01/30 11:54:11
>>30
いいかも!

34 名前:名無し草 :05/01/30 12:28:19
ギャヒィッ!

35 名前:名無し草 :05/01/30 12:36:08
どうしてあんなバカ女がいつまでもヒロインなんだか

36 名前:名無し草 :05/01/30 12:38:39

      \∧_ヘ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ,,、,、,,, / \〇ノゝ∩ < 1000取り合戦、いくぞゴルァ!!       ,,、,、,,,
    /三√ ゚Д゚) /   \____________  ,,、,、,,,
     /三/| ゚U゚|\      ,,、,、,,,                       ,,、,、,,,
 ,,、,、,,, U (:::::::::::)  ,,、,、,,,         \オーーーーーーーッ!!/
      //三/|三|\     ∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
      ∪  ∪       (    )    (     )   (    )    )
 ,,、,、,,,       ,,、,、,,,  ∧_∧∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
      ,,、,、,,,       (    )    (    )    (    )    (    )




37 名前:名無し草 :05/01/30 12:41:01
ワロタ
いくらなんでも早すぎだってw

38 名前:名無し草 :05/01/30 12:56:14
  ァ  ∧_∧ ァ,、
 ,、'` ( ´∀`) ,、'`
  '`  ( ⊃ ⊂)  '`


39 名前:名無し草 :05/01/30 13:13:13
作家さま、日曜日はこないかな?

40 名前:名無し草 :05/01/30 13:37:18
当分こないから、安心して家事に精をだしておくれ

41 名前:名無し草 :05/01/30 14:16:50
今日は寒いから何もしたくないです

42 名前:名無し草 :05/01/30 15:27:41
>>30
その原案を頂いていいですか?
最近のキャロルちょっと腹立たしいんで・・・

マグロ船を海賊船、風俗をアルゴンのハーレムに変更して短編書きたいです。

43 名前:名無し草 :05/01/30 16:00:10
荒らしは向こうに行ったっぽいね

44 名前:名無し草 :05/01/30 16:01:43
夕餉の買い物完了。
さぁ!仕度だ!

>>42
禿同。。。
最初の頃はキャロ好きでしたが・・
最近は・・・
短編!お待ちしています

45 名前:名無し草 :05/01/30 16:02:33
>>42
是非とも、お願い致します。

46 名前:名無し草 :05/01/30 16:11:14
AVも過去あったんだから、風俗もそのままいけそう。
42さんに反発してるんじゃないですよ。
42さんの海賊船&ハーレム、楽しみにしてます。

47 名前:名無し草 :05/01/30 16:14:34
海賊船+ハーレム

( ゚∀)クル?( ゚∀゚ )クル??ヾ( ゚∀゚ )ノクル━━!!!???

作家様お待ちしてまつ。

48 名前:名無し草 :05/01/30 16:36:07
                      ,,,;;;;;;;;彡彡;;之 ヽ
        ,,,,,,,,,,,,,;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;| l;;;;;;;リ)リ;;;;;;|l;;;;(ミ彡/、 Z
l|ヽ= 从;;l |l|;;ll;;;;;l|;;;;;l;;;イl;;;;;;;;;;;;;| l|;;;;;;-〈、|;;;;;;;;;;;;;;,,三∠ノ フ    な 地 き
ヽミ三从;;从|;(;;;;|l;;;;l|;;;((;;;;;(ヽ乂;;;;;;/ノ人、从;;;;;;;;ヽ ∠ |     ま 獄 さ
ミ二ミミ从 ; ;;;;;;゙;;;;゙;;;;;L{{ミ|Y;;";;;;;rテ'';''i゙''ミ゙   イ;;;;{ミヽ∠ノ     ぬ す ま
゙ヽ乏゙゙从゙ ;;ヽ、、_;;;;;;;;;;;;;{≧Y;ノノ=-゙'''"´彡   ';;;;;;ヾ,,', ヽ      る ら に
 <彡l|;;;;;;;l、;}:/;r't;;;)>| 彡 ̄""´         |;;;;;;〈 |.| }     ぽ.   は
  ノノイ;;;;;;之"゙"''"´  |、  _,,、:::::        |;;;;;ノノリ;∠     //
   イ彡l|;;;;ヽ ゙::::::::   j _,、 -)゙ヽ::...       |;;/- /;;/ミヽ   ・・
   l|//l|;;;l~、'、 ::::   ゙''::ヽ,/          |(,,ノ;;;ヽ〉ミ/
    リノイ;ヽヽ'、     `゙'、l__,,、、、,,_,,     / l||;;;;;;;;|∠_
    "´ノ|;;;;`'-;',     (t -'''ヘヘ)}}    リ  リ;;;;;;;/从ミ | / ̄\/\/ ̄\
      |/l|;;;;;;;;ヽ    レ- '''""´     /:::" {;;;从;;;;;;;;)"
      l|l||;;l|;;;;;;;;'、   ,,、;;''";; ̄::   ,/:::::"  ヽl|リ;;;r''、リ
       ヽl |;;;;;;;;;\    "  `゙   /::::::"    レ',、-ー゙''""゙''ー、    ,,、- ''
        //|;;;;;;;', \  〈     / :::::::   ,、 '´        ゙'> ''"




49 名前:名無し草 :05/01/30 16:51:38
彡川三三三ミ
   川川 ::::::⌒ ⌒ヽ
  川川::::::::ー◎-◎-)
  川(6|::::::::  ( 。。))    カタカタカタ
 川川;;;::∴ ノ  3  ノ   ______      
    \_;;;;;;;;;;;;;;;;ノ   |  | ̄ ̄\ \
   /       \__|  |    | ̄ ̄|
  /  \___      |  |    |__|
  | \      |つ    |__|__/ /
  /     ̄ ̄  | ̄ ̄ ̄ ̄|  〔 ̄ ̄〕
 
            ガンガレ 42サマ



50 名前:名無し草 :05/01/30 19:36:05
>24
レスをありがとうございます。

過去ログをUPしてみました。
ひとまず二次創作関係のスレだけですが、
良かったらご利用ください。
ttp://houka5.com/yuukan/ouke/index-thre.html

>作家さま
心から応援しております。
ご苦労も多いでしょうが、どうぞ頑張ってください。

51 名前:名無し草 :05/01/30 21:29:05
>>48 ガッ!

52 名前:名無し草 :05/01/30 23:52:55
>>50
乙です

あっちのスレ倉庫の管理人様だったのか
ダイジェストサイト様は更新止まってるし、
王家スレの倉庫もやってもらえたら嬉しいです

53 名前:名無し草 :05/01/31 11:24:28
>>50
乙です

作家様方。
これまでと同じ難民板
IDが出るエロパロ板
と分かれましたが・・。

作家様を応援、感謝している人がほとんどだと思います。 
どちらの板でも、作家様が書きやすくて、読者もまったり
作品を楽しめる板にご降臨をお待ちしています。


54 名前:名無し草 :05/01/31 15:23:07
>>52
★★王家の紋章@2chダイジェスト暫定版(,,゚ー゚)っ且~★★ 
を見に行った更新されていましたよ〜。

396様、お忙しい中いつも有難うございます!!
それにしても、良かった!!




55 名前:名無し草 :05/01/31 18:36:11
    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}



56 名前:名無し草 :05/01/31 22:44:41
在日朝鮮人帰国望む


57 名前:名無し草 :05/01/31 22:47:50
いつまでこのスレに張り付いている気?


58 名前:名無し草 :05/01/31 23:12:24
>>55

(´,_ゝ`)プッ




59 名前:名無し草 :05/02/01 00:23:48
20代後半は間違いなくおばちゃんだな。


60 名前:名無し草 :05/02/01 00:29:29
「セックスは、清く、正しく気持ちよく」


61 名前:名無し草 :05/02/01 00:31:09
    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}



62 名前:名無し草 :05/02/01 12:51:22
ヒャアア

63 名前:名無し草 :05/02/01 13:04:28
>>61

(´,_ゝ`)プッ



64 名前:名無し草 :05/02/01 16:08:52
m9(^Д^)プギャーーーッ

65 名前:名無し草 :05/02/01 16:40:41
セックスは気持ちよい

66 名前:名無し草 :05/02/01 17:15:02
>>65

  /::::::::::/ノ::::::::ノ::::::::ヽ:人::::::::::ヽ:)
  (::::::::::/  ):::ノ::::ノ ) ソ ヾ::::::::::::丶::::ヽ
 (:::::::::/ 彡  ノ   ノ  :: 彡:/)) ::::::::::)
(::::::::::/彡彡彡彡彡   ミミミミミミミ :::::::::::)
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67 名前:名無し草 :05/02/01 17:31:12
>>55 >>61 >>65
キャアアア そんな気持ち悪いモン見せないでよ〜〜!(とか言ってみる(W

68 名前:名無し草 :05/02/01 17:32:24
げ、アンカー間違えた。>>66だ。逝って来る。

69 名前:名無し草 :05/02/01 21:31:52
サロペット揚げ

70 名前:名無し草 :05/02/01 21:49:45
サロペットって誰だっけ?
登場人物が多杉て覚えてないよorz

71 名前:散髪 :05/02/01 22:13:52

もう2年近く髪の毛を切っていないキャロルが、髪の毛を切りたいと言った時、メンフィスは苦い顔をして反対した。
「何故、その黄金の髪を切りたがるのだ?せっかく伸ばしたのに!前髪は切っているからそれでいいではないか」
「だって!もう腰を過ぎていて重いのよ。編むにしても結うにしても、うっとおしくて持て余すくらいだもの」
「む〜。結うのも編むのも召使にさせているからいいではないか。切ることは許さぬ!」
キャロルの豊かに波打つ髪はメンフィスの自慢であったから。
「…それに伸ばしすぎると毛先が傷むし、髪の毛に栄養を全部吸われちゃうみたいで暑さが堪えるの」

結局、キャロルは髪の毛を腰の上あたりまで切ることを許された。しかし何とキャロルの髪を切るのはメンフィスその人であった。
「メ、メンフィスったら!ナフテラに切ってもらうからいいのに!」
「うるさい!私とて髪の毛くらい切れる!手先が器用なのはそなたとて知っておろう。さぁ、あまり煩くすると髪を刈り上げるぞ!」

72 名前:散髪 :05/02/01 22:14:28

しゃき、しゃき、しゃき…。
メンフィスは本当に器用であっという間に裾を切り揃えてしまった。今は前髪。目を閉じてじっとしているキャロルの顔は真っ赤だ。
(わ、私ったら今、どんな顔をしているの?恥ずかしくて顔がにやけてしまう。それに、おでこ全開の顔をメンフィスに見られてるなんて!あーん)
メンフィスの指が繊細に触れるたびに、目を閉じて感覚が鋭敏になったキャロルの内側がぞくりと震える。
(何だか…変。どきどきする)

(何とも色っぽいな)
メンフィスは、目を閉じて頬を染めたキャロルの顔を見ながら考えた。
メンフィスの指が肌に、髪の毛に触れるたびに、キャロルの長い睫も震える。髪に剃刀があたっているときは息を止めているのか時々、吐息をつく様子も何やら悩ましい。
(額を出させても良いな。形もいいし、生え際もきれいだ。前髪がないと何やら年相応の艶めかしさが出るようではないか。
そうだ、これからは前髪も切らせぬようにしよう)
メンフィスは手を止めて額に美しい飾り輪をはめたキャロルの様子を想像して微笑んだ。
キャロルはメンフィスが命じたまま、じっとしている。でも緊張して震える唇は何やら接吻をねだっているようにも見えて…。

「メンフィス?どうしたの…?きゃっ!」
メンフィスはいきなりキャロルの唇を自分の唇でふさいだ。
「ふふ、そなたと居ると何やら雑念がわいて簡単な散髪すら思うに任せぬ!」

その後ナフテラは、ファラオが遣り残した仕事を丁寧に仕上げた…。

おわり

73 名前:名無し草 :05/02/01 22:17:00
    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
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74 名前:名無し草 :05/02/01 22:21:04

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  (::::::::::/  ):::ノ::::ノ ) ソ ヾ::::::::::::丶::::ヽ
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75 名前:名無し草 :05/02/01 22:30:58

  _, ._
(;゚ Д゚)


76 名前:名無し草 :05/02/01 22:31:46
散発作家様。この雰囲気の中で
よくぞ、作品を書いていただき、ありがとうございます。

77 名前:名無し草 :05/02/01 22:56:15
>散髪作者さま
あああぁぁ・・・
本当に!
この雰囲気の中、よくぞ!よくぞ!投下頂きました。
本当に有難うございます。


78 名前:名無し草 :05/02/01 23:28:34
散髪作家さま。
ほのぼの癒されました〜
わたしもメンフィスに髪きってもらいてぇ。

79 名前:名無し草 :05/02/01 23:43:44
汝らの敵!朝鮮人を知れ!
    ↓
http://news18.2ch.net/news4plus/subback.html



80 名前:名無し草 :05/02/02 00:58:55
  _, ._
(;゚ Д゚)



81 名前:名無し草 :05/02/02 01:02:18
その後ナフテラは…の前にどんなことがあったのか気になりまつ。

82 名前:名無し草 :05/02/02 01:25:00
>>81

    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}




83 名前:名無し草 :05/02/02 02:03:10
(゚ロ゚;)アイヤァ~


84 名前:名無し草 :05/02/02 09:06:53
韓流ブームの歌

火のないところに煙が起こるぜ 捏造ブームYeah
ウソを貫けば いつかはそれがホントになるのさ

うすっぺらな日韓友好続くぜ ブームも続くぜ
様様様様様様 韓国ウハウハ 我々萎え萎え

猟奇的なマスコミュニケーション
日本のブームを紹介します

韓流ブーム 韓国人なら誰でもいいよ
韓流ブーム 韓国ネタなら何でもいいよ
韓流ブーム 韓流 Yes Sir 韓流 Yes Sir
韓流ブーム 韓国カムサハムニダ

韓国オトコと結婚したいの
日本のオトコは頼りないわ

韓流スター パなのか ピなのか プなのか ペなのか
韓流スター アナタはドナタじゃソナタはアキタ
韓流スター ヨンジュン Yes Sir ペペペペ Yes Sir
韓流スター 韓流サランヘヨ

ウソを貫けば いつかはそれがホントになるのさ


85 名前:名無し草 :05/02/02 12:55:59
はぁ〜

86 名前:抜けない棘 :05/02/02 17:09:38
>>427
5
たおやかで優美なその姿とは裏腹に、キャロルは頑なに妃のお披露目に出席すのを拒んだ。
「私はメンフィスの妃です!」と一歩も譲ることなく、食事をするのさえ拒んだのである。
「私は死ぬまでメンフィスの妃ですわ!」ときっぱり言い放ち、青い瞳は確固たる決意を表すように力強い光りを帯びている。
厳しい王子の乳母のムーラの叱責にもキャロルは意思を曲げないのだ。

「これではお披露目どころではございませぬ、なんとまあ気性の激しいお方だとは・・・。」
ムーラが困り果ててイズミル王子にこぼすと、王子も思い当たるところがあるのか困ったような笑みを浮かべて見せた。
「私も今ひとつ回復しておらぬのだ、しばらく大目に見てやれ、ムーラ。
 空腹になればそのうち意固地を張る元気もなくなるだろう。」
笑いの混じった王子の言葉にムーラが険しい顔で言葉を返す。
「ですが、もう三日も召し上がられないままでございます、王子。水だけはお召しのようでございますが。」
ムーラの言葉に笑みに浮んでいた表情が曇るイズミル王子。
「我侭にしては度が過ぎる、私が参ろう。」
王子が腰を上げるのを見たムーラは、ほっと一安心したような安堵と、王子自身に手間をかけさせてしまった我が身の不手際を悔いるものが綯い交ぜになった
複雑な表情をしていたが、黙って王子に頭を下げた。

87 名前:抜けない棘 :05/02/02 17:11:36
6
キャロルはじっと寝台の上にうつ伏せに伏したまま考えていた。
ハンストを起こしたのまではよかったが、流石に空腹は堪えている。
けれど自分としては王子の妃のことなど全く記憶にない上、メンフィスを愛しているのだ。
なんとか逃げ出してエジプトに帰りたいが、王子は抜かりなくキャロルの監視を怠らない。
少しでもお披露目を延ばし、その隙に逃げることくらいしか思いつかない。
なんとしてでもお披露目を避け、脱出の算段をつけたいキャロルも必死だった。
少しでも早くメンフィスのもとへ帰らなければ!
私がメンフィスを守るって決めたのよ!早く帰らなければ!
気ばかり焦るキャロルの耳に扉が開閉した音と衣擦れの音が届き人の気配を感じたが
キャロルは振り向こうとはしなかった。
どうせまたムーラのお小言だろうと思ったのだ。

だが寝台が軋み大柄な影がキャロルの背後から覆い被さって来てはじめてキャロルは慌てて逃れようとしたが
手首を掴まれ強引に視線をイズミル王子の薄茶色の瞳と合わせられた。
「何故に食事を取らぬ、それでは何もできぬぞ、逃げることも私の相手を務めることもな。」
怒るわけでなくキャロルから見れば嘲ったような表情の王子の声音は静かなものだった。
キャロルは勇気を振り絞るように息を呑んだ。


88 名前:抜けない棘 :05/02/02 17:16:34
>>86は >>前スレ427です。
誤字脱字すみません。

89 名前:名無し草 :05/02/02 17:33:29
友人宅の息子タン(18歳大学生)が、バイト先の女の子(親しくも無い)から
いきなり『誕生日祝い♪』って、紙包みを貰ったんだって

自分の誕生日なんて言ったことも無いし話題にもした事が無いのになぁ・・
なんて、少し不気味に思いながらも、突っ返したら悪いし、とりあえず
受け取って家に帰って中身を見て呆然

中身はTシャツに大きなプリントがしてあるやつで、そのプリントの図柄は
その女の子のオールヌードの写真が転写してあったそうな。

90 名前:名無し草 :05/02/02 17:48:04
んんん?
その女の子ってバキャロル?

91 名前:名無し草 :05/02/02 22:07:28
開けてビックリ

92 名前:名無し草 :05/02/03 10:49:07
「ある日〜♪パパと2人で♪炒めあったさ〜♪」
   ∧_∧   ∧∞∧
  ( ・∀・) ( *。・゚・⌒)  。・゚・⌒)
 ⊂    つ━ヽニニフ))・ヽニニフ))
  .人  Y   人  Y
  し'(_)   し'(_)

「前日の♪冷えた ご飯♪そして 卵の事を〜♪」
         ∧_∧   ∧∞∧
 (⌒・゚・。  ((⌒・゚・。) (・∀・* )
((ヽニニフ・((ヽニニフ━⊂、   つ
           Y 人    Y 人
          (_)'J   (_)'J

「グリングリ〜ン♪仕上げには ララ 刻みネギ入れ〜て〜♪」
  ∧_∧  ∧∞∧
 ( ・∀・ )。・゚・⌒)・ )。・゚・⌒)
 ( つ━ヽニニフ))・ヽニニフ))
  ヽ ( ノ  ヽ ( ノ
 (_)し'  (_)し'

「グリングリ〜ン♪軽く炒めて ララ 香りがそそ〜る〜♪」
         iヽ     .iヽ
       。・゚・ | | ミ  。・゚・.| | ミ
     ・゚・。・゚. ソ  ・゚・。・゚.ソ
   ∧・゚・。・゚ ┃ ∧∞・゚・┃
  ∩ ・∀・)∩∩ ・∀・)∩
   〉     _ノ 〉     _ノ
  ノ ノ  ノ  ノ ノ  ノ
  し´(_)   し´(_)

93 名前:名無し草 :05/02/03 16:04:35
キャハッ!

94 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/03 21:14:27
前スレ752より

13
「そなたがいなくなってから、すぐにこの庭は閉じてしまった。主が居なくなったのも知らぬげに、咲き誇る花が疎ましかった…。
でも、そなたは戻って来てくれた」
唇をつけたまま囁くメンフィスの吐息の悩ましさ。
「憶えていないのならそれでも良い。私が覚えているから、懐かしいそなたの全てを覚えているから。愛しい…愛しい…愛している…」

メンフィスの逞しい胸の中に抱きすくめられてキャロルは酔ったような心地だった。恐ろしいはずなのに、不思議に心はときめいて…。
(だめ、だめ、こんなことをしてはだめ。何を言っているの?私はキャロルよ、でもあなたのキャロルじゃないわ。
ああ、でも…!あの彫像…!)
陶然と目を閉じるメンフィスに抱かれながら、キャロルは目の端でファラオの側に寄り添う女性像を凝視していた。

(私に懐かしそうに話しかけ、傅いてくれる人達。私の好きなものを知っている人達。私に誂えたような衣裳、家具…。
何もかも揃っているわ。ただ、それを受け取る主だけが抜けている…。それは私なの?それとも私と同じ名前、同じ顔の誰か…なの…?)

「……分からない…」
小さく呟くキャロルの声が、メンフィスの怒りを誘う。想いの通じぬもどかしさ、哀しさ…。


95 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/03 21:16:19
14
「分からぬなどとは言わせぬ!何故、そのように怯えた顔で私を見る?」
メンフィスの切ない瞳にキャロルは思わずひるんだ。
「だって…怖いの。私は何も分からない。覚えがない。でも皆、私を知っているわ。怖い…私は…あなたの知っている人じゃないのに」
(それなのに私はあなたを締め出して拒めないのよ?!)
「幾度も申し聞かせている。そなたは私の妃だ。長くオシリス神の御許にあったが、神々の恩寵により再び現世に戻ることを許された私の最愛のキャロルだ」
メンフィスはますます強くキャロルを抱きしめた。
「そなたも…心の奥底では分かっておろう。私がどれほどそなたを想っているか。それが証拠にそなたは強く私を拒めぬ。惹かれている。違うか?」
その熱く切ない視線に酔わされるのを恐れて、真っ赤になったキャロルは目をそらした。そしてメンフィスの情熱に気づいてしまう。

「いやーっ!」
急に強い力で押されて戸惑ったメンフィスだったが、すぐにキャロルを怯えさせた原因は分かった。
(ち…。このような時に。参ったな、16歳の子供のキャロルか!くっそう!)

「待たぬか、キャロル!そのように走っては転ぶ!」
「やっ…離してったら!」
後ろから抱きすくめるメンフィスの昂ぶりが肌に強く伝わってくる恐ろしさにキャロルは狂ったように暴れまわった。

「メンフィス様ーっ!メンフィス様!」
「ファラオ、姫君、どちらにおわしますか?」
だがその時、宮廷医師を引っ立てるようにして連れてきたミヌーエ将軍とウナス二人の前に現れた。その後からはナフテラも小走りにやって来る。

96 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/03 21:17:05
15
「これは…」
気まずそうに視線をさ迷わせる人々を尻目に、キャロルはメンフィスの腕を乱暴に振り解いた。
「ナフテラっ、私、私…っ!」
「…日差しがきつうございますからお疲れになったのかもしれませんね。さぁ、お部屋へ参りましょう」
ナフテラは優しくキャロルを抱きかかえるようにして歩き出した。何もご心配はいりませぬと残された男達に目配せして。

なおも昂ぶりを押さえきれぬそれに自嘲の一瞥をくれると、メンフィスは厳しい為政者の顔に戻った。
「…ミヌーエ、何かあったな?」
「は。宮廷医師が申しますには…」
「メンフィス様、カーフラ王女が恐ろしい怪我を負っておられます。右腕をざっくりと…骨が見えるのではないかと思うほどの深手でございます。
たいそう苦しんでおられるというのに手当てを嫌がられるような素振りさえあられ…。このままではお命にかかわりまする」
「ほう…」
医師の言葉に聞き入るメンフィスにさらにウナスが言葉を継いだ。
「リビア王は、王女の負傷にたいそう立腹、下手人の即時捕縛を叫んでおりますのにカーフラ王女はそれは不要の一点張り…。負傷の件も口外するなと医師殿に厳しく命じられたそうでございます」
「し、しかしながらファラオ!宮殿の内で、しかも国賓が襲われたことを私の胸ひとつに納めることなどできませぬ!」

「ふむ。報告ご苦労。医師、王女の負傷のほど、もっと詳しく報告いたせ。手当てはしてやるのだな、仕損じた以上は泥を吐くまでは生かしておこう」
悪鬼のような凄惨な笑みが、メンフィスの秀麗な顔に刻まれる。
「ふ、何という顔だ。下手人は私だ。王妃キャロル暗殺未遂犯人なのだ、お前の患者はな」

97 名前:名無し草 :05/02/03 21:37:30
>メンフィス4年後の作家様!!!
ご降臨本当に有難うございます!
心よりお待ちしていました。

大人なメンフィスがすごくイイ!
これからも楽しみにしています。

98 名前:名無し草 :05/02/03 21:39:29
やった〜
戯作メンフィス4年後作家様
お待ちしておりました。

99 名前:名無し草 :05/02/03 21:54:04
【写真館】日韓併合前後 朝鮮半島
http://photo.jijisama.org/OldKorea.html
キムワンソプ(金完燮)はこう言っている

『親日派のための弁明』

・現代韓国人が知らない日本統治以前の奴隷社会

死亡当時、すべての朝鮮人にとって呪いの対象だった閔妃が、今になって
自主独立の殉教者として華麗に復活した現象は、韓国人が直面している
アイデンティティーの混乱を端的に示すものだ。

韓国人が朝鮮王朝を慕い、日本の統治を受けず朝鮮王朝が継続したなら、
もっと今日の暮らしが良くなっていると考えるのは、当時の朝鮮の実態に
ついてきちんと分かっていないためだ。

特に子供と青少年は、きれいな道ときれいな家、整った身なり、上品な
言葉遣いのテレビの歴史ドラマを観ながら、朝鮮もそれなりに立派な社会で、
外勢の侵略がなかったならば、静かで平和な国家を保てたろうと錯覚する。

しかし日本が来る前の朝鮮は、あまりに未開で悲惨だったという事実を
知らねばならない。



100 名前:名無し草 :05/02/03 22:24:01
抜けない棘作家さま、
戯作メンフィス4年後作家さま、
うpありがとうございます! 読めて嬉しい〜(涙
続きを楽しみにしております。。

101 名前:名無し草 :05/02/03 22:39:37
ぬれぬれまんこに俺のちんぽをいんすとー
るしてお前の嫁を
ぽあしてやるZE!


102 名前:名無し草 :05/02/03 22:45:10
いやん、変なレスばっかり

103 名前:名無し草 :05/02/03 22:50:40
      ∧_∧    ガッ!
     ( ´Д`)
     /⌒    ヽ
    / /    ノヽ    _ー ̄_ ̄)',  ・ ∴.'  , .. ∧_∧ ∴.'.'  , .
    ( /ヽ   | ) --_- ― = ̄  ̄`:, .∴ '      ((( #)゚Д゚) .∴ '
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     ∠/   ̄            !、_/ /   )   >>101
                           |_/


104 名前:名無し草 :05/02/03 23:05:50
ん?
ああ縦読みだたのか

105 名前:名無し草 :05/02/03 23:43:04
玉袋

106 名前:名無し草 :05/02/04 00:01:49
相変わらず短気だけどアダルトなメン様素敵です・・・!
大人なメンヒスにつくづく萌え萌え・・・。

107 名前:名無し草 :05/02/04 01:28:04
     /     ヾ   ヽ、
   /      彡ノヽ    ヽ
   /  ,,ノ-~  ̄  ヽ     |
   |  / へ , 、 ノヾ \ミ  ノ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   /彡| ノ   ヽ    |   ) | がんこに平和。
   ヽ .|   、_っ      |  ノ | 土井たか子支持者でない者は
   `-|  /  _  ヽ   |_ノ ∠  みんな右翼です。
      .|  ノ`-´\   |    \____________
     ヽ'  ⌒  丶 丿
       ,ー - ― '、  民主党共産党と朝日新聞と
     /|ヽ___ノ|ヽ   朝鮮労働党はわが友。

ミサイルであなたの子供が死んでも反撃してはいけない。
それが真の反戦主義者です。報復は報復を呼ぶだけ。
日本人が多数死んでも、反撃・報復はよしましょう。
殺すくらいなら皆さん進んで殺されましょう。


108 名前:名無し草 :05/02/04 08:40:51
戯作メンフィス4年後作家様
続きありがとうございます。続きが読めて私も嬉しいです。
早くメンフィスとキャロルのラブラブに戻る事を祈っています。

109 名前:名無し草 :05/02/04 14:40:09
>>108 ブラブラ

    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}




110 名前:名無し草 :05/02/04 15:06:07
しつこくコピペするのやめてよ

111 名前:名無し草 :05/02/04 16:36:55
粘着なものですから

112 名前:抜けない棘 :05/02/04 18:24:34
>>88
7
キャロルが身動き取れないように圧し掛かる逞しい体躯、いかにも男らしい体臭が鼻を擽って
キャロルの心に恐れを呼び覚ます。
表情の読めない薄茶色の目がじっと間近にあり、その視線から逃げたいのに、逃げれば自分の負けだと思うと、
なけなしの勇気の欠片を拾い集めてなんとか抗って睨みつけてみる。
「そなたの我侭も体力がなければ続かぬぞ、どうするのだ?」
笑いを含んだ声が耳元で低く響くと、王子の唇はキャロルの白い頬を滑って形の良い耳にたどり着き、軽く耳朶を噛んだ。
キャロルの体がびくっとまるで痙攣したように全身に震えが走る。
慣れ親しんだメンフィスとは違うその感触にキャロルの脳裏に「逃げなきゃ!」という言葉しか浮ばない。
「いやっ!やめて下さい、王子!」
キャロルの必死の抵抗は何の意味もなく、衣装越しに王子の体温が伝わってくる。

「私もそう我慢強い性質ではなくてな、妃がおるというのに指も触れられぬのでは困るのだよ、姫」
怒鳴るわけでもない、静かに言い含めるような王子の口調が、ますます王子の真意であるのを告げているよう。
「力ずくでそなたを抱くのは本意ではないゆえ、私自身も困るのだよ、そなたに嫌われたくはない・」
「なっ何勝手なことを!私は・・・!」
唐突にキャロルの言葉を塞ぐ唇が重なる。
決して負けまいとキャロルは応えたくはないのに、王子は巧みにそれをさせてはくれない。
全身を痛いくらいに抱きしめられ熱く深く求めるキスはキャロルの今まで知らないものがキャロルの抵抗する力まで奪っていきそうになる。
心は嫌がっているのにどうしてこんな目に合わなければならないの?
抗う力も何も残っていない、絶望感がキャロルの心を満たそうとした時、
最後の力を振り絞ってキャロルはそれを実行した。



113 名前:抜けない棘 :05/02/04 18:27:40
8
イズミル王子の顔が唇が重なった時と同じ様に唐突に離れ、寝台に押し付けていたキャロルを上から見下ろした。
してやったという満足感とその後に起こることを危惧する困惑した表情のキャロルの口の中に鉄臭い味が広がる。
唇に鮮血が滲んでいるイズミル王子の顔には冷笑ともいえるものが浮んでいるのを見て、
キャロルは何をされるかわからない恐怖に青ざめ唇を振るわせた。
「刃向かう元気があるなら心配は要らぬのだな、ほんにそなたは私を飽きさせぬ。」
恐怖がキャロルを支配した。さっきまで感じていた満足感などとうに吹き飛んでしまった。
押さえつけられる王子の力強い手が痛い。キャロルの目にうっすらと涙が浮ぶ。
「い、いや、私はメンフィスを・・・愛してるんですもの、死ぬまでメンフィスの妃です・・・・・・・。」
搾り出すようなか細い声であっても、キャロルは必死で訴えた。

「あまり私を怒らせるな、褥で夫たる私以外の男の名を申すんだと愚かなことをするでない。
 死ぬまでと申すならば教えよう、メンフィスは死んだぞ。先刻急ぎの知らせが届いた。
 今頃エジプトはもとより近隣にも知れ渡っておろうよ。」
まるで嘲るような笑みを浮かべたイズミル王子は楽しげに話した。
恐れで震えていたキャロルの体は驚きのあまりに硬直して、青い目は見開かれた。





114 名前:抜けない棘 :05/02/04 18:30:24
9
「嘘よ、まだ早い!」と思う一方で、「来るべき時が来た」と告げる声がキャロルの脳裏を駆け巡る。
ブラウン教授の言葉がキャロルの耳に木霊しては消える。
「・・・このファラオは若くして亡くなった」と。
「いや、いやよ、メンフィスが死ぬわけない。あんなに、あんなにも逞しくて強くて私を守ってくれてて・・・。
 病気なんかになるわけない、いつもいつも私を・・・。」
うわ言のように呟くキャロルを人形のように軽々と半身を起こさせる王子の腕にも、
キャロルの体は何の抵抗もなくなすがままになっている。
王子の手は乱れた黄金の髪を撫で付けキャロルの蒼白の頬を滑り小刻みに震えている小さな頤をそっと持ち上げた。

「メンフィスは、メンフィスはどうして・・・・。ブラウン教授が言ったように、まさか頭に怪我を・・・。」
キャロルの言葉にイズミル王子の表情が真面目なものに変化する。
「よく知っておるな、メンフィスは背後から襲われ頭部に怪我を負ったそうだ。
 そなたは未来を読んでいたのか。」
感嘆したような王子の声にキャロルはまるで自分が殴られたような衝撃を受けた。
私がいけなかったの?知っていてメンフィスに教えなかったから?私のせい?私のせいだ!
私が殺したのも同然だわ!
キャロルの目の前が暗くなっていくように感じられ、体から力が抜けた。体が重くなり重力に引きずられて倒れていく。
「姫っ!姫!」
イズミル王子が呼びかける声もキャロルの耳には届いてはいなかった。



115 名前:名無し草 :05/02/04 18:43:15
アイシス登場上げ

116 名前:名無し草 :05/02/04 20:44:33
抜けない棘作家様、いつもありがとうございます。
王子派のわたくしとしては、もう(*´д`*)ムッハー です。
続き楽しみにしています。

117 名前:名無し草 :05/02/04 22:49:26
| |そ〜〜・・・
| |∧_,,∧
|_|´・ω・`)
|柱|oヌルポo
| ̄|―u'
""""""""""


| |
| | ∧_,,∧
|_|(´・ω・`)
|柱|o  ヾ
| ̄|―u' ヌルポ <コトッ
""""""""""""""""


| |
|_|  ピャッ!
|柱|ミ
| ̄|   ヌルポ
""""""""""""""""


118 名前:名無し草 :05/02/04 23:10:59
  十一十   \   |      | ー十   ー十─  / 〃 |  __
  ーt亠一  |     |      |   |   ⊂|   /    |
  |||  レへ  |      |   |     |   \   |
  ノ | し   _)  ヽ_/   |  ○ヽ    ノ     \  | (__

   _|_    |     \     |     ̄ ̄フ _ノ_ \ ヽヽ
   l     ̄|フノ|  |.     ̄|フノ|  −<   ノ   ) \
   `一   ノ|  |  レヘ   ノ|  |      )    ノ
   ノ(_`ヽ  .|  し   _)   .|  し   ○ノ    ノ
      ̄

  ノ 百   |    _|_    ノ ノ_        | ー十
 イ ┌─┐ ̄|フノ|    |    イ   ト   □   |   |
  |  心`  ノ|  |   |  ̄   |   ト        |   |
  |  夂   |  し  | (_  |   |  □  □  |  ○ヽ

         ,  、           | __  ー亠  |  ー十一 _|     ̄ ̄フ
 、___  ノ─十一    | ヽ   |       く,  | |  ー十一   |フノ|  −<
          ─十一    |   ヽ |        ノ ノ | |    |_  ノ|  |     )
        __|__ ノ ヽ__  | (__    ノヽ 亅  ○  ヽ  |  し  ○ノ



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ∧,,∧
        ミ゚Д゚ ミ
        (ミ  ミ)
         ミ  ミ〜
        ∪∪


119 名前:名無し草 :05/02/04 23:45:52
はいはい、でもあんたも荒らしなんじゃね?

120 名前:名無し草 :05/02/05 01:01:35
        ┼─┐─┼─  /  ,.          `゙''‐、_\ | / /
        │  │─┼─ /| _,.イ,,.ィ'    ─────‐‐‐‐ 。←>>117
        │  |  │     |  |  | イン ,'´ ̄`ヘ、   // | \
                          __{_从 ノ}ノ/ / ./  |  \
                    ..__/}ノ  `ノく゚((/  ./   |
        /,  -‐===≡==‐-`つ/ ,.イ  ̄ ̄// ))  /   ;∵|:・.
     _,,,...//〃ー,_/(.      / /ミノ__  /´('´   /   .∴・|∵’
  ,,イ';;^;;;;;;;:::::""""'''''''' ::"〃,,__∠_/ ,∠∠_/゙〈ミ、、
/;;::◎'''::; );_____       @巛 く{ヾミヲ' ゙Y} ゙  
≧_ノ  __ノ))三=    _..、'、"^^^     \ !  }'
  ~''''ー< ___、-~\(          ,'  /
      \(                 ,'.. / 



121 名前:名無し草 :05/02/05 01:20:44
ああ、今夜もぐだぐだ…

122 名前:名無し草 :05/02/05 10:19:06

!(´∀`)ァハハ八八ノヽノヽノヽノ\ノ\ 




123 名前:名無し草 :05/02/05 11:36:55
蒼の光 黒曜石のしずく の作家様は何処に〜?
イミル!カムバック〜〜〜〜!!!
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
お待ちしてます!

124 名前:名無し草 :05/02/05 13:01:29
なんだっけ、それ

125 名前:名無し草 :05/02/05 13:54:10
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126 名前:名無し草 :05/02/05 14:32:56
いや〜〜

127 名前:名無し草 :05/02/05 16:56:36
ほんと、もうやめてほしい

128 名前:名無し草 :05/02/05 17:30:52

    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}



129 名前:名無し草 :05/02/05 17:44:17
ねんちゃく

130 名前:名無し草 :05/02/05 18:00:16
お姉さん、まんこ・・濡れてるよ?

131 名前:名無し草 :05/02/05 18:14:43
(;´・ω・`)すいません…
熟女好きの童貞ですけど、筆下ろしお願いしたいんですけど…


132 名前:名無し草 :05/02/05 18:39:21
ここの粘着、ホント凄いな。

133 名前:名無し草 :05/02/05 19:36:53
>130
舐めて・・

134 名前:名無し草 :05/02/05 20:38:59
>>132
そう?こんなの普通でしょ


135 名前:名無し草 :05/02/05 22:25:32

  /::::::::::/ノ::::::::ノ::::::::ヽ:人::::::::::ヽ:)
  (::::::::::/  ):::ノ::::ノ ) ソ ヾ::::::::::::丶::::ヽ
 (:::::::::/ 彡  ノ   ノ  :: 彡:/)) ::::::::::)
(::::::::::/彡彡彡彡彡   ミミミミミミミ :::::::::::)
( :::::::// ̄ ̄ ̄ ̄ヽ===/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ |:::::::::)
 | =ロ   -=・=-  ‖ ‖ -=・=-   ロ===|
 |:/ ‖    / /ノ  ヽ \     ‖ ヽ|ヽ          
 |/  ヽ`======/ .⌒ ` ========ノ.   ..| |
.( 。 ・:・‘。c .(●  ●) ;”・u。*@・:、‘)ノ  
( 。;・0”*・o; / :::::l l::: ::: \ :。・;%:・。o )
(; 8@ ・。:/ / ̄ ̄ ̄ ̄\:\.”・:。;・’0.)   
.\。・:%,: ):::|.  ̄ ̄ ̄ ̄  | ::::(: :o`*:c/
 \ ::: o :::::::::\____/  ::::::::::   /
  (ヽ  ヽ:::: _- ::::: ⌒:: :::::::: -_     ノ
   \丶\_::_:::::_:::: :::::_/::::::: /
     | \_::::::::::: :::::::::: ::: :::::___/|。



136 名前:名無し草 :05/02/05 23:06:59
ほんとだあ

137 名前:名無し草 :05/02/06 00:58:15
今日はぬるぽはこないのかな

138 名前:名無し草 :05/02/06 01:58:31
■−⊂(´・ω・`)彡 ガッ☆`Д´)ノ>>137

139 名前:名無し草 :05/02/07 00:57:36

    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}



140 名前:◆F/MOUSOU1Q :05/02/07 08:38:57
「★★王家の紋章@2chダイジェスト暫定版(,,゚ー゚)っ且~★★」さんで、
ログ編集が再開出来るまで、ダイジェストサイトを代行することに
なりました。
それで、暫定版さんに載っていない作品を↓こちらにまとめましたので、
良かったらご利用ください。

王家の紋章 2chまとめサイト(仮)
ttp://houka5.com/yuukan/ouke/index.html

雑な作りですが、仮サイトということで、お許しいただけると幸いです。

>396◆OUKEYXVT.2さま
その節は失礼しました。
こんな形になりましたので、今後ともよろしくお願いいたします。

141 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/07 12:25:51
>>96
16
「さぁ、キャロル様。これを」
ナフテラは蜂蜜で甘くした良い香りのするお茶を勧めた。
あまりにもあからさまなメンフィスの体の変化を目の当たりにした衝撃は、キャロルには大きすぎて、涙が止まらなかった。
(おかわいそうに…。キャロル様はまだご記憶を取り戻しておいでではない。
ましてや、お身体もお心も娘のままのご様子であられるのだもの)
先ほど目の当たりにしたメンフィスの体のありようは、ナフテラですら驚くほどだったのだから。

「キャロル様…びっくりなさったのですね。さぞ恐ろしく気味悪くお思いでしたでしょう。メンフィス様もわざとなさったことではありませんけれど。
メンフィス様は昨夜の宴でキャロル様を怯えさせたことをそれは後悔なさって、お詫びかたがた、あの庭園にお連れになったのですよ。
ほんに…殿方は難儀なこと。」

ナフテラの優しい声音に、キャロルはとうとう声を放って泣き出した。
「怖かったの、怖かったの、怖かったの。あんな…あんな…」
ナフテラは幼子をあやすように優しくキャロルを慰める。縋る胸の温かさに徐々にキャロルも落ち着いていくのだった…。



142 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/07 12:26:25
17
キャロルの背中を撫でながら、穏やかな声でナフテラは語る。
「大丈夫でございます。何も恐ろしいことはありませぬ。メンフィス様を早く…受け入れて差し上げてくださいませ。
あの庭園はメンフィス様がキャロル様の18歳のお祝いに贈られたもの…」

「庭園…」
キャロルはぼんやりと呟いて不思議でたまらなかった事を問う。
「あの庭園の彫像、あれは私そっくりだった。亡くなったお妃と私はまるで同じ人間のよう」
「! まぁ…!キャロル様。さようでございますよ。あれはメンフィス様が特に注文されました像。18歳になられたばかりのお美しいあなた様を写して」
「分からないの。皆、私を知っている。私の好きなも知っていて気遣ってくれる。衣裳も道具類もまるで誂えたようだわ。
全ては揃っていてあとはただ持ち主を待つだけだったようじゃない?私は最後の部品みたいに嵌め込まれた。知らないはずなのに何か懐かしい馴染み深いような気もするの」
ナフテラは黙って聞いていてくれた。

「私、分からない。私はキャロルよ。亡くなったお妃もキャロル。
私は誰なの?亡くなったほうのキャロルって誰なの?知りたいわ。知りたいの」

「分かりました、キャロル様。お役に立つかは分かりませぬが、キャロル様がお書きになったものが多く遺っております。それをお目にかけましょう。
思い出すよすが…いいえ、キャロル様のご不安が無くなります様に。ね?
……これ、誰か。書庫に参ってキャロル様の書かれたものをこれへ。メンフィス様もお許しくださいましょう」

143 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/07 12:26:57
18
もって来られた櫃に厳重に施された封印をキャロルはゆっくっりと破った。中にはパピルスや小ぶりな石版、それに粘土板が詰まっていた。
そこには若くして亡くなった女性の日々が凍り付いて保管されている。

上に立つ人間として様々に学び,励んだ日々をしのばせるもの。
奥向きを司ったのであろう様々な事務への指示書。
儀式や典礼に関する問い合わせ文章や覚書。
愛する人との幸せな日々の記憶。交わした書簡。
そして…諸外国との戦や、戦で人生を狂わされた人々への慟哭、贖罪、祈り。
迷いさまよう心の迷宮を、しかし年若い王妃は乗り越えたようだ。

─私の存在が歴史を狂わせたの?答は神様しか知らない。でも私は逃げない。精一杯生きて償っていくわ。そう神様に答を聞きに行くその日まで、メンフィスを、エジプトを守るわ─

不思議な感動に満たされて文字を追っていたキャロルの顔色が不意に変わった。
「これ…は…」
櫃の一番下に納められていたのは石版だ。ヒエログリフと…英語が併記された…。古代にありうるはずのない文字。

ママ、ライアン兄さん、ロディ兄さん。
私は愛する人の子供のママになります。私が母親になるのです。嬉しいことだけれど、幸せなことだけれど、不安でもあります。
どうか私を守ってください。この古代の世界に根を下ろし、血を遺す私を。
私が家族の許に戻ることはないでしょう。でも私の血ははるか未来で皆に会えるでしょう。
どうかお元気で。お幸せに。愛する私の家族へ…キャロル・リードより。

(私と…亡くなったお妃は同じ…人間。間違いない…私だわ!)

144 名前:名無し草 :05/02/07 12:51:45
うわっ〜謎めいた展開になってきましたね。
楽しみにしてます。

>>140
ここで嵐さんに会えるとは (;´Д⊂)  ウレスィ
早速行ってきました。ありがとうございました(ハグ&チュ&頬ずり)

145 名前:名無し草 :05/02/07 13:40:39
>> 戯作 メンフィス4年後作家様
うp本当に有難うございますm(__)m
素直に嬉すぃ!!
蓮薔薇も楽しみにしています!

>>140
あああぁぁぁ〜
早速お邪魔しました!!
本当に有難うございまシタ!


146 名前:名無し草 :05/02/07 14:45:15
戯作メンフィス4年後様!ありがとうございます。
ますます目が離せなくなってきました。
次回楽しみにしています。

147 名前:名無し草 :05/02/07 16:10:49
>>144
ばばぁ くっせー屁こくなよ
くさったたまごくせーんだよ おめぇ


148 名前:名無し草 :05/02/07 17:05:23
        ┏┓          ┏━┓            ┏┓                          ┏━━━━┓
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149 名前:名無し草 :05/02/07 18:25:57
だーかーらー
おまいら、社会の迷惑、害虫だっつの

150 名前:名無し草 :05/02/07 20:25:46
わぁい!メンフィス4年後がうpされてる。
面白くってどんどん引き込まれますね〜。



151 名前:名無し草 :05/02/07 21:52:34


























わぁい!

152 名前:名無し草 :05/02/08 17:19:25
こ の 文 章 を 見 た 人 に は 、 身 の 回 り で 、

3 日 後 に 何 か と て も 悪 い 事 が お き ま す 。

悪 い 事 を 起 き な く さ せ る た め に は

こ れ と 同 じ 文 を 2 日 以 内 に 、

違 う 所 に 5 回 書 き 込 ん で く だ さ い 。

5 回 書 き 込 ま な か っ た 女 子 中 学 生 が 、

書 き 込 み を 見 た 後 、 3 日 後 に 死 に ま し た




153 名前:名無し草 :05/02/08 18:58:18
あらあ〜、そうなの〜〜。

154 名前:名無し草 :05/02/08 20:40:03
メンフィス4年後・・・
いいお話ですね。
なんか一度キャロルを失くしたメンの気持ちが切なくて泣ける。

155 名前:名無し草 :05/02/09 02:46:21

    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
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           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}



156 名前:名無し草 :05/02/09 19:59:28

これって、めんひす?

157 名前:名無し草 :05/02/09 21:02:25
毎回おなじの貼ってて芸がなさすぎー 2点

158 名前:名無し草 :05/02/09 21:06:50
ほんとだねー。たまには別の貼ってよ、荒らしちゃん

159 名前:名無し草 :05/02/09 21:35:01
メンフィス4年後、最高!

160 名前:名無し草 :05/02/09 22:01:03
            lヽ
            | |
            レ
            ┃
         _   ∩
       ( ゚∀゚)彡 チャーハン!チャーハン!
  ヽニニフ━⊂彡

161 名前:名無し草 :05/02/09 23:01:09
日本、辛勝だったね。

162 名前:名無し草 :05/02/09 23:01:57

    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
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   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
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              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}




163 名前:名無し草 :05/02/09 23:09:26
今、王子がアマゾネスに掴まった頃の話を読み直してて、
凄絶な色っぽさにクラクラしてますw

それで、逃げる下準備として、優秀な男の子種を欲しがる
アマゾネスの風習につけこんで、彼女たちを体でたらしこむ
エロエロ王子の話をきぼんぬ。
初期の頃の冷酷なイメージで是非是非!

164 名前:名無し草 :05/02/10 00:02:23
これが欲しいのか?


    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}





165 名前:蓮と薔薇 :05/02/10 11:46:04
前スレ836より
44
「愛している、愛している、愛している…!」
激しすぎる行為に、快楽と苦痛は紙一重なのだと初めて教えられたキャロル。

(眠ったか…)
眠るキャロルの顔は清らかにあどけなく、愛された跡が淫らに残る身体が痛々しく見えるほどだった。
王子は先ほどの父王との会談を反芻する。
(おそらくは…アテネ側はこたびの援軍の対価としてモリオネーの正妃冊立を求めるだろう。残念ながら今のヒッタイトにそれを拒みうる理由は何もない。
姫の祖国エジプトがネバメンの謀反で政情不安な今、姫を護るには…)

─女の横専を押さえたくば、欲しがるモノを呉れてやり、可愛がって黙らせるのだな─
父王の言葉。

「姫、私はそなたに和子を与えようぞ。賢く強く、国を、そなたを私と共に護りうる息子を!」

166 名前:蓮と薔薇 :05/02/10 11:46:36
45
「ヒッタイト王、こたびのトロイでの勝利まことに重畳!我が国と貴国の絆は勝利を通じてより一層深まりましょう!」
アテネ共和国元首アンドロスは高々と杯を掲げた。
「我がアテネが貴国の勝利に大いに貢献したことは、長く語り継がれましょう」
父に寄り添うモリオネーの派手やかな笑い声が唱和する。
アンドロスにとっては戦死者の多くがアテネ人であったことは少しも気にならぬらしかった。彼に対面して座るヒッタイト国王夫妻は無表情だった。
「貴国に栄えある勝利をもたらしたのはモリオネー。はてさて、どのようなご褒美を与えていただけましょうや?」
「まぁ、お父様!私は国王様の手助けをほんの少ししただけ」
モリオネーはキャロルに冷たい一瞥をくれながら、甲高い声で歌うように言った。
「だが、モリオネー。私の娘よ。我が共和国では国家に対して貢献あったものには手厚く報いる。ヒッタイトも…同じ風儀をお持ちかと存ずるが…」

(とうとうこの時が来た…。王子を愛し、王子だけを信じて生きていくと誓った時から、こういうこともあるかもしれないと覚悟はしていたわ。
王子は私こそが、妻であり生涯の伴侶だと言ってくれた。それは形だけの冠や地位よりはるかに尊く、確かな誓い。分かっているわ、信じているわ。
でも…でも…私は…王子を誰かと分け合いたくない。王子を愛することで誰かの下に立つのは…やはり辛い)
キャロルの冷たい手を握る王子の手。だがキャロルの心は遠くにあった。

167 名前:蓮と薔薇 :05/02/10 11:47:09
46
ヒッタイト国王の声が広間に響く。
「アテネ共和国元首の娘、モリオネーを我が世継イズミルの正妃に冊立する!」
広間はどよめきに包まれ、空気が震えた。

─おお、王はモリオネーを選ばれた!やはり地中海進出はアテネの黙認が不可欠ゆえ─
─如何に格式高くとも政情不安のエジプトよりも、アテネを取るほうが実利的ということか─
─だが…寵愛はナイルの姫のほうが勝っている。姫は戦の犠牲者のために倉庫を開き、施薬院や孤児院を作ったというに、モリオネー殿は勝利の記念碑を作った─

(ご覧、ナイルの姫!私が勝ったのよ!お前ももう澄ましかえった顔はしていられないのよ。正妃と側室の違いを思い知らせてやるっ!)
モリオネーはイズミル王子から少し下がった場所で慎ましく目を伏せる少女を意地悪く見やった。

「イズミル、我が勅命によもや反対はあるまいな?同盟国への返礼は必要じゃ」
「…はい、父上。勅命はアテネへの返礼に相応しゅうございましょう」
「私も王妃として王の勅命に従いまする。こたびの戦の犠牲となったアテネの民への手向けともなりましょう」

168 名前:蓮と薔薇 :05/02/10 11:47:51
47
その時になって、ようやくモリオネーは気づく。
自分はアテネの衣裳をきらびやかに纏い、父の側に居る。そしてヒッタイト王族の衣裳を纏うキャロルは、ヒッタイト国王夫妻とイズミル王子と同じ側に。
キャロルが敗北の屈辱に泣くのを期待していたモリオネーは口惜しそうに唇を噛んだ。
(これでは私はむしろ道化ではないの!おのれ…。その涼しげな澄ましかえった顔に吠え面かかせてやるっ!)
「まぁ、何と嬉しいことでございましょう。国王様、勅命謹んでお受けいたします。イズミル王子様の正妃として、ますますアテネ・ヒッタイトの友好に貢献しとうございます。
ナイルの御方や、これからは王子同様、私にも仕えておくれ」
あてつけがましい露骨な言葉にキャロルの瞳はついに伏せられた。イズミル王子の顔がさっと厳しくなった瞬間を狙ってさらにモリオネーは言う。
「この喜びの時に、さらに大きな喜びをご報告できますのはほんに嬉しいこと。私、今、王子の和子を身篭っておりますの!」
広間を揺るがさんばかりのざわめきが広がる中、モリオネーは晴れやかに言う。

169 名前:名無し草 :05/02/10 13:41:31
あぁぁぁ〜
蓮薔薇の作家様!お慕い申し上げております♪
本当に素晴らしい!
ワクワクしました!!!
続きを楽しみにしております。

170 名前:抜けない棘 :05/02/10 17:07:07
>>115
10
もうキャロルの胸に突き刺さった小さな棘は抜けない。
棘ではなく大きな杭に成長してしまった。
もう間に合わない、メンフィスは死んでしまった。
知っていた、けれど教えなかった私が悪いのか。
知っていれば運命を変える事もできたのかしら?
我が身を責めるキャロルは高熱を出してそのまま床に臥した。

「まだ目が覚めぬか?」
イズミル王子は自分の腕の中で意識を失った少女を忙しい政務の合い間を縫っては見舞った。
高熱に浮かされてはうわ言のようにメンフィスの名を呼んでは詫びるその様は
とてもイズミル王子の妃の姿とは教えられるわけもなく、
王子の意を汲んだムーラ一人がキャロルの世話をしている。
食事もろくにしなかったことに加えて伏したために、花の顔はやつれてはいるが
キャロルの美しさが損なわれたとは王子は思ってはいなかった。
ただあれほどにまでメンフィスに操を立てるキャロルを忌々しく思い、
早く自分の妃と言う新しい立場を愛しいキャロルに認めさせたかったのだ。
メンフィスを想うように自分のことをも愛して欲しかったのだ。
なのに高熱に浮かされてさえ愛しい少女は自分以外の男の名を呼んでいる。
武具を扱うのに慣れた手が触れた白い頬はまだ熱い。



171 名前:抜けない棘 :05/02/10 17:08:41
11
「せめて何かお召しなってくださるとよろしいのですが、それすらも・・・・。」と
ムーラが用意した果汁を絞ったものに蜂蜜を混ぜたものを入れた容器を見ては眉間に皺を寄せる。
王子は黙ってその容器に口をつけると中身を含んだまま、キャロルの乾いた唇に己のものを押し当てた。
キャロルの長い睫毛がぴくんと反応して唇が僅かに動くと王子は巧みに果汁を流し込んだ。
幾度か繰り返すと、キャロルの潤んだ青い目が開いて王子を見る。

「・・・メンフィ・・・そこにいるのよね?お願い、どこにもいかないで・・・。死んだなんて嘘よね?」
逞しい男の体躯がキャロルにはメンフィス以外には思えなかったのだ。
力のない白く細い指が王子の衣装を握ろうとする。
今にもキャロル自身が逝ってしまいそうな儚さに、王子の中にあるメンフィスへの激しい嫉妬と
キャロルへの恋慕の情が混ざり合っては、王子を駆り立てようとする。
その想いを抑え、イズミル王子は静かにキャロルに呟いた。
「ここにいる・・・よく休むが良い・・・。」
王子がキャロルの白い額に口付けると、キャロルは安心したような顔を見せてそのまま眠りについた。
妃としてここにいるというのに、キャロルの心は未だメンフィスに縛られたままだ。
それが王子の心をも縛っていく。
「熱が下がれば、後宮の世話係に姫を湯浴みさせておけ、ムーラ」
王子の声は冷たくムーラの耳に響いた。
「姫君の湯浴みでしたら私がお世話いたしますが、王子」とムーラの怪訝な問に、王子の声は更に厳しく冷たく響く。
「後宮の世話係に隅々まで湯浴みさせよ!それが終われば私を呼べ!」
ムーラの返事も待たず王子は胸の中に滾る官女を隠そうともせずキャロルから離れていった。


172 名前:抜けない棘 :05/02/10 17:12:44
171の20行目
「胸の中に滾る感情」です。ミスタッチすみません。

蓮と薔薇作家様
今後どうなるのか、目が放せません。
うp楽しみに待っております。

173 名前:名無し草 :05/02/10 17:23:28
  チャーハンとにかくいっぱい作って下さい
\_____ _______________/
         ∨
        ∧_∧ D
       ( ´∀`)○    ___
       (    )D……/◎\
====================================

  ∧,,∧
 (;`・ω・)  。・゚・⌒) チャーハンとにかくいっぱい作るよ!!
 /   o━ヽニニフ))
 しー-J

        ∧__∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       ∩゜Д゜)<  そこで「い」と「お」を取り替えると
□………(つ  |  \________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
  (  ⊂彡

  ∧,,∧ ?
 (;`・ω・)  。・゚・⌒) チャーハンとにかくおっぱい作...あれ?
 /   o━ヽニニフ))
 しー-J

174 名前:名無し草 :05/02/10 17:32:51
.    ☆ノハヽ
 /\ノノ*^ー^)/ ヽ
( ● と    つ ● )
 \/⊂、 ノ─ \ノ
   / し' (★)二 /
   ─────

175 名前:名無し草 :05/02/10 17:40:10
\(^▽^)/新スレおめでとうございま−す♪

176 名前:名無し草 :05/02/10 17:54:23
     ,:::-、       __
      ,,r::::::::::::〈:::::::::)    ィ::::::ヽ
      〃::::::::::::;r‐''´:::::::::::::::::::::ヽ::ノ
    ,'::;'::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::
     l::::::::::::::::::l::::::::::●::::::::::::::●:::::ji
    |::::::::::::::::::、::::::::::::::( _●_)::::::,j:l  クマー!
    }::::::::::::::::::::ゝ、::::::::::|∪|_ノ::;!
.    {::::::::::::::::::::::::::::`='=::ヽノ:::::/     
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【ラッキーレス】
このレスを見た人はコピペでもいいので
10分以内に3つのスレへ貼り付けてください。
そうすれば14日後好きな人から告白されるわ株は上がるわ
出世しまくるわ体の悪い所全部治るわでえらい事です

177 名前:名無し草 :05/02/10 18:04:43


    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
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   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
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178 名前:名無し草 :05/02/10 18:24:05
なんか見慣れてきたなあ、これ

179 名前:名無し草 :05/02/10 18:49:57
微妙にバランス悪いし

180 名前:名無し草 :05/02/10 19:38:15
見慣れすぎて愛着を覚えるんだが・・・。

181 名前:名無し草 :05/02/10 20:18:59
age

182 名前:名無し草 :05/02/10 20:56:47
いい加減に汁

183 名前:名無し草 :05/02/10 21:45:29
誤字脱字やミスタッチより先にあやまることがあるでしょ。

184 名前:名無し草 :05/02/10 21:47:20
何が言いたいのかわかんないけど?>183

185 名前:名無し草 :05/02/10 22:08:20
なんでそんなに敵対視するんだろう。
わしにはわからんわ。

186 名前:名無し草 :05/02/10 22:10:03
わしにもわからん。
ヤクザのいちゃもんつけと変わらんぞ。
作家が気に入らんのだったら
ここに来なけりゃ解決だと思うがのぅ。

187 名前:名無し草 :05/02/10 22:30:06
それが出来ないから荒らしなんでしょお〜。
もともとまともな神経なんざ持ってないって。

188 名前:名無し草 :05/02/10 22:33:30

  /::::::::::/ノ::::::::ノ::::::::ヽ:人::::::::::ヽ:)
  (::::::::::/  ):::ノ::::ノ ) ソ ヾ::::::::::::丶::::ヽ
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(::::::::::/彡彡彡彡彡   ミミミミミミミ :::::::::::)
( :::::::// ̄ ̄ ̄ ̄ヽ===/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ |:::::::::)
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189 名前:名無し草 :05/02/10 22:35:34
こいつキモイよ!
やってる奴もキモイよなー

190 名前:名無し草 :05/02/10 22:51:47
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   (   ・     / :::::l l::: ::: \         ..)  
   (       // ̄ ̄ ̄ ̄\:\.       .) <  うるせーばか  
   .\     : )::::|.  ̄ ̄ ̄ ̄  | ::::(:     /..  
    (::\ :::   ::::::::\____/  :::::  : /:::))   
   )(:::::ヽ  ヽ:::: _- ::::: ⌒:: :::::::: -_     ノ:::::::))
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191 名前:名無し草 :05/02/10 23:19:46
あのさ・・・。
いっぺん病院行った方がいいんじゃないの?

192 名前:名無し草 :05/02/11 00:06:49
同意。
ここ何年も荒らしてる様子が
全然尋常じゃないよ。
病院行ってカウンセリング受けてきなよ。

193 名前:名無し草 :05/02/11 00:33:31


    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
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   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
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           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}




194 名前:sage :05/02/11 00:40:03
荒らしは放置しましょう!

195 名前:名無し草 :05/02/11 00:41:26
間違えてageてしまった・・・すいません逝ってきまつ。

196 名前:名無し草 :05/02/11 01:08:01


197 名前:名無し草 :05/02/11 02:27:00


198 名前:名無し草 :05/02/11 08:45:51


199 名前:名無し草 :05/02/11 10:31:43


200 名前:名無し草 :05/02/11 11:44:09


201 名前:名無し草 :05/02/11 12:22:57


202 名前:名無し草 :05/02/11 12:32:58
あーあ、まだメン4の続き来てないー・・・
続きが気になって仕方ありません。
アダルトめんひす×お子さまキャロルのカップリング萌え〜

203 名前:名無し草 :05/02/11 15:56:21
なんかワロタ

204 名前:名無し草 :05/02/11 15:57:49
クスッ!

205 名前:名無し草 :05/02/11 17:01:57
わたしもメンヒス4年後待ち。
エロパロのメン様も良かったですが、長編でのメン様の活躍も期待しております。

206 名前:名無し草 :05/02/11 18:37:57
私は、王子待ち。
ヤッパリ、王子×キャロはイイ!!
蓮薔薇ホントイイですネ!
今までの作品では・・・
琥珀と水晶・ヒッタイト道中記・流転の姫君が好きです。

あぁぁ〜投下をお待ちしています!!


207 名前:名無し草 :05/02/11 19:52:32
!

208 名前:名無し草 :05/02/11 21:41:37
      .|;. | ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ.||  ||  || 
     . | .:|⌒゚⌒゚⌒゚⌒゚⌒゚⌒゚⌒゚⌒||==||==||==
    . . .|. i|  ゚ o     ゜   。  ||_||_||_
  . .:.:.::|;. | 。   ゜ ゚ o       || ̄|| ̄|| ̄
 . . .:.:::::|l i| 。  ゜   ゚ 。   o  . ||==||==||==
. . .:.:::::::::! .,!     .    。     。||_||_||_
.:.:.::::::::::::| ;i|   ゚ 。 o    。   || ̄|| ̄|| ̄
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:::::::::::::::::| |____ ∧∧ _____.|| ̄ ̄ ̄ ̄  うーさびー
;;;;;;;;;;;;;;;;;|;i |三二三ニ.:/⌒ヽ) ニ三ニ||____
:::::::::::::::::::::      〜(___)     .:.::::::::::::::::::::::::
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209 名前:名無し草 :05/02/11 22:50:06
私はメンヒス、王子どちらも待ち☆
王家のヒーローズは本当に素敵でつ。
ちなみにライアン兄さんも待ってます。

210 名前:名無し草 :05/02/11 23:05:26
堀江社長いわく「頭いい人間が皆公務員になったから僕が成功できた(著書参照)」
森永卓郎いわく「君を一生幸せにするという言葉はもはや公務員しかいえない(著書参照)」
青木雄二いわく「いろいろやったが、やはり公務員が最強や。」
世の母親いわく「子供に就いてほしい職のno.1は公務員」
世の父親いわく「公務員としか結婚させない。民間なんてもってのほか」
世の女性いわく「結婚するなら公務員が一番です」






211 名前:名無し草 :05/02/11 23:29:38
あーはいはい

212 名前:名無し草 :05/02/12 01:35:23
抜けない棘作家様、独法化って知ってる?

213 名前:名無し草 :05/02/12 10:51:41


    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}





214 名前:名無し草 :05/02/12 14:41:49
age

215 名前:名無し草 :05/02/12 17:32:15
 |_
 |〜ヽ ダレモイナイ・・・
 |・-・) プルルン スルナラ イマノウチ
 |゚ソ
    ♪
        ♪  _
          /〜ヽ プルルン
        (((。・-・))) ヌルポン
          ゚し-J゚    プルルン ルン

     _ ♪
 ♪ /〜ヽ  プルルン プルルン
  (((・-・。))) プルプル プルルン
.   ゚し-J゚




216 名前:名無し草 :05/02/12 21:47:01
かわええのぉ

217 名前:名無し草 :05/02/12 22:09:33
創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会
創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会
創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会
創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会
創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会
創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会
創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会
創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会創価学会




218 名前:名無し草 :05/02/12 22:24:31
わっ、びっくりした

219 名前:名無し草 :05/02/12 22:39:29
今度は何を始めたんだか

>>215 ガッ!!!

220 名前:名無し草 :05/02/12 23:23:30
頑張るねえ

221 名前:名無し草 :05/02/12 23:33:17
おっもしろーい

222 名前:名無し草 :05/02/13 00:30:41
「同じAA貼り付け荒らし」

http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1097765935/
各板での対処ではなく、カテゴリまとめて対処していたようなので、こちらに荒らし報告をお願いします。

面倒かと思いますが、下記のアドレスを参照に荒らし報告をお願いします。
 各荒らし報告の書式 - いきいき Wiki
 http://info.2ch.net/wiki/pukiwiki.php?%B3%C6%B9%D3%A4%E9%A4%B7%CA%F3%B9%F0%A4%CE%BD%F1%BC%B0

アクセス規制になった場合、荒らしのリモホが公開され、個人的にプロバイダから警告を受けることになるでしょう。

223 名前:名無し草 :05/02/13 01:16:12
連休中は作家様こないのかな?
アラシも寂しそうだが漏れにも寂しい連休だ・・・

224 名前:名無し草 :05/02/13 09:56:35
>>222
そうですね、おそらく荒らしている人はいつも同じ人だろうし
法的手段で対処するのが一番利口なやり方ですね。 早速、荒し報告してきます。
プロバイダから個人を特定されて警告されたら、さすがに荒しもマズいでしょ。
家族共有のプロバイダなら、家族にもバレバレだしね。
2ちゃん=匿名と思っていたら大間違い・・・だよ。

225 名前:名無し草 :05/02/13 11:01:40
>223
漏れっていうの久しぶりに見た

226 名前:名無し草 :05/02/13 11:23:27
>>222
難民は生活カテゴリではなくここ↓ですね
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1103673750/l50

227 名前:名無し草 :05/02/13 12:08:56
報告ヨロ

228 名前:名無し草 :05/02/13 14:08:03
>>226
報告しました

229 名前:名無し草 :05/02/13 16:51:40
荒し→アクセス規制→リモホ公開→個人警告 

カッコ悪
プロバイダ側の人間に知り合いでもいたら「何やってんだコイツ」と笑い者ですな

230 名前:名無し草 :05/02/13 17:03:54
荒らしが女だったら、あんなAA貼って晒し者→個人警告だなんて女として終わってるし
荒らしが男だったら、あのAAより小さいドウテイ男なんだろうね〜プなんて想像されるね、きっと。

231 名前:名無し草 :05/02/13 17:31:40
>プロバイダ側の人間に知り合いでもいたら

・・・それ最悪。
その人を見る目が変わってしまうだろうね。

232 名前:名無し草 :05/02/13 19:11:22
荒らし、来ないね。いまごろガクブルものなんじゃないの。
ばかだねえ・・・。

233 名前:名無し草 :05/02/13 21:36:40
ばかだねぇ、に同意!
個人警告なんて恥さらしもいい所だよ。
これで暫く静かになりそうですね。

234 名前:名無し草 :05/02/13 21:48:33
あ〜あ、3連休も終わっちゃうね。

>プロバイダ側の人間に知り合いでもいたら
そんなことってあるの?

235 名前:名無し草 :05/02/13 22:11:34
てゆっか、2ちゃんの中の人が知り合いに居る
個人情報まで知れないでも、いつか話して
荒らしてんの、またこいつかよw程度の笑いのネタにはなる
守秘義務あるだろから今んとこ声かけてないけどね

236 名前:名無し草 :05/02/13 22:29:49
>>235
意味がよくわからない・・・
標準語でヨロ

237 名前:名無し草 :05/02/13 22:43:14
プロバイダ側の知り合い。
私もいます。

238 名前:名無し草 :05/02/13 23:29:13
ということは、あなたがあの人なの?

239 名前:名無し草 :05/02/13 23:33:27
いい加減マターリ汁!
作家様が来づらいじゃないか

240 名前:名無し草 :05/02/14 00:23:12
・・・・・・


241 名前:名無し草 :05/02/14 01:27:05
今日は、沢山釣れて良かったな
m9(^Д^)プギャー


242 名前:名無し草 :05/02/14 10:00:59
荒らしも強制退去させた事だし(笑)
作家様、安心して御戻りくださいませ

243 名前:名無し草 :05/02/14 11:10:31
>2ちゃんの中の人が知り合いに居る
削除人や運営系の人?
すげ。


244 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/14 11:22:47
>>143
19
「何を勝手に見ておるっ!誰がそなたに許したというのだ!封印が見えなかったとでも言い訳するかっ!」
不意に手元が陰って石版がひったくられた。
「メ、メンフィス…」
怒りの形相も凄まじく、メンフィスがキャロルを乱暴に立たせた。
あたふたと駆け寄ってくるナフテラをメンフィスは怒鳴りつけた。
「ナフテラ!そなたか?そなたがこれを渡したのか?これが何か知らぬわけではあるまいが!
誰にも触れさせられぬ品だと知りながら…ええい、命令に背きおって!覚悟はできておろうな!」

「やめてっ!ナフテラは悪くないの!」
メンフィスを突き飛ばすようにしてナフテラに駆け寄り、その小柄な身体でふっくらとした体つきの女性を守るようにするキャロル。
メンフィスのぎらつくような瞳に少しも臆することなくキャロルは叫ぶ。
「やめてちょうだい、ナフテラは悪くないわ。櫃の中身は…私が勝手に見たの」
「書庫深くしまっておいた品を、そなたが取り出せるはずもない!ナフテラでなくば誰が…」
「やめてちょうだい!わ、私が…自分で書いたものを自分で見たのよ。いけないとは言わせないわ!」

不意に殺気すら放ってみえたメンフィスの怒りが解け、空気が緩む。
「自分で書いたものを自分で見た…と申したか?そなた…思い出したのか?
そうだ、それは全てそなたが書いたものだ」

245 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/14 11:23:19
20
漆黒の瞳が、少し潤んだような光を湛えてキャロルを封じた。
「そうだ、そなたが見たのであればもとより咎にはならぬ」
キャロルの身体が震えた。膝に力が入らなくなり、不意に不器用になった身体をメンフィスが優しく支えた。
大柄な鍛え上げられた体。誰もが見とれる秀麗な容貌。真の統治者だけが持つ、知性、人を惹き付ける抗いがたい魅力。
誰もが彼から一片でもよいから好意を得ようと躍起になるだろう。そんな相手の心は今、一心に奔流のようにキャロルにだけ向けられている。

「思い出したのか?思い出せたのか?」
ファラオの足元に散乱する石版たち。
(きっと、あの庭園と一緒に封印したんだわ。自分の心も愛したお妃と一緒に葬るようにして。強い人が…いいえ、強くあることを義務付けられた人が。
可哀想に。この人は本当にお妃を愛していたんだわ)
キャロルは初めて、目の前の男性をしっかりと見つめ、そして理解できたような気がした。

「キャロル!どうしたのだ?ぼうっとしたりして?!」
キャロルはメンフィスの腕から逃れようとした。でもそうすれば甘美な枷は一層強まるばかり。

246 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/14 11:24:33
21
そして不意にキャロルは悟った。
(いいえ、違う。お妃を愛しているんだわ、今も、今も…!
メンフィスが愛しているのは…亡くなったお妃だと思っていたのは…では、私なんだわ!)
全身の血が逆流して、メンフィスの黒曜石の瞳に見つめられて身体は火を吹いて燃えてしまうかと思えるほどに熱い。動悸が響き渡っているように思える。

(この人が…私を…)
初めて出逢って、目と目を見交わした瞬間から逃れがたい魅力を感じ…恐ろしいと思いながら惹かれずにはおれなかった男性。
自分によく似た誰かを愛し、自分をその人の形代(かたしろ)としてしか見てくれないのだ、と思って何故か胸が痛くなるような哀しみを覚えた、その相手。
(メンフィスは私を愛している。私は…そして、私は…)
身体が細かく震え、顔だけでなく全身が薄紅色に染まっていく。訳も無く涙がこみ上げてくる。

「キャロル…?」
メンフィスには、キャロルの心のうちが手に取るように分かった。これまで幾多の女性が、メンフィスに恋焦がれ、今のキャロルと同じ貌を見せた。
「キャロル、そなたは…」

「やっ!」
キャロルは思いきりメンフィスを押しのけた。顔を背けて逃げようとしたけれど、涙がこぼれるのが先だった。

247 名前:名無し草 :05/02/14 12:11:11

キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!

週のはじめからうれすぃ〜♪ 作家さまありがとう!

お子様キャロル、ついに目覚めるのか?!

248 名前:名無し草 :05/02/14 12:20:12
戯作メンフィス4年後様!
続きありがとうございます。益々目が離せなくなってきました。
週の初めから素敵なお話が読めてとても嬉しいです。
午後からの仕事頑張ります。
また、続きお願いします。

249 名前:名無し草 :05/02/14 12:46:44
戯作メンフィス4年後の作家様
週の初めからのうp!嬉しぃです♪
有難うございます!!!


250 名前:名無し草 :05/02/14 12:49:42
キターーーーー!!!
随分ながいこと待っていた気がします。
素敵なシチュに萌えです!
キャロルを知り尽くした大人なメンフィス素敵すぎます・・・
二人の初Hはどんなに素敵なんだろう・・・あぁ萌え萌えですわ、ホントに。

251 名前:名無し草 :05/02/14 13:14:55
戯作 メンフィス4年後様、萌え萌えです〜
二人が結ばれる場面が楽しみ……

252 名前:名無し草 :05/02/14 15:32:06
>メンフィス4年後様
>二人が結ばれる場面
をどうしても入れたければここは板違いです
ご注意くださいませ

253 名前:名無し草 :05/02/14 16:36:19
>>252
>>4

254 名前:名無し草 :05/02/14 19:42:53
「戯作 メンフィス4年後」作者様
ちょっと大人になった(と感じられる)メンフィスの
記憶を失くしたキャロルを包み込むような愛が切なくてドキドキです。
うpありがとうございます。

255 名前:名無し草 :05/02/14 20:56:14
>>252
別に板違いではありませんよ。
作家様の思いのままに書いてくださいね。

私もメン&キャロルが再び結ばれるシーンを心待ちにしています。
メンフィスの気持ちを思うと、こちらまで待ちきれないような感じです。

256 名前:名無し草 :05/02/14 22:50:02
よっしゃああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜

257 名前:名無し草 :05/02/14 23:17:27
下の話でスマソなんですが、
ナフテラが驚いてしまう程、いきり立っていたメン様の○○○という表現が気になって仕方ないのは私だけでしょうか。
それほどキャロルタソへの想いが強いって事なんですよね。
抱きたくて仕方ないのをグッと堪えてるんだよね。
はぁぁ・・・萌えというか切ないなぁ。
作家様、早くメン様の願いを叶えてあげてね。
そのときは私は鼻血出ると想うけど、嬉しくてたまんないな。

258 名前:名無し草 :05/02/15 00:21:20
>>252
これ書いた人はエロパロスレ支持者なのにこっちに
作家さんがみんな書いているからグレてるだけですから気にしないでね。

259 名前:名無し草 :05/02/15 00:38:31
>>258 ワロタ

260 名前:名無し草 :05/02/15 12:08:28
エロがかなり濃くなりそうなら大人板に持っていけばいいし、
それほど激しくないならこっちでいいんじゃないかな。
というか作家さんの好みに委ねればいいよね

261 名前:名無し草 :05/02/15 15:06:28
こちらで濃い〜いエロ書いてもらってもOKですよね?
今までそうだったんですもん。

4年後様、
メンフィスの4年分の思いのこもった初夜を期待しております・・・ハァハァ

262 名前:名無し草 :05/02/15 15:31:22
つまらん

263 名前:名無し草 :05/02/15 20:19:14
作家さま、待ち望んでいたメンフィスの想い、早くかなえてあげて
下さい〜♪全面的に指示いたします〜〜愛にスレ違いなどありませんわ〜

264 名前:名無し草 :05/02/15 20:19:47
すみません、興奮のあまり下げ忘れました。メンフィスの想いが〜〜

265 名前:名無し草 :05/02/15 20:43:05
私もまたオニマーク入りを書きたいと思ってるけど、できたらこっちに書きたいです。
エロパロ板だと、オニ無しの時に板違いになりそうだから・・・。

戯作4年後作家様応援しております、今後も頑張って下さいね。


266 名前:名無し草 :05/02/15 22:16:25
エロパロ板じゃないんだからエロ話の時だけ盛り上がらないでくんない?
ここは子供だって見にくるのよ。


267 名前:名無し草 :05/02/15 22:47:59
なんだ、ビビッテ荒らし方変えた?
って思わせるね。

268 名前:名無し草 :05/02/15 22:51:58
クスッ

269 名前:名無し草 :05/02/15 23:01:13
図星かよっ!!

270 名前:名無し草 :05/02/15 23:04:50
>>267
なに?なんの話?
誰でもわかるようにアンカー付けてくらはい

271 名前:名無し草 :05/02/15 23:08:56
>>267
>>266

272 名前:名無し草 :05/02/15 23:22:56
ギスギスするのやめてマターリと作家様のご降臨をお待ちしましょうよ。
いちいち釣られていたら雰囲気悪くて作家様もお困りになりますわよ。

273 名前:名無し草 :05/02/15 23:25:42
>>267
たしかに、あの異常な粘着が
簡単におとなしくなるとは思えないよね。

274 名前:名無し草 :05/02/15 23:29:51
>>273
そうやって挑発するあんたも荒らし!!

275 名前:名無し草 :05/02/15 23:33:38
みなさま〜。
どうかお願いですから静かに作家様をお待ちしましょうよ〜。

276 名前:名無し草 :05/02/15 23:34:24
エロと愛の違いが判らないのかなあ?
作家様の作品は、「ロマンス」なんですよね〜「愛し合う恋人同士の切なさ」が
伝わってくるんですよ〜。これをエロと呼ばないでほしいなあ…ロマンスって
思えないかなあ〜愛があれば、美しいのよね、作家様の熱烈ファンでつ。

277 名前:名無し草 :05/02/15 23:45:27
>>275
みなさま〜っつわれても267のジエーンだろ
なんか焦ってるみたいね
プププププ

278 名前:名無し草 :05/02/15 23:50:13
次なる展開にあれこれと気持ちをめぐらせて、作家様をお待ちするのも
ファンのつとめです。この待ち気分がウキウキ気分です。
憧れの人をそっと影で待ち伏せする乙女の気持ち??>ああ、私は作家様のストーカーと成り果てた…

279 名前:名無し草 :05/02/15 23:51:54
次なる展開に思いを馳せて、作家様を待つ気持ちはまるで恋人を待つ乙女のよう。
私は作家様のストーカーに成り果てたのか?でも、気長に待っておりますね、作家様。
ごゆる〜りと次なる展開を書き下ろして下さいませ〜。

280 名前:名無し草 :05/02/15 23:53:17
あ、2重投稿しちゃった。すみません>皆様…はやる気持ちに抑えがきかない?

281 名前:名無し草 :05/02/15 23:55:53
2重投稿か・・・手口を変えたの?(w

282 名前:名無し草 :05/02/15 23:57:44
犬のふせと待ての気持ちがはじめてわかったわい

283 名前:名無し草 :05/02/16 00:06:47
ワワンワンワン

284 名前:名無し草 :05/02/16 00:24:23
ギャオーン

285 名前:名無し草 :05/02/16 01:39:02
ぶふぉっ

286 名前:名無し草 :05/02/16 06:21:05
ぱおおおん

287 名前:名無し草 :05/02/16 10:18:11
>>276
276番さんと言う通り。
読んでいると自分の心がギューとなって切なさが伝わってくるんですよネ!!
エロと純愛を一緒にして欲しくないです。
私も作家さんの一ファンです。

288 名前:名無し草 :05/02/16 14:52:21
ク、クマー

289 名前:名無し草 :05/02/16 18:27:36
結局、こういうスレ

290 名前:名無し草 :05/02/16 18:49:31
こういうって?
煽りじゃなくまじめに聞きたいんだ。

291 名前:蓮と薔薇 :05/02/16 20:44:39
>>168
48
「ええ、今はちょうど3ヶ月を過ぎたあたりでしょうかしら?年内には和子をおあげしたいですわ!
イズミル王子様、どうか祝ってくださいませ。あなた様の初めての和子は正妃腹ですわ」

(何だと?! モリオネーが私の初子を産むだと!馬鹿な…)
モリオネーに正妃の冠を呉れてやるかわりに、キャロルには自分の血を享けた子供達を与えたいと願っていた王子の顔はさすがに強張った。

王子の傍らのキャロルもまた頭の中が真っ白になった。
(そんなこと…。モリオネーに王子の赤ちゃん…!私が一番欲しいものを!)

「何と…それはまことか、モリオネー」
「はい、国王様。王子が旅にお出になる直前あたりに…身篭ったことになりましょうか」
「…モリオネー。何にせよ目出度いことです。さっそく王宮付きの産婆を遣わしましょう」
「王妃様、産婆もできましたらアテネから呼び寄せたいのです。初めてのことで私も不安ですから、是非!」

292 名前:蓮と薔薇 :05/02/16 20:45:12
49
国王夫妻と王子は人払いした一室に座っていた。正妃冊立の許しを受けたモリオネーの懐妊は、ヒッタイトをアテネの属国にしてしまいかねない火種を孕んでいる。
「時期的には合うか。しかし困ったことになったな、イズミル。このままではアテネの力が強くなりすぎる。
利用するために娶った相手から利用されることになるとはな…」
国王の言葉に、しかしイズミルは冷然と答えた。
「しかし、ナイルの姫が同じように身篭り和子をあげればアテネを牽制できましょう。
それに父上。民と臣下の信望は我が姫のほうがより高いのはご存知のはず。かの姫はモリオネーと違ってヒッタイト人でございます」
「…ふん。で、そなたは大事な恋女房を孕ませたのか?見たところ未熟な姫。大人並に身篭るには今しばしではあるまいかな?」
皮肉っぽい王の言葉を、王妃が遮った。
「にしても、モリオネーは全くそのような様子がなく…。悪阻も無かったのでしょうか?
それに産婆までアテネから呼び寄せるとは何事です?」
口にこそ出さなかったが、王妃は懐妊自体を疑っていた。国王の後宮の女が幾人も身篭り出産したのを見守ってきたのは伊達ではない。

293 名前:蓮と薔薇 :05/02/16 20:47:14
50
「何てこと!よりにもよってモリオネー様が、姫君を差し置いて身篭るなど!」
「ますます鼻持ちならなくなりますよ、あの方!今日だって…!」
「でも、これからはあちらの方のご威勢が勝っていくのでしょうねぇ」
キャロルに仕える侍女たちが衣裳櫃を整理しながら姦しく囀りあう。ムーラもそれを敢えて窘めようとはしなかった。
(ほんに口惜しい。王子とお心通わせ合った姫君が負けてしまわれるとは。
姫君を王子の和子のご生母に、と思っていたのに!)

「皆、ずいぶんと賑やかね。声が外に漏れてしまうわ」
急に納戸部屋に入ってきたキャロルに、皆は恥ずかしそうに黙り込んだ。
キャロルは一瞬、眉をひそめた。
(私の心そのままの言葉ね…。私はどろどろと醜い人間になった…)
心配そうに、痛ましげに見守る人々の視線に、キャロルは我に返った。
「さぁ。イズミル王子の正妃冊立に、和子様ご懐妊まで発表されたおめでたい日に、私達が妬み嫉みで凝り固まっていたなどと噂されては、王子の宮殿の恥になるわ。
私達が笑い者になっては、それこそ…浅薄な人達の思う壺でしょう?普段どおりに振舞いましょう」
キャロルは心を押し殺し、理想的な言葉を並べる…。

294 名前:蓮と薔薇 :05/02/16 20:48:13
51
「そ、そうでございました。姫君」
ムーラの言葉に他の者もいっせいに頭を下げた。気丈に振舞っていたキャロルは自分に仕えてくれる人々の胸中も痛いほど分かる。
「皆の気持ちは分かっているの。ごめんなさい…。でも嘲りを受けるような真似はしたくないの。王子のためにも…。分かってください、ごめんなさい」
涙を必死に堪えるキャロルに侍女たちはたまらずに涙をこぼした。
「おいたわしい…」
ムーラは、柄にも無く項垂れていた己の卑屈な心を恥じた。
「姫君、よく申されました。
皆も!めそめそと見苦しいところを姫君にお見せするでない!これからは一層励み、後ろ指を指されぬようにするのが姫君にお仕えする私達の務めです」
居合わせた人々は、この王子の信厚い賢婦人の言葉に居住まいを正した。
「姫君も卑屈になどなられますな。あなた様は王子みずからお選びになり、愛された只一人の御方様でございます」


295 名前:名無し草 :05/02/16 22:37:57
「蓮と薔薇」の作家様、お待ちしておりました。
本家では決して読むことの出来ない、イズミル王子とキャロルの純愛!
イズミルファンの私めにとっては、なによりの慰めです。
本家でも、もうちょっとイズミルに優しくしてほしいよ〜、きゃろる。
でも、メン様がいらっしゃるかぎり、それは叶わぬ夢なのね〜。
だから、この小説で、イズミルをできるだけ愛してあげてほしいものです。

296 名前:名無し草 :05/02/16 22:51:57
メンフィス派の私ですが、蓮薔薇のキャロル&王子には引き込まれます。
この逆境をキャロルがどう乗り越えていくのか、楽しみです。

297 名前:名無し草 :05/02/16 23:32:51
よくあちこちで見かけるぬるぽって何ですか?
あとなぜその後でがっというレスが付くのかも教えて下さい。

298 名前:名無し草 :05/02/17 11:01:48
             /◎)))
            / / :
            / /  :        
           / /   :      
           / /     :,     
          / /      :,  
          / /       :, 
         / /         :, 
    .∧_∧ / /          :,  
   .( ・∀・) /          、  ∩__
   |/ つ¶__/    ヽヽ     /;;;;   ヽ ガッ
   L ヽ /. |     ヽ ニ三 |:;;;;   | 人∧__,∧∩
   _∪ |___|            \;;;;_ノ<  >`Д´)./ ←>>297
   [____]_                V/    /
 /______ヽ_ヽ                /  / ./
 |______|_|              (__,)_)
/◎。◎。◎。◎ヽ= / ̄/
ヽ_◎_◎_◎_◎ノ=ノヽニヽ

299 名前:名無し草 :05/02/17 17:14:06
>>297
「ぬるぽ」は"NullPointerException"の略だが、2ちゃんねるでは、「無意味」
「ナンセンス」の意味で使われることが多い。「ぬるぽ」と言われたら「叩く」
「バグは許さない」ということで「ガッ」で返すことが「お約束」となって
おります。ご理解いただけましたでしょうか?


300 名前:名無し草 :05/02/17 17:24:26
>299
違うよ。
詳しくは2典プラス参照↓

ぬるぽ【ぬるぽ】[名](プログラマー板、他)
NullPointerExceptionの略。
プログラマー板で「NullPointerException?の事をぬるぽと呼ぼうぜ!」と言うのが始まり。
このAAとともに使われることが多い。
   ∧_∧
  ( ´∀`)< ぬるぽ


「ぬるぽ」の書き込みに対しては叩くのがお約束。
叩かれる経緯としては、gooの辞書でぬるぽを検索したところ意味として殴るが出てきた為。
   ( ・∀・)   | | ガッ
  と    )    | |
    Y /ノ    人
     / )    <  >__Λ∩
   _/し' //. V`Д´)/
  (_フ彡        /  ←>>1



301 名前:名無し草 :05/02/18 01:19:26
で?

302 名前:名無し草 :05/02/18 01:26:00
っていう

303 名前:名無し草 :05/02/18 17:15:39
んんん?

304 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/19 10:25:17
>>246
22
メンフィスの顔が嬉しさに綻んだ。
(キャロルは私に恋している!)
「泣くな、キャロル。本当にそなたは泣き虫だな。さぁ、泣きやめ」
メンフィスはキャロルの顎を掴むと、上向かせた顔から涙を吸ってやった。

「や…恥ずかしい。皆、見てる…」
本当に泣きじゃくって自分を責めるキャロルをメンフィスはさも愛しそうに見おろした。
「私はファラオでそなたの夫だぞ。睦みあうのに何の遠慮があろう?」
「い、意地悪。あなたはいつだって私をからかって…嫌いよ」
でもキャロルは抱きすくめる腕を無理やりはずす事ができないのだ。

メンフィスは晴れ晴れとした笑い声を響かせた。
「分かった、分かった。もうこれ以上、そなたをいじめまい。そなたを泣かした咎で私がナフテラに責められそうだ」
「…あの石版は私しか書けないものだわ。でも私は…」
思い出せない、という言葉はしかしメンフィスの唇にふさがれた。
(恐ろしいと思うのに…何故か胸が高鳴る。この人に求められていることが…嫌じゃない。どうしよう、こんな…)
キャロルは甘美な恐怖に目くるめく思いを味わう。

「メンフィス様、おわしますか?」
名残惜しげにキャロルを解放し、ミヌーエ将軍に何事かを告げられたメンフィスの顔が厳しくなった。
「キャロル、良い子で私の帰りを待っておれ。ナフテラ、キャロルを頼んだぞ」
メンフィスはマントを翻して出ていった。

305 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/19 10:25:50
23
「びっくりしたわ。メンフィスったらあんな…急に怒鳴ったりして。ナフテラ、せっかく気遣ってくれたのにごめんなさいね」
赤く染まったままの顔を伏せ勝ちに、櫃の中にその中身を戻しながらキャロルは言った。
「メンフィスはいつもあんなふう?」
「それでもずいぶんと丸くなられたといいますか…キャロル様がおわさなくなってよりは、感情を封じ込まれたようなところもおありで…」
「あれで? まぁ、暴君ね!」
その口調も、少し尖らせた唇も、本当に皆が覚えている4年前のキャロルそのものだった。

やがてキャロルは櫃の一番上にあの石版を置いた。
「これは手紙ね。離れた家族に宛てた手紙…。身篭って幸せだったのに…でもこの手紙は出されること無くここに封印されたのね。何故?
出せなかったのは…この手紙の主が亡くなったから…ね。おそらくは赤ちゃんも生まれることなく…。違う?」
「キャロル様はメンフィス様を置いて和子様と呆気なく逝かれ…どれほどご無念でしたか…っ!恐ろしく思し召したか!私が身代わりにと祈りましたのに!
それを思うと今でも胸が引き裂かれまする…っ」
血を吐くようなナフテラの言葉に人々は堪えきれずに涙をこぼすのだった。


306 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/19 10:26:22
24
キャロルは黙って目を石版に落とした。
(身篭って…18歳で死んだ……私…)

18歳?
不意にキャロルの脳裏にブラウン教授の言葉が蘇る。
─このファラオは若くして亡くなったらしいのう。18歳ほどか─

(メンフィスは生きているわ!今は20代の半ばくらい?
18歳で死んだのはメンフィスじゃなくて…手紙を書いたもう一人の私。メンフィスの身代わりのように18歳で。
では…では…!歴史は変わったのね?メンフィスが生きる未来へと!)

不意にキャロルの目の前から一切の風景が消え、違うものが見えてくる。
寝台に横たわる瀕死の女性。嘆き哀しむ人々。

─おお、キャロル。逝くな。私を置いて逝くな。いつまでも側にと誓ったではないか。あれは嘘か!

メンフィス、悲しまないで。私はきっとあなたの替わりに逝くのよ。あなたを死なせはしない、必ず守ると誓った私の祈りを神様が聞いてくださったの。
生まれることなく私と逝く赤ちゃんは、きっと私が神様のお側で立派に育てます。

でもその言葉は声になることなく…キャロルは愛する人の嘆きに詫びながら逝ったのである…。

ごめんなさい、メンフィス。置いていくあなたが何よりも気がかり。どうか幸せになって。私の願いはただ、あなたの幸せだけなのよ…。

307 名前:名無し草 :05/02/19 11:08:34
【戯作 メンフィス4年後】作家様へ
泣けました〜!!すごく良いお話です〜!ってまだ途中だったらゴメンナサイ。

308 名前:名無し草 :05/02/19 11:11:43
戯作メンフィス4年後様!!
続きを首を長くして待っていました。
ステキです。間もなくお子様キャロル覚醒の時を迎えられるのですか?
ますます目が離せません。
続き楽しみにしています。

309 名前:名無し草 :05/02/19 17:12:43
戯作メンフィス4年後様キ…(-_-)キ(_- )キ!(-  )キッ!(   )キタ(  ゜)キタ!( ゜∀)キタ!!( ゜∀゜)キタ━━━!!
続きが楽しみです。ほんま、おもろいわ。

310 名前:名無し草 :05/02/19 17:14:48
ロマンチックですね〜、泣ける純愛(T_T)
【戯作 メンフィス4年後】キャロルが目覚め、メンフィスの黒曜石の瞳には
涙と愛が輝く…なんてそんな場面が早く読みたいですぅぅぅ!

311 名前:名無し草 :05/02/19 19:43:05
メンフィス4年後を最初に書かれた作家様の素晴らしい設定に
戯作作家様の素晴らしい展開・・・最高ですね!
いいなぁ、このお話、マジで好きです(感涙)

312 名前:名無し草 :05/02/19 20:11:25
戯作メンフィス4年後様
本当に素晴らしい!!
マジで面白い!!


313 名前:名無し草 :05/02/19 21:47:17


314 名前:月影の詩 :05/02/20 17:48:19
突然ですが、「王家の紋章」スレで思いついた題材を元に戯れに書いてみました。
よろしければ、お読みになってみて下さい…。かなわぬイズミル王子のキャロルへの想いを
どうしても成就させてあげたくて…

『月影の詩』
1
飛行機の窓の外のどこまでも紺碧に深く輝く地中海を見つめて、キャサリンはため息をついた。

「地中海はいつ見ても美しいわ。イギリスの寒々とした海とは大違いね、お父様」
「ギリシャでの休暇は楽しめたかな?キャス?」

隣の父、スペンサー伯爵こと、サー・ジェームズは愛娘を見つめながら微笑んだ。

「もちろんよ、お父様。ギリシャって本当にステキな国。古代の息吹が今でも伝
わってくるようだわ!私、やはり古代エーゲ海文明の研究をするためにオックス
フォードに進みたいわ、だめかしら?お父様…。『女だてらに泥まみれの考古学?』
なんて前・時代的なことをおっしゃるお父様じゃなくってよね?」
「好きにしたらいい。が、事故にだけは気をつけてほしい。考古学の
発掘は事故もあると聞いているから…」(でも、さすがに血筋は争えないな…
先日から行方がわからなくなっているキャサリンの生き別れの双子の妹…アメリカに
いるキャロルは考古学に夢中になるあまり、エジプトで行方不明だと言うではないか…やはりキャスも同じ考古学好き。
でも、まさかキャスまで行方不明になるなど…ふっ、あり得ないな)
「お父様ったら!大丈夫よ、気をつけます、約束するわ」



315 名前:月影の詩 :05/02/20 17:52:44
2.
サー・ジェームズは親友であったアメリカの富豪リード氏から、キャサリンを16年前に託されてから、
自分の娘として慈しみ育ててきた。子供のいなかったサー・ジェームズと亡き妻ジェニファーの間に
子供はできなかったのも理由の1つだったが、双子を出産して、体の弱かったリード夫人が、出産時、
危篤状態に陥ったことも引き取った理由にあった。産後のことを考えると、双子の育児は無理と
リード氏は判断し、双子の姉であったキャサリンをサー・ジェームズに託したのである。
キャサリンとキャロルが双子であるという事実を知るものは、リード氏夫妻とサー・ジェームズ夫妻
とその出産に立ち会った病院関係者のみで、固く秘密は16年間守られ続けてきた。
その後、キャサリンは、イギリス人であったサー・ジェームズのロンドン郊外にある屋敷ですくすくと育ち、キャロル同様、金色の煌く髪と澄んだ青い瞳を持つ美しい娘に成長していた。妻を亡くしたサー・ジェームズにとって、娘の成長は何者にも変えがたい宝であった。


316 名前:月影の詩 :05/02/20 17:56:28
3.
「そういえば、お父様、先日クレタ島近くの島で発見された古代の石板の話しはご存知?」
「なにか、騒がれいたな。たしか、3千年ほど前のクレタ文明当時の石板にもかかわらず、ミノア文字ではなく、楔形文字で書かれているという謎のものだとかいう…」
「そうよ、でね、それは当時のヒッタイト語だということが解読されてわかったらしいのよ。ヒッタイトよ、お父様。当時、すでにエーゲ海では、ヒッタイトとの交流も盛んだったと言うことね。そして、それにはこう書かれていたんですって」

『汝、わが妻よ、このイリスの島で永遠にそなたをわが妻となす、ナイルの姫よ』

「すてきね〜。ナイルといえばエジプトの川よ、つまり古代エジプトの姫とヒッタイトの誰か高貴な男性がこのエーゲ海で
永遠の愛を誓ったっていう遠い昔のラブレターみたいなものね!あ〜あ、だからやめられないのよ、昔のことを勉強することって。
この目で見てみたかったわ、遠い古代の結婚式を!」

そう語るキャスリンの瞳はますます青く輝いていた。
その時である、2人を乗せたサー・ジェームズの小型ジェット機が突然乱気流に巻き込まれて、急降下し始めた。

「お、お父様!どうしたの?一体?」
「キャス、キャサリン、シートベルトを、シートベルトをきちんとするんだ!」
「こわいわ!ひどい揺れ!」

____ 薄れ行く意識の中で、キャサリンの耳元に一つの声がした。

『来るがよい、3000年の時を隔てて、ナイルの姫よ…このキルケーの声を聞き届けよ』

「だ…れ?あ、な、たは…?」


317 名前:月影の詩 :05/02/20 18:02:14
4.
う…まだ痛む…いや、痛むのは肩だけではない…我が心も血を流し痛んでおる…)

窓越しにさやかなる月の光を浴びながら、ヒッタイトの王子イズミルは孤独のうちに目を覚ました。

「ナイルの姫よ…そなたをこの腕に抱くことができたのなら、肩も心も痛むこともないであろうに。
そなたは今、憎きメンフィス王の腕の中。おお、姫よ、この腕に2度とそなたを抱くことができぬのならいっそこのまま朽ち果ててしまおうものを…姫よ…」

傷つき、アマゾネスの城に幽閉されていた王子だったが命からがらヒッタイトの都、ハットゥシュに戻ってきても傷は癒えぬまま、うつろな心を抱え日々を過ごしていた。

(イズミル様…、おお、わが主君、それほどまでにナイルの姫をお慕いなさっておられるというのに、この私はその想いに答えることができぬまま。このルカをお許し下さい。しかし、いつかきっと姫を王子の腕に…お誓いいたします)

王子の忠実なる家臣ルカは、命を果たすことができないまま今はエジプトのキャロルの元を去り、このヒッタイトに戻ってきていた。
それほど王子の衰弱は激しく、周りのものを心配させていたのである。
イリスの島で魔女キルケーの眠りに誘われたキャロルと婚礼をあげることができた喜びも束の間、キャロルは再びメンフィスの元へ去っていってしまった。
王子は、その喪失感に深く傷つき心を閉ざしたままで、臥せっていた。

(姫よ…なにゆえにそなたは、この私を愛してはくれぬのか…ああ、最初にそなたに巡り会えたのがこの私だったのなら…
遅すぎたとわかっていても、敵国の王妃とわかってはいてもあきらめきれぬ、姫よ…苦しい…おお、イシュタルの女神よ、いっそのことこの心をなにも感じない岩のように固めよ…)


318 名前:317 :05/02/20 19:07:17
すみません。ヒッタイトの首都は「ハットゥシャ」でした。
上スレで「ハットゥシュ」は間違いです。お恥ずかしい。

319 名前:名無し草 :05/02/20 20:29:58
月影の詩 作者様 よくぞ書いてくれました!
王家スレで話が出た時、おおと思ったシチュエーションでしたので。
続き楽しみに待っております。

320 名前:名無し草 :05/02/20 22:34:41
わぁ、視点が新鮮です*・゜゚・*:.。:*
期待!

321 名前:名無し草 :05/02/20 22:38:07
おお新作が! ありがとう月影作家さま。
ワタシも王子には幸せになってもらいたいので期待してます。

322 名前:名無し草 :05/02/20 23:21:28
切なくて萌えそう〜.☆.。.:*・°
ワクワク

323 名前:蓮と薔薇 :05/02/21 12:43:16
>>294
52
その頃、王子はモリオネーの宮殿を訪れていた。
「モリオネー、本日はまこと驚かされたぞ。懐妊とは…。何故、前もって夫たる私に一言なかったのだ?」
「恥ずかしかったのですわ。それに王子様は…ご自分の宮殿に篭りきりで」
拗ねたようにモリオネーは言ったが、夫の硬い表情を見て媚びるように微笑んだ。
「でも嬉しい。王子の正妃の御位を許され、王子の和子を産めるのですもの。
何と晴れがましいことでしょう?アテネに安産祈願の使者を遣わすことお許しくださいませね?」
王子はそっとモリオネーの腹部に触れた。平らな腹部。祝宴前に、モリオネーを抱いたが、仮にも身篭った女があれほど奔放に執拗に欲しがるだろうか?
「王子様?どうしてそんなお顔をなさるのです?もっと喜んでくださいませ。
私…嬉しいけれど怖くもあるのです。ね…今はナイルの姫のことなど忘れて私だけを見てくださいませ!」
「…馬鹿な。和子のことを考えていたのだ。詰まらぬ悋気はいたすな」
「嬉しい…。私は王子様の和子を最初に産む女。きっと男御子ですわ」
王子はそっとモリオネーを抱き寄せた。
「予定は…冬か。先のことだな。そうか…和子か。アテネの血を引く…」
「王子、王子。愛しております。あなた様の和子を産む私を、もっと愛してくださいませ…」

324 名前:蓮と薔薇 :05/02/21 12:44:30
53
(モリオネー様…なんとお可哀想な私のお嬢様)
モリオネーを見つめる乳母の頭の中に先ほどの場面が繰り返し渦を巻く。

「モリオネー様、ご懐妊とはまことでございますか?私はいつもモリオネー様を一番近くで拝見しておりますが…それに月の穢れも一度だって滞り無く…」
「お黙り。私が、この私が皆の前で言ったのよ。ヒッタイト世継の初子を身篭っていると。
…物事は言ったことで間違いの無い事実になるのよ。そうでしょう?」
「では、やはり…!どうなさるのです?お腹はどうとでも誤魔化しましょう。でも産み月がくれば…?」
「だから医師と産婆はヒッタイト人ではまずいのよ。ふふ、和子が流れることも珍しくないわ。そうね…たとえば和子は私の幸運を妬む側室に呪詛を受けたことにするとか…?」
「そのようなことっ!ナイルの姫の信望は侮れませぬに!」
「煩いわね!ならば誰か産み月の合う男の子を連れてくればいい。
……そうよ。私は和子が必要なのよ。困ることは何もないわ。アテネのお父様も助けてくださるわ」

イズミル王子が乳母の冥い顔つきを見咎めた。
「何でもありませんわ…。乳母や、少し下がって休んでおいで」
モリオネーは言ったが、王子の慧眼は何事かを感じ取っていた。

325 名前:蓮と薔薇 :05/02/21 12:47:52
54
王子が自分の宮殿へ、キャロルの許に戻ったのはもう東の空が白み始める頃だった。

「眠れなかったのか…。疲労の色が濃い」
寝台に物憂く臥せったままのキャロルに王子は気遣わしげに声をかけた。
「そんなことないわ。そうね、ただ…色々なことがあったから少し…」
顔を上げたキャロルの目のふちは赤く、夜衣の袖は濡れていた。
「泣かせてしまったな。そなたを幸せにしようと誓ったのに、少しも約束が守れぬ。大切にすればするほどに、そなたを苦しめているようだ」
陰になった王子の顔は少し泣いているようにも見えた。

「そなたを愛しているといいながら、何もそなたに与えてやれぬ私を嫌いにならないでくれ。お願いだ、私はそなたを愛している。そなたが必要なのだ。
そなたが私を愛し、必要とする何倍も…」
「王子!そんなこと言わないで。私は…王子がそう言ってくれる、その言葉が私には何よりも大切なのよ」
「私には、そなたが必要なのだ…。そなたを苦しめると知りながら、そなたを手放すことだけはできぬ。側に居てくれ、ずっとずっと」

王子の心と愛を信じながらも、キャロルの胸のうちには冥い澱のようなものが消えることなく漂い、年若い心を苦しめるのだった。

326 名前:蓮と薔薇 :05/02/21 12:48:57
55
次の日。
「お庭の花が美しゅうございますよ。ご覧あそばせ」
ムーラは春の庭へとキャロルを連れ出した。キャロルたち主従は香り高い白い花を摘み、笑いさざめく。
そこへやって来たのはモリオネーだった。
「おや、側室の御方。よほど庭仕事がお好きなのね。お見かけするときはいつも庭のような…」
モリオネーはキャロルが世話してやっている庭を見まわした。
「美しくできていること!あなたはお針子の才能だけでなく庭師の才もおありなのねぇ。そうだわ!私の正妃冊立の儀式の折の花飾りはあなたにお願いしましょう」
モリオネーは言いながら、キャロルの抱える花を数本、毟り取り香りを吸いこんで捨てた。キャロル達を嘲るように。
「さぁ、私は自分の宮殿で王子様のおいでを待つとしましょう。
あなたは今度は掃除でもなさるのかしら?居候の側室ですものね」

327 名前:名無し草 :05/02/21 14:59:39
蓮薔薇作家様、面白いです〜。
なんとなく「大奥」の様相?モリオネーの「女のイジメ」から
キャロルを守れるか?王子??

328 名前:名無し草 :05/02/21 19:54:12
蓮薔薇の作家様
本当に面白いです!!

モリオーネもなかなかイイですネ!
これから王子はどう動くか?キャロはどうするか?
楽しみです!!


329 名前:名無し草 :05/02/22 01:40:32
あ〜萌える話じゃな〜、なるたけ大勢の皆様に読んでほしいわあ。

330 名前:名無し草 :05/02/22 14:21:06
モリオネーが憎らしければ憎らしいほど、失脚する時が楽しみ(・∀・)

331 名前:名無し草 :05/02/22 22:59:30
やばいよやばいよ

332 名前:名無し草 :05/02/22 23:09:14
こちらにもお知らせを。


507 :ピロリ :05/02/22 15:04:03 ID:DwC5gxoB0
>>506
本日深夜and明日未明から明日いっぱい、、、

大規模な工事があるので
全サーバ落ちる可能性 99% だったりして

ttp://qb5.2ch.net/test/read.cgi/operate/1108830303/507

333 名前:月影の詩 :05/02/22 23:21:41
5.
そんなある日のこと、ナイルの姫、キャロルの元に侍女として侍りたいとイズミルに自ら申し出たあのイオニアの北の森の妖かしの魔女・キルケーの使いのものが、イズミルへの言伝を携えて来た。
「王子、イズミル様、大変でございます!」
「ルカ…何事?く…」
少しの動きにも癒えぬ傷は痛むまま、王子は半身を寝床から起した。
「キルケーの使いという者が、ただ今このハットゥシャの宮殿にやって来ております。なんでも、あのイリスの島にてナイルの姫そっくりの娘を呼び寄せたのだとか…。そして、その娘御は、今、こちらに向かっているそうにございます」
「な、なに?姫そっくりの娘を呼び寄せた?どういうことなのだ?ルカ…、あの妖かしのキルケーは一体何をしたのだ?」
「わかりませぬ、王子。しかしこのルカが必ずその真実を確かめ、王子にお伝えいたしまする」
「う…む…、頼むぞ、ルカ。このイズミルの命を狙う妖かしの誘いかもしれぬからな」
「はっ!」
(キルケー、一体そこもとは何者?なんのために、姫そっくりの娘を呼び出したなどと?
姫は、ナイルの女神の娘…2人といない存在のはず。それを妖かしの術で作り上げたとでも申すか…ええぃ、この私の弱みにつけ込むつもりか、魔女よ!戯言ならば、ただではおかぬ…キルケーよ…覚悟せよ)
王子は、痛む体を横たえながら、妖かしの魔女キルケーの言葉を信じられずにいた。


334 名前:月影の詩 :05/02/22 23:24:23
6.
「こ、これは…、この娘は…ナイルの姫?い、いやそんなはずはない、姫は今遠きエジプト、メンフィス王とともにあるはず…、とすると、一体誰だと…?」
意識なく、横たわる娘を見て、ルカは言葉を失った。ナイルの姫と同じ輝き煌く金色の髪、ヒッタイトの山々に降る雪のように白きその肌、閉じている瞳は
きっと…
「ルカ殿、キルケーによれば、この娘はイズミル様のために呼び寄せた大切な娘。必ずイズミル様の元にお連れせよとの命を受けております。そのために
我々は、メンフィス王の目を盗み、大緑海に浮かぶ島、イリスの島まではるばる訪れ、こうして再び懐かしのハットゥシャに戻ってきたのです」
娘を連れてきた従者は、キルケーと共にキャロルの元へ送ったヒッタイトの密者だった。
「な、なるほど…。して、娘は目覚めぬのだろうか?」
「いえ、眠らせているのみにござります、ルカ殿。キルケーより預かりしこの気付け薬を飲ませれば、すぐにでも意識を取り戻すことでしょう」
「そ、そうか。早速、王子の元へこの娘をお連れせよ、万が一のこともある、眠らせたままでよい」
「はっ!」
そう言うと、従者たちは金色の髪の眠れる娘を王子の元へ運んだ。
(な、なんとうこと…あのナイルの姫に見れば見るほど瓜二つ。こんなことがあるとは…。
しかし、もしあの娘が姫のごとくに賢く優しい娘であったなら…今度こそや、必ず必ず王子の御心を叶えてくれるやもしれぬ…イズミル様…、きっとあなた様の
想いが届くはず…。
が、早合点は禁物、あのキルケーは信用ならぬ妖かしの魔女、なにかの罠かもしれぬ…その時は、王子、必ずこのルカが王子をお守りする所存にござりまする…)
ルカは、自分の心の中で葛藤していた。


335 名前:月影の詩 :05/02/22 23:25:53
7.
「おお、姫、ナイルの姫ではないか…!いや…違う、姫は今、メンフィス王の元にいるはず。とすると?まさに瓜二つ…こんなことがあろうとは…。姫に双子の姉妹がいたとでも言うのか?一体、この娘は何者なのだ?」
王子は、痛む肩をかばいながら身を起こし、自分の傍に横たえられた金色の髪の娘をながめて驚き言葉を失っていた。
「キルケーの言葉によりますれば、『イズミル様のために呼び寄せた娘御』にあらせらるるとのことでございます」
従者は王子の前に、進み出て膝をついた。
「私のために?命を助けた礼だと言うのか?しかしどのようにして、呼び寄せたのだ?」
「そ、それはわかりませぬ。我々が闇に紛れ、あの恐ろしきミノスの海の怪物に見つからぬように島に訪れた時には、すでにその娘御は島の入り江の目立たない海岸に打ち上げられたようにして横たわっておりました。そういえば、見慣れぬ衣を身にまとっておりましたが…」
「見慣れぬ衣?…まあよい、それはわが乳母ムーラの元に届けて置くように。そなたたちは下がってよい、気付け薬はこの私が自ら娘に飲ませよう。ご苦労であった。ゆるりとするがよい」
そう言うと、王子は自らの傍らに眠れる娘だけを残し、従者たちを下がらせた。
「ルカ、そなたは部屋のすぐ外にいるように。万が一のこともある、私はまだ思うように動けぬ身。この娘が妖かしの者であるかもしれぬことをも考え、そこに控えておけ」
「はっ」


336 名前:月影の詩 :05/02/22 23:32:17
8.
(娘よ、金色の髪を煌かせたわが愛しき姫に生き写しの見知らぬ娘よ…目覚めよ、そなたは何者なのだ?この私のために、遠き母なる神の元からつかわされた娘なのか、それとも妖しき魔女キルケーの使いなのか…、
目覚めよ、そしてその唇から話してみよ…)
王子は、眠れる娘の唇に気付け薬を一適垂らした。
「う…、こ…こは…?ど…こ…?」
まもなく、娘の瞳がゆっくりと開かれた。なぜか唇からこぼれる言葉は、自分の言葉ではない気がしていた。
(おお、やはり青い瞳、姫と同じ瑠璃色の…)
「あ、あなたはどなた?」
キャサリンは、自分の身に起こっている事が全く理解できないでいた。
自分の傍らに寄り添うように横たわっている、見目麗しい長い髪の青年…、今まで会ったこともないその青年の瞳は、
琥珀色をして、じっと静かにキャサリンを見つめていた。
「ど、どうしてこんなところに?きゃあぁぁ!一体、あなたは誰?何をしているの?私は私は…」
「騒ぐでない、娘よ。大丈夫、何もせぬ。私は、ほらこうやってそなたに薬を飲ませただけだ」
彼は、優しく笑うと、自分の瞳にかかった薄茶色の髪をそっと長い指ではらい、薬の入った小さな壷を傍らから取ってみせた。
「あなたは誰?ここはどこなの?一体私は…」
「ここは、わが国の輝ける首都ハットゥシャだ、そなたは大緑海に浮かぶイリスの島よりこの私の従者によりここへ運ばれたのだ。
そして、私はこの国、ヒッタイトの王子イズミル、よもや知らぬとは言わさぬ。我が名は、遠き異国まで知らぬものはいないほど知れ渡っておるからな」


337 名前:名無し草 :05/02/23 06:57:05
キタ━━(゚∀゚)━━ !!!!!
「月影の詩」作者様!!!
ほんっっっとに楽しみにしています!

338 名前:名無し草 :05/02/23 23:38:32
わぁお〜
王子ガンガレ!!!

月影の詩作者さま、続きをお待ちしています。

339 名前:名無し草 :05/02/24 00:35:14
    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
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              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}




340 名前:名無し草 :05/02/24 01:02:21
>>336
ドキドキワクワクお待ちしております(・∀・)

341 名前:蓮と薔薇 :05/02/24 12:08:15
>>326
56
モリオネーの侮辱に立ち尽くすキャロルに声をかけた人物が居た。モリオネーの父、アテネの元首アンドロスその人である。
彼は今の場面をすっかり見ていた。
「おお、ナイルの姫。モリオネーが何か…?」
海千山千の有能な政治家は値踏みするようにキャロルを見つめる。
「これはアンドロス様。ご機嫌よう。モリオネー様は…お花がお好きなのですね。…でもこの花は香りがきつうございますから身篭られた方には嫌なものかもしれませんわ」

アンドロスは打ち捨てられた花を拾い上げて苦笑した。
「そう言っていただけるとは我侭娘も幸せ者ですな」
(ふむ…。並の器量ではないと聞いていたが、王子の女だ。今回のこと、腹に据えかねておろうのに、おくびにも出さず何とも優雅に振舞うではないか。
……王子の寵愛厚く、人々から信望もされている、か。モリオネーは分が悪いな。惜しいことだ、これが我が国の人間であったなら)
娘を愛する父であるよりも前に、自国の利益を計算し冷徹に行動できる政治家であるアンドロスは、キャロルこそ手駒としたかったと考えていた。


342 名前:蓮と薔薇 :05/02/24 12:09:25
57
アンドロス一行はやがて帰国し、月日は経っていく。

イズミル王子は最近、ほとんどの時間をキャロルの側で過ごすようになっている。身篭ったモリオネーの側には昼間に軽く顔を見せに行くだけだ。

「姫、何故そのように端近に?こちらへ」
気遣わしげに窓の外、モリオネーの宮殿のほうを眺めていたキャロルに、王子は少し苛立ったように声をかけた。
「王子、モリオネーの側に行ってあげなくてよいの?初めてのお産よ。さぞ心細く思っているのではないかしら?」
「そなたが心配するようなことではないぞ。私とて気遣いはしている!
しかし、行ったところでろくにモリオネーの側に寄れぬのだ。いつもいつも乳母と、乳母の身内とかいう産婆が居てな!」

「それは…。本心ではきっと王子を待っているはず。
私が王子を引きとめて意地悪をしていると思われたら、それこそ心外よ…」
王子には告げないが、モリオネーが何かとキャロルを侮辱する。
「ふん、夫がよその女のところに行くのを勧めるのか?よく出来た妻だ!
信じられるか?並んで座ることすらできぬ。種を絞れば用済みなのだな」
乱暴な王子の答に、キャロルはとうとう涙をこぼした。
「…どうして…そんな意地の悪い無神経なことが言えるの?最低!」
王子は驚き、あれこれとキャロルの機嫌を取り結ぼうとするのだった。
(くそ!惚れている女だけに始末が悪いわ!私としたことが)

343 名前:蓮と薔薇 :05/02/24 12:10:11
58
モリオネーは密かに女を側近くに召し出し、自分の宮殿奥深くに隠した。
女は身分低く身よりもなく、善良単純、頭もあまり良くない。
健康と…身篭っているヒッタイト世継の正妃モリオネーと同じ‘月数’であるということが何よりの、そして不可欠の取り柄である。

その隠された女は、モリオネーが‘出産’するのと時を同じくして赤子を産み…そして……。

「あの女の具合はどうなの?変わりはない?」
腹帯で詰め物を固定しながらモリオネーは尋ねた。
「はい、モリオネー様。元気で悪阻もなくなり、今はよく食べまする…」
モリオネーの乳母が言うと、乳母の親戚筋にあたる産婆も言う。
「ほんに順調でございます。下々の出だけあって体も強くて。それに腹の形。あれは男の子を身篭った形でございますよ!」
「あの女はモリオネー様の‘和子’の乳母になると信じて疑っておりませぬ…。ですが…」
乳母と産婆のどこか冥く怯えたような表情。本当にこんなことをしても良いのだろうか…。こんなことをさせておいてもいいのだろうか…。

「私は王子の正妃でヒッタイトの国母になるためにここに来たのだから!そんな怯えた顔をしないで頂戴!神経に障る」
モリオネーは偽の腹部を愛しげに撫でた。
「和子の母となれば、きっと王子様も最初の時の様に私を…愛してくださる」

344 名前:名無し草 :05/02/24 13:54:08
>そして、私はこの国、ヒッタイトの王子イズミル、よもや知らぬとは言わさぬ。
>我が名は、遠き異国まで知らぬものはいないほど知れ渡っておるからな」
笑っちゃうほどたかビーな王子が好き。

345 名前:名無し草 :05/02/24 17:43:39
age

346 名前:名無し草 :05/02/24 21:44:57
a

347 名前:名無し草 :05/02/24 22:37:58
b

348 名前:名無し草 :05/02/24 23:22:12
蓮薔薇の作家様
うp有難うございます!!

愛を取り戻そうとしているモリオーネ・・・
何だか悲しいヒトですネ。
これからどうなるか?かなり楽しみです。



349 名前:名無し草 :05/02/24 23:24:31
 月影の詩の作家さま〜
キター*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n`∀`)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!
待っていましたヨ!!
続きを楽しみにしています!


350 名前:名無し草 :05/02/25 08:11:04
蓮薔薇 作家様、モリオネーの姿がどうしても「大奥」のいじわる側室に
見えてきてしまいますぅ。んん〜これは、「後宮確執物語」?
女のイジワルは、こ・わ・い。キャロル、がんばれ???王子、冷静ね!(サッカーのサポーター気分です)

351 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/25 11:17:16
>>306
25
「…様?キャロル様?どうなさいました?しっかりあそばしませ!」
心配そうに覗き込むナフテラの顔が徐々にはっきりとした輪郭を帯びてくる。

「ナフ…テラ…?」
「私としましたことが取り乱しまして…キャロル様のお心を乱したのでは…」
白昼夢のような過去の中に迷い込んでいたのは、ほんの一瞬であったらしい。キャロルはナフテラの涙をそっと指先で拭った。
「泣かないで」
「キャロル様?」
「泣かないで、あなたも、皆も。
ねぇ、亡くなった…人は…決して無念ではなかったの。本当よ。むしろ喜んで神様の許に行ったの。神様の側で、赤ちゃんを育て、メンフィスを守るために。…本当よ」

「キャロル…様…?」
ナフテラの目に映るキャロルは、異郷に迷い込み、戸惑い萎縮する少女ではなかった。それは優しい中に一本しっかりと強い芯の通った少女。
皆があれほどに慕い、馴染んだナイルの王妃だった。
「キャロル様…!お、思い出された…のですか?」

キャロルは、一瞬考え込んでから言った。
「……いいえ、思い出したのではないわ。ただ分かったの。
ねぇ、ナフテラ。死ぬのが無念だとか怖いだなんて、ちっとも思わなかったの。死んだお妃は………いいえ、私は…。本当よ」
キャロルは初めて、時の迷路の中ですれ違ったもう一人の自分と、今の自分を重なりを見つけることができたのである。

352 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/25 11:17:52
26
一方、ミヌーエ将軍と大股に回廊を行くメンフィスは。
「ファラオ、カーフラ王女の容態は殊のほか重篤のようにございます。リビア王が荒れ狂い、手がつけられませぬ」
客人の宮殿からは、派手な胴間声と物が壊れる音がする。
「あれでは病人に障ろうに…」
メンフィスは冷たく言い捨てると、先に歩いていった。

「…リビア王。これは何としたことか。……誰か!壊れ物を片付けよ」
「メンフィス王、ようやくおいで頂けたか。いやはや、大事な王妃様にかまけて国賓たる我らのことなどお忘れかと…あぅ…思えて…」

「何があったのですかな?見れば我がエジプトの警備兵をもひどく打ち据えておられた」
「何があったか、とは!ご覧いただこうではないか!」
リビア王はメンフィスを引っ立てるようにしてカーフラ王女の部屋へ連れていった。

覗き見た病室は暗く垂れ幕を垂れ込め、膿みかけた傷の嫌な臭いが、濃い香料の香りと混ざり合っていた。
「カーフラや、具合はどうじゃな?のぅ、そなたをこんな目に合わせた下手人はきっと処罰してくれよう。ファラオにもきつく抗議いたそうぞ」
「……お父…様。これは転んで擦りむきました。
いいえ、怪我ではありませぬ。ただの風邪…怪我ではないのです…いいえ、やは…り夜に誰かがいきなり…」
痛みと熱のせいだろう、王女の目は妙に潤んで底光りしていた。

353 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/25 11:18:37
27
「ずっとあればかりじゃ!物の怪にでもやられたような世迷言を!」
場所を移したリビア王とメンフィスは爽やかな風に吹かれている。
「聞いておられるのか、ファラオ!あれは刃物傷、じゃ。夜中に…杜撰な警備を掻い潜って刺客めが、可愛いカーフラを!」
「しかし宮殿の外部を固めるは信頼の置ける精鋭のエジプト兵。宮殿の奥は御国から連れ来られたリビア兵が警備を固めていた。
…お話によれば、王女は…部屋からは出ておられぬのであろう?」

「な、何が言いたいっ!」
リビア王の胴間声は風に吹き散らされ、メンフィスは顔色ひとつ変えない。
「そう言えば昔、我が王宮の奥深くにリビア人の暗殺者が入り込んだことがあった…」
露骨に当てこすられ、リビア王の顔は黒ずむほど赤くなった。
「ではっ!では今回のことも我がリビアの民が裏切って、身のほど知らずにも王族に刃を向けたと言うかっ!」
「少なくとも…我がエジプトには国賓を暗殺しようとするような不埒者はおらぬし、宮殿の内部に居たのはリビア人。しかし、何故に王女は治療を厭われるのか…」

(くっそう!若造めがわしを嬲るか!)
しかしリビア王は感情をそのまま表に出せない。
政情不安のリビア。王やその一族に求心力はさほど無く、疑心暗鬼に駆られた王は力と恐怖と黄金で、闇雲に安全を購おうとするしかないのだ。
(では、やはりファラオの言うとおり…?あるいはカーフラが密かに外へ?)

354 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/25 11:19:50
28
「今は王女の治療が第一。あの傷、かなりの深手。下手をすれば片腕が腐り落ちよう。宮廷付きの医師だけでは心もとない。あのような傷の手当てに慣れた軍医を召し出し、王女の手当てを」
メンフィスはあっさりと言った。
「な、なんじゃとっ!あのカーフラの腕を切り落とされるとでも申すか!そのようなこと、わしが許さぬ!」
「最悪のことにならぬよう、手当てをいたそうと申しておる。治療には私も立会い、万一のことがないようにいたそう」

自分が枕頭に立てば、あるいは怯えたカーフラ王女が何らかの形で罪を告白するかもしれないというメンフィスの期待はあっさりと裏切られた。
麻酔もなしに傷口を焼いて消毒し、縫うという荒療治の間中、カーフラ王女は獣のように吼え、見苦しい粗相で寝台を汚した。
しかし、肝心のことなど何も言わず、ある意味天晴れな粘り強さを発揮したのである。
(ち…拷問にも耐えて、か。キャロルを殺そうとした毒婦が!)

355 名前:名無し草 :05/02/25 12:57:37
メンフィス4年後作家様!
続き、ありがとうございました。
続きを待っていました。
拷問のような手当てでも一切口を割らない
カーフラ王女のしたたかさが伝わってきます。

356 名前:名無し草 :05/02/25 17:13:27
メンフィス4年後作家様、お待ちしておりました〜。
したたかなカーフラ王女、醜さが伝わってきます。漫画の方では、いい加減、
笑えるキャラでしたが、やはり勘違いのおバカさんキャラでしたね。
続きを期待しております〜、読みたい、読みたい!

357 名前:名無し草 :05/02/25 18:02:46
麻酔なしの治療に耐えたのがキャロルだったら我慢強いとかゆわれるんだろうに
カーフラちっと気の毒だな・・・・


358 名前:名無し草 :05/02/25 18:09:56
>漫画の方では、いい加減、
笑えるキャラでしたが、やはり勘違いのおバカさんキャラでしたね。

やはりって、漫画の方がほんとのカーフラのキャラだろ(プゲラ


359 名前:月影の詩 :05/02/25 22:41:36
9.
「ヒッタイト…?ハットゥシャ?あなたは何を言っているの?わからない、何も憶えていないわ!お願い、助けて、本当のことを教えて。私は、私は…」
キャサリンは混乱し、恐怖に駆られた。そして王子の手を振り解こうともがいた。
「暴れるな、娘よ。何もしないと言っておるであろう?それとも私の、このイズミルの言葉が信じられぬのか?これ、暴れるなというに…う…」
キャサリンの肘が、王子の傷ついた肩にぶつかり、王子は苦痛で体を歪め力なく枕に身を落とした。
「まあ、怪我をしているのね、ごめんなさい、ああ、あなた、大丈夫?悪かったわ…私、私…何がなんだかわからなくて…」
キャサリンは、激しい痛みに苦しむ王子の体にそっと触れた。
「娘よ…そなた、私の心配をしてくれているのか?本当に、気になるのか?この私の傷が」
王子は、痛みをこらえながらも自分の傷に触れているキャサリンの白い華奢な手を握り締めた。
「何を言っているの?怪我をしているんでしょう?当たり前じゃない、ごめんなさい。でも、私、本当に何がなんだかわからなくて…。」
「くっ…」
王子は、傷口の痛みにあえいだ。
「大丈夫?まあ、ひどい傷…私ったらこんなひどい怪我をしているあなたを突き飛ばそうとしたのね、ああ、ごめんなさい、苦しいのかしら?大丈夫、ねえ、あなた?」


360 名前:月影の詩 :05/02/25 22:42:17
10.
必死になって自分の身を心配してくれる、愛しい姫に生き写しの娘…。叶わぬ想いに身をよじり、慟哭の想いで過ごした日々を振り返り、王子はふと微笑を浮かべた。
「だ…大丈夫だ、娘よ…。ありがとう心配してくれて。そなたのような美しい娘に心配されたら、痛みなどすぐ忘れてしまう、して、そなた名は…?何と言うのだ?金色の髪の娘よ…」
王子は、キャサリンの手をそっと自分の唇へと運び、その指先に口づける。
キャサリンは、頬が紅に染まるのを感じた。
(それにしてもここは一体どこなの?なぜ、私はこの人と2人きりで横たわっていたの?)
「キャサリン…名前はキャサリンよ、たしか…でも、キャサリン…何?思い出せないわ」
「キャサリン…美しい名だ…やはりそなたも女神の娘なのか?」
王子は、瞳を細めてキャサリンを抱き寄せた。
「ま、待って!」
「動くな、大丈夫、何もしないと約束する。ただ、少しの間だけでいい、このままでいておくれ、美しいキャサリンよ…お願いだ…」
王子は、ふっとため息を洩らすと、その胸にそっとキャサリンを抱き寄せて瞳を閉じた。


361 名前:月影の詩 :05/02/25 22:44:36
11.
(ああ、美しいキャサリンよ…そなたは本当に私の為につかわされたのか?お願いだ、
じっとこのまま抱きしめさせておくれ…どうかこのまま、しばし我が腕の中にとどまっておくれ)

______どのくらい、時が経っただろうか?王子の腕はキャサリンの華奢な体にまわされたままで、
彼は軽く寝息を立てていた。キャサリンはそっと王子の美しい横顔をながめて、考えをめぐらせていた。
(あなたは誰?なぜ、こんなに傷ついているの?どうしてそんなに孤独な瞳をしているの?
一体、私はどうしてこんなところにいて、あなたの腕の中で横たわっているの?)
やがて、キャサリンは動くこともできず、また疲れも感じてそのまま王子の腕の中で眠りに誘われていった。
「キャサリン…キャサリン…」
耳元でささやかれ、キャサリンはそっと瞳を開けた。
「目覚めたか?もうすぐ夜明けだ。そなた、結局一晩中ここにいてくれたのだな、長い間夢に見ても得られなかったものだ
…愛しき姫とは…」
王子の軽い笑いを含んだ声が静かな寝室に響いた。
「う…ん、あ…、王子…さま?」
「『さま』はいらぬ、王子か、イズミルと呼んでくれ。おはよう…わが金色の煌く髪の乙女よ」
そう言うと、王子はキャサリンをより一層抱き寄せ、唇を重ねた。
「う…、な、に…あ…」
王子のくちづけは、初めはそっとあやすように優しいものだった、やがて、キャサリンが逃げないことが
わかると、キャサリンの唇を開き舌をそっと入れてきた。そして、一層抱きしめると体の位置を入れ替え、
キャサリンの上に覆いかぶさるようにして、唇を求め始めた。


362 名前:名無し草 :05/02/25 22:56:10
月影の詩の作家様!!
イイ!!もの凄くイイ!!
ハァ〜。。。
あまりに良くて溜息が出ちゃいましたw

363 名前:名無し草 :05/02/25 23:03:02
月影の詩作者さま━━━(゚∀゚)━━━!!!!
お待ちしておりましたー!!

364 名前:月影の詩 :05/02/25 23:05:43
12.
初めは何がどうなっているのか、理解できずにただなされるがままに王子の口づけを
受け入れていたキャサリンだったが、やがて頭が目覚めてくるにつれ、状況がわかり抵抗しなければ!という想いに襲われた。
しかし、相手は深手を負っている怪我人、優しいキャサリンはそっと王子の頬に触れ、軽く王子を押し上げようとした。
「待…って、今は、まだ…ダメなの、やめて下さい、お願いよ…王子…?」
「キャサリン…?」
唇を離した王子の瞳には、傷ついた想いが浮かぶ。
(ああ、この人は身も心も深く傷ついている…ひどい拒否なんて私にはできないわ…)
「ち、違うの…、あなたが嫌いなんじゃない、でも私…会ったばかりなのに、どうしてこうなってしまうのかがわからないでいるの…、
ごめんなさい。あなた…ひどい怪我をしているのね?さっきも聞いたけど一体どうなさったの?」
キャサリンは、王子の傷ついた肩に再び優しく手を触れた。
「嫌いじゃない?本当か、キャサリン、私を嫌ってはおらぬと言うのか?その上に、この身の心配までしてくれるというのか…おお…
なに、大した怪我ではないんだ、ほんの小競り合いによるものだ、体の傷など心配はいらぬ」
肩の傷口に当てられたキャサリンの手をそっと握り締めた王子の琥珀の瞳が「なんでもない」と言うように穏やかな表情を見せている。
「そうは思えないわ、化膿しているんじゃなくて?手当てをしっかりしなくてはいけないわ。ひどい怪我…どんなにか痛むこと
でしょう…私にできることはあるかしら?あとで傷の手当てをさせて、今のままではいけないわ…そんな気がするの」
わからないことだらけのこの状態にキャサリンは戸惑うばかりだった。しかし、そんな想いとは裏腹に優しい感情がこみ上げてきて、
そっと王子の傷をなでた。


365 名前:名無し草 :05/02/26 00:34:06
おお、
寝る前に良いものを読ませて頂きました!

デレデレ王子もなかなかですわ。

366 名前:名無し草 :05/02/26 01:03:57
良い!王子の嬉しさが伝わってきますな。

本編のキャロルときたら、王子の顔をみるなり「いやぁーーーーっ!!!」だもんねぇ。
ひどい扱いだもの・・・。

367 名前:名無し草 :05/02/26 01:05:51
>>メンフィス4年後作家様

素敵です。
カーフラの悪役ぶりは本編よりもはるかに上まわっていて面白いです。
またメンフィスとキャロルの萌えシーンもお願いしますね!!

368 名前:名無し草 :05/02/26 01:19:37
>>366
そうそう、本編のキャロルにはせっかくいい所でチッ!!と
不完全燃焼させられるからねぇ

月影の作家さま、続きがすごく楽しみです!!

369 名前:名無し草 :05/02/26 01:31:12

かゆ


うま



370 名前:名無し草 :05/02/26 06:12:17
>月影の詩
ロマンチックでいいですね〜
キャロルとは違う、落ち着いた雰囲気のキャサリンは王子とお似合い

371 名前:名無し草 :05/02/26 13:43:36
>>366
>>368
ワロタ&同感
ホントあんまりだよねぇ
それでも諦めない王子も王子だけど
(そこがまた萌えポイントだったりw)

>『月影の詩』作者様
いいわぁ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
もう次回うpが待ち遠しいです

372 名前:名無し草 :05/02/27 01:54:00
>>365
デレデレ王子・・・

いい表現ですね〜

373 名前:名無し草 :05/02/27 16:29:21
キャロルよりキャサリンの方が、優しくて頭もよさそう(☆゚∀゚)

374 名前:名無し草 :05/02/27 23:20:52
コナイワァ━━━━━━(n‘∀‘)η━━━━━━ !!!!!


375 名前:月影の詩 :05/02/27 23:22:40
13.
「薬はどこにあるの?誰かに用意させることはできて?」
「ああ、今、私が扉の外にいる者に頼んでこよう、ルカと乳母のムーラが用意してくれる」
王子は、ふら付きながら起き上がろうとした。
「まあ…寝ていなくちゃだめよ。私が頼んでくるわ。そこで待っていて」

――――――――「これでいいわ、大丈夫?痛んだでしょう?ごめんなさい」
あまりの苦痛に顔を歪めている王子の頬にキャサリンはそっと手を当てた。
「痛んだのね…ひどかったわ…ずっと包帯を替えていなかったんですもの、傷口が腫れて化膿していたのよ。でも、もう大丈夫。きちんと傷口をきれいにしたし、膏薬も貼り直したわ。これからは毎日きちんと手当てをして、滋養のある食べ物を食べて、体力をつけなくては」
キャサリンは、独り言のようにつぶやいた。
「う…荒療治だな、キャサリン…。しかし、そなたはどこで医術を覚えたんだ?わが国の医師もそなたほど優れた技は見せてはくれまい…。ありがとう、しかし、やはり痛む」
王子は、自分の肩に手をやってさすっていた。傷口に包帯を巻いただけで、上半身を蝋燭の淡い光に晒している王子は、弱ってはいたが端整な美貌は見る者を惹き付けずにはいられない。キャサリンは、頬を染め王子から目を反らせた。
「…キャサリン、ここへ、こちらにおいで、目を反らさずに私を見るんだ」
王子は、そっとキャサリンを抱き寄せようとする。キャサリンは、その腕から逃れようとしたが、王子の動きの方が素早かった。
「逃げないで、キャサリン…。痛む傷を癒してくれるのはそなたしかいないのだ。こうしていると、痛みを忘れられる…お願いだ、側にいておくれ、頼む!」
王子は、キャサリンの首の付け根に自ら顔を埋める様にしてささやく。
「王子…駄目よ、こんなことをしていては…私、私は…」
(ああ、私は一体何をしているのかしら?自分が置かれている場所も何もわからないのに、どうして会ったばかりのこの人にこんなことを許しているの?)
混乱したまま、キャサリンは王子を突き放すこともできずにじっとしていた。


376 名前:月影の詩 :05/02/27 23:25:09
14.
やがて強い飲み薬が効いてきたのか、王子はキャサリンの胸元で軽い寝息を立て始めた。
キャサリンはそっと王子を起さないように寝台から降りると、自分の置かれている状況を
確認しなくては…と思いながら、寝所から出ようとした。
「お嬢様…どちらへ?王子は、どうなさっていらっしゃいますか?」
扉の外では、王子の忠実な部下であるルカが見張りをしていた。
「彼は、今、眠っています。あのひどい傷を回復させるには、十分な休養と看病が必要だわ。
一体、どこであの人はあんな怪我をしたの?」
「あの傷は…すべては、ナイルの姫君様のためです、お嬢様」
ルカの優しげな瞳が苦痛に曇った。
「ナイルの姫?それは一体どなたなの?そういえば、さきほど、王子もその名前を呼んでいたわ」
「ナイルの姫君は、現・エジプトのファラオ、メンフィス王のお妃。そしてわが王子のお妃でも
あるのです…でも、婚礼も終わってすぐのこと、姫は王子を捨てメンフィス王の元へお戻りになってしまわれた…
わが王子を見捨ててです!わが王子は、姫君のために品詞の重症を負っていらっしゃるというのに…。あの傷は、
2度とも姫君を助けるために王子が負った傷…その王子を見捨てて、姫は、姫は…」
そこまで言うと、ルカは悔しそうに震えていた。
「まあ、なんてひどい話なの?で、その姫君はどうして2人の男性と結婚なんかすることになったの?それにしても、
エジプトって…ここは一体どこなの?私はどこにいるの?」
キャサリンは、嫌悪感に顔を歪めた。


377 名前:月影の詩 :05/02/27 23:26:55
15.
「ここは、ヒッタイトの都ハットゥシャにございます、お嬢様。ファラオの治めるエジプトはわが国の敵国。その敵国の王妃にわが王子・イズミル様は恋焦がれておいででして…。
たしかに、相手は他人の妻。しかし、イズミル様のナイルの姫君を想うお気持ちはファラオに劣らずに強いもの。たとえ、エジプトと戦うことになろうとも姫君を王子の元へお連れ
するのがこのルカの役目にございました。…しかし、お嬢様がいらしてその必要はなくなりました。貴女様は、ナイルの姫君に生き写し。王子殿下は、貴女様を一目見てご自分の想
いが届かぬことの辛さから逃れられたのでございます」
―――――――「私が、王子の想い人に生き写し…?そしてここは、古代ヒッタイトの都…?これは、夢かなにかだと?私は、私は…こんな世界にいたはずではない…わ…、ああ、
でもなぜなにも思い出せないの?一体、私はどうしたらいいの?」
キャサリンは、途方にくれて、指で顔を覆いその場に崩れた。
「お嬢様…何もご心配になることはありませぬ。このルカもきっとお嬢様をお守りいたしますゆえに。お嬢様は、わが王子のためにつかわされた大事なお方。どうか、王子の元に
いてやってくださいませ。きっと、王子の傷が回復したあかつきには、貴女様のために全力を尽くしてくださいますでしょう。さあ、お部屋にお戻り下さい。王子が貴女様を必要
となさっておいでです、今は、何も考えずに王子のご看病をお願いいたしまする」
「…わかりました。今はそうするしかなさそうね…私も何も覚えていないし。ありがとう」


378 名前:月影の詩 :05/02/27 23:29:09
16.
「―――キャサリン?キャサリン…?」
眩い陽差しが王子の傍らで臥せって眠り込んでいた金色の髪を輝かせた。
「…王子?お目覚めになったのね?痛みはどう?」
「おお、そなた、ずっとここにいてくれたのか?…ありがとう、キャサリン…。気分はだいぶよくなった、ゆうべは取り乱して済まなかった、
甘えるつもりはなかったのだが…」
王子は、キャサリンの手を取るとそっと唇を触れた。
「い、いいえ、気にしていないわ。今、何か食べ物を用意して来ます。あなたには早く良くなっていただかないと私も困るもの」
(私が、この私があの方の想い人に生き写し…。ああ、キャサリン、何を取り乱しているの?今は、王子に良くなって貰って1日も早く記憶
を取り戻し、自分のいるべき場所にもどらなくては…!)
「そなたがそう言うのなら、なにか食事をしてもいいが…。キャサリン?どうした?」
「え?ああ、いいえ、なんでもないわ。すぐ用意します」
「そなた…何か他の事を考えているのか?この私の目はごまかせぬぞ。一体何を考えていたのだ?よもや、ここから逃れることを…この私の元
から去ることを考えているのではないか?許さぬ、キャサリン、それは許さぬぞ!そなたは、そなたは…」
『私のものだ』と言おうとして、王子ははっとして言葉を止めた。
(ええぃ!駄目だ、そんなことを口にしては…。キャサリンを怖がらせてしまうではないか!今は、今は…なんとしてでもここに、我が腕の中に
留めておくことを考えておかなくては…彼女を失うわけにはいかぬのだ、ナイルの姫よ…そなたのように私の元を去ることは許さぬ!決して)
「王子?どうなさったの?わ、私、何も考えてはおりません。ただあなたの傷の看病をいたします。その傷がよくなるまでは、ずっとここにおりますわ」
「い、いや…悪かった、気にしないでくれ…。傷がよくなるまでは…そう、側にいてほしい、キャサリン、そなたの力がこの私には必要なのだ、ありがとう」


379 名前:名無し草 :05/02/27 23:49:01
月影の詩の作家さま、ありがとうございます。
とっても素敵な設定で、毎回愉しみにしています。
それで・・・少しだけ気になる点があります。。
それはセリフ回しなんです。。王子やルカのセリフが・・・ちょっと違うような。
次回から御考慮願えたら幸いです。。差しでがましくてすみません。

380 名前:名無し草 :05/02/28 04:51:01
そう、王子は時代がかった言い回しをするからね。
でも設定や展開にはドキドキ。甘える王子も可愛いよ〜

381 名前:名無し草 :05/02/28 06:53:27
私としては「ありがとう」言い過ぎ王子だな〜と
ちょと思っているけど、流れとして必要ならいい展開なのか
とかとも思ってます。

お話の流れは新しくて大好きです。
楽しみで毎日ここに通ってます。

382 名前:つたないつきかげ :05/02/28 08:10:41
ご指摘、ありがとうございます。つたない私の文章読んで下さって感謝です。
セリフの言い回し、たしかにちょっとズレているような?と自分でも思って、
昨夜、40巻あたりからもう一度読み直して研究中です。文章書くのって難しい…。
他の作家様の作品も楽しみにしております♪

「メンフィス4年後」作家様、個人的に大ファンです。
これからの展開にドキドキしております。

383 名前:名無し草 :05/02/28 08:55:02
月影の詩作者様ステキ♪
率直なお人柄もファンになりましたわ。
これからも期待しています。

384 名前:名無し草 :05/02/28 10:38:59
月影の詩作者様!
ホント、お人柄もいい方だし文章もステキ!!
毎回うpが楽しみです♪



385 名前:名無し草 :05/02/28 11:28:37
今後キャサリンがどんなふうに王子に傾いていくのか、楽しみです

386 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/28 11:42:48
>>354
29
リビア王は、メンフィスを人払いした一室に連れ出した。
「メンフィス王。治療の件は御礼を申し上げますぞ。荒療治ではあったが、確実な治療でありましたことは認めざるをえませぬわい」
しばらくの沈黙を挟んで、再びリビア王の口が開く。
「このように国賓が瀕死の重傷を負ったなどと知れては御身の名折れでありましょうなぁ。この分では下手人は上がらぬのではないかと思えてきましたわい。
無論、我がリビアの名花カーフラもあのような重症を負っては元の身体に戻れるかどうかも心もとない。
あの賢く抜け目の無い王女が下手人のことをはっきりと言わぬのは…言えぬのは…ファラオよ、御身を慮ってのことと思うと、その健気な娘心が不憫でなりませぬわい」
王は涙を押さえるかのように、指先で目許を拭った。
「これがもとで、両国が戦でもしたら、それこそカーフラは嘆き悲しみましょう。あれは自分のことよりも他の者を大事にする子じゃて」

(リビア王め、何を考えている?キャロル暗殺を企て、返り討ちにあった娘を何かの手駒にするつもりか)
メンフィスは冷然とリビア王の猿芝居を見ていた。
(大方、この後、和解の代償にカーフラ王女を娶れとほざくのであろうよ!)
「…リビア王よ。落ち着かれよ。今回のこと、全てが明らかになるまでエジプトの名誉にかけて徹底的に調査する。うやむやにしては、それこそ我が国とリビア王国の名折れ。
ご安心めされ。きっときっとご納得のいく形で全てを明らかにいたそう!」
メンフィスはそう言うと目礼し、悠々と立ち去った。

387 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/28 11:44:04
30
キャロルは一人、あの庭園の彫像の下に跪いていた。まるで祈りを捧げるかのように、寄りそうメンフィスと…キャロルの像を見上げて。

(私はどうすればいいの?
私はメンフィスの替わりに神様の許に逝った筈。それで私の役目は終わったはずなのに、一瞬見えた白昼夢みたいなこと以外は何も思い出せないのに今、私は古代に居る。何故?
また、何か新しい役目を果たすため?…メンフィスを…守るため?)

キャロルはぞくっと身を振るわせた。自分は、ではまた死ぬのだろうか?この古代で?メンフィスを守るために?…メンフィスを残して?
だがキャロルは自分が死ぬかもしれない、ということに関しては不思議なことに恐ろしさなど微塵も感じなかった。
(でも、もしそうならば…もしもう一度私が居なくなったら…メンフィスは今度こそ狂うか、壊れるかしてしまう。あの人は耐えられない)
「だめよ、そんなこと!そんなことしてはだめ!」

「何がだめなのだ?」
いきなりメンフィスが後ろからキャロルを抱き上げた。
「私を抛っておいて、だめも何もあるものか。このように身体を冷やしたりして!供の者達は何故、そなたを中に入れようとしなかったのか!」

388 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/28 11:45:09
31
気がつけば空は黄昏色に染まり、空気もひんやりとしてきていた。
「あ…!こんなに時間が経っているって気がつかなくて!皆は悪くないの!
私が庭に行きたいって言ったらついてきてくれて…暫く一人にしてくださいって頼んだからずっと待っていてくれただけなの。悪いことをしてしまったわ」
頬を染めて侍女や衛兵を庇うキャロルの愛らしさにメンフィスの頬も緩む。
「ふん、召使には謝っても私は忘れられたままか。夕餉を共にしようと政務を終えて帰ってみれば、そなたは外に遊びに出たきりという…」
「あ!そ、そうね。そうよね…。ごめんなさい、本当にごめ…」
いきなりメンフィスに唇を奪われる。メンフィスは驚いて身動きの取れないキャロルを抱き上げたまま、深く接吻した。
「無粋な子供め!妻が夫に詫びたい時はまずこのようにいたせ」
「!!!」
メンフィスは恥ずしさと怒りで暴れまわるキャロルを肩に担ぐようにして宮殿に戻っていった。

真っ赤に染まった頬のままのキャロルをからかいながらメンフィスは食事を済ませた。そして人払いを命じ、キャロルと二人きりとなった。

「…ナフテラに聞いた。そなたは喜んで神の御許に行ったのだと…。ずっと気がかりだったのだ。愛するそなたを苦しみと心細さの中で逝かせたのではないのかと。
だが…そうではなかったと言う。キャロル、今一度その口から同じことを私に直接言ってくれい!」

389 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/02/28 11:46:01
32
「メ、メンフィス!やめて、お願い!私、思い出せたわけじゃないの。あれは思い出したんじゃないの、ただ…」
だが、心の奥深くまで射抜く黒曜石の瞳に抗うことなどできない。
「…私…は…むしろ喜んで神様の許に行ったの。今度は神様のお側で、メンフィスを守れるのですもの。赤ちゃんも神様の許で育てようと思ったのよ…」

メンフィスは無言でいきなり強くキャロルを抱きしめた。
「メ、メンフィス…?」
キャロルの細い身体に直接伝わってくるほのかな嗚咽…後悔と絶望の汚泥の中からようやく抜け出すことを許された人の涙。
キャロルはおそるおそる広く逞しい背中に腕を回し…一瞬躊躇ってから母のように、大柄な男性を包み込んだ。
(私はこの人を…思い出せなくても、この人を…)
キャロルの頬にも涙が一筋伝った。

やがてメンフィスは顔を上げ、キャロルの顔を見つめた。
「…でも、私、思い出せたわけじゃないの。きっとこれからだって思い出せないと思うわ…。そして…家族の所に帰りたいのも同じ…」

「よい。よいと申しておるのだ、キャロル。
そなたは思い出さなくてよい。そなたは初めて出逢った時と同じ16歳の姿だ。だから何も覚えていないのだ。そなたにとって全てはこれから始まることなのだから」
メンフィスは慈しむようにキャロルの頬に触れた。

390 名前:名無し草 :05/02/28 13:39:24
戯作 メンフィス4年後 作家様。
キタ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(´∀`。)゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*!!!!!
今後の展開を期待しております〜♪

391 名前:名無し草 :05/02/28 13:41:34
メンフィス4年後様。
待っていました〜
カーフラ王女は王女でしたたかだし
父親のリビア王の腹黒さが感じます。早くエジプトから
失脚して欲しいです。

392 名前:抜けない棘 :05/02/28 17:05:17
>>171
12
熱の下がったキャロルは、発熱で疲労した体を寝台に預けたまま虚空を見つめていた。
体がだるく重かったが、何よりも精神的にまるで憑き物が落ちてしまったかのように
今自分の身に何が起ころうと、世俗で何が起こっていようと興味を失ってしまっていた。
ただ寝込んでいたはずの夢の中で、メンフィスは自分に優しく語りかけそっとキスをした、
その安堵感を今更ながらに思い出しては、現実と向き合うのは辛かった。
「姫君、熱も下がったことですし、お湯を使われては如何でしょう?さっぱりなさいますゆえ、
 ご気分もよくおなりでしょう、そうなさいまし。」
いつからそこにいたのか、ムーラがキャロルに勧めた声音はいつになく優しい響きだった、と後になってからキャロルは気付いた。
キャロルの返答も待たず、ムーラはキャロルの手を取り介助し湯殿へと案内する。
確かに熱を出して寝汗をかいた後でもあるので、キャロルは何の疑いもなく湯殿へと足を向けた。

ムーラは湯殿の手前でキャロルのみを送り出したが、通常なら何かと手を貸すムーラを
何故この時ばかりは疑わなかったのかと後々キャロルは思った。
湯殿の中は湯気がもうもうとたちこめていて、キャロルはまさかそこに人がいるとは思いもしなかった。
湯殿の中ではキャロルは一人で過ごすのをムーラも認めていたのだから。
だがそこにいるのは、一種異様な雰囲気を纏った侍女が4人も待構えていた。
普通なら高貴な女性に傅くのに慣れた媚びた細やかな諂いなどは一切なく、
ただ冷たく何の表情も表さない能面のような面持ちの侍女は機械的に職務を果たそうとばかりに
さっさとキャロルの纏っていた夜着を引き剥がすその迫力に、キャロルは抵抗できずになすがままだった。




393 名前:抜けない棘 :05/02/28 17:08:02
13
4人の手は有無を言わさずキャロルを荒っぽいと感じるくらいに、ごしごしと全身を洗い磨きたてた。
湯浴みというのは心地よく行えるように今まで整えられていたキャロルにとっては、晴天の霹靂だった。
まるで牛や馬でも洗っているのかのような、何の感情も伝わってこない義務的な作業。
キャロルが声に出して「自分でやるからいいわ」という拒絶の言葉は空中に虚しく浮いたままで、
彼女らにとっては何の意味をなさないのを肌を擦る感触でもう一度我が身に染みさせられた思いがする。

洗い上げられた豊かな金髪を首筋から手早く纏め上げられるやいなや、キャロルは侍女の強い腕に恥かしい格好に組せられた。
「やめて!もういいわ!放して!」
キャロルの悲鳴のような声が響き渡る中、何か細く硬いものが自らの泉に差し込まれるのをキャロルは感じて、更に悲鳴を上げた。
こんな屈辱めいたことなど今まで一度だってなかったのに!
細い管からは温めのお湯が流し込まれ、自分の中が満たされるその初めての経験がキャロルの目にうっすらと涙を滲ませた。
「やめてぇ!なんでこんな目にっ!」
押さえ込まれたキャロルの頭上からそれまで何の返答もなかった感情のない声が届いた。
「王子のご命令です、隅々まで清めるようにとのお達しでございます。」
イズミル王子の命令?ショック状態のキャロルの脳裏には言葉は言葉としての意味を成さず混乱を引き起こした。
温まった体にはひっきりなしに湯をかけ流されてはいる、もう屈辱の好意は終わった、とキャロルは思った。
このような苦情は一体誰に言えばいいの?あんまりだわ!
徐々に怒りの感情が湧き上がってきたキャロルに、またしても思いもかけない部分にふれた硬いものの感触が、
キャロルに悲鳴を容赦なく上げさせた。
「やめて!やめて下さい!お願い!ムーラ!」
湯殿の外でキャロルの衣装を用意していたムーラの耳に届く哀れな悲鳴が、
日頃厳しい顔つきのムーラに、唇を噛み締めた苦難に耐えるかのような表情を促したのである。






394 名前:名無し草 :05/02/28 17:30:51
わぁ〜色々な作家様たちの作品が百花繚乱♪
楽しみです、頑張って下さい、作家様!

395 名前:名無し草 :05/02/28 19:34:19
王子って、外見がああなら誰でもいいの?



396 名前:名無し草 :05/02/28 19:50:15
出来たら、キャサリンをメンの元へ。
キャロルを王子の元へとお願いしたい。
だって王子はキャロルだけでしょ。
天にも地にもってのが座右の銘だし。

397 名前:名無し草 :05/02/28 20:12:14
ppp

398 名前:名無し草 :05/02/28 20:29:31
メンフィス4年後、ありがとうございます。
爽やかな感動があって素晴らしいです。
是非幸せになって欲しい面&キャロです。

>>396
恐らくキャサリンの存在を知ったら、メンヒスも王子もキャロルそっちのけでキャサリンを奪い合うのではないでしょうか。
だって、キャロルよりも人間ができて(ry


399 名前:sage :05/02/28 21:05:11
アメリカの大富豪の娘で家族に溺愛されて
金髪・碧眼・スレンダーでちょっと頭が弱いけれど
いつだってポジティブシンキング!って
まんま、パリス・ヒルトンって事?

400 名前:名無し草 :05/02/28 21:12:02
すみませぬ、sage間違ってしまいました。
カプちゃんの元に参ります。

401 名前:名無し草 :05/02/28 22:19:13
>>395-396
あ、あたしもそう思った。

402 名前:カプター :05/02/28 22:20:51
>400












щ(゚Д゚щ)カモォォォン

403 名前:名無し草 :05/02/28 23:05:02
いや、キャロルはやっぱりメンフィスの元がいいな。
王子には、原作でも別の女性と幸せになってほしい。
私じゃダメですか?妃に立候補いたしまする。絶対王子しか愛さない所存>王子?

404 名前:名無し草 :05/02/28 23:10:01
>>399
じゃ、王子とメンヒスがパリス・ヒルトンとニッキー・ヒルトンとそれぞれで
結ばれるってことで…?

パリス「ねぇぇぇん、ファラオ〜ぅ、アタシ、あの金細工がいいわぁ、でっかいルビーの」
メンヒス「そなたの好きなものを選ぶがよかろう」
ニッキー「いやぁぁん、お・う・じぃ〜、アタシもほ・し・い!」
王子「よく考えてから、物ごとを頼むがいい、私は頭の軽い女子は好きではない」
ニッキー「いじわるぅぅぅ!」

げっそり…ですな。

405 名前:名無し草 :05/02/28 23:30:24
王子とキャロルは嫌。だって、原作でもすでにキャロルはメンフィスと
結ばれた後だから、バージンじゃないし(わはは)
それでも王子はキャロルがいいんだろうけど…でもやっぱり王子には
汚れなき乙女、王子だけの女性と幸せになってほしいよw

406 名前:名無し草 :05/02/28 23:32:56
>>404
思わずふいちゃったじゃんか。w


407 名前:名無し草 :05/02/28 23:41:47
>>405
思わず吹いちゃったよんw

408 名前:名無し草 :05/03/01 00:59:05
キャサリンも気になりますが、
抜けない棘のキャロルと王子の続きを激しく期待しております。

409 名前:名無し草 :05/03/01 01:34:14
399です。
>>404 笑ってしまいました。
私の中では二人とも「経験から学ばない金髪お姉ちゃん」のイメージなんです。
キャロルはもっと子供っぽいけどね。

410 名前:名無し草 :05/03/02 00:10:19
>>405
ワロタ
そいじゃバキャロルは既に少女漫画のヒロイン失格?
今の迷走はそのせいなのかな?
それなら王家、レディコミに移ってきっちり完結させればいいのにね。

411 名前:名無し草 :05/03/02 00:17:23
>>410
それはつまり、先生はラストにハードなエチィシーンを予定してるってことなのでしょうか。
ああぁ〜、ドキドキワクワク

412 名前:名無し草 :05/03/02 00:27:16
あ?

413 名前:名無し草 :05/03/02 07:26:11
うう

414 名前:蓮と薔薇 :05/03/02 09:26:56
>>343
60
「ナイルの姫は儀式を欠席するですって?」
正妃の盛装に身を固めたモリオネーは驚いたように言った。
「…澄ましかえっていても、私が正妃になるのが妬ましくて口惜しくて欠席するのね!ふん、見え透いた言い訳で逃げるなんて!」
モリオネーに侍る侍女達が曖昧に追従の笑みを浮かべた。
(詰まらない!あの女が吠え面かくところを見たかったのに。後で叱って思い知らせてやろう!)
モリオネーは腹部に手をやった。今は身篭って6ヶ月から7ヶ月ということになっているので詰め物もずいぶん嵩高い。
「全く正妃になる私に対する敬意を欠いているわ!」
そしてモリオネーは裾を翻して、儀式の場へと向かう…。

ヒッタイト国王夫妻、臣下百官、アテネをはじめとする諸外国からの使者が見守る中、モリオネーは正妃の冠を授けられた。
頬を高潮させて、大柄な夫君の側に並び立つモリオネーは咲き誇る大輪の薔薇のように美しくて、衆目を一身に集めたのであった。

「…王子様、ナイルの姫の具合はいかがなのです?祝宴には来られましょうか」
小声で傍らの王子にモリオネーは尋ねる。王子は目をまっすぐ前に向けたまま小さく答えた。
「いや、宴には出さぬ」
「まぁ!(残念だわ!)よほど具合がお悪いのですか?この晴れの日に欠席とは」
モリオネーの言葉に、しかし王子は沈黙を返しただけだった。

415 名前:名無し草 :05/03/02 21:52:34
age

416 名前:名無し草 :05/03/02 22:53:29
          || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
          || あらしは   。    ∧_∧  いいですね。
          ||   無視!  \ (゚Д゚,,)
          ||________⊂⊂ |
  ∧ ∧    ∧ ∧    ∧ ∧    | ̄ ̄ ̄ ̄|
  (  ∧ ∧ (   ∧ ∧ (  ∧ ∧ |      |
〜(_(  ∧ ∧ __(  ∧ ∧__(   ∧ ∧ ̄ ̄ ̄
  〜(_(  ∧ ∧_(  ∧ ∧_(   ∧ ∧  は〜い、先生。
    〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)
      〜(___ノ  〜(___ノ   〜(___ノ




417 名前:名無し草 :05/03/03 00:44:45
なに?

418 名前:名無し草 :05/03/03 01:02:25
↑オマエだあああああぁぁぁぁぁ!!!!

419 名前:名無し草 :05/03/03 01:37:37


420 名前:名無し草 :05/03/03 02:34:53
>蓮と薔薇作家さま
いつもありがとうございます。
王子とキャロルがこれからどう出るのか、楽しみです!

421 名前:名無し草 :05/03/03 09:36:26
>蓮と薔薇作家さま
いつも楽しみにしています。
もしかしてキャロルに赤ちゃんができた??
続きが楽しみ〜〜(・ω・)ノ♪

422 名前:名無し草 :05/03/03 11:49:20
>もしかしてキャロルに赤ちゃんができた??

わたしもそう思った!
ホントのところ、どうなんですか〜〜
続き、早く読みたい・・・



423 名前:名無し草 :05/03/03 11:51:27
>ホントのところ、どうなんですか〜〜

ワラタ。気持ちすごくよくわかる!w

424 名前:名無し草 :05/03/03 12:13:38
>>418
また今度サービスしてあげるから待っててね(はぁと

425 名前:名無し草 :05/03/03 15:47:19
↑オマエだあああああぁぁぁぁぁ!!!!

426 名前:名無し草 :05/03/03 22:43:18
そういうオマエだああああああああ

427 名前:名無し草 :05/03/04 00:48:20
クスクスクスクス

428 名前:名無し草 :05/03/04 15:58:08
    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}






429 名前:名無し草 :05/03/04 17:34:41
ぬぬぬ〜

430 名前:名無し草 :05/03/04 17:47:29
 _____________________
 |                              |
 | 今 ・  こ  ・  .基 俺 そ そ 聞 小 .     |
 | 頃 ・  の  ・  本 が の し  く  学 .      |
 | 俺 ・  言  ・  的 思 結 て と  校.       |
 | を 過 葉 い に  う 果 最 こ  の    テ  |
 | 笑 去 .に え は .に 得 期 ろ  性    ィ . |
 | っ に 騙  い .譲  、 た に に  教   ッ  |
 | て 戦 さ  え り  精 人 勝 よ  育 . .  シ . |
 | い っ れ .お 合 子 生 ち る  で. . . .ュ |
 | る た 続 先 い 達 が 残  と  、      .|
 | の 精 け に   .は  、 っ 莫 自 .   . |
 | か 子 た ど    戦 こ  た 大 分  .     |
 |    た の う    っ の の な  が      |
 |    ち が ぞ    て 有 が  数 昔      |
 |      俺 !    い  り 俺  の  、      |
 |      だ      な  様 様 精 精 .      |
 |      と      .い    だ 子 子.  .   |
 |      思      の    と  と だ  .     |
 |      う       で    い 戦 っ.  .   .|
 |      方      は    う  っ た.       |
 |      が      な    事 た 事 .    .|
 |      自      い    だ ら  を      |
 |      然      か       し. 知       |
 |      だ              い .っ       |
 |                      . た       |
 |                              |
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



431 名前:名無し草 :05/03/04 19:05:02
お、新手の荒らしか?それにしても、>>428は見飽きたよ。そんなものじゃ
王子もメン様もビクともしない。もっとご立派なものをお持ちでつ。

432 名前:名無し草 :05/03/04 19:53:16


433 名前:名無し草 :05/03/04 21:29:00
↑オマエだあああああぁぁぁぁぁ!!!!

434 名前:名無し草 :05/03/04 21:37:36
そういうオマエだあああああああああああああああああああああ

435 名前:名無し草 :05/03/04 21:41:31
   /■ヽ
   (,,・д・)

436 名前:名無し草 :05/03/04 21:45:36
ニヤニヤ

437 名前:名無し草 :05/03/04 21:53:50
     ♪   \\            アヒャ、 アヒャ アヒャ、アヒャン♪                      //
♪         \\                アヒャ アヒャ アヒャン、 アヒャーーーーー!!♪           //  ♪
   ♪                                            ♪           ♪
           ∧_∧       ∧_∧       ∧_∧        ∧_∧       ∧_∧   ♪
  ♪   ∧_∧(  ゚∀゚ )つ∧_∧(  ゚∀゚ )つ∧_∧(  ゚∀゚ )つ ∧_∧(  ゚∀゚ )∧_∧ (  ゚∀゚ )つ
      (  ゚∀゚ )∧_∧ (  ゚∀゚ )つ∧_∧(  ゚∀゚ ))つ∧_∧ (  ゚∀゚ )∧_∧(  ゚∀゚ )つ∧_∧ 
   ヽ と ∧_∧(  ゚∀゚ )つ∧_∧ (  ゚∀゚ )つ∧_∧ (  ゚∀゚ )つ∧_∧(  ゚∀゚ )つ∧_∧(  ゚∀゚ )つ ♪
──   (  ゚∀゚ )つ   ノ  (  ゚∀゚ )つ   ノ  (  ゚∀゚ )つ   ノ  (  ゚∀゚ )つ  ノ  (  ゚∀゚ )つ   ノ ───
 ♪ ヽ  と   丿(_) /  と   丿(_) /  と   丿(_) /   と   丿(_)/   と   丿(_) /
     (_) /   (_)  (_) /   (_)  (_) /   (_)   (_) ./  (_)   (_)./  (_)  ♪
        (_)         (_)         (_)          (_)        (_)


438 名前:名無し草 :05/03/04 22:39:48
ねえ、個人情報さらされちゃう(ってどこに?)から嵐はもうこないって言ってた人いなかった?
嵐はプロバイダの人と知り合いだから恥ずかしくて来れないとかさ。
あと、2chの管理者が知り合いって言ってた人もいたよね?
今の状況を説明シル

439 名前:名無し草 :05/03/04 22:42:50
ヤーハエ

440 名前:名無し草 :05/03/04 22:43:19
しばらくは無かったのにね〜

441 名前:名無し草 :05/03/04 22:47:50
オラエー

442 名前:名無し草 :05/03/04 22:53:35
明日は休日だし。今日は特別?
と、思いたい。

443 名前:名無し草 :05/03/04 23:07:34
          (⌒)
     r=====ュ (_ __)
     {!    l}  |/
     ヾ__o__〃 __
     /~~~~~ヽ //
     ,'.:.:(;゚Д゚).:.:/  お茶飲むかゴルア!!!
    {.:.:ひ.:.:.:U:ノ    自主的に湯呑もってこいやゴルァ!!
     ヽ、__ノ
      U U


444 名前:名無し草 :05/03/04 23:29:33
おいらにもおくれ
(  ̄▽)_皿

445 名前:名無し草 :05/03/05 11:26:34

  ∧,,∧
 (;`・ω・)        <お茶受けにポップコーン作るよ!!
 /   o━ヽニニフ
 しー-J


446 名前:名無し草 :05/03/05 11:42:34
一気に逝くよん


  ) ) )
 ( ( (    ∧_∧
┌───┐ ( ´・ω)  从/
│      ├ (つ旦と)──┐=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~
├───┤ `u―u' .   │−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~
│      ├──────┘=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~
└───┘        W\
─────               ドドドドドド


447 名前:名無し草 :05/03/06 03:16:25
連載中の作家様方、続きを心よりお待ちしております!

448 名前:名無し草 :05/03/06 15:45:04
お待ちしております!!

449 名前:月影の詩 :05/03/06 17:45:19
17.
(ホ、ホ、ホ…わが妖かしの術は、もう1人の姫を呼び寄せたと見えるえ。麗しきヒッタイトの恩ある王子よ…、
イリスの島の娘はお気に召しましたかえ?すべてはこのキルケーのご恩返し、さ、て、と、もう1人の姫はどうなっておるかえ?
凛々しき大エジプトのファラオよ、いまやそなたは姫なしでは生きられぬ身。すべてはこのキルケーにお任せあれ…ホ、ホ、ホ…)
イオニアのさらに北の森からやってきた謎の魔女キルケーは、ナイルを照らす月の光を浴びながら不気味な笑いを浮かべていた。

「キルケー、キルケーはおらぬか?」
ファラオの声が聞こえる、
「はいはい、メンフィス様、キルケーはここにおりまするえ。お呼びにござりまするか?」
流れる黒髪も眩い麗しき大エジプトのファラオ・メンフィスはいまや妖かしの魔女キルケーの予言の虜となっていた。
朝な夕な、キルケーの唱える言の葉はファラオの心を捉え、エジプトを繁栄の道へと歩ませ続けていたのである。
「メンフィス、メンフィスったら…キルケーは私の侍女の一人なのよ、こき使うのはやめてほしいわ!」
金色の髪も煌くナイルの姫キャロル、少女のような姿はそのままに、今はエジプト王妃としてその地位はゆるぎなき
ものとなっていた。ファラオ・メンフィスの想い人でありただ一人の王妃…そのお腹には、キルケーの予言どおり来春
生まれるであろう和子を身ごもっていた。
「ナイルの姫様、ご安心なされるがよいえ。キルケーはお二人のためならどんな願い事も聞き入れますえ。行き場を失い、
海に流され、麗しのヒッタイトの王子にこの命を助けられてその後はこちらのナイルの姫様と大エジプトの輝かしい
ファラオ・メンフィス様にこのように厚遇されて…キルケーは幸せ者にござりますえ」
妖かしの魔女キルケーは月に向かって一人微笑んだ。
(もうすぐ、もうすぐですえ。麗しのヒッタイトの王子とイリスの娘御…すべては、このキルケーの手の内に…ホ、ホ、ホ…)


450 名前:名無し草 :05/03/06 20:39:42
月影の詩作者さま、うpありがとうございます!
キルケーがどう活躍?するのか、今後の展開が楽しみです。

451 名前:名無し草 :05/03/06 22:18:55
お願いだからバキャロルとキャサリンを入れ替えないで下さいませ。
バキャロルはメンヒスにくれてやってもいいから
キャサリンにはイズミーのそばにいてほしいわあ。

452 名前:月影の詩 :05/03/06 23:12:30
18.
ハットゥシャに冷たい冬の気配が忍び寄っている。王子は、冴え冴えと輝く月をながめながら佇んでいた。
「王子、お体に障りまする、どうか衣を…」
病み上がりの王子の体を気遣うルカがそっと王子に外套を差し出した。
「ルカ…私は迷っている…。イリスの島より来たりし娘…あのキャサリンと申す娘をこのままこの手元に
置いてよいものかを。あの者は妖かしの魔女キルケーが呼び寄せし娘、この私を意のままにせんと、
あの魔女めはあの娘を送りつけてきたに相違ない。ナイルの姫を失い弱りしこの心に忍び寄らんとて」
王子の琥珀色の瞳は月の光を受け、孤独な想いに沈んでいた。
「王子…」
「かつて私はこの心に決めていたものぞ、わが想い人は天にも地にもナイルの姫ただ1人。しかしその姫は、
決してこの私を受け入れてはくれようとせぬ。いくら想いのたけをつのらせたとて、かの姫の心は憎きあの
メンフィスのもの…何度、煮え湯を飲まされるような想いをしてきたことか…。しかし、いまだに私は
あきらめきれぬのだ、ルカ。姫を必ずわが腕にと誓いしあの遠き日より、我が心は変わってはおらぬ。
が、あのイリスより来たりし娘はあまりにも姫に生き写し…心が傾くことを留めることができぬ!
妖かしの魔女の思い通りにはなりたくはない、が…、ふっ…、令名高きヒッタイトの王子ともあろうものが、
魔女の手駒に成り果てようとは、皮肉なものぞ」
「王子、ご自分をお責めになってはなりませぬ。あなた様は賢きヒッタイトの王子ではありませぬか!
さ、この冷気はお体に障りまする、寝所へお戻り下さりませ」
ルカの言葉に従い、王子は露台(バルコニーのような場所)から部屋へ下がった。


453 名前:月影の詩 :05/03/06 23:15:12
19.
「王子、外にいらしたの?まだお動きになられてはお体に障ります。お薬湯をさきほど乳母の方がお持ち下さいました」
部屋にもどると、キャサリンが優しく微笑み、王子の冷え冷えとした心が雪が溶けるように一瞬和んだ。
が、冷気によって生まれたキルケーへの疑いが王子の心を再び固くしようとしていた。
「こちらへ持て」
「はい…」
薬湯の入った器をキャサリンは王子に差し出した、すると王子はその細い指先を捉えキャサリンを引き寄せようとする。
「お、王子…お願いです、やめて下さい。私は、私は…」
「そなた、本当に何も憶えておらぬのか?よもや私を騙そうなどと考えているのではあるまいか?なぜにかように
私に優しくする?キルケーの妖かしの術のせいではあるまい?」
「キ、キルケーって誰のこと?私は何も知りません、信じて下さい王子…本当に私は何も覚えていないのです…
ここへ来て、目覚めて、あなたにお会いしてからのことしか憶えておりません!」
キャサリンの瑠璃色の瞳に涙が浮かぶ。
「…、そなたを責めているのではない。キルケーはそなたを私の元へ送りし遠き北の森の魔女のこと。
その妖かしの術によりそなたは今ここに在る。しかし私は、キルケーを信じてはおらぬのだ、キャサリン。
私ならず、そなたまでもがそのキルケーに操られているのかと思うと耐えられぬ。泣くな、泣いてはならぬ!」
王子はふるえるキャサリンをあやすようにそっと抱きしめる。キャサリンの輝く頭(こうべ)が王子の両手の中に
包まれた。


454 名前:名無し草 :05/03/07 00:14:48
ライアンがメン様の生まれ変わりと気付き、現代に現れるアイシスは如何でしょうか。
アイシスの濃ゆい愛が成就するお話もたまに読みたいのですが
私には文才がございませんのでどなたか作家様お願いします。
古代と違って現代ならばあーんなことやこーんな事も出来ちゃうし。
アイシスの願望が全部叶うような濃いのお願いします。

455 名前:名無し草 :05/03/07 00:31:41
なんかキショイな

456 名前:蓮と薔薇 :05/03/07 10:17:28
>>414
61
祝宴は華やかに繰り広げられる。
延々と続く祝辞。正妃の栄を祈っては繰り返される乾杯。モリオネーの美しさを称える人々。歌。踊り。山海の珍味。それは極彩色の祭典。

モリオネーは何かにつけ腹部をかばう様にしながら、はしゃぎ笑った。幸せの絶頂、それが今なのかもしれなかった。
「王子様、王子様。私は幸せでございます。お慕いする方の正妃の位に登り、アテネとヒッタイト、二つの国の要として和子をおあげするのですから」
「…そうだな。アテネは自国の血が王族へと繋がるのを喜んでいる」
王子は温和な笑みを浮かべてモリオネーの囀りに耳を傾け、このアテネの美女の幸せをさらに彩ってやった。
(ああ、今この場でナイルの姫の顔が見られたら、傲慢の鼻をへし折ってやれればどんなに心地よいかしら!)
モリオネーはそれだけが残念でならなかった。

やがて宴も果てて。
続けざまの儀式と宴で体は疲れているはずなのに、王子の頭は冴え冴えとして全身の皮膚が粟立つような予感が妙に熱っぽい体を苛む。
(姫…はどうしているであろうか…)

457 名前:蓮と薔薇 :05/03/07 10:17:59
62
長い宮殿の廊下を通り、王子は自室の前で立ち止まった。扉に手をかけようとして一瞬、戸惑う。

「…王子!お帰りあそばしませ!まぁ、お出迎えもいたしませず!」
気配を察したのだろう、ムーラがあたふたと扉を開け、恭しく頭を下げた。侍女達も続いて奥から走り出してくる。
「申し訳ございませぬ。このような粗相を…」
言いながらもムーラの頬は輝き、口調には少しも詫びの気配が感じられない。
王子の予感はますます強くなった。

「……かまわぬ。今日は仕方ない。……そうであろう?」
「は、はいっ!」
ムーラは先に立って奥へ入っていく。部屋は灯火が明るく灯され心地よく整えられている。いつもの部屋なのに妙に輝くようで…。
「姫は?どうしているか?具合は…?」
「ご自分でお確かめくださいませ!」

大きな寝台の上にキャロルが横たわっていた。小柄な身体が膨らませた枕や、重ねられた掛布に埋もれてしまいそうに見える。
「王子…!お帰りなさい!あの、あのね…私、私…」
真っ赤になってそれ以上続けられないキャロルの上にかがみ込み、王子は期待に掠れる声で尋ねた。
「……そなたは私の和子を身篭った。……違うか?」
寝台の傍らに侍していた王宮付きの産婆が恭しく答えた。
「おめでとうございます、王子様。ナイルのお妃様にはご懐妊でございます。
春には和子様をおあげあそばしますことでございましょう」

458 名前:蓮と薔薇 :05/03/07 10:18:36
63
「よくやった、姫!でかしたぞ!やはり、そうであったか。やはり…」
イズミル王子はいきなりキャロルを寝台から抱き上げた。
「月の穢れもなく、もしや、とは思っていたのだ。しかし、そなたは年よりも幼いところもあるし、ここしばらく心労も重なっていたゆえ産婆を召し出すのも憚っていたのだ」
キャロルの身体の隅々まで、本人よりも詳しいのだと自慢するかのような言葉に、隠しきれない嬉しさが滲む。
「王子ったら!恥ずかしいわ…」
「王子!そのように乱暴になさってはお腹に障りまする。今が大切な時期なのです。どうか、そっと丁寧に優しくお扱いあそばして…」
「おお、そうか。すまぬな…」
昨日まで、何とはなしに重苦しい雰囲気に包まれていた王子とキャロルの部屋が、今は喜びに光り輝くようであった。

寝台の中に睦まじく寄り添いあいながら、王子の低い声は途絶えることが無い。
「本当に良かった…。そなたが私の和子を産んでくれる。これほどの喜びはない。もう、そなたに気苦労はかけまいぞ。和子を産むその日まで、身体を大切にいたせ」

「ふふ、あの産婆はしばらく私が姫の寝所に入らぬように、などと申した。姫の寝所は私の寝所でもあるのに。
産婆は、よほど私が堪え性のない好色な夫だと思っているのかな」

「姫、姫。その身はもはや私だけのものでなく、私の和子のものでもあるのだな…」

459 名前:蓮と薔薇 :05/03/07 10:19:05
64
次の日。
イズミル王子は私室で寛ぐ国王夫妻の部屋を訪ねた。
「父上、母上に申し上げます。我が妃、キャロルが身篭りました。春には和子を産みまする!」
「それは…まことか!」
「はい、父上。昨日の盛儀を欠席させましたのも悪阻のため。体調が回復いたしましたら父上母上にもご報告に上がらせまする」
誇らしげな息子の顔を見ながら、国王は為政者としてアテネを牽制できる材料が出来たのを嬉しく思った。
もし、正妃モリオネーが産んだのが王女で、側室の身分にあるとはいえ周囲の信望厚いナイルの姫が王子を産んだなら…?

「春に和子、ですか。モリオネーは冬に産むし。ほんに産屋の静かになる暇もないほどでめでたいことです。悪阻のほうはどうなのです?」
「は、少々重い体質のようだと王宮付きの産婆が申しておりますが、産婆と医師、それにムーラがついておりますゆえ心配はしておりませぬ」
「そうですか。国中の神殿に安産の祈願をさせねばなりませぬねぇ。姫の国は…遠いゆえ」
「母上のお心遣い感謝致しまする。姫はヒッタイトの人間なのですから、我が国の神にこそ祈らねばならぬはず」

やがて国王が言った。
「で、そなたが浮かれ騒いで吹聴に来るほどめでたいナイルの姫の懐妊を、そなたの正妃は知っているのか?」

460 名前:名無し草 :05/03/07 11:37:52
『蓮と薔薇』続き、来てる!お待ちしてました!!
やっぱり、キャロルご懐妊だったんですね。
ますます目が離せないッ・・・

461 名前:名無し草 :05/03/07 21:10:01
「蓮と薔薇」、この後イズミルがどう応えるのかが気になります。

462 名前:名無し草 :05/03/07 22:20:00
王子とキャロルの組み合わせが一番萌えるわぁ

463 名前:名無し草 :05/03/07 23:12:13
早く続き〜(゚ε゜;)

464 名前:よこたんマスター :05/03/07 23:20:20
あ、この漫画よこたんが好きなやつだ。
喜べぇいお前達。神漫画に認定されました。

465 名前:名無し草 :05/03/08 10:01:53
王子とメン様の組み合わせが一番萌えるわぁ

466 名前:名無し草 :05/03/08 15:41:25


まいう ♪




467 名前:名無し草 :05/03/08 18:20:40
私も王子とキャロルの組み合わせが一番すてきに
思えます。
なんで原作はあんなになっちゃったんだろう(*´ェ`*)

468 名前:名無し草 :05/03/08 20:41:16
初期の頃のメン様とキャロルは好きだった・・・。

今のヘタレメン様、ヘタレ王子はどちらも嫌い。
メンヒス4年後の大人なメン様が私的にはすっごいツボでした。
メンヒスの容姿+包容力に王子のアダルトさ+冷静さを加えたらこれ最強。

469 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/03/09 11:54:21
>>389
33
「櫃の中を見たのなら察したであろう。私が愛したそなたは、私の愛ゆえに苦しみ悩むことも多かった。
決してそなたのせいばかりではないのに(註:そうか?)、様々な苦難に巻きこまれもした。皮肉にも私が愛すれば愛するほどに、そなたの苦しみは増した」

「だから、神々はそなたの苦しみと共に全ての記憶を消され、私に命じられたのだ。今度こそ、そなたに心安らかな平和と幸福の時を与えよ、と。
そなたは私の側に居よ。居て欲しいのだ。記憶など、思い出などこれから作るのだから」

「メンフィス…そんな…」
(ああ、やめて。お願い、今なら私はまだあなたを思いきれる。忘れられる。これ以上、好きになって…愛してしまって…そしてまた離れるだなんて私には…耐えられない!)
「私は…一度、死んだのでしょう?」
キャロルは精一杯の虚勢を張った。だがメンフィスは動じなかった。

「一度死んだ人間は戻って来ぬが定めだが、そなたは戻ってきてくれた。
ただ神々のお力を以ってしても、人の命と共に一度失われた思い出だけは戻らぬらしい。覚えている役目は私のもの。そなたはもう一度、私と未来に向かって生き思い出を作るが役目ぞ。
…そなたの意思は関係無い。もうそなたを離さぬ!」
先ほどのリビア王親子の不快さを忘れようとでもいうようにメンフィスはキャロルを抱きしめ、溺れた。

470 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/03/09 11:54:58
34
「ナフテラ、キャロルは休んだか?」
「はい。今宵もよくお休みになれますようにお薬を差し上げました。キャロル様は何やらひどく思いつめたような、落ちつかなげなご様子で…」
「ふふ。心配は無用ぞ」
決裁を下したばかりの書類を脇に無造作に放り投げ、酒ではなく水を満たした杯を口に運ぶ。
「怪しげなることは何もしておらぬし、乙女が耐えられぬような下品なモノも見せてはおらぬ!
ただ、今一度そなたを手放さぬと最後の宣告したのみ。キャロルはそれで心乱れているのであろうよ」

一昨日までの暗く厳しい顔ではなく、得意げな嬉しそうな顔で軽口を叩くメンフィスにナフテラは心熱くした。
「さようでございましたか。ではキャロル様のあれは恋をなさってのことなのですね。ほほ。分かるものですよ、私とて女でございますから。
……メンフィス様。キャロル様のお幸せと…ご長寿は私ども国民全ての願い出ございます。どうか睦まじく末永くお過ごしくださいませ」
メンフィスは少年のように頬を染め、かすかに頷いた。

(眠れない…)
鎮静剤の入ったお茶を飲んでいたのに、キャロルは真夜中過ぎに目を覚ました。眠れないまま、キャロルはナイルに面した回廊に出た。
満月が煌煌とナイルの水面を照らし、世界を銀色に染めている。
(メンフィスに逢ってから、まだ二日しか経っていないのに。
私はこのまま、メンフィスの側から離れられなくなるのではないかしら?
……怖い。このまま流されて、あの人から離れられなくなるのは怖い

471 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/03/09 11:55:28
35
「……キャロル。眠れぬのか?」
不意に背後から声をかけられキャロルは飛び上がらんばかりに驚いた。
「メ、メンフィスっ!ど、どうして?どこから…?」
メンフィスは苦笑いしながら冷えたキャロルの肩を抱いた。
「回廊というものは、たいていの場合、部屋と部屋を繋ぐような造りになっておるゆえな」
キャロルの緊張をほぐす様に優しく指先で髪を弄び、頭を撫でてやる。…少女の視線がメンフィスの顔以外の所に向かないように。
「何やら怪しげなる気配がすると思って出てみれば、夜更かしの子供がいたというわけだ。どうした?
この夜中ぞ。不埒者が警備を掻い潜ってそなたに良からぬ真似をしかけに来るやもしれぬ」

昨夜のキャロルの暗殺未遂を知っているメンフィスは、少し苛立たしげに言った。だがすぐに薬が効きすぎたのを知り、言葉を継いだ。
「我がエジプト王宮を守る近衛の者らは、つわもの揃い。怪しげな者と見ればたとえ、そなたと言えども誰何(すいか:呼ばわって身元を確認すること)無しに斬ろう。
……それに夜は妖かしの跋扈する時でもある。化け物、幽霊の類が出たら何とする?」
「やだっ、意地悪!どうしてそんなこと言うの?あなたはいつも私をからかってばかりじゃないの!」
少し涙ぐんで抗議するキャロルの愛らしさに声をあげて笑い、メンフィスはいきなりキャロルを抱き上げた。
そしてそのまま回廊伝いに自分の部屋に連れていったのである。

472 名前:名無し草 :05/03/09 12:59:34
メンフィス4年後作家様キ…(-_-)キ(_- )キ!(-  )キッ!(   )キタ(  ゜)キタ!( ゜∀)キタ!!( ゜∀゜)キタ━━━!!
お待ちしておりました〜

473 名前:名無し草 :05/03/09 13:00:44
メンフィス4年後作家様、待ってました。
大人のメンフィスいいですネ〜!!
続きがとても気になります。

474 名前:名無し草 :05/03/09 15:36:27
誰何くらい読めるし意味だってわかります。
スレ住人を馬鹿にするな。

振り仮名なんか付けられると一気に萎える。



475 名前:名無し草 :05/03/09 16:22:27
メンフィス4年後作家様!私もお待ちしてました!
あぁ続きが楽しみですーーーーーー!!!

476 名前:名無し草 :05/03/09 16:23:03
>>474
まあ。そう言うな。(´ー`)y─┛~

477 名前:名無し草 :05/03/09 16:26:24
>>476
カコイイ!大人だね♪

478 名前:名無し草 :05/03/09 16:42:13
一度も攻撃されないと
妬まれたり荒らしと疑われたりするしね。

479 名前:名無し草 :05/03/09 16:57:32
振り仮名より誤変換の多い作家様に萎える時がある。
おもしろいお話の時はちょっとガカーリする。
推敲は無理でも読み返しくらいしてほしいって
思っちゃうのは確かだ。

480 名前:名無し草 :05/03/09 17:39:19
>>478
何が言いたいのかしら、アラシさん?

481 名前:名無し草 :05/03/09 17:43:06
>>479
ゴメンナサイ
今後は注意します。

482 名前:名無し草 :05/03/09 18:01:20
お願いだからそういう話やめて

483 名前:名無し草 :05/03/09 18:02:07
>>482>>480

484 名前:名無し草 :05/03/09 18:04:55
>>476
カコイイ!トッショリだね♪


485 名前:名無し草 :05/03/09 18:45:10
何があろうと私は作家様たちの作品を楽しみにしております。
頑張れ!作家様。次回作期待しております〜♪

486 名前:月影の詩 :05/03/09 19:57:30
20.
(私には何もない、記憶も、自分がどこの誰なのかも思い出せない…その上、魔女に操られていると言うの?
一体私はどうしたらいいのかしら?助けて…お願い…)
「助けて…」
不安な想いがキャサリンの唇から言葉となって出てきた。冷え冷えとした夜気がキャサリンの身を震わせる。
「寒いのか?震えているぞ、キャサリンよ。脅かしてしまったのか?そなたはまるで幼い少女のように頼りなげなのだな、
ナイルの姫もかようであったが…」
王子は寝台の上で腕の中のキャサリンにそっと掛け物をし、その上から抱きしめた。
「これで暖かいのではないか?―――ハットゥシャにもまもなく冬が訪れる、そなたにとっては初めてかもしれぬが。
ここの冬は寒く長いぞ、春が訪れるまで私の側にいるがよい、この私の側に。春が訪れれば…」
王子は、ふっと笑みをこぼしながら言葉じりを切って、キャサリンの白い顎に指を添え自分の方に顔を上向かせた。
「――そなたの瞳は大緑海のように蒼く、そして髪は春の陽の光のように輝き温かい色をして煌く、まるで、
春の女神のようだ。が、そなたのような髪と瞳の色をした民は、春とは無縁のところにいるはず。その昔、
私は何度か北へと父上と共に兵を率いて遠征をし、かの地でそなたと同じ髪と瞳の色をした人々を見かけたことがある。
そなたは、北の民の血を引いているのではあるまいか?ナイルの姫を初めて見かけた時にも、北の民のことを思い出したものぞ。
が、エジプトの民とファラオはかの姫はナイルの女神の娘と信じているのだが…、わからぬことばかりだ。さぞ、そなたも不安であろう。
が、わが腕にいる限りは安心して眠るがいいぞ、虹の島、イリスより来たりし娘よ…」
「北からやって来たかもしれない?――王子…、私はどうしたらいいの?すべてを思い出すことはできるのかしら?」


487 名前:名無し草 :05/03/09 19:59:29
<<485
私も同じです。
作家様頑張って下さい。
続きを楽しみにしています。

488 名前:月影の詩 :05/03/09 19:59:57
21.
キャサリンの瞳にさらに涙が輝く。王子は、愛しげにそっと長い指で涙を拭いさらに唇でそれを吸い取った。
「あるいは、ナイルの姫ならそなたの閉ざされた記憶を呼び戻す鍵を握っているのかもしれぬが、姫は敵国の王妃。
そなたが会うことは、今すぐには叶わぬ。そしてかのキルケーが朝な夕な側にいるとあっては…。春が訪れるまでは、
こうしているがよい。昼も夜も私の側にいるのだ、キャサリンよ。決して放しはせぬ」
「春になったら…どうなさるの?」
「春が訪れてそれでもまだ何も思い出せぬようなら、その時は…その時は、私の妃になるがよい。そなたも知って
おろうが私にはまだ1人の妃もおらぬ。だが、世継ぎのこの身としては、いつまでも独り身というわけにもいかぬのだ。
だから、そなたが妃となり、ずっとこの腕の中で過ごせばよいではないのか?めぐり来る夏も秋も…」
「…いいえ!そんなことはできないわ、王子。私があなたの妃になどなれるわけがない、ただの記憶を失った
どこの誰ともわからない私ですもの…」
「私は私の思ったとおりにできるのだぞ、世迷言と笑うのか、キャサリンよ…」
つぶやくような王子の言葉はそのままキャサリンの唇の上で消えた。
(ああ、王子……あなたの想い人はナイルの姫のはず…私ではないのよ…!妃にしたいのは私ではなく姫のはず。
たまたま私が姫に生き写しだからあなたはそんな世迷言を言うのだわ…!でも、それでも私は…)
一瞬、胸を貫くような痛みがキャサリンの心を刺した。
が、優しい王子の抱擁にキャサリンは何も考えることができなくなり、そのまま幼子のように王子の腕に
いつまでも抱かれているのだった。


489 名前:月影の詩 :05/03/09 23:18:25
22.
「イズミル、王子よ、傷はどうじゃ?」
「父上、わざわざわが寝所まで足をお運びいただき光栄にございます」
ある日のこと、王子の部屋にヒッタイト王自らが訪ねてきた。王子は、
痛む肩を庇うように起き上がって父王を迎えた。
「おお、まことに顔色も良いようじゃ。何でも、大緑海に浮かぶ孤島よりナイルの姫
そっくりの娘がそなたのもとに来たとか。その娘のおかげで、そなたの傷はみるみる
回復したと将軍が申しておったが…その娘とはどこにおる?」
五十歳に手が届かんとする居丈高なヒッタイト王は、興味深そうに辺りを見渡した。
「父上、その娘はこちらに控えております」
王子は、寝台の傍らに跪いているキャサリンの手を取り、父王に居場所を示した。
「娘御よ、面を上げい。その被り物も取るが良い、将軍の話ではナイルの姫に瓜二つ
とのことじゃったが…」
(この方がヒッタイト王…なんて傍若無人な人なのかしら…それに王子には似ても
似つかないあのお姿…)
「キャサリン、父上のおっしゃるとおりベールを取るように」
王子の言葉に従い、キャサリンは緊張した面持ちでベールを取り、ヒッタイト王に
向かって、顔を上げた。
「おお、まことじゃ!ほんによく似ておることよ。美しいのぉ…」
王は、キャサリンに興味があるらしく、しげしげと嘗め回すように見回した。
「父上、キャサリンをお褒めいただきありがとうござります。しかし、キャサリン
はこの私めに従える娘にござりまする」
王子は、父王がキャサリンに興味を持つことを警戒して、あわてて言葉を付け加えた。
「は、は、は。そなた、わしがこの娘御をそなたから取り上げると警戒しているのであろう?
安心せい。金髪碧眼の女子ならば、最近、将軍が何人もわが後宮に迎えたゆえに心配はいらぬ。
ナイルの姫にわしが執心していることを知りよった奴めは、わが機嫌をとらんとて、先の戦いに
おいて北の民の王家の娘を連れてきたのじゃ。みな、雪のように白い肌をした美しい女子ばかりでな、
姫やこの娘とは違い豊満な美人じゃ!姫が忘れられぬそなたにも一人下げようかと思っていたところよ、
が、それも必要なさそうじゃな」


490 名前:月影の詩 :05/03/09 23:22:22
23.
「父上!お言葉ではございますが…」
「よいよい、捨てておけ。してイズミルよ、このキャサリンとやらをそなたの第一の
側室として近々宮中の者に披露したいと思うのじゃが、異存はあるまいな?そなたの
体調のよきときを見計らうよう、文官たちにも伝えて置く。まこと良いことじゃ、
キャサリンとやら、早々に和子を身篭れるよう日夜王子に仕えるのじゃぞ」
「は、はい陛下…」
キャサリンはしどろもどろになりながらヒッタイト王の言葉に頷いた。

「まこと父王の地獄耳にも困ったものよ、ムーラ、なんとかならぬのか?キャサリンは
まだ側室としてはおらぬ、ここに来てほんの一月足らず。しかも、わが手元に置けるか
どうかもわからぬ娘。妖かしの魔女キルケーのことも気になるというに…」
乳母ムーラを相手に王子はこぼした。
「王子、私めには何もできませぬ。陛下がさようにおっしゃるのであれば従うのが勤め
かと…。王子には、イリスの姫をご側室にお迎えになる気はないのでございますか?
あのようにナイルの姫君にご執心であらせられましたものを、イリスの姫がおいでに
なってからというもの、ナイルの姫の一言も出てはおりませぬ。かようなまでに
ナイルの姫様を忘れさせて下さる姫君でございますれば、この際、ぜひご側室に
なされればいいではありませぬか!…とかようにこのムーラは思っているのです、王子」


491 名前:名無し草 :05/03/10 07:24:31
月影の詩作家様!お待ちしておりました〜!
新鮮な展開にドキドキです☆.。.:*・°
毎回楽しみにしております♪

492 名前:名無し草 :05/03/10 11:06:02

ヒッタイト王キテタ━━━━━━(´∀`)━━━━━━!!!!!!!!

493 名前:名無し草 :05/03/10 18:26:45
    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}




494 名前:名無し草 :05/03/10 19:49:16
age

495 名前:月影の詩 :05/03/10 23:16:23
24.
「む…乳母なればこそ許されるそのもの言い、無礼と心得よ、ムーラ。側室にするか否か
はすべてこの私の一存によるもの。そなたの考えなど聞いてはおらぬ」
王子が不快の表情を顔に出したので、ムーラは慌てた。
「も、申し訳ござりませぬ。ささ、湯浴みなどなされてはいかがにござりまするか?今日
は、イリスの姫に衣など用意させますゆえ、どうぞ湯殿にてごゆるりとなさいませ。傷も
湯浴みされれば、痛みを和らげることができますゆえに」

湯殿には、豊かなお湯が溢れ出ていた。一人、王子は衣を脱ぐと静かにたゆとう湯の中に
身を沈めた。肩の傷はまだ完全に癒えてはいなかったので、痛む肩を湯につけないように
湯に浸かるのは一苦労だった。
「王子、そちらにいらっしゃるのでしょうか?ムーラ様に頼まれてお着替えの衣をお持ち
しました」
「…キャサリンか?こちらへ持て」
「は、はい、王子」
キャサリンは、湯の中の王子の姿を見て頬を赤く染める。その姿が愛らしく、王子はくく
っと笑い声を立てた。
「男の生身の姿を見るのは慣れてはおらぬようだな、キャサリンよ。傷口を覆う布が濡れ
てしまった、替えてはくれぬか?」
言うか言う終わらないうちに、ざぁ〜っと水音がしたかと思うと王子はすくっと湯の中か
ら立ち上がった。
「きゃあっ!お、王子!待って下さいっ!」


496 名前:月影の詩 :05/03/10 23:21:08
25.
慌てて顔を両手で覆うキャサリンの目の前に王子は立ち、その手を握って自分の方へ向か
せた。
「大丈夫だ、そなたが恥ずかしがらぬように布を纏っておる、手をはずせ。ちょっとから
かってみたまで。そなた…やはり男を知らぬ身のようだな。愛いやつよ、さ、この痛む肩
の布を替えておくれ」
王子の琥珀色の瞳が愉快気に微笑んでいる。キャサリンは、頬を紅に染めたまま視線を王
子から外している。
「からかうのはおやめ下さいませ、王子。…わかりました、おっしゃるとおりにいたしま
すわ」
手際のよいキャサリンの両手が濡れた布をはずしにかかる。
「大分良くなりましたわね、よかった…。痛みはいかがです?まだお痛みになるのでしょ
う?」
「肩を動かすとまだ痛むが、そなたにこうして癒してもらえれば痛みも和らぎ楽になる、
キャサリンよ。しかし、そなたがこの傷をいつまでも気遣ってくれるのであれば、ずっと傷
ついたままも悪くないかもしれぬ」
笑いながら王子は自分の傷を気遣ってもらうのが嬉しいらしく、キャサリンの手を取ると
そっと唇へ運んだ。その唇が触れた跡は熱く燃えるようでキャサリンは再び頬を染めうつ
むいた。王子は、キャサリンをそっと自分の膝の上に導くと唇を重ねようとした。
「王子、ここは湯殿…侍女たちに見られてしまいます…こんなことをなさってはいけませ
んわ」
「捨てておけ…そなたは私のもの、どこでそなたを抱きしめようとここでは誰も気にかけ
ぬ、それよりキャサリン、今度はそなたから口づけをしてはくれぬか?」
甘く誘うようなその言葉にキャサリンは何も考えることができなくなってしまう。王子に
抱きしめられる時はいつも抗うことができない自分の弱さをキャサリンは恥じていた。


497 名前:月影の詩 :05/03/10 23:23:18
26.
「王子…」
オリエントを馬が引く戦車で疾風のように駆け抜けた戦士の均整のとれた躯、陽射しに焼
かれ濡れて輝くオリーブ色の肌、肩に揺れる濡れた長い薄茶色の豊かな髪、琥珀に輝く瞳、
その全てが古代の神のような神々しさでキャサリンを圧倒する王子の姿だった。
その王子に請われるがまま、呪縛から解けないかのようにキャサリンは自らそっと王子の
唇に自分の唇を重ねた。
「キャサリン…」
王子の吐息ともとれる囁きがキャサリンの唇にこぼれる。2人の唇は、中空を舞う一組のつ
がいの蝶の如くに触れては離れ、離れては触れ戯れた。やがて、王子はキャサリンをきつ
く抱きしめ、角度を変えて口づけを深くしてゆく。
ふと気付けば、床に敷いてあった敷物の上に二人は横たわりながら、抱擁を繰り返してい
た。王子の躯を纏っていた布はすでになく、キャサリンの衣も王子によって取り去られて、
白い胸元が晒されていた。たちこめる湯煙が二人の体を包み、王子の両手は、キャサリン
の白い肌を愛しそうに愛でていた。
「ああ…っ!」
ため息ともつかぬ呻きがキャサリンの唇からこぼれる。王子は憑かれたようにキャサリン
の華奢な体を愛撫し続けた。
「美しいキャサリン…そなたは私のものだ、決して他の男には触らせぬ、そなたを抱くのはこの私だけだ」


498 名前:名無し草 :05/03/10 23:45:00
123

499 名前:名無し草 :05/03/11 00:15:09
月影の詩作家様、うpありがとうございます!
互いに複雑な心を抱えながらも惹かれ合ってゆく二人にドキドキです。

500 名前:名無し草 :05/03/11 05:08:13
月影の詩作者さま、ありがとうございます!
続きを楽しみにお待ちしてます。


501 名前:名無し草 :05/03/11 05:27:18
惹かれあっていながらも、もどかしいばかりに
時間がかかる二人に萌え萌えです。
今回のなんて、読んでてクラクラしてしまったw

502 名前:蓮と薔薇 :05/03/11 11:33:07
>>459
65
イズミル王子は顔を赤らめた。
「いえ、まだでございます」
「ふん、そうであろうと思ったわ!」
王は皮肉っぽく笑うと、息子に書状を放ってよこした。
「アテネからだ。もし王子が産まれれば即立太子、よしんば女でも王位継承への布石を打つであろうよ。アンドロスは全くやり手だ」
「…しかし国内干渉を許される父上ではございませぬ」
「そうだ!だから、そなたはもっと自重せよと申しておるのだ!
大事な姫よりも先に、モリオネーが和子を産むのだぞ。今のところ侮りがたい力を持つ祖国を後ろ盾にした女がな。
よいか、王子。私情をこれ以上挟むな。それでなくとも和子の誕生は国の喜びであると同時に、乱れの許でもある」

「父上は、逆上したモリオネーがナイルの姫とその和子を傷つけるやも知れぬと心配してくださっているのですよ」
憮然とした表情の息子を王妃は穏やかに窘めた。
「イズミル。女達が、特に身篭った女達が我が子可愛さゆえに如何に浅ましく残忍になれるか、そなたは知らぬ」
王は言った。
「モリオネーの子が男なら、私やそなたすら暗殺される可能性がある。
そなたは賢いが、女の手綱捌きは下手糞、お気に入りのナイルの妃は年若く、王妃のような雅量も経験もない。わしは心配なのだ」

「……今は夏の終わり、か。ナイルの姫の懐妊は出来る限り内密にいたせ。
ナイルの姫の腹の子は、我がヒッタイトが干渉を受けず独立を保つための宝ぞ。アテネになど奪わせはせぬ!」
「王子、姫は病にて不調というようにしなさい。
それから…王子。そなたとナイルの姫は、民と国を司る王家の者。市井の夫婦のような睦や幸せに溺れることは許されませぬ。
真実、ナイルの姫を大切に思い、守ってやりたいと思うなら…モリオネーにも同じように心配ってやりなさい。あれは正妃なのですから。よろしいな」
イズミル王子は母の言葉に頬を染め、恭しく両親の許を辞したのである。

503 名前:蓮と薔薇 :05/03/11 11:33:45
66
「姫、少しは食べられるようになったのだな。だが無理をして食べてまた吐いたりしては消耗する。食べたいと思うものを食べられるだけ摂るようにいたせ」
秋もじき終わり、冬が訪れようとする頃。
ようやく長い悪阻も終わったキャロルを王子はあれこれ気遣った。
「ありがとう、王子。本当にずいぶん楽になったのよ」
微笑むキャロルは細いままの身体に、ふっくらしたお腹。
「王子、姫君は経過もよろしくまことご健康でございます。姫君には少しずつしか召し上がれませぬゆえ、お食事の回数を増やしてございますのよ。
産婆殿は姫君が気鬱にならずお心安らかにお過ごしなのが一番だと申しております」
ムーラもうきうきと言う。

王子は上機嫌で頷いて、そっとキャロルのお腹に手を置いた。しばらく息をこらして待っていると、元気な赤子の動きが手に伝わってくる。
「おお、和子も元気そうだ。本当によく動くではないか」
「ほほ。お父上がお分かりなのでございましょう」
ムーラは言い、キャロルが縫い上げた産着類を王子に誇らしげに見せた。
「また増えたな。和子は誰よりも衣裳持ちだ」
王子とキャロルの過ごす部屋は、嬰児の訪れを待つ品々が溢れ、元々の部屋の主の品は隅に追いやられがちであったが、王子は様変わりした部屋が何よりも嬉しく誇らしかった。
「そなたの懐妊を布告するのは冬至の大祭の時とする。嵐の神の御力が極まるめでたい時、太陽の蘇りを翌日に控えた聖なる日に!」

504 名前:蓮と薔薇 :05/03/11 11:34:24
67
季節は冬となった。
モリオネーは‘臨月’を迎え、正妃の宮殿は緊張した雰囲気に包まれていた。
ヒッタイト正妃として万人に仰がれる格式高い身分の居心地は良く、彼女の身代わりに連れてこられた女も健康で出産の日を待つばかりだった。
何よりも、イズミル王子が以前よりも柔らかい雰囲気で彼女に接するようになったのが嬉しかった。

「モリオネー、具合はどうか?もはや臨月となったのだ。くれぐれも身体を大切にいたせよ。備えは万全であろうな?
アテネの神々に祈るのも良いが、そなたはヒッタイトの王子妃だ。代参でも良いゆえ、我が国の神殿に祈りを捧げよ…」
「はい、王子様。お心遣いが嬉しゅうございます。
私は正妃なのですから、側室のことなど気にかける必要はございませんのに…やはりおいでがないと切ないのです」
「ふふ…」
「側室の方…ナイルの御方のお顔をしばらく見ておりませんわ。ご不例と聞きましたけれど具合はいかがですの?ずいぶん長いですわよ…ね?」
王子は淡々と言った。
「そなたが気にすることではない。そなたはただ生まれて来る和子のことだけ考えよ。よいな?」

505 名前:蓮と薔薇 :05/03/11 11:35:22
68
キャロル懐妊の秘密はしかし思いもかけない形でモリオネーの知るところとなった。それは出入りの女商人のおしゃべりから。
「おや、モリオネー様。あちらのお見舞いの品はナイルの姫君からですか?まぁ、なんと綺麗に丁寧になさること!あの姫君も悪阻で大変ですのに。
やはりご正妃様には礼を尽くされるのですわねぇ!」
おもねる様に囀る商人は怒りと屈辱で硬直したモリオネーに恐れをなして、広げた商品を仕舞うのもそこそこに大急ぎで下がっていった。
(ナイルの姫が懐妊しただなんて!)
モリオネーの顔は驚愕と嫉妬で醜く歪んだ。
(このままにしてはおけぬ!あの女が増長することのないようにせねば)
「…側室の君の部屋に参ります。見舞ってやらねばねぇ…」

前触れも無く突然、王子不在の宮殿に訪れたモリオネーを迎える人々の視線は冷たかった。
「ご機嫌よう。何です、ムーラ、その顔は?正妃が夫の住まいを訪ねて何が悪かろう?」
「王子はただいま表の宮殿にてご政務を執られております。臨月の御方様の御身体に障っては一大事でございます。どうか…」
「黙りや。用があるのは側室の君にです。懐妊した、と聞きましたよ。
……滋養のある薬湯を持ってきたのです。さぁ、飲んでおくれ」
ムーラの陰に守られるようにして立つキャロル。湯気の立つ杯を持って冷たく微笑むモリオネーに、その場の空気は凍りついた

506 名前:名無し草 :05/03/11 12:11:47

蓮と薔薇キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!!

あ〜ますます目が離せない展開に!
うpしてくださったばっかなのに、早く続きが読みたいっ

507 名前:名無し草 :05/03/11 18:56:00
age

508 名前:名無し草 :05/03/11 18:57:27
ヒッタイト王と王妃に諭される王子にワロタw
女の手綱捌きは下手糞ってププッ!

509 名前:名無し草 :05/03/11 21:58:38
王子は種ナシではなかったか。
よろしかったことね。

510 名前:名無し草 :05/03/11 22:58:19

・・・・・



511 名前:名無し草 :05/03/11 23:20:28
晒しage

512 名前:名無し草 :05/03/11 23:43:14
もっとこずるく立ち回ればいいのに、モリオ姐さん。
まあそゆとこがかわいくて応援したくなるんだけどね。

513 名前:名無し草 :05/03/12 00:17:24
応援してんの?

514 名前:名無し草 :05/03/12 07:32:00
>>512
>モリオ姐さん ワロタ。
本編でもキャロルの敵は皆あんまり頭がよろしくないよね。

515 名前:名無し草 :05/03/12 08:53:56
一番アフォなのはカーフラ?
アイシスも最初は「神秘の力をお持ちだ」とか言われてたんだが…

516 名前:名無し草 :05/03/12 09:15:47
メクメクもカーフラに負けてない。色気ヴァカ。
アイシスはねぇ…。頭はマシな方だけど
前は凄く美人だったのにだんだん肉感的になってきて、ちょっとオバサンっぽいような。

517 名前:月影の詩 :05/03/12 10:46:51
26.
「王…子…!あ…あ…」
押し寄せる波のようなキャサリンの歓びの声が何度もため息とともに洩れている。そんな
様子に白い華奢な体に酔いしれていた王子がふとその手を止めた。
「――――キャサリン…、私に抱かれるのは好きか?いや、そなたは私が好きなのか…?」
キャサリンがその陶酔にかすんだ瞳を開けると、目の前には王子の優しげなしかし問いた
だすような瞳がじっと見つめ返している。
「王子…、私は…」
「答えよ!問うておるのだ、私にこうして抱かれるのは、私が好きだからか?それとも、
私が男でそなたがただの女にすぎぬからなのか?」
(なぜ…?王子…どうしてこんなふうに私を抱きしめておいて、今更そんなことを言う
の?ああ、お願い…)
「私は、あなたのことが…好きです、王子…。だからこうしてあなたの腕の中に…たとえ
魔女の呪いがあろうとも…!」
そこまで言うと、キャサリンは羞恥と畏れから涙を浮かべ、その白く細い指で顔を覆い隠
した。
「おお、キャサリン…っ!」
王子は、そんなキャサリンが愛しくてたまらず、再び強くその胸にかき抱いた。
「――――今は、そなたを抱かぬ。だが、私はそなたが欲しい!天に逆らおうとも魔女の
手駒に成り果てようとも、ここでそなたを抱き、永遠に私のものにしてしまいたい…!し
かし、やはりそれは愚かなこと。一時の迷いが後々ずっと悔いる羽目になるやもしれぬ。
キャサリン、時が満ちるまでそなたを側に置く、が抱かぬ、よいな?他の男の気を惹くそ
ぶりでも見せようものなら、そなたを殺すぞ、たとえこの身を抱かずともそなたはこの私、
イズミルのもの、しかと心せよ」


518 名前:月影の詩 :05/03/12 10:47:27
27.
(ああ、王子、どうしてこの私にそれを否定することができるのでしょう?たとえこの先
どうなってしまおうとも私はあなたのものでいたい…!)
「はい…わかりました…私は、このキャサリンはあなたのもの…」
激しい感情を込めた王子の言葉にキャサリンは素直に頷き、その胸に顔を埋めた。そんな
従順な態度に、高ぶった王子の気持ちも落ち着いたのか、やがて二人の体の位置を入れ替
え、自分が下になり、その胸の上に広がるキャサリンの輝く髪を優しく撫でながら、ふー
っと息をついた。
「キャサリン、すっかり体が冷えている…このまま、私と一緒に湯に浸かろうではないか」
「ええっ?」
王子の言葉にキャサリンは真っ赤になった。
「なにを慌てている、私はもうそなたの体の隅々まで知っておるぞ。今更、恥じることは
ない、ほら」
そう言うなり、王子はキャサリンを抱き上げ湯の中に身を沈めた。
「温かいではないか。どうだ?」
王子が背後からキャサリンを抱きしめてくる。湯の温かさと王子の躯の存在と先ほどの嵐
のような出来事にキャサリンは紅に頬を染めながらも、王子の呪縛にかかったように彷彿
としてその腕の中に抱かれていた。
一方、王子は、くくっと軽く笑い声をあげながらくつろいだ様子でキャサリンを弄ぶ。白
い項に唇を寄せながら、白い胸を包み込むように愛撫したり…まるで悪戯をしているかの
ようだった。
「王子…っ!」
キャサリンの抗議ともとれる声が響いた。
「そなたは、先ほどそなた自身の言葉で『私のもの』であることを認めたではないか?そ
れすなわち、この体をどう扱おうとこの私の自由ということぞ。そなたに文句は言わせぬ、
キャサリン、わかっておろうな?」
王子は、唇をその耳元に寄せ耳朶をいたぶる様にやさしく答える。
「いじわる…、それをいじわると言うのですわ!」


519 名前:名無し草 :05/03/12 11:56:35
キャサリンとキャロルって双子の割には
性格があまりにも違い杉かも・・・
王子よ・・・顔が同じならどっちでもいいのか?
キャロルの気の強さも好きじゃなかったのか?

520 名前:名無し草 :05/03/12 13:24:21
キャサリンも「誰かの身代わりはイヤ!」って思わないのかな。
それにM?
月影の詩作者様のオリジナルキャラだから何でもアリだけど。

521 名前:名無し草 :05/03/12 14:19:34
はぅぅ、いちゃつく二人に萌え萌えです。
セクースしちゃうよりもエロエロなのは何故だろうw

この後、キャロルに寄せる王子の想いを知ったキャサリンが
どう苦しむのか、王子はキャサリン自身を好きなのか、
身代わりに過ぎないのか、楽しみなポイントが多いのも(・∀・)イイ!

>>519
キャロルは表面に出た気の強さ、キャサリンは内に秘めた
気の強さを持ってるとみた。
つか双子でも正反対の性格は珍しくないでしょ。

522 名前:つきかげ :05/03/12 14:22:48
んんん〜色々なご感想ありがとうございます。
キャサリンの設定に関しては、一応オリジナルキャラなので、こちらの都合(笑)
で動かしております。まあ、キャロルが好き・嫌い色々あるように、まして
ど素人の私のオリジナルキャラなので、出来はよくないかもしれません。お許しを〜♪
今後ともよろしくお願いいたします。
オリジナルキャロルのファンにとっては、キャサリンはジャマな存在かも?
王子ファンにとっても「むむむ?」かな?
ま、いろいろありぃ〜ってことで、とりあえずこの作品(?と呼べるものなのかどうか?)
はこういった設定で流してゆきます。
着手した以上、最後まで仕上げますので、適当にお付き合い下さいませ<m(__)m>


523 名前:つきかげ・つけたし :05/03/12 14:28:58
私のつたない作品を読んでいただけるだけでも光栄なのに、感想まで
下さって、皆様には感謝しております。ありがとうございます。
こちらのスレは、最近、毎日の楽しみとなっております♪
そういえば、私、個人的には大の「王子ファン」です。キャロルが王子に
冷たいのが悲しい…(仕方ないけど)。メンもよいけど…迷うなあ〜>だからやめられない「王家ファン」

他の作家様の作品が楽しみな私です。
蓮・薔薇作家様>モリオネーの設定にハラハラドキドキ。今後、生まれた
子供を騙しとおすことができるのか〜〜!次をお待ちしております!

524 名前:名無し草 :05/03/12 17:21:03
まあなんだ、その、作家は一種のコテなんだから、
あんまり語らない方がいいよ。
自分語りも作品語りもね。
語るのは作品の中だけでよろしこ。

525 名前:名無し草 :05/03/12 18:09:01
>>524
了解。以後、潜伏。

526 名前:名無し草 :05/03/12 22:05:12
がんがって下さいね。
王子・キャサ応援してますので。

527 名前:名無し草 :05/03/12 22:42:17
キャサリンになりたーーーいw

月影作家さま、続きを楽しみにしてます!

528 名前:名無し草 :05/03/13 02:06:20
月影の作家様、私も王子ファンです。毎回楽しみにしております!

私はキャサリンとキャロルが双子だとかそういうのはあまり意識しないで
読んでました。王家ではキャロが子供っぽ過ぎるし、あまりにもな態度で王子の
イイカンジな場面が見れない事にイラついてたから、新鮮で
ドキドキするし、大人な雰囲気で大好きです

続きを楽しみにお待ちしておりますね!

529 名前:名無し草 :05/03/13 02:47:43
月影の中の王子、相変わらず最後までヤらないところが
我慢強いというかヘタレというか・・・
何気にリアル王子wっぽくていいですね。

530 名前:名無し草 :05/03/13 09:42:01
最後までしない方が萌えシチュです。
何度も際どいところまでいきながら我慢して欲しい・・・。
好きなのに手を出せない、抱いてもらえない、もどかしさが萌えなので
どうか焦らして欲しいなぁ。
勿論、最後はめくるめくセクースをよろしく。

531 名前:名無し草 :05/03/13 10:50:10
自然な流れならどっちでもいいです。

532 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/03/14 12:12:01
>>471
36
贅沢に設えられているが、男性の部屋らしく華やかさに欠けるメンフィスの部屋を、キャロルは戸惑ったように見まわした。
「夜中に男の部屋に来るのは初めてか?安堵いたせ。慮外な真似はせぬ。子供を相手にするほど不自由はしておらぬし」
キャロルが怖がる隙を与えぬようにメンフィスは饒舌だ。
「ちょうど私も眠れぬと思っていたところだ。少し相手など勤めよ」
「わ、私が…?あの…私は眠くなってきたのだけれど…とっても」
「他の女を召し出しても、そなたは平気なのか?」
少し怒ったようなメンフィスの言葉に、反射的に勢い良く首を横に振ったキャロルは結局、部屋から出られなくなってしまった。
「全く。怖がってくれるな。そなたに悲鳴を上げさせるようなことをすれば、私が兵らに膾斬りにされるであろうよ」
メンフィスは杯をキャロルに渡しながら言った。
「水だ。安心して飲め」

メンフィスは櫃の中からさっさとゲームを取りだし、キャロルの前に置いた。
「これをするか。前に遊び方は教えてやったが、そなたに出来るかな?」
いつのまにかキャロルは誘われるままチェスに似たゲームに興じた。

「相変わらず、そなたは筋が悪い。そんなに負けつづけては詰まらぬだろう?」
5回続けて勝ったところでメンフィスは、キャロルを解放した。
「う…。あなたが強すぎるのよ。こういうのってどうも苦手で」
メンフィスはそれを聞くとさも愉快そうに笑った。明るく屈託の無い笑顔にキャロルは引きこまれてしまう。

533 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/03/14 12:12:50
37
「…困ったことだ。たかがゲームと侮ってはならぬぞ。論理的に物事を考えるためにもこういうことを嗜むのは良いことなのだ。
苦手だと言って避けていてはならぬ。…そうだ、明日から私が教えてやろうほどに…。
キャロル…?キャロル?……何だ、眠ったのか?」
メンフィスがゲーム盤を仕舞おうと、後ろを向いたその一瞬の間に、気絶でもするかのように寝入ってしまったキャロル。

「キャロル…!困ったな。このようなところで眠ったりして」
メンフィスは少しも困ってはいない口調で言った。
「ふふ。キャロル。そなたが先に寝入ったのだ。今宵は私の相手をしたもらおうか…」
メンフィスは複雑な笑みを浮かべると、小柄な身体をそっと自分の寝台に運んだ。
小さなキャロルがゆっくりと寛げるように、寝心地の良い寝台の真中に寝かせてやり、自分は大きな体を端のほうに置くメンフィス。しばらく寝息を窺ってから、そっと腕枕をしてやる。心地よいその重み。

(良かった…。安心しきって眠っている。昨夜のように寝苦しそうにさせてはならぬと心配だったが。ああ…この寝顔だ。私が待ち望んでいたのは。
キャロル、キャロル。そなたの幸せは私の側にしかないということを何故、認めようとはせぬのだ?)
メンフィスは男の心を押さえ、心行くまで幼い寝顔を愛で…やがて幸せな眠りに落ちていった。

(明日はキャロルが目覚める前に、ちゃんとあちらの部屋に運んでおいてやらねば…な…)

534 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/03/14 12:13:46
38
朝の光が瞼の裏側にまで入ってくる。
キャロルはもう少し眠りたいのだとでもいうように寝返りを打った。

(…? う…ん…枕が…固い?)
心地よい暖かさに包み込まれる安心感。とても寝心地の良い寝台。しかし、この枕の固さはどうだろう?ごつごつして少しも馴染まない。
キャロルはゆっくりと目を開いた。

「…!…」
目の前にあるものが信じられなくて、飛び起きたキャロルは声も出なかった。
(どうして…どうして私がメンフィスと寝ているのっ?)
理由はすぐに知れた。
(あ…ゲームをしていて…私ったら眠ってしまったの?何てこと、よりにもよってメンフィスの側で!)

茹でられたように真っ赤になって、そそくさと寝台を降りようとしたキャロルの手首を、メンフィスの大きな手が掴んだ。
「もう起きたのか…。昨日はあまりに気持ちよさそうに眠っていて動かすのも可哀想に思えたゆえ、ここに泊めてやることにしたのだ。
…もう少し、ゆっくりさせてくれ。あまり眠れなかったのだ」
「え!わ、私ったら何か…した…の?」
「何か…か。して欲しかったのだがなぁ」
メンフィスは自分をぶとうとする白い手を避けると、しなやかに起き上がった。
「嘘だ。そなたはよく眠っていたし、私もよく寝た。そなたが起きる前に、部屋に連れ戻してやろうと思っていたのだがな…」

その時、ファラオの部屋の扉が開いて、起床の支度の品々を持ったナフテラ達が入ってきた。
「騒ぐな。知らぬ顔をしておれ。疚しいことは何もなかったのだからな

535 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/03/14 12:14:42
39
「ああ、ナフテラ。キャロルは昨日はここで過ごした。身じまいもここでさせよ」
メンフィスは驚きと戸惑いと…喜びを隠し切れない召使達の視線にも全く動じなかった。
「昨日は寝苦しかったゆえ、キャロルを召し出して話し相手など勤めさせていたのだ」
ナフテラは赤くなったり蒼くなったりしているキャロルをちらりと見やってから恭しく頭を下げた。
「さようでございましたか。ですが姫君のお身仕舞いは、やはり一度下がってからのほうが…。姫君も恥ずかしくお思いでしょうし」
ナフテラは安心させるようにキャロルに微笑みかけた。
「ふん…。まぁ良い。では朝餉は共に摂ることにする。よいな、キャロル」
キャロルが大急ぎで断りの返事をしようとするよりも早く、ナフテラが答える。
「かしこまりました、ファラオ。そのように」

ナフテラは回廊を使ってキャロルを部屋に連れていった。
「あ、あのね。ナフテラ。昨日は眠れなくてメンフィスとゲームをしたりしていたの。それだけなの。別に、その…人に言えないようなことはしていないわ!」
堪えきれずに噴出してしまったテティを睨んで、ナフテラは答えた。
「キャロル様。そのようにびくびくなさいますな。メンフィス様があなた様を粗略に扱ったりなさらないことは皆がよく知っておりますよ。
さ、お支度が済みましたらファラオのお側に。お待ちでございます」

朝食を共にしながらキャロルは、まともにメンフィスの顔が見られなかった。
「どうした?私の顔が見られぬのか?」
「そ、そんなことないわ。ただ…あの…ごめんなさい。昨日は」
メンフィスはいきなり食卓越しにキャロルに接吻した。
「そなたは妻なのだから夫の側近くで過ごすのは当然だ」

536 名前:名無し草 :05/03/14 12:46:28
きた〜
待っていました。いつも次の展開が気になる終わり方で・・・
益々目が離せません。
メンフィス派の私にはたまらない作品です。早くメンフィスとキャロルの
ラブラブが見たいです。


537 名前:名無し草 :05/03/14 14:07:41
はぁ〜〜・・・・
うっとりしますね・・・

538 名前:名無し草 :05/03/14 18:43:06
我慢強いメンフィスに大人を感じます。お子様キャロル、早く大人に
なってね〜♪

539 名前:名無し草 :05/03/14 19:38:55
メンフィス4年後作家様〜お待ちしておりました。うふふな場面展開で
ほほえましかったです。
そういえば、これを読んで思い出したのが、「源氏物語」。
まだ幼い紫の上を源氏が兄の役割をして遊んであげて、朝まで一緒に寝る
という場面ありましたよね。メンフィスは源氏の君、キャロルは紫の上
になってしまったみたい。年の差はたしか8歳だったと思うし、今のメンフィス
とキャロルの年齢さも同じくらい。
「キャロル4年後」なんていう続編が読んでみたくなってきました。
気が早くてすみません。これからの展開に期待しておりますね。

540 名前:名無し草 :05/03/14 20:10:13
作品が読めて幸せ(*´Д`*)
大人のメンフィスって素敵ですねぇ。

541 名前:名無し草 :05/03/14 20:51:01
メンフィス4年後さま、うpありがとうございます。
いつも続きがうpされるのを首を長くしてまっております。

私も大人のメンフィス大好きです。
本編のメンフィスも好きなんだけど、大人の男性が好きなので王子にもふらふらしてしまいますが、
メン様が大人になっているというのは、萌えそのもので・・・。

続きを楽しみにしてますね!!!

542 名前:名無し草 :05/03/14 20:56:46
メンヒス・・・素敵すぎるぅ。
いいなぁ、いいなぁ。
初めて出会うんじゃなくて、出会いの最初からメンヒスがキャロルを深く
愛しているのがイイ。

543 名前:名無し草 :05/03/14 22:31:51
    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}




544 名前:名無し草 :05/03/14 22:36:32
おおおっっ!
懐かしいな

545 名前:名無し草 :05/03/15 00:36:12
んがぁ

546 名前:名無し草 :05/03/15 01:03:55
はぁ〜

547 名前:名無し草 :05/03/15 01:57:40
腰まわりと太ももをもう少し鍛えなされ

548 名前:名無し草 :05/03/15 02:20:32
わたしもメンヒス様に腕枕されて眠りたい・・・

549 名前:名無し草 :05/03/15 15:33:57
原作の王家ではメンがいまいち好きになれなかったんですが
(怒りっぽいのとガキっぽい所が)
4年後のメンはいいですねー!
あぁ早く二人の初夜が見たい!
メンにとっては2回目の初夜なんだろうけど、4年ごしのエチは格段でしょうねw



550 名前:抜けない棘 :05/03/15 16:49:59
>>393
14
寝台の上でとても湯上りとは思えないほどキャロルは小刻みに震えていた。
今までにされたことのない屈辱を味わい、それが何を指し示すのか、
それは一つの答えしかでてこないことが、キャロルをますます追い詰める。
「姫君、どうぞ召し上がれ、落ち着きなさいまし。王子は妃となったお方に無体を働くような方ではありませぬ。
 それはこのお仕えしてきたムーラがよく存じております。
 あなた様も一度は王妃となれらた尊いご身分、エジプトとは情けない女人を王妃に据える愚かな国でございまするか?」
ムーラが飲み物の入った器をキャロルに手渡しながら話す言葉に、キャロルの心に眠っていたプライドが頭を持ち上げる。
そうだ、確かに自分はメンフィスの妃だった、と涙をこぼさないように耐えながら、キャロルは咽を潤した。
メンフィスが今いなくても、私はメンフィスの誇りを汚すわけにはいかない。
味わったことのない妙な煎じ薬を訝しげに思いながらもキャロルは自身を落ち着けるために黙って器を干した。

キャロルが口にしたものの中には、ムーラが独断である薬を混ぜていた。
それはムーラのなりのキャロルへの心配りであったが、当の本人には分らないであろう。
ムーラが器を持ち下がろうとした時に、イズミル王子は入れ違いにキャロルのいる部屋へと入ってきた。
ムーラとすれ違った折、かすかに漂った芳香に、王子はムーラの気遣いを知り、ムーラにだけ分るほど、
ほんの少し唇を曲げて見せた。


551 名前:名無し草 :05/03/15 16:51:30
原作は糞みたいなもんだもんなー

552 名前:抜けない棘 :05/03/15 16:51:52
15
キャロルは先ほどのムーラの言葉に負けまいと、背筋を伸ばしてきりっと王子をその青い目で射抜いた。
両肩を出した夜着は、あくまでキャロルの白い肌を強調し清らかさとその年頃にしては幼さを露わにする。
金色の輝く髪が肩から背に豊かに流れて、寝台の上に緩く渦を巻いた。
寛いだ寛衣姿のイズミル王子は黙って立っているだけでも、キャロルに男らしさとその矜持で圧倒する。
寝台が軋んで王子はゆったりとキャロルの横に腰を下ろして自分を見つめる白い貌を見つめる。
「恐れるな、と申したところで信じてはくれぬな、その顔では。」
キャロルの思いつめた顔が王子に軽口を促したのだろう、口調は笑いを含んだものだった。
口を開こうとすると涙が零れそうになるのをキャロルは必死で唇を噛み締めて耐えた。
私はメンフィスの妻なのだから、あの人の誇りを汚すような真似だけはしない、
今できるのがそれだけならばそれをするだけ、殺すのなら殺せばいいのに、
抱くなら抱けばいい、でも私は応えてなんてあげないから。メンフィスの為に!

王子の手がすっとキャロルの肌に触れると、全身に雷でも落ちたように衝撃が走る。
けれどもその後の手の動きは髪や肩や腕を優しく撫でるのみで、それは寝台を共にす間柄というよりも、
幼い子供をあやすかのようなもので、キャロルは自分でも知らないうちに安堵した溜め息を一つついて体から余分な力が抜けていく。
静かに沈黙が支配する中、王子の手はキャロルを癒し、それと同時に体の奥底に小さな炎を絶やさないように保っていく。
「また噛んでみるか?」と王子の唇がキャロルの唇に触れそうな距離で問い掛ける。
その言葉でキャロルは以前自分がした事を思い出して頬が紅潮した。
あの時のしてやったという感情とその後の王子の報復が恐ろしく思われたことも思い出して、
言葉を口に出したいのに、今はなんと言えばよいのかさえ見当もつかない。
「いくらでも噛めばよい、いくらでもすればよい、私がそなたの全てを受け入れよう。
 だがそなたの全ても私のものにする。」
言葉を返す間もなく唇は重なる。


553 名前:名無し草 :05/03/15 18:02:27
キスってかなり無防備な行為なんだよねーと
思い出したり。
かなりどきどきしてます。

554 名前:名無し草 :05/03/15 19:35:18
王子×嫌がるキャロル>一番原作の設定に近いですね。
展開にドキドキもの。

555 名前:名無し草 :05/03/15 20:15:45
原作よりもずっとイイ!!

556 名前:名無し草 :05/03/15 21:05:35
久々に原作読んで疑問に思った。
何でメンさまとキャロたんは
寝起きにちゃんと服を着てるんだろ。
くせものが現れても平気なように終わった後でもちゃんと着るんだろか。
でも、疲れてへろへろになってるキャロたんのは
メン様が着せてたりしたら萌える。

557 名前:名無し草 :05/03/15 21:05:40
王子とキャロルをくっつけたい気持ちは分かるけどさ・・・。

夫のいる身で浚われてレイプされて、テクニシャンだか何だか知らんが
その状況で感じるってーのがAV見過ぎの男or妄想膨らみすぎの処女の発想だよね。

まして、その後好きになるって・・・あり得ない。娼婦じゃないんだからさ。


558 名前:名無し草 :05/03/15 21:09:38
うんにゃ
結構体さえ抱いちゃうと情がうつるとは
ヤ○ザさんたちでも使う手なんだそうな。
最初はだめでも、2回3回と回を重ねると思いどおりになる、と聞いた。

559 名前:名無し草 :05/03/15 21:12:31
>>557
エロゲでアナルHが標準装備されているような感じで
虚構と現実を一緒に考えないほうがいい。
所詮創作、つくり話なんだから。
こういうものは深く考えないで楽しんだもの勝ちだと思うよ。

ってもしかすると釣られた?

560 名前:名無し草 :05/03/15 21:19:39
>>558
それは、そのレベルの女だから。

>>559
深く考えないで楽しむ・・・。
わかった、そうする。

ちなみに釣りより読書の方が好きだから、大丈夫だよ。

561 名前:名無し草 :05/03/15 21:22:01
キャロルが王子を本気でキライならNGなんだけど、
夫のいる身でありながら、実は王子にも少し気がありそうなので
私的にはオッケーです。

キャロルに服をきせるメン様、たしかに萌え〜ですね!
半分寝入ってしまってるキャロルに「まったく仕方のない奴め」なんて言いながら
服をきせつけて腕枕して、おふとんかけてあげる、みたいなメン様は可愛いです。

562 名前:名無し草 :05/03/15 21:31:20
557は直前の作品の事を言ったのではないと思われ。
ありえないと思ったら黙ってスルー。
お約束。

563 名前:名無し草 :05/03/15 21:35:20
キャロルの面倒見るメン様萌え〜!
なんだかしてそうなところが(・∀・)イイ!!

564 名前:名無し草 :05/03/15 22:04:42
お風呂に入れたり、お着替えさせたり・・・いいですねぇ。そういうの。



565 名前:名無し草 :05/03/15 22:06:35
すごい才能だね

566 名前:名無し草 :05/03/15 22:11:51
脱がせるのはもちろん萌えるが
着せるというのもいいとオモタ。

567 名前:名無し草 :05/03/15 22:27:09
そそ、脱がせる→エッチ も良いけど
   エッチ→服きせる も良い! 
エッチ後のアフターフォローに深い愛を感じます。

568 名前:名無し草 :05/03/15 23:02:46
   _____
  ||// ∧_∧|∧_∧
  ||/  (n´・ω・)n   ) 何かクサいけどウンコついてない?
  ||   (ソ  丿|ヽ ● )
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'

   _____
  ||// ∧_∧|∧_∧
  ||/ r(    (n´・ω・`n) ウンコついてないけど何かクサい
  ||  ヽ ● )|(     )
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'


569 名前:名無し草 :05/03/15 23:18:10
可愛いじゃないか

570 名前:名無し草 :05/03/15 23:45:00
あ!
ひさしぶりのウンコネタきてる

571 名前:蓮と薔薇 :05/03/16 11:52:26
>>505
69
(まさか…毒?私と私の赤ちゃんを憎んで…)

「側室の君?どうしたのです?薬湯が冷めてしまう。早く飲んで私を喜ばせておくれ?どうしたの?毒でも入っているとでも?」

(毒かもしれない…。飲めば…死ぬか…赤ちゃんを亡くすかも。でも飲まなければ、正妃に対する無礼の咎で罰を受ける…。
ひどい、モリオネーは私を辱めて愚弄して、愉しんでいる…!)
キャロルは怒りと屈辱に身を震わせた。狂気に近いような怒り、押さえがたい憎しみを誰かに感じることがあるなどと思ったことも無かった。

(姫君はお倒れになる!)
ムーラは気丈に言葉を返す。
「恐れながらご正妃様。お薬湯は後ほど頂きましょうほどに、今はご容赦あそばして。ナイルの姫君は悪阻がようやく収まられたばかりにて、多くのものをお口にはされませぬ」

「ふん、黙りや、ムーラ!でしゃばるでない。正妃の私を前にして、側室風情を姫君呼ばわりとは笑止!
私は庶子を産む側室を、正妃として見舞ってやっているのです。正妃たる私が産む嫡子に、忠実に仕えるのが庶子の役目。
ナイルの側室は、私の子の家来を産むのですからね。でなくば誰が、我が君を寝取った泥棒猫を目こぼししてやるものですか!」

(ひどい!)
言葉を返すこともできないキャロルの震える手に、薬湯を満たした器が押し付けられた。
「さぁ、飲みや!」

(これが…私が選んだ世界。王子を愛するということは修羅の世界に生きるということ。愛する人の子すら、いいえ、私を取り囲む全てのものが、私ゆえに辱められ、貶められる…)

キャロルは意識の暗闇に堕ちていった…。

572 名前:蓮と薔薇 :05/03/16 11:52:55
70
恐怖と緊張、それに怒りでキャロルが倒れると、薬湯の入った器も派手な音をたてて砕け散った。
「おや、何と無礼な!高価な薬湯だというのに…庶子やその母ごときにいちいち毒を盛っていては正妃は勤まらぬ」
モリオネーは冷然と言い、足先で倒れ臥したキャロルを厭わしげにつついた。
「ほんに…おや!」
おもねりの微笑を浮かべて相槌を打つ乳母の手から、モリオネーが愛玩する子猫が飛び降りた。猫は床に飛び散った甘い匂いのする薬湯を、さぞ美味しそうにぺちゃぺちゃと舐めた。

「これは…」
キャロルを庇うようにひざまづいたムーラに、モリオネーは冷たく言った。
「滋養ある薬湯に、口当たりがよくなるように蜜と甘草の汁を加えたるもの。
私への僻み嫉みで凝り固まった側室には、毒としか思えなかったのでしょう。
ふん、この無礼の購い、高うつきましょう。覚悟しておきや!」

正妃の権威を嵩に着て、王子の寵愛厚いキャロルを嬲った一件はあっという間に広がった。
王妃はモリオネーの振る舞いを正妃らしからぬときつく叱ったという。
そして息子王子には、後宮の揉め事に深入りするなと厳しく釘を刺すことも忘れなかった。
「そなた個人の愛がどこにあるかなど関係無いのです。そなたは公人として正妃を重んじよ!」

573 名前:蓮と薔薇 :05/03/16 11:53:21
71
「姫君、お気づきでございますか!ああ、良かった…」
「ムーラ殿。もう大丈夫でございます。お腹の和子様にも何のお障りもございませぬ。
姫君、さぞお辛かったことでございましょう。あのような騒ぎは後宮の常とはいえ、ご正妃様の何とむごいなされよう…」

気がつけばキャロルは寝台に寝かされていて、ムーラと産婆、それに侍女達が気遣わしげにキャロルを見守っている。
「私…気を失っていたのね?赤ちゃんは?それにあの薬湯…」
「姫君、お心平らかにあそばしませ。もう全て済んだことで、何の心配もございませぬ。
臨月で気の昂ぶったモリオネー様が癇を立てられたのでございますよ。王妃様からきついお叱りがございましたし、じき王子様も参られます」

(聞いてはいけないのね…)
力強い胎動に、深い安堵と感動を覚えながらキャロルは頷いた。だがその母としての心とは別に、冥い感情は消しようもなく彼女を苛んだ。
(モリオネー…あなたのことをこんなにも許せなく思うなんて。ひどい人。
私を泥棒猫呼ばわりして…王子の血を引く大事な赤ちゃんをも辱めた…!)

574 名前:蓮と薔薇 :05/03/16 11:54:34
72
その夜、キャロルは初めて王子の胸の中で泣き明かした。
王子を愛し、その側で生きると決心した日から、決して泣き言は言うまいと決めていた。王子に選ばれたという矜持で自分を高く律することができた。
だが。
まだ16にしかならない心の負った傷は深く、大きく…詮無いことと知りながらキャロルはただただ泣いた。

「許せよ…。唯一人の妻とその子すら守り得ぬ不甲斐ない私を…。
だが、このままでは済まさぬ。私を愛するそなたを傷つける者は許さぬ!」
王子は泣きじゃくるキャロルをずっと抱きしめていた。震える小さい身体が、声が枯れるほどに泣くその姿が、王子の中に激しい怒りの炎を沸き立たせる。
(おのれ、モリオネー!祖国の威を借りそこまで醜き所業に走るか。
このままでは済まさぬぞ。この代価、高くつこうぞ!)

(心が苦しい…。どうしたらいいの?モリオネーは私を殺すかもしれない。
怖い、怖い…。このまま私は、私の赤ちゃんはどうなってしまうの?
ただ正妃でないという、それだけで怯えながら、一生嘲られ見下されて生きるの?嫌よ!許せない!)

「王子…」
泣き疲れ、声も枯れたキャロルは囁くように言う。
「お願い、私を忘れないで。私にはあなたしか居ないの。お願い。…私を…私の赤ちゃんを…忘れないで。私の心がどうかならないように、私を…あなたの心の中に、いつも…」

575 名前:名無し草 :05/03/16 12:23:24
>蓮と薔薇

待ってました!
モリオネーが弘徽殿の女御に思えてきました。
ここまで意地悪だと後でどんでん返しされたときがさぞ痛快だろうと
今からわくわくしてます。
作者様乙です!
王子の今後の手綱さばき、とくと拝見♪

576 名前:名無し草 :05/03/16 14:02:44
蓮薔薇作家様、お待ちしておりました。
メンフィス4年後といい、蓮薔薇といい、もう、このスレは「王家・源氏物語」ですね。
キャロルは光源氏の母であり、紫の上であり…?とすると、メン&王子が光源氏?
原作よりこっちが楽しみ〜♪

577 名前:名無し草 :05/03/16 15:24:38
ムフフ

578 名前:名無し草 :05/03/16 15:43:18
ああ、今日も読めてチアワセです

579 名前:名無し草 :05/03/16 17:22:36
ぬほほ

580 名前:名無し草 :05/03/16 22:04:22
王子はモリオネを妊娠中一度もセクースしてないのかね?

無理やり襲ってやれば、すべてのウソはばれるのに〜

581 名前:名無し草 :05/03/16 22:44:21
>580
鋭いぞ。
しかしせずにすむならしたくない王子だろうなー

582 名前:名無し草 :05/03/17 00:09:53
高価なお薬湯はマタタビ入り?

583 名前:名無し草 :05/03/17 00:13:10
皆さん突っ込んでないんですが、

「メンフィス4年後」で4年前にキャロルが死んだときは
ミイラにしなかったんでしょうか?遺体はどしたんでしょう?
その辺が気になって仕方ないんです。

584 名前:名無し草 :05/03/17 00:40:31
あ、実は気になったんだが、
細かいこと突っ込んで作家様の創作の邪魔をしては悪いと思って
脳内アボーンしたんよ。

まあ、いいじゃん。
そんなこと言ったら本編なんか突っ込み所満載だし…
アイシスなんか初登場ミイラだったんよ?古代に生きてたアイシスとの整合性がとれないorz
でも気にしなけりゃ無問題てことで。



585 名前:583 :05/03/17 00:54:34
そうなんです。私も荒らしちゃいかんと思って我慢していたんですが
気になって気になって・・・
そうだそうだ、ここ2,3年こっちが面白くて本編を読んでいませんから
本編を読んでそっちに脳内突込みします。ありがとう。

しかし原作では消化不良で暴れる羽目になるかもしれない・・



586 名前:名無し草 :05/03/17 00:55:28
あれ?
てことはバキャロルが歴史を変えなきゃアイシスも早死にしてたのかな?
あのバカオンナのやってる歴史改ざんてもう取り返しがつかないような・・・


587 名前:名無し草 :05/03/17 01:00:08
アッハハ
今やバビロニアの王妃様だもんねー

588 名前:名無し草 :05/03/17 01:00:27
つっこんでる皆が可愛いゾ。

589 名前:名無し草 :05/03/17 01:02:54
今何人いるんだ?ここ以外に人気あるんだな

590 名前:名無し草 :05/03/17 01:07:34
そういう話題は本スレでやってもらえませんか?
ここは2次創作スレなので
作家様をマターリお待ちしてましょうよ

591 名前:名無し草 :05/03/17 01:09:48
>>589
時々、突然活発になる
特に荒れてるときなんか楽しいよ

592 名前:名無し草 :05/03/17 01:38:16
    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}


593 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/03/17 10:55:49
>>535
40
(私、すっかりメンフィスの思うままに流されてる…)
キャロルはパピルスから目を上げて溜息をついた。
「姫様?お疲れなのではございませんか?」
心配そうに声をかけてきたテティに、キャロルは慌てて微笑みかけた。
「疲れているわけじゃないの。ただ…何となく…ずいぶん時が経ってしまったなぁって思っただけ」

あの日、つまりメンフィスの部屋で眠ってしまった日から、キャロルはメンフィスに逆らえない。惹かれる気持ちを押さえられない。
何があったというわけではないけれど、肌を寄せ合って眠ったあの日から何かが決定的に、メンフィスの思う方へと変わってしまった。

「テティ?…ごめんなさい。もう下がってちょうだいな。私はもう少し頑張って、メンフィスが貸してくれた書類を読まないと。宿題なのよ。
それにしても…メンフィスは遅いのね。本当に大丈夫なのかしら?ここ一週間ほど忙しくて…」

顔を赤らめて、見え透いた何気なさを装いながらメンフィスを思いやるキャロル。メンフィスのことを口にしただけで胸が甘くときめく。
(もしメンフィスを愛していることを認めてしまったら…私は…?もう一度全てを捨ててママ達を悲しませるの?できるの?そんなことが)

「今、帰った!」
答えの分かりきった問題を際限も無く考えるキャロルの物思いは破られた。
「お帰りなさい…」
メンフィスは嬉しそうにキャロルを見る。
(良かった…。キャロルは居てくれた。消えたり逃げたりせず、今宵も私を迎えてくれた。神よ、感謝いたしますぞ)

メンフィスは感情を押さえて、矢継ぎ早にキャロルの宿題に読ませた書類について質問した。
キャロルも素早く、言葉を選んでメンフィスに答えていく。馬鹿だと思われたくなかったし、怠け者呼ばわりも嫌だった。
「…うん、良し。ちゃんと私の出した宿題に励んだようだな。私の王妃は記憶は無くしても、理解力や弁論説得の才までは無くさなかったらしい!良いことだ。」
メンフィスは上機嫌でキャロルを抱き寄せ、テティを手で追い払った。
「テティ、今宵はもう下がれ。後のことはキャロルにやらせる。
…ナフテラを怒らせるような真似はせぬ。早く下がれ!

594 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/03/17 10:56:33
41
メンフィスは最高神官の格式を示す盛装を無造作に解きながら、キャロルの寝台にどさりと横たわった。
「ふう、まだ香の匂いが抜けぬな。キャロル、体を拭いてくれ。そこに水差しと布がある」
「え…?あ…。えっと私が…?」
(どうして私がメンフィスの世話なんかを…。体を拭けって…?!)
「早くいたせ!」

(鍛えてあるのね…。ギリシャやローマの彫刻みたい)
王妃の庭園にあったファラオの像は、エジプトの伝統的な表現方法でほっそりと優雅に表されていた。
でも目の前にある筋肉質の大柄な体は、褐色の大理石か金属で作った像のような力強さと優雅さ…艶めかしさを兼ね備えていて、キャロルを戸惑わせときめかせる。

耳たぶまで真っ赤に染めてメンフィスの言うままに体を拭くキャロルに、男盛りのメンフィスは甘い苦痛を感じた。
「忙しかったのも今日で終わりだ。そなたにも寂しい思いをさせたかな」
メンフィスは一方的に話し始めた。
「神への特別の儀式が続いたのだ、常の政務の他に。…今日、そなたの墓の封印を解き、中を改めた」

はっとして顔を上げるキャロル。
(墓?私の?どうして?……ああ、私は一度死んでいるから。でも墓を暴くなんて乱暴なことを何故?
いえ、待って!私は今ここに居るわよね?お墓の中身は、ではどうなるの?)


595 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/03/17 10:57:22
42
キャロルの考えを見透かしたようにメンフィスは苦笑した。
「本当にそなたはくるくる表情が変わって退屈せぬ」
メンフィスはいきなりキャロルを胸の中に抱き寄せた。
「墓の中身は…無かった。幾重にも封印された棺の中にそなたは居なかった。
そうだ、封印は一度も破られておらず、精鋭の兵士らが終日守る墳墓には私以外の者は近づくことすら出来ぬのに、そなたの遺体は…」
遺体、という言葉のどぎつさに軽く身震いを覚えながらメンフィスは、おののくキャロルの耳朶に決定的な一言を囁いた。
「無かったのだ!」

キャロルはやはり、という醒めた考えと、これでもう逃げられないという絶望に似た感情を一緒に味わっていた。
「私と宰相、それにネメス大神官(註:カプターは失脚済みとお考えください)が確かめた!そなたは封印された墓を神々の恩寵で抜け出し、再び生者の間に戻ってきたのだ!
おお、そなたが私の愛したそなただというこれ以上の証拠、保証があろうか!」

「で、でもメンフィス!私はここに居られないの!言ったでしょう?帰りたい気持ちは変わらないって」
メンフィスの嬉しそうな顔が見る見る怒りで歪んだ。
「黙れっ!そなた、私が命じたにも関わらずまだそのような戯言を!
今はそなたの幼さを思いやりもしてやっているが、妻が夫から逃げようとするなど許されぬ!」
キャロルはぐい、と乱暴に引き倒され、気がつけばメンフィスの下に居た。
「居られない、だと!そなたは私の側に居るのだ。夫の命令に逆らうことなど許さぬっ!」
メンフィスは乱暴にキャロルの唇に自分の唇を重ね、深く貪った。
「これ以上、私を怒らせるな、キャロル。そなたの身体だけを抱くような真似をさせてくれるな。分かるな…」

メンフィスはその夜、キャロルを抱きしめたまま過ごした…。

596 名前:戯作 メンフィス4年後 :05/03/17 11:10:11
43
逞しい大柄な体は枷となってキャロルを縛めた。
優しく壊れ物でも扱うかのようにキャロルに接していたメンフィスが初めて見せた男の行動。
恐ろしさと嫌悪で必死に身をよじるキャロルを見下ろすメンフィスの顔は、しかし哀しさに彩られていた。

「何故、泣く?何故、私の側に居るのを嫌がる?」
「私はずっとそなたを待っていたのだ。そなたしか愛さぬと決めていたのだ。神々がそなたを私に返したもうた今、もはやそなたの我侭には付き合えぬ!」
「愛している、愛しているのだ。何故、そなたは素直に私に縋らぬ」

乱暴にキャロルを組み敷き、悲鳴を上げられぬように唇を重ねたまま、メンフィスは切なく囁く。
甘い吐息が、熱い口説が、キャロルを蕩かしていく…。

(私は…メンフィスに流されてしまう。でも歴史に関わって…多くの人の運命を変えてしまう過ちをまた…私は繰り返すの…?いけないわ、そんなこと…。
ああ…ああ…でも……神様、私は…)

メンフィスは自分の瞳が潤んでいるのを知っていた。
愛しい愛しい世界一大切な存在。いつも微笑んで幸せで居て欲しいのにキャロルを泣かせてしまう自分への苛立ち。
想いを知っているくせに答えてくれないキャロルへの闇雲な怒り。

「愛しているのだ…もう私から離れないで呉れ。もう一人にしないで…ほしいのだ…。寂しいのはもう嫌だ」
明け方近く、とうとう気を失ってしまったキャロルを見下ろすメンフィスは、もはや涙を押さえようとはしなかった。

「そなたは私だけのものなのだ。如何にそなたの望みでも…こればかりは叶えてやれぬ…」
メンフィスはキャロルの鎖骨の窪みに所有の刻印を押し、苦い気持ちで自室へ引き取っていった。

597 名前:名無し草 :05/03/17 12:02:50
>メンフィス4年後
大人のメンフィスに「一人にしないで」「寂しいのはもう嫌だ」なんて言われたい(*´Д`)
そんな時に気を失っちゃうキャロルは相変わらず・・・w

598 名前:名無し草 :05/03/17 14:44:25
原作のメンフィスは単細胞っぽくてあんまり好きじゃないけど
4年後メンフィスは激しい中にも大人の哀愁が備わっていてホントいいわ〜

599 名前:名無し草 :05/03/17 14:52:34
メンフィス4年後様
私も大人のメンフィスに「一人にしないで欲しい」なんて言われたら
一気になくした記憶が蘇ってしまう。
キャロルが羨ましいです。
メンフィスの切ない気持ちが伝わってきます。
また、続きお願いします。


600 名前:名無し草 :05/03/17 15:05:36
ムフ

601 名前:名無し草 :05/03/17 15:44:35
>>587、他の方々
バビロニアの王妃の立場にある女性が死後、出身地であるエジプトの王の墓に
ミイラ処置されたうえ合葬されるに至る理由ってどんなことが
考えられるでしょうかねえ。
もちろん女性に不名誉なことにならずに、かつ無理のない展開って
どうしたらいいと思いますか。

602 名前:抜けない棘 :05/03/17 15:51:42
>>552
16
メンフィスのキスとは違う、とイズミル王子の口付けを受けながらキャロルは思う。
メンフィスは始めこそはいつも強引に唇を重ねはするのに、その後は壊れ物でも触れるかのように、
キャロルを恐れさせない優しいキスをした。
そう、いつでもメンフィスはキャロルを気遣い甘やかし掌中の玉のように大切にしていた。
それはキャロルにしか分からないものだった。
でも王子は違う。
いくらキャロルが拒もうとしても巧みにキャロルを唆し応えさせ自分の知らない部分を引きずり出されるような甘美な恐怖がある。
気がつけばキャロルの溢れた涙を王子の唇は吸い取り、自分は切なげに息を切らしているのだ。
「そなたの泣き顔ばかり見ている、そのようなつもりはないというに・・・。」
王子の声はキャロルの耳元で低く甘く響いて、それはキャロルにまた新しい涙を誘う。

鍛え上げられた広い胸に抱き寄せられ、手が全身を撫でさせるうちにキャロルにも自分の体の中の変化を自覚させる。
王子の手が触れたところから広がる熱い快感の波、胸の鼓動がまるで王子のまで聞こえるかのよう。
そして自分でも否定したいほどの下腹部の中の飢餓感が驚くほどにキャロルを追い詰めた。
その困惑が表情に出たのだろう、王子はふっと薄い笑いをキャロルに見せた。
その王子の笑みがキャロルは恐ろしかった。もう耐えられないかも知れないと予感する。
「もう、もうやめて下さい、お願い・・。」
叶わない願いだと知っていても口に出さずにはおられなかった。

603 名前:抜けない棘 :05/03/17 15:53:41
17
「体に力が入らぬはずだ、抗うのをやめよ、そなたが嫌がることはせぬ。」
王子の口はどんな女でも従うであろう魔力があるようにキャロルの耳に届いた。
王子の手はキャロルの全身をくまなく愛撫するのに、キャロルが望む場所へだけは巧みに避ける。
それが一層飢餓感を強め、キャロルの心が「もっと触れて!」と望み、そうはさせじと「これ以上触れないで!」と相反する理性とに分れては
もっとキャロルを追い詰めていくのだ。
メンフィスのために我が身を奮い立たせようとするのに、王子の唇が、指がキャロルの体を支配していく。
圧し掛かる重み、目に映るのは鍛えられた鋼の肉体、太い腕、己を誇示するかのように頭を持ち上げる男らしい部分、
全てがキャロルの理性を崩壊させようとしている。
負けたくない、こんな事で屈したくはない、なのに抗おうと腕を動かしたいのにそれもままならず、
体の中心は更なる快楽を求めてもっともっとと熱く疼く。

「そなたの声はなんと甘く響くことか、その声を私がどれほど切望していたか分るまい。」
王子の声に混じって部屋中に響く喘ぎ声がやっと自分のものだとキャロルは知る。
「もうだめ・・・。落ちてしまう・・・。」
絶望と快楽の間でキャロルの目から新たに涙が溢れる。
次にキャロルが気付いた時は快楽の嵐が去り、満足そうに微笑むイズミル王子の顔を間近に見た時だった。
そして終わりだと思った自分がいかに間違っていたのか、身をもって知った。
受け入れたことのない未知の部分さえもが王子の所有の刻印が押されたのだった。


604 名前:名無し草 :05/03/17 17:32:25
雌犬以下ですな。

605 名前:名無し草 :05/03/17 17:37:38
ハッハッハァ

606 名前:名無し草 :05/03/17 17:43:41
>>601
自分で考えろ

607 名前:名無し草 :05/03/17 18:13:38
抜けない棘作家様、ありがとうございます。
メンフィスを忘れられずにいながら、王子に恐れを抱いているのに惹かれて
しまうキャロルの気持ちは原作に近いよ〜
王子って冷酷で有無を言わせぬ雰囲気なんだけど、本当にキャロルを愛して
いるのよね〜その裏腹が大好き。つくづくM女だわ>自分

608 名前:名無し草 :05/03/17 18:18:01
>>601
ラガシュ王が暗殺されて、アイシスにその疑いがひそかにかけられる。それに気付いた
お付きの者たちが、ひそかにエジプトに脱出させる。メンヒスは、下エジプトの将軍
たちに説得され、しぶしぶアイシスのエジプト帰りを承諾。ただし、下エジプトの
神殿に終生幽閉される。そして、アイシスのミイラはテーベで発見されるに至る。

という展開はどうでしょ?

609 名前:名無し草 :05/03/17 18:38:39
抜けない棘作家様、うpありがとうございます。
もう王子が登場するだけで(*´д`*)ムッハー

610 名前:名無し草 :05/03/17 18:59:29
メンフィス4年後様、うpありがとうございます。

ほんと、少年時代は単細胞のメンフィスですが、年を重ねると
こんなに素敵な男性になるんですねぇ。
色気と理性があって、めちゃくちゃ素敵です。


抜けない棘作家様
王子ものも好きなので、楽しく拝読いたしております。
メンフィスとは違う、静の魅力がある王子もやはり好きです。

611 名前:名無し草 :05/03/17 19:51:26
>>601
そうだな 今考えるとおかしい

612 名前:名無し草 :05/03/17 20:41:23
今考えなくてもおかしい

613 名前:名無し草 :05/03/17 20:49:58
つーか、ナイシスが自分でキャロルを古代に連れてきたのに
逆ギレっつう点もおかしい。

614 名前:名無し草 :05/03/17 21:45:30
アイシスをナイシスっつう点もおかしい。

615 名前:名無し草 :05/03/17 22:02:26
ナイスなアイシス

616 名前:名無し草 :05/03/17 22:25:17
ナイルのアイシス

617 名前:名無し草 :05/03/17 22:47:25
わはは!アイシスだった!!w
でもって、未だに矛盾に思うのですが・・・
アイシスは自分がキャロルを古代に連れてきている事を忘れたのかなぁ?

618 名前:名無し草 :05/03/17 23:16:05
>抜けない棘
いいですね〜
たがいに命がけな王子とキャロル。
すごい緊迫感があります。

619 名前:名無し草 :05/03/17 23:47:16
>>617
アイシスが、ってよりもセンセーが忘r(ry

620 名前:名無し草 :05/03/17 23:51:34
って、もしや>>601は細k

621 名前:名無し草 :05/03/18 00:29:32
細kキタ━━━ヽ(ヽ(゜ヽ(゜∀ヽ(゜∀゜ヽ(゜∀゜)ノ゜∀゜)ノ∀゜)
ノ゜)ノ)ノ━━━!!!! 

622 名前:名無し草 :05/03/18 01:09:22
ひゃああ

623 名前:名無し草 :05/03/18 11:37:34
メンヒス4年後の続きを楽しみにしております〜
作家様、お忙しいとは思いますがどうか宜しくです。

624 名前:抜けない棘 :05/03/18 16:24:27
>>603
18
蕩けるほどの快楽と同時に生身が裂けるほどの苦痛をもたらした男の手は労わりながら
キャロルの身を清めていく。
イズミル王子から顔を背けるキャロルの頬には幾筋もの涙の跡。
今はあっさりと墜ちてしまった我が身とメンフィスへの罪悪感がキャロルを呆然とさせている。
それに気付きながらも王子の手は丁寧に布でキャロルの白い肌を拭い脱がせた衣を着せつける。
下半身を隠すようにさっと衣を巻きつけるとイズミル王子はキャロルの横へと寝転び、
静かにだが逆らうことの出来ない力で胸に抱き寄せた。
乱れた金の髪を払い撫でつけながらいとおしそうに触れる手の動きはとても優しい。
「・・・辛かったであろう、よく耐えた。」
それは王子と閨を共にしたこと全てを示すのか、キャロルに苦痛を与えたことなのか、
その言葉がようやくキャロルに負けん気を思い出せる。
「もう満足した?お願い、もう離してください、私は、私は・・・。」
なのに零れ落ちる言葉は泣き言ばかり、止まっていた涙さえもがまた溢れてくる。

受け止める胸は温かく安心感があった、そしてそこしか頼ることのできない自分が悔しく情けない。
ただキャロルは哀しかった。自分の全ては目の前の男に奪われ、メンフィスを想うことも今の自分には過ぎた願いなのかと。
メンフィスにさえ与えたことのない部分までもをその力で征服して、今まで知らなかった陶酔を感じた自分の体は気持ちを裏切った。
なのに頬に当たる張りのある胸板も、回された頼り甲斐のある腕も、背を撫でる優しい手つきも、涙を拭う唇も、
恐ろしいとは思えず、それはキャロルをますます切なくさせた。




625 名前:抜けない棘 :05/03/18 16:28:48
19
「今宵はもう休め、明日そなたと共にエジプトに参るゆえ、休養をとらねば体がもたぬぞ。」
淡々と話す王子の言葉にキャロルは驚いて涙に濡れた面を上げた。
「エジプトに帰られるの?」
帰る、という言葉が王子には癪に障ったらしく、それを少し王子は口許に表したが、手は止まることなくキャロルの背を優しく撫でている。
王子の表情はキャロルがよく知っている落ち着き払った涼やかな顔だった。
「エジプト王家の者が亡くなった場合、納棺まではどれほど掛かるかそなたなら知っておろう。」
メンフィスのことを想いつつキャロルは「およそ70日前後はかかる」と答えた。
それは単純に遺体をミイラにするまでの日数で、葬儀の儀がどれほどかかるかまではキャロルにも想像が付かなかった。
「では我らは少しでも急がねばならぬ、その日数で次の王位継承者が決まるゆえな。
 今エジプトは混乱の極み、アイシスが単身帰国して王宮を牛耳ろうとしておるが、
 そなたにも王位継承権があるゆえに議会からも保留されておるとも聞いた。
 早くその姿をエジプトの民に見せてやるがよい、私の妃となったそなたの姿をな。」





626 名前:抜けない棘 :05/03/18 16:39:34

20
キャロルの顔は青ざめた。
エジプトの王位を巡ってアイシスと私が争わなければならないの?
でもまだメンフィスの弟のネバメンだっていた、エジプトはどうなるの?
「私、帰らないわ、帰られるわけない・・・!」
ヒッタイトの王子妃になった私なんて、ナフテラも、ウナスもテティだって、皆私が裏切ったと思うに決まってる。
「もう遅い、エジプトには親書を送っておいた、そなたは正式にわが妃となったが、
 メンフィス王への哀悼の意を持って葬儀に参列するとな、無論夫たる私もだが。」
予想外の返答に眩暈がしそうになるのを耐えながらキャロルはもう一度王子に尋ねた。
「あなたは私ではなく、エジプトを狙っていたのね?そうなのでしょう?」
王子の手はいとおしげにキャロルの肌を滑り、口許にはうssuらと笑みが浮んだ。
「そなたを愛しておる、偽りではない、だがこの機会を逃すほど私は愚かではない。
 戦を起こさなければ良いのであろう?そなたが最も厭う戦をな。
 そなたさえおれば戦は無用になる、我がヒッタイトがエジプトを支配してもよかろう。」
高らかに王者らしい笑いを見せて、王子はキャロルを力強く抱きしめた、蒼白のキャロルの顔に口付けの雨を降らせて。

涙が止まらないキャロルを王子は抱き寄せていた。
耳元でキャロルを愛しているのだと囁いて、苦痛を与えたことを埋め合わせしようとするかのように。
あんなにも自分が愛したエジプト、なのに今の自分は王位争いの駒となっていて、
キャロルが愛した人たちからも怪訝な面持ちで見られるのは確実だろう。
何より自分はメンフィスの妃だったからこそ、皆も大切にしててくれたのだから。
帰りたくても帰ってはいけない。
なのに今の立場はヒッタイトのイズミル王子の妃なのだ。
その自分を皆が受け入れてくれるとは思えなかった。
何の解決法も見つからずキャロルはただ泣いた、イズミル王子に抱かれて。
泣き疲れて寝入るまで王子の手は休むことなくキャロルを癒し続けた。



627 名前:名無し草 :05/03/18 16:59:20
メンフィス4年後様
切なすぎのシチュエーションに萌えます。
大人のメンフィス.。゚+.(・∀・)゚+.゚イイ!!

628 名前:名無し草 :05/03/18 17:03:42
こんな肉欲だけのキャロルってサイテー!
でも、このレベルまで堕ちればストーカー王子には相応しいかも。

629 名前:名無し草 :05/03/18 17:32:56
>628
原作のキャロルに拘りすぎ!
別次元のパラレルワールドだと思って読む方がいい。

630 名前:名無し草 :05/03/18 17:43:30
>次にキャロルが気付いた時は快楽の嵐が去り…
>今はあっさりと墜ちてしまった我が身…

ええっ?キャロルはもう王子に抱かれてしまったのですね?(-_-;)
今日読むまで気付かなかったなんて!おろかだ>自分
抜けない棘作家様、次にキャロルが王子に抱かれる時は、甘〜いシチュを
期待しております!

631 名前:名無し草 :05/03/18 17:45:54
>>629
>>628は前スレからずっと棘作家様に絡んでたストーカー
うpされる度にイチャモンつけてる
スルーよろしこ

632 名前:名無し草 :05/03/18 17:49:40
>>631
わざわざ書かなくてもみんなわかっていると思うよ。
作家様への批判は今に始まったことじゃないし。ここに書き込みするくらいなら、
読まずにスルーしてほしいよね。

抜けない棘作家様、がんがれ!
他の作家様たちもがんがれ!最近、毎日うpされていて、本当に楽しみです〜〜

633 名前:名無し草 :05/03/18 17:56:20
抜けない棘作家様
粘着なのはさらっとスルーで。
次々とアップしていただけてうれしいですっ。
愛しながらもしたたかな王子。
どこまでも負けん気の強いキャロル。
すごくいいです。


634 名前:名無し草 :05/03/18 18:13:35
抜けない棘作家様、うpありがとうございます。

冷静沈着な王子ってやっぱり(☆゚∀゚)イイ!

635 名前:月影の詩 :05/03/18 20:06:04
28.
「何たることえ?麗しきヒッタイトの王子イズミルよ、何故イリスの娘御を抱ききませ
ぬ?このキルケーがイリスの娘にかけし妖かしが効かぬとは…さすがに令名高きヒッタイ
トの王子…わが手の内を読まれているのかえ?さようなことはこのキルケーが許しませぬ
え…なんとかしなければいけませぬなあ…」
大理石の器でできた揺れる水鏡で、二人の様子を覗いていた妖かしの魔女キルケーは一人、
ヒッタイトの地よりはるか離れたエジプトの都で屈辱の念に駆られていた。
「わが生まれし遠きアイアイエの島にて、かの高名なるオディッセウス殿さえも手中に収
めしこのキルケーの妖かしが通じぬとは。エジプトのファラオでさえわが妖かしに惑わさ
れるというに…かくなりにしは、このキルケーが直々にそなたを思いのままにしますぞえ、
…待ちなさるがよいえ、美しきイズミル王子よ…」



636 名前:月影の詩 :05/03/18 20:06:33
29.
まもなくイシュタル(暁の明星)が東の空に上ろうとする夜明けだった。ふと目覚めたキ
ャサリンは、自分の体に廻されている王子の腕の感触にふと夕べの戯れを思い出し頬を染
めずにはいられない。二人はそのまま、寝台で抱き合って眠りについたのだった。
「王子…、眠っているのね…」
目の前には、王子の端整な横顔がやすらかな寝息を立てていた。
「姫…どこにも行くでない…」
王子はつぶやくと、腕の中のキャサリンを一層抱きしめてくる。その声を聞き、キャサリ
ンの胸は痛んだ。
(王子…、あなたは夢の中でもナイルの姫を求めているのね…、なぜそこまで自分を受け
入れてはくれない女性を想い続けることができるの?ナイルの姫は、あなたの心を深く傷
つけ、体の傷も癒してはくれない他人の妻である身の上。この私が、あなたの心からナイ
ルの姫を忘れさせてあげることができるのかしら…?いつか、姫の身代わりではなく、私
を愛して下さるのなら…王子、私はあなたの腕の中にいつまでもいたい…!忘れさせてあ
げたい…!ナイルの姫を。たとえ、このまま記憶が戻らなくてもかまわないわ)
「私は、ナイルの姫じゃないわ、王子…」
そうつぶやくと、キャサリンは眠っている王子の頬をそっと両手で挟み、自ら唇を重ねた。
「う…む?…キャ…サリン…?姫と間違っていた…と申すか?」
「そうよ、王子、私です」
「そ…うか。では、姫を忘れさせたいと申すのなら…もう一度、口づけをしておくれ…、
さすれば、キャサリン…私はそなたに溺れてしまうかもしれぬ…」
キャサリンが甘い言葉にとまどって答えを探しているうちに、王子は、琥珀色の瞳をうっ
すら開けると優しく微笑み、キャサリンを抱き寄せた。そしてそっと口づけを交わすと
再びやすらかな眠りへと落ちていった。


637 名前:月影の詩 :05/03/18 20:08:10
30.
「なにぃ?キルケーがいないだと?それはまことか、キャロル!きちんと探したのか?私
は、今までなぜにあのような者を側近くに侍らせていたのか?わからぬ!」
メンフィスは、宮中にキルケーの姿が見当たらないという報告を妃・キャロルより聞いて、
眠りから覚めたように、今までの自分の行いを恥じた。
「だ、だって、メンフィス…どこにもいないんですもの!私だってきちんと探したわ。で
も、ゆうべから姿が見当たらないの」
身重のキャロルは、取り乱し、泣きそうな顔をしていた。
「そなたを責めておらぬ、キャロル。しかし、一体どこへ行ったというのだ、ナフテラ、
そちは知らぬか?あれは、妖かしの者と前々から疑っていたのだ…やはり…!わがエジプ
トの内情を国外に持ち出す隠密かもしれぬ、しかと探さねば」
「私は何も存じませぬ、申し訳ござりませぬ。女官の責任者たるこの私めの手落ちにこざ
りまする。この上は、女官全員で手分けをして隅から隅までキルケーを探す所存ゆえ、し
ばらくお待ちくださりませ!」


638 名前:月影の詩 :05/03/18 20:08:39
31.
キルケーがファラオ夫妻の近くに侍るようになってからというもの、影が薄く面白くない
思いをしていたナフテラはここぞとばかり、張り切っている様子である。
「うむ、頼むぞ。外は、ミヌーエ将軍以下主だったものに当たらせるゆえ。妖かしの女子
をそのままにはできぬ。キャロル、そなたは部屋で休んでいるのだぞ、和子に触るといけ
ない。キルケーのことで気に病まぬように」
「でも、メンフィス、キルケーの予言は本当に当たるわ。和子のことだって、キルケーの
予言どおりなのよ。そのキルケーが隠密だなんて…あなたもキルケーを頼りに思っていた
こともあるというのに…」
「むうぅ…!キャロル!愛しきそなたの言葉でなければ、ただではおかぬぞ!大エジプト
のファラオたるこのメンフィスが、たかだか他国より来たりし女ごときに惑わされていた
と申すか?(いや、まさに惑わされていたのだ!しかしそんなことは認めぬ!)エジプトを統べるはファラオたる私だ、それを忘れるでないぞ!」
メンフィスのやり場のない怒りがキャロルにも伝わってきた。
「メンフィス、ごめんなさない、私、そんなつもりではなかったの。でも、言われてみれ
ばそのとおりだわ…。あのキルケーは、私が王子の元から戻った頃合にうまいことメンフ
ィスに取り入って、ここにいついてしまった妖しい素性の持ち主…、メンフィス、あなた
の言うとおり、隠密かもしれないわ」
「さすがは賢きそなた、私の気持ちも同じだ。手遅れにならず幸いとも言えようぞ。さあ、
もうよい、そなたは部屋で休んでいるがいい」

(妖しき魔女、キルケーよ、見つけたらただではおかぬぞ。このエジプトの内情を他国に
持ち出すようなことあらば…ましてこのファラオを意のままにせんとしたことが他国に知
れれば、弱みを握られることになる…くっ…覚えておくがよいぞ!)


639 名前:名無し草 :05/03/18 21:30:02
続々のアップ、作家様がたありがとうございます!

>月影
キャサリンとキャロル。
相手もきっかけも違うけど
一途に相手を愛するところ、似てると思う。
王子、キルケーに負けるなー!

640 名前:名無し草 :05/03/18 21:51:57
<帰られる
やめて下さい。
そんなヘンな言葉は有りません。

641 名前:名無し草 :05/03/18 22:09:25
>帰られる
640はおかしいと思うなら
どこがおかしいのか、どうすればただしいのか
ちゃんと説明すべき。
でなければスルー。


642 名前:名無し草 :05/03/18 22:24:32
>641
640じゃないけど。

間違ってるのは事実なんだから(一人称で使う言葉じゃないでしょ)
そんなレスつけないで、相手にスルーを望むなら自分もスルーしたら?
なんだか煽ってるみたいだよ。

643 名前:名無し草 :05/03/18 22:40:15
キャサリンがどんどん王子を好きになってくのがよいです。
王子に愛される喜びを知ってもらいたい♪

644 名前:名無し草 :05/03/18 23:08:17
途中から読んだので質問してもいいですか?
「抜けない棘」でのメンフィスはどうして亡くなったのですか?
キャロルはどうやってイズミルの手に渡ったのですか?
そして、キャロルは処女だったのですか?
誰か教えて下さい〜〜!!

645 名前:名無し草 :05/03/18 23:54:17
>644
ttp://houka5.com/yuukan/ouke/index.html
っていうとってもありがたいサイトさまがありますよー

646 名前:名無し草 :05/03/18 23:56:01
『抜けない棘』って誤字、わかりにくい文章が多いし
キャロルの言葉遣いが違いすぎる(なんか厨房っぽい喋り方)

647 名前:名無し草 :05/03/19 00:09:03
640です。
マターリ作家様のご光臨を待つものとしては
作家様を凹ますカキコにはちょっっと擁護もしたくなる。
批判がだめとは思わないけどせめて建設的なものをお願いしたかった。
作品読みたくてここに来てるんでしょ?
でも、私の発言も場の雰囲気を悪くしたことは確かだと思うので
今後もっと気をつけようと思う。
注意してくれてありがとう。

いろんな王家があっていいじゃないの。
こまかいことは気にしない。

では作家さんお待ちしてます!

648 名前:名無し草 :05/03/19 00:15:32
さいしょっから上手に書ける人、そういないよ?
いいじゃん、作品ごとに上達したら。
かけだしの俳優に、演技下手って叩いてるのとおなじ。
器小さいな。

649 名前:名無し草 :05/03/19 00:16:28
                    .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+  マターリ
                    (\(\_/)   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      .          〜  (\ヽ( ゚Д゚)′<   換気致しましょうね〜
.    ∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+  〜 (\ (ナフテラ)つ .\__________
                      (____)        .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+            ∪∪
                             .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
            .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+                  マターリ


650 名前:名無し草 :05/03/19 02:17:22
>>645
ありがとうございます〜〜〜!
思わず読みふけってしまいました。
「抜けない棘」はやはり、いくつかの疑問点や矛盾があるものの、
面白いから桶!って感じです。私は。

651 名前:名無し草 :05/03/19 02:21:06
月影の詩の作家様〜☆
キャサリン応援してますわ〜!いつも楽しみにしています!


652 名前:月影の詩 :05/03/19 10:10:22
32.
「まあ、なんとおきれいなこと!イリスの姫様。さぞかし王子がお喜びになりますことで
しょう。美の女神イシュタル様も嫉妬なさるに違いない美しさでござりまする」
ヒッタイト風の装束を身に纏ったキャサリンの姿を見て、ムーラは満足気に感嘆のため息
を洩らした。色とりどりの花々の刺繍をあしらった繊細な薄手の布地は、色白で華奢なキ
ャサリンの美しさを際立たせている。そして、ムーラはその黄金の豊かな髪の上に見事な
細工の髪飾りをのせ、ベールをおろして仕上げとした。
「ありがとう、ムーラ様。でも、私こんなことには慣れていないわ…ここに来てからほと
んど王子の部屋にいたのだもの…」
「このムーラもお供いたしますゆえ、どうぞご安心なさいませ。さあ、宮中の大広間では
国交に関する御前会議も終わり、国王陛下ご夫妻はじめ、各国の名だたる使者の方々が姫
君をお待ちにござりまする。陛下も、各国の使者が集まるこの日を令名高きわがイズミル
様第一のご側室としてのお披露目にふさわしき日とてお選びになられたのでございましょ
う、今まで世継ぎたる王子のお側には、正式のご側室は誰一人おいでにはなりませんでし
た。必ずや皆様方、美しきイリスの姫君にわがヒッタイトの力を感じるはずにござります
る」
「…、使者の中にはエジプトの使いもいらっしゃるのですか?」
キャサリンは、一番気になっていることをムーラに尋ねた。
「そのはずでござりまする。ナイルの姫君に生き写しのイリスの姫様のお噂は近く、ファ
ラオのお耳にも入ることでしょう。さすれば、お噂はナイルの姫君の耳にも届きまする。
姫君ならば、キャサリン様、あなた様の失われたご記憶も糸口が掴めるかもしれませぬ。
敵国エジプトを抑えるためにも、ナイルの姫様そっくりの御方をご側室になさることは、
わがヒッタイトのためと申せましょう。王子のためは無論のことでございまするが…
さ、早ようなさいませ。王子がお待ちにござりまする」
キャサリンは、抜け目のない乳母ムーラの言葉に複雑な想いを抱かずにはいられなかった
が、あえて言葉を飲み込んだ。


653 名前:月影の詩 :05/03/19 10:11:06
33.
「おお、キャサリン、なんと美しい…私の為に装ってくれたのか?そなたには、わがヒッ
タイトの衣装がよく似合うぞ!さあ、皆が待っておる、私と共に行こうぞ」
部屋の外で待っていた王子は、キャサリンの姿に目を見張った。
「王子…、私、なんだか怖くて緊張しているみたい…。こんなこと、きっと初めてだわ…
何も思い出せないけれどそんな気がするの。諸国の高名なる使者たちの前で、この身を晒
しなどして、粗相があったらどうしましょう?」
キャサリンは、瑠璃色の瞳に不安の影を宿して王子を見上げた。
「心配はいらぬ。このイズミルがそなたの側にずっといるのだ、安心するがいい」
王子は、その手をとると手の平にそっと唇を触れ、そしてキャサリンを抱き寄せて、輝く
金色の髪の中につぶやいた。
「いい香りがする、花の香り…そなたは花咲き乱れるイリスの島の女神なのか…?キャサ
リン、そなたは私の腕の中にいるだけでよいのだ、そなたが心配するようなことは何もな
い、御身は今日より
わが側室ぞ、なんの遠慮もいらぬ。その身をわが胸に委ねればよいのだ」
「王子…」
キャサリンは、王子の胸に顔を埋めた。王子の胸にもかすかに稀少な香の香りがする、王
子の香りだ。王子の胸に抱きしめられる度、この清潔でしかもどこかぴりっとした男性的
な香りに安堵を覚えるようになったのはいつからだろうとキャサリンはぼんやりと考えて
いた。
(ああ、なんだかこわいわ…どうかずっとこのまま抱きしめていて…王子…)
「なんだ?さほどに怯えずとも…私がこの腕で広間まで運んでいってくれようぞ」
王子は、震えるキャサリンをいとおしげに抱き上げ、くくっと笑い声を立てた。
「ダメです、王子。歩けます、それに抱き上げたりしたら、肩の傷に障りますわ。大丈夫、
きちんと歩いてみせますから!」
「わが傷を心配してくれるのは嬉しき限りだが…無理せずともよい、わが愛しきイリスの
姫よ、そなたは羽のように軽いぞ」
キャサリンは抗ったが、王子は可笑しそうに笑いながら腕の中のキャサリンにやさしく口づけをした。
「さ、皆が待っておる、広間へ行こうぞ」


654 名前:名無し草 :05/03/19 10:18:55
行頭を1文字分下げたり、行間をとったりするだけでもだいぶ読みやすく
なると思う…。あと、改行のタイミングというか、語句の途中で改行すると
読みづらいんでそのへん考慮していただけると嬉しい。

皆さん内容は面白いんで、頑張ってください!楽しみにしてます。

655 名前:654 :05/03/19 10:21:22
しまった、リロードするんだった…orz

656 名前:名無し草 :05/03/19 11:39:53
キャサリンは側室なのですか?
正室じゃないんですか?
幸せにしてあげて〜〜〜!!!

657 名前:名無し草 :05/03/19 11:45:32
素性がわからないからまず側室、ってことかな?
まだ王&王妃に会ってないんだっけ?いきなり正室に、って言ったら
周囲の衝撃が大きいかもしらんね。

作家の皆様、毎日うpしてくれてありがとう。
でも投下前に校正は忘れずにお願いしますね( ´∀`)


658 名前:名無し草 :05/03/19 13:00:00
<月影の詩

王子が幸せそうでうれしい!
キャサリンを守ってあげてねー
展開が読めずはらはらどきどきしてます。

659 名前:名無し草 :05/03/20 00:16:02
月影の詩さま
実は双子という発想が素晴らしいです!
メンフィスにはキャロル、王子にはキャサリン
これで万事まるく収まるわぁ。

660 名前:名無し草 :05/03/20 05:22:19
月影の詩さま〜〜!
王子とキャサリンの雰囲気がなんだかいいかんじです
付き合い始めの恋人達のようで。。新鮮です .:*:・´゚☆。.:*:・´゚ 。.:*:・´゚☆。.

661 名前:名無し草 :05/03/21 00:51:12
どの作品も読むのがとても楽しみです。
続きがうpされてないか、日に何度もこのスレをチェックしてしまいます。

662 名前:蓮と薔薇 :2005/03/21(月) 13:01:03
>>574
73
騒ぎから数日後。
キャロルは一人、奥庭に居た。王子がキャロルにだけ出入りを許したその美しい庭でキャロルは物思いに耽る。

がさっ!どん!
不意にキャロルの目の前の潅木が割れるように開き、中から怯えきった様子の女が─臨月らしく大きな腹をしている─現れた。

「! あなたは…」
「お願いです、どうか見逃して!私はモリオネー様に殺されてしまうんです!
どうか逃がしてください、死ぬのは嫌っ…」
泣きはらした顔で必死に嘆願する。女は王宮の中に作られている有事の際に使う秘密の通路を使ったらしい。
「お願い。私は子供を産んだら殺されて櫃に詰められて捨てられるんです!
モ、モリオネー様が、そ、そうするって言って。赤ん坊だけ要るんだから私は要らないって…。モリオネー様は赤ちゃんがいないんです、本当は…。
わ、私は殺すって…子供だけしか要らないって…」

(では……モリオネーは身篭ってなんかいない?!何てことかしら?!
この人の子を自分の子ということにして…国母の地位まで狙ったということ?でなければ、この人を殺そうなどとは企まないはずよ)
キャロルは、縋る女の目を見て即断した。
「ね、あなた。もう大丈夫よ。安心なさい。あなたを逃がしてあげます。安全に王宮の外に出られる秘密の道があります。
東の市広場に、施薬院があるのよ。あなたみたいな人を守って助けてくれるわ。そこにお行きなさい」
キャロルは…人を人とも思わぬあのモリオネーに今、勝利した、と感じていた…。

663 名前:蓮と薔薇 :2005/03/21(月) 13:01:31
74
「あ、あなた…は…?」
なおも怯えた顔をして自分の顔を見る女の目の前で、キャロルは髪の毛を覆っていたベールを取った。
「! ナ、ナイルの姫様?あ、あなた様が守ってくださるのですか?ああ…ならばきっと大丈夫だわ!ありがたいこと!」

キャロルは奥庭の隅にある秘密の通路の入り口まで女を案内してやった。
「この先は、王宮の北側の人目のない通りに通じているの。よく用心してから出て。そして無事に外に出られたならば…この通路のことはもう口外してはいけませんよ。
分かる?あなたを通してあげるのはごく限られた人しか知ってはいけない通路なの。約束してちょうだい」
「は、はい。姫様。お約束いたします。姫様は私を助けてくださるんですよね?ね?」
混乱した様子の女の手の中に、キャロルは腕にしていた金の腕輪を幾本か滑り込ませた。
「これを…。何かの足しになるでしょうし、施薬院の人もこれを見ればあなたを大切にしてくれるわ。
…さぁ、泣かないで。気をしっかり持ってお行きなさい。そして良い子を産んでね。祈っているわ」
「お、恐れ多いことでございます。姫様。このご恩はきっと忘れませぬ」
「……さっき私に話してくれたことや、私があなたを逃がしてあげたことは言わないほうがいいでしょう。
施薬院の人達は皆信用できるけれど、噂がモリオネー様の耳に入らないとも限らないわ」

幾度も幾度もお辞儀をしながら暗い通路の向こうに消えていった女をキャロルは祈るような気持ちで見送っていた…。

664 名前:蓮と薔薇 :2005/03/21(月) 13:03:29
75
(私は…モリオネーの秘密を握ったのだわ。ことある毎に私を侮辱したあの高慢なモリオネーの…)
その時、お腹の中の胎児が元気に動いた。キャロルは、はっと我に帰り優しく腹部を撫でた。
「何でもないわ。大丈夫よ。…私はこのことを誰にも言わないわ。
このことを利用して卑怯な真似なんかしないわ。だって、そんなことは王子の血を引くあなたに相応しくないものね」
キャロルは小さくため息をついた。
「……ただ誰にも言わないでいるだけ…よ…」
キャロルは静まり返る正妃の宮殿をそっと見上げた。

一方、あの女の脱走に気づいたモリオネーは気も狂わんばかりだった。
「何ということなの、逃げられるなんて!一体どうして…っ!」
「奥の隠し部屋に入れておきましたが、どうやってか抜け道を見つけて外に出たらしゅうございます。
あの…やはり先ほどのモリオネー様のお言葉を漏れ聞いて恐れをなしたのでは?」
「お黙り、乳母や!ああ、どうしよう?私はもう‘臨月’なのよ?今更、子が流れましたなどと言えて?早く何とかしなければ私は破滅だわ!」
引きつけんばかりに取り乱すモリオネーに鎮静剤を飲ませて乳母と産婆は代わる代わる言った。
「今は落ち着かれませ。女の行方は手を尽くして探しましょう。もし見つからぬ場合は…和子は死産ということにするか…間に合うならば適当な赤子を調達いたしますゆえ」
「万一、あの女が外に出て喋ったところで私達は何も知らぬ存ぜぬを通せば良いのです。誰が卑しい女の言葉になど耳を傾けましょう?」

665 名前:蓮と薔薇 :2005/03/21(月) 13:03:56
76
冬至の大祭が訪れた。至高神の力の極まる時、太陽の力の蘇りを翌日に控えた聖なる日。
ヒッタイトの臣下百官は嵐の神の大神殿に参集し、最高神官たる国王が挙行する祭儀に参加する。

大神殿に集まった人々は、一段高くなった場所に立つ王の一家を見て好奇の目を押さえることができない。
正妃モリオネーはいつ産気づいてもおかしくない大きなお腹を、華やかな盛装に包んで立ち、モリオネーに遅れること3ヶ月ほどで出産するナイルの妃も侍立している。

─モリオネー様まで儀式に立ち会われるとは。見よ、何とも険しいお顔をなさって。ナイルの姫君に負けまいとて祭儀に参加されたのであろうか?
─モリオネー様は、身篭られたナイルのお妃様にずいぶんと辛くあたられたそうじゃが…。

モリオネーは視界の片隅にキャロルの姿を捉え、激しい憎しみを感じた。
(おのれ、あの女!身のほど知らずにも王子の和子を身ごもった泥棒猫めが。
見ておいで、無事に産ませてなどやるものか…)
モリオネーは仕掛け指輪の中に隠された白い粉薬─血の道を狂わせて子を流す秘薬─のことを考えた。
(あの女を何とかしてよろめかせて転ばせて…介抱するふりをして薬を嗅がせればいい。飲ませるよりは効き目が遅く出るけれど、和子は流れる…)

666 名前:名無し草 :2005/03/21(月) 13:41:40
森尾根ー

667 名前:名無し草 :2005/03/21(月) 13:42:13
エンニォ・モリオーネ

668 名前:名無し草 :2005/03/21(月) 14:31:56
モリオネー、どこまでもあきらめないのねっ!
悪役はこうでなくっちゃ〜
キャロル、まけるなっ!

669 名前:名無し草 :2005/03/21(月) 14:57:06
すごい面白い展開です!
王子とキャロルのラブラブよりも、キャロルとモリの女の戦いがすばらしい

670 名前:名無し草 :2005/03/21(月) 15:28:19
ナイルの女御vs.モリオネー中宮
さて、皇子イズミルの君はいかがいたすか?
「王家源氏物語」ですな〜〜♪
楽しみにしております、蓮薔薇作家様!

671 名前:名無し草 :2005/03/21(月) 16:35:06
>669
同じくこっちの方が楽しみになってきた

672 名前:名無し草 :2005/03/21(月) 17:16:12
ラブラブも戦いもどっちも楽しみ。
このお話のキャロル、かわいいのに実は王子より頼もしい気がする。
源氏っぽいといえばそうだけど
キャロルは桐壺の更衣なんかよりずっと強そう。

673 名前:名無し草 :2005/03/21(月) 18:04:19
34.
「おお、あれがイズミル王子のご側室とな?ナイルの姫そっくりではないか」
「まことに。一体どこから探してきた姫だ?」
「ナイルの姫には姉妹がいたのか?よもやナイルの女神ハピにはもう一人娘がいたか?」
「イズミル王子が以前よりナイルの姫に執心していたのは知っていたが、生き写しの姫を
見つけるとは…さすがにヒッタイトの国力を持ってすれば不可能はないということか」
「ナイルの姫に執心するのは、イズミル王子だけではあるまい。アッシリアのアルゴン王
もバビロニアのラガシュ王も同様のこと。あの姫の存在は、他国に波紋を投げかけるに相
違あるまい」

最高神テシュプを祭る大神殿の謁見の間にいた多くの他国の使者たちが、キャサリンの姿
に驚愕していた。
その中から一人進み出る女人の姿があった。
「ヒッタイト国王陛下、イズミル王子殿下、素晴らしくお美しい姫君であらせられますこ
と、まことに喜ばしきことかと存知まする」
見慣れぬ女人の艶やかさに、大広間はしーんと波を打ったように静かになった。
「ほほう、これはまた美しき御方じゃ。して、どちらのご使者であられたかな?」
女性好きで知られるヒッタイト王が、その艶やかさに目を奪われ最初に声をかけた。
「はい、陛下、私はギリシャの西方にありまする小国アイアイエ島よりの使者でございまする。この度、偉大なるヒッタイトのお噂をお聞きし、ぜひわが島との交易をと思いまして、女王である私自ら参上いたしました、お見知りおきを」

年の頃、30前後であろうか、亜麻色に豊かに波打つ髪、エーゲ海を思わせる蒼い瞳、ギリシャ風の衣装にたおやかな肢体包んだその姿にヒッタイト王は目を細めた。

「はて?アイアイエ島とな?聞きなれぬ島の名前じゃが…して、そなたはその島の女王と
申すか?一体どのような島じゃ、そなたの島は?」
「よくぞお聞き下さりました。わが島は、ギリシャの太陽神ヘリオス様の祝福を受けた小
さきながらも豊かなる島にて、必ずや、交易により陛下のお力になれると信じております
る。また、良人なきこの身の上ではありまするが、故郷のために精一杯の働きを成し遂げ
たき思いで、このハットゥシャまで参った所存にございます」

女王は艶っぽい声でヒッタイト王の関心をひきつけようとしていた。


674 名前:名無し草 :2005/03/21(月) 18:07:06
35.
「ほほう、夫亡き身で国を治めるとは健気なことじゃ。して、麗しき女王殿、そなたの名
をお聞かせいただきたいものじゃが」
「はい、アイアイエのペネロペーと申しまする、陛下、お見知りおきを。この度は、お近
づきのしるしにわが島より数々の名品を持って参りました。ぜひ、イズミル様とそのご側
室様にもお祝いのお品を差し上げたく存知まする」
「おお、それはありがたきこと。イズミルよ、女王よりぜひ受け取るがよいぞ。ペネロペ
ー殿、遠路はるばる女の身で大変だったことじゃろう、どうかこのハットゥシャで好きな
だけごゆるりとなさるがよかろう」
「身に余るお言葉、ありがたくお受けいたしまする。イズミル様、こちらは、わが島にて
取れる貝が作る真珠の首飾りにございまする。ぜひ美しきご側室様に…」

王子の前に差し出された大粒の真珠の首飾りは、妖しいまでに美しかった。

「――――ありがたくいただくとしよう、女王殿」
王子は、女王の差し出す真珠を受け取った。
「ペネロペー殿と申されたな?以前にどこかでお会いしたことは…?」
王子は、女王の顔をじっと見つめて首をかしげた。

「いいえ、イズミル様、お目にかかったことはございませぬ。私めは、遠き島に住む者、
偉大なるヒッタイトのお世継ぎに会うことなどありえませぬ」
「これ、イズミルよ、美しき側室がいるというにもう女王の美しさに目が眩みおって、い
い加減にせんか。女王、このヒッタイト王にできることあらば、遠慮なく申せよ」

(父上、また余計なことを…しかし、あの女王、なにか引っかかるが…)
王子は、いぶかしげに父王と女王の様子を眺めていた。

「さて、皆のもの、前置きが長くなってしまった、許せよ。ここに控えるは、この度わが
世継ぎである王子イズミルが娶った側室ぞ、名はキャサリンと申す、はるばるイリスの島
より来たりし娘じゃ。なお、このイズミルにはまだ正妃がおらぬゆえ、ぜひ皆のお力添え
でよき姫君とのご縁をこのわし自ら望んでおると国元にお伝え下され」


675 名前:月影の詩 :2005/03/21(月) 18:08:35
36.
(王子にご正妃…当たり前のことじゃないの…!なのにどうしてこんなに心が痛むの?)
終始無言のまま王子の側でうつむいていたキャサリンは、ヒッタイト王の一言に心がグサ
リと槍で刺されたように痛んだ。

「キャサリン、どうした?気分でもすぐれぬのか?」
キャサリンの変化に気付いた王子は、優しく庇うようにキャサリンの顔を覗き込んだ。
「い、いえ、王子、大丈夫です…、ちょっと緊張が続いただけですわ」
「陛下、各国ご使者の方々、本日はまことにありがとうござりまする。わが妃においては、
気分がすぐれませぬゆえ、これにて失礼つかまつる。陛下におかれましては、私ごときの
為に貴重なお時間を割いていただき光栄至極に存知まする、ではこれにて」
「うむ、ご苦労じゃった」
王子は、来た時同様さっとキャサリンを抱き上げると、大勢が集う謁見の間をさっさと後
にした。

「キャサリン、顔色が悪いが如何いたした」
部屋に戻り、王子はキャサリンの顔を心配気に覗き込んだ。
「いいえ、本当に大丈夫です、申し訳ありません…私のために早々に引き上げて下さって
…陛下はお気を悪くなさいませんでしたでしょうか?」
「気に病むな。父上はそなたの姿を各国の使者に見せ付けたかっただけ、胸の内は承知し
ておる。そなたには辛い思いをさせたな、疲れたであろう、ゆっくりと休むがよいぞ。そ
なたのことはムーラに頼んでおくゆえ」
王子は、優しくそう言うと部屋を後にしようとした。
「王子…、待って、待って下さい!」
キャサリンはそう言うと王子の胸に飛び込んだ。
「!――どうした?キャサリン…?」
「行かないで、行かないで下さい…もう少しこのままで…王子…申し訳ありません。でも、でも、私…」
上を向いたキャサリンの瞳には涙が浮いていた。


676 名前:月影の詩 :2005/03/21(月) 18:12:47
37.
「キャサリン…?この私にいて欲しいと申すか?おお、側にいてやるとも…!」

王子は、キャサリンを抱きしめると露台にある長椅子へと誘った。
露台からはハットゥシャの美しい町並みが一望できた。王子は、腕の中のキャサリンをあ
やすようにやさしく抱きしめながら囁く。
「如何いたした、キャサリンよ…いつもは気丈に振舞えるそなたが…まあ、緊張したのも
無理もあるまいが。こうして私に抱かれていると気が休まるか?どうだ?」
「はい、王子…。あなたの胸はいい香りがして…気分が休まります…」
キャサリンは、王子の胸に顔を埋めながら頬を染めた。王子はそんな様子に微笑んだ。
「いい香り?私はそなたの花のような香りが好きだが…、私の香りは乳香という香だ。南
の国で取れる貴重な香だが、好きで使っておる…。そうか、そなたもこの香りが好きか…」
王子は、キャサリンをより一層いとおしげに抱きしめた。

「キャサリン…、ハットゥシャの街を見よ、美しい街だと思わぬか?…私は遠き異国にあ
る時、いつもこの露台からの街並みを思い出しては慰めとしている。寒く長き冬の後に訪
れる歓びの春、この街の外の荒野には様々な花が咲き乱れる、そして街には活気ある民の
声が響く。―――市場では様々な珍しい香辛料、ヒッタイトの豊かな大地で実る果物、野
菜、パンなどを売っているのだが―――今度、そなたも市に連れて行ってやろうぞ。
他にも、豊かな泉に滾々と湧く雪解けの水、日干し煉瓦の美しい街…私は、心からこのハ
ットゥシャを誇りと思わずにはいられぬ。」

王子の静かな口調に、キャサリンのそこはかとない寂しく不安な気持ちは落ち着いてきた。
「本当に美しい街…私も、どこにあってもこの街を忘れることはないでしょう…」
(そしてあなたの胸の香りとこの腕の中のことも…王子…)
「どこにあってもだと?私は、そなたを手放すつもりなどありはせぬ。どこかへ行ってしまう
など許さぬ。ナイルの姫のごとく私を置き去りにして去ってしまうなど許さぬぞ、キャサ
リン。寒くなってきたな、…春にはまだしばらくかかるとみえる、さあ、中へ入ろうぞ」


677 名前:名無し草 :2005/03/21(月) 20:18:30
>月影の詩作者様
いつも楽しみにしております。
今回は、王子やキャサリンのいい香りがこちらまで漂ってきそう。

ところで、お願いなのですが
新規投稿の一番はじめに前の投稿のアンカーをつけていただくと有難いです。

これからも楽しみにしています(*´∀`*)

678 名前:名無し草 :2005/03/21(月) 21:23:03
作家様方、本当に素敵な物語をいつもありがとうございます。
続きを楽しみにしております。

679 名前:名無し草 :2005/03/21(月) 21:35:33
毎日のように物語が更新されていると
ここを覗くのも楽しいね〜

680 名前:名無し草 :2005/03/21(月) 23:31:19
乳香ってアロマテラピーでいうフランキンセンス、オリバナムのことだけど
たしかに呼吸器系を楽にしてくれるんだよね。

キャサリンのしぐさ、言動、すべて
王子がこうあってほしいと思う理想の形なんじゃないかな。
もしやそれこそがキルケーのあやかし?
続きを妄想するのも楽しいです。
作者様ありがと!

681 名前:抜けない棘 :2005/03/22(火) 16:19:26
>>626
21
エジプトへの旅の最中、イズミル王子は片時もキャロルを傍から離すことはなかった。
兵に指示を与えるときも、馬に乗る時も、そして当然夜の褥の中も。
キャロルはメンフィスを想いエジプトを想いつつも王子の言うなりになるしかなかった。
今自分が王子から逃げ出したところで、結局は王子と同じ狙いの誰かに捕まるしかないことを、
王子がキャロルに言い含めたからだ。

今、エジプトの王位継承権を持つことが明確なのはアイシスとキャロルである。
メンフィスは先王の嫡子と生まれたので、誰も意義を唱えるものがいなかったが、
大筋においてエジプト王家は王位継承権を持つ王女と結婚して王となりエジプトを統治してきた。
兄弟間の結婚が神聖視されてきたのもそれがあるのだ。
メンフィスの弟と名乗り出たネバメンは民の信頼も薄い為、王として即位をするならば
アイシスかキャロルのどちらかと結婚しなければならない。
早い話、アイシスかキャロルと結婚した者がエジプトの王となれるのだ。
今、キャロルがイズミル王子の下を逃げ出したとしても、
エジプトを狙う者が必ずやキャロルを捕えるだろう、と王子は噛んで言い含めるようにキャロルに話した。
「私ほどそなたを大切に扱うという保障もないのだ。ならば私の庇護下に、我が妃として傍におるがよい。
 今のそなたは飢えた狼の大群に狙われた子羊だ。
 私の傍にいた方がよかろうよ。心配せずとも私はそなたを守ってみせよう。」
逃げ出したい気持ちはあったが、キャロルは自分を守るというこの男に自分の身を預ける以外の方法が見つからず、
仕方なくイズミル王子の胸に凭れながらエジプトへと近づいていった。



682 名前:抜けない棘 :2005/03/22(火) 16:21:01
22
ヒッタイト王子夫妻を出迎えたのは、女王然としたアイシスだった。
元々下エジプトの女王だったのだ、誰にはばかることもなく女主人としてイズミル王子とキャロルを出迎えた。
だが見知ったはずのミヌーエ将軍や宰相イムホテップ、キャロルを警護していたウナス、ナフテラ女官長などから漂う困惑した雰囲気が
キャロルを一層悲しませた。
アイシスからヒッタイト王子夫妻を案内するように命令されたナフテラは、
キャロルが以前王妃として使っていた部屋ではなく、最上の客をもてなす為の宮殿へと先導した。
宮殿に着くなり、イズミル王子は席を外し、キャロルとナフテラや侍女達が残され、
ようやくキャロルはナフテラに話しかける機会を得た。

涙ながらにメンフィスの最後を尋ねるキャロルにナフテラも涙を零しつつ、
キャロルが行方不明になり探索命令を出し、メンフィスも必死にキャロルの行方を追ったことや
キャロルの部屋で帰りを待っていたことを告げた。
「夜、お休み前にキャロル様のお部屋で、あなた様のお帰りをお待ちになっていらっしゃいました。
 ですが、キャロル様がいらっしゃらなくなった二日目の夜に、何者かがメンフィス様を背後から・・・!」
「あのメンフィスがそんな簡単に負けるわけないわっ!」
キャロルが思わず口走った。その言葉が更にナフテラの涙を誘った。
「衛兵が駆けつけた時には賊の十数名の死体と共にメンフィス様がお倒れになっておられました。
 お一人で果敢に戦われたのです、賊はこの王宮内にも通じていたようで、メンフィス様がお一人になれれる隙を窺がっていたのでしょう。
 我々が駆けつけた時にはもう・・・。ただ、キャロル、と一言・・・。」
自分を呼んで逝った、その事実がキャロルにメンフィスへの罪悪感を増した。
一頻り、キャロルとナフテラはメンフィスを偲び涙に暮れた。






683 名前:抜けない棘 :2005/03/22(火) 16:24:07
23
少し泣いた後、キャロルはその場にテティが居ないのに気づいて問うた。
哀しみに縁取られはしているが、ナフテラはこれだけは話さなければならないと覚悟を決めたように話す。
メンフィスが亡くなった後、アイシスが単身帰国して王宮に留まりだした頃、ヒッタイトから新書が届き、
その内容で王宮が大騒ぎになったことを。
メンフィスの妃であるはずのキャロルが、いつの間にかヒッタイトのイズミル王子の妃となっており弔問に訪れるということ。
誰もが腑に落ちない顔の中で、唯一人青ざめたテティをナフテラが問いただし、
今までテティが内密にしていた、妖かしの術に囚われたキャロルがイズミル王子と婚儀を挙げた事実を震えながら白状したこと。
テティはその重大な事実を隠匿していた咎により自害を促されたことを。
そしてナフテラはもう以前と同じようにお仕えることは叶わなくなったとキャロルに告げた。
「キャロル様、御身は既にヒッタイト王子妃と相成られました、
 我等はエジプト王家に仕える者でございます、今後はあなた様にお仕え出来ませぬ。」
 




684 名前:抜けない棘 :2005/03/22(火) 16:25:44
24 
既にメンフィスはなく、キャロルの背後にはヒッタイトが構えている、キャロルが望まないにも関わらず。
エジプトに居ながら、これほどエジプトを遥か遠くに感じることになろうとはキャロルも思わなかった。
もうキャロルとナフテラ達の間には深い溝が出来上がっていた。
絶望感に苛まれながら「最後にもう一度だけ、メンフィスの部屋が見たいの、お願い」と
キャロルはナフテラに頼んだ。
「これが最後のご奉公になりましょう。」
ナフテラはキャロルが見知った宮殿へとひっそりと誘った。
主を失くした部屋は整然と整えられていてはいたが、それでもキャロルにはメンフィスの影が見えるような気がした。
今すぐその扉からメンフィスが姿を現しそうな気がして、キャロルは未だにメンフィスの死を受け入れられない。
けれどもう二度と目にすることはないのだ、そう思うと哀しみが後から後からと押し寄せてくる。
そしてナフテラがキャロルを指定された宮殿に案内し、暇を告げた。
「御用があればいつでもお申し付けください、ヒッタイトの王子妃。」
その言葉がキャロルとエジプトのすべての縁を切ったようにキャロルには思われた。
もう自分はエジプトには居られないのだ、エジプトの敵なのだ。
メンフィスだけではない、エジプトに関連する全てのものから引き離されたショックは大きく、
キャロルの目からはもう涙は出なかった。
ただ自分の周りは暗闇だけなのだ、と絶望感がキャロルを満たした。




685 名前:名無し草 :2005/03/22(火) 17:15:57
・・・現代に帰れば?
それが一番エジプトの為になるよ。

と、言ってあげたい展開だね。

686 名前:名無し草 :2005/03/22(火) 17:52:33
もしくは死ねばいいよ<キャロル

ギャハ

687 名前:名無し草 :2005/03/22(火) 18:08:56
>抜けない棘
アップうれしいです!
キャロルは王位継承権がある、ということになっているのにナフテラの
>我等はエジプト王家に仕える者でございます、今後はあなた様にお仕え出来ませぬ。
っていう台詞にはちょっと違和感が。
ナフテラがキャロルに対しての個人的な反感があるって描写はなかったので?でした。
今のキャロルはメンフィスの運命を知ってて何もできなかったからこその
虚脱感なんだと思います。
今後のアイシスとの絡みも楽しみ!
作者さま続きをありがとう!


688 名前:名無し草 :2005/03/22(火) 19:28:35
ちょっぴり、痛い展開ですね。キャロルを幸せにしてあげて下さいね〜お願い>作家様

689 名前:名無し草 :2005/03/22(火) 21:32:14
うーん、作品の内容は好きなんだけど
私もナフテラは、キャロルが王子妃になったとしても、キャロルに対する忠誠心は変わらないのでは?と思います。
原作のナフテラと少しキャラが違う気もしますが、まぁそれも作家様の味付けということでしょうね。
続き楽しみにしてます。

690 名前:名無し草 :2005/03/22(火) 22:19:43
南不寺

691 名前:名無し草 :2005/03/22(火) 22:24:55
イライラする・・・・

692 名前:名無し草 :2005/03/22(火) 22:51:56
かっっ!!!!!

693 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 00:08:11
>N
読みにくい・・・読みにくいのだよ何か。
句読点の打ち方が変なのか、改行が変なのか、文語体が変なのかわからんが
一行を何回も読み返さないと頭に入ってこない。


694 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 00:39:35
つまらないからだろう。

695 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 00:52:40
書いて、読み直して。
この繰り返しで文章は確実によくなってく。
自分が読みにくい文章は
他人はなお読みにくい。
2ちゃんで創作発表するメリットは
ファンサイトとちがってほめ殺しにあわず
自分の能力が相応に評価されるとこかもね。

ネタとかひらめきとかって
訓練でどうもできないところもあるよ。
まだ書き込んでないのかなとは思うけど
自分の萌えを追求してください。
私はこういう話の流れ、いいと思う。
自分のせいじゃないのに味方にまで裏切られるつらいキャロル、
ちょっと今までなかったよね。GJ!
応援してます!
ちょっとマジレス。

696 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 00:57:10
>>689
キャラの捉え方が人それぞれで違うというのがわかっておもしろいよ。私は。
そういう意味では二次創作は自分の中のキャラが位置付けとかが
もろに出るので、好き嫌いの激しいものも出るのかもね。
どんな形であれ作家は神だけど。

697 名前:戯作 メンフィス4年後 :2005/03/23(水) 10:40:42
>>596
44
(メンフィスは…泣いていた…?)
日もすっかり高くなってから物憂く起き上がったキャロルは、侍女達に人形のように着飾らせられながら心ここにあらずだった。

初めてメンフィスが見せた荒々しい行為、愛しさと紙一重の憎しみに突き動かされて迸る罵りの哀しい言葉たち。
(メンフィスは子供のように泣いていたの?あの人の心から逃げ回る私を責めながら…)
夢か現か分からない、意識の迷宮の中で聞いたメンフィスの声。
メンフィスの、剥き出しになった痛々しいまでに一途な心をキャロルは初めて直視したような気がしていた。

ナフテラ達は憔悴した様子で黙ったきりのキャロルを気遣いながらも言葉が出ない。
─メンフィス様は姫様を…もう一度お妃になさったのかしら…?
─お二人とも何もおっしゃらないわ。大丈夫かしら…。

「支度は整ったか?」
ファラオの盛装に身を包んだメンフィスの訪れで、沈みきった部屋の雰囲気がにわかに活気づいた。
「元気か?」
メンフィスはぶっきらぼうに言ってキャロルの髪をぐいっと引っ張った。少し不貞腐れたような照れ隠しの表情にキャロルは思わず微笑したらしかった。
(少しは私に悪いことをしたと思っているらしいわね…)

「何がおかしい?失礼な奴め!」
メンフィスはキャロルにぐいと小箱を押し付けた。
「これを付けよ!」
中身は幅広の見事な首飾りだった。宝石貴石を連ねて燦然と輝く蓮の花を描いた美しい工芸品。
「必要だろうと思って持ってきた。好みに合うかは知らぬがな!」
その時になって初めてキャロルは鏡の中の自分に接吻の跡を見つけ、真っ赤になった…。

698 名前:戯作 メンフィス4年後 :2005/03/23(水) 10:41:22
45
「ど、どこに行くの?」
二の腕を掴まれて、長い廊下を引きずられるように進みながらキャロルは聞いた。
「テーベの街だ!そなたも少しは外が見たかろう!民にそなたを見せて神殿に参る!」

遅い午後の光の中に出た途端、キャロルは天地が震えるかと思うほどの大歓声に包まれた。
「ナイルの姫様だっ!本当に本当に帰って来て下さったんだ!ああ、お姿を拝見するまで信じられなかったよ」
「ファラオとわしらの願いを神々が聞き届けてくださったんだよ。めでたいなぁ…」
「姫様ーっ!私達も神々へのお礼を申し上げに神殿にお供いたします!」
喜びに興奮し、口々にキャロルに呼びかけ、せめて一瞥なりともして欲しいと手を振る人々の熱意に、キャロルは気がつくと涙を流していた。
(こんな私に…ただこの世界から、メンフィスの側から逃げることばかり考えていた私に…皆が呼びかけ、喜びを伝えようとしてくれているわ。私…私…)

「そなたの人望は大したものだ。民の忠誠心と王族への愛着は、国を守る何よりの宝、この上なき砦ぞ…」
二頭立ての馬車にキャロルを抱き上げて、メンフィスは小さく言った。
「私はこの民達を苦しめたくはない。私達を愛し、信頼してくれる民達を幸せに導きたい」
秀麗なメンフィスの顔を見上げて頷くキャロルに素早く接吻し、耳朶を甘く噛むようにしてメンフィスは言った。
「そなたは私のもので…このエジプトの国土と民の母でもあるのだ。それを忘れてはならぬぞ…」
大っぴらなファラオの愛情表現に、人々は大喜びで歓声は高まるばかりだった。酔ったように身体の力の抜けたキャロルをメンフィスはしっかりと抱き、神殿に向かう…。

699 名前:戯作 メンフィス4年後 :2005/03/23(水) 10:42:16
46
壮麗なアメン神の大神殿の正面階段前ではネメス大神官、イムホテップをはじめとする高位の神官、大臣官僚達が恭しくファラオ夫妻を迎えた。
大神官の先導で長い階段を昇るメンフィスとキャロル。まばゆい太陽の光を浴びて並び立つファラオ夫妻を見つめる臣下百官、民衆の真摯な眼差し。
その一途な眼差しを臆することなく受けるメンフィスの威厳に、キャロルもまた自然に頭が下がる思いだった。

「聞け、エジプトの全ての民よ、全ての人ではない者達よ!生きる者、死せる者の隔てなく、エジプトの全ては耳を傾けるがよい!」
朗々たるネメス大神官の声が響き渡った。
「我がエジプトの生ける神なるファラオの王妃、ハピ女神の愛娘たるナイルの姫がオシリス神の御許より還られた!
ナイルの姫は再びこの輝かしいナイルの沃野に戻りたもうたのだ!もはや姫君の墓所は空ろぞ!主無き墓所をファラオと宰相殿と私が確かめた!」

歓声が天地を震わせた。
「私はアメン・ラーの息子として、キャロルの墓の封印を破った!偽者が我らを誑かしたとあっては死せる王妃への冒涜ゆえ!
しかし墓所は空ろであった!私の王妃は確かに墓所を抜け、死者の衣を脱ぎ捨てて生者の間に還ってきたのだ!」
そしてちょうどその時、ホルス神の化身たる隼が太陽を横切るように飛びながら鋭く鳴いた。まるでメンフィスの言葉を裏付け、その涜神的ともいえる行為をも祝福するかのように…。

700 名前:戯作 メンフィス4年後 :2005/03/23(水) 10:44:12
47
人々の天地も割れんばかりの大歓声に軽くよろめいたキャロルを、メンフィスはしっかりと抱き寄せた。
「さぁ、神殿に入ろう、キャロル。そなたを返したもうた神々に感謝を捧げねば」
メンフィスは臣下百官を従えて神殿に入っていく。人々の歓呼の声はいつまでも消えなかった…。

至高聖所でキャロルを従えたメンフィスは感謝の儀式を行った。キャロルはメンフィスに目顔で促されるまま、香を捧げ、祈りの姿勢をとった。
(どうしよう…。流されてしまう。皆が私をメンフィスの許へ、と促す。どうしよう。神様、私がここに居ることはきっと罪なのです。
私がメンフィスを選ぶのはいけないことなのです。どうか、どうか…)
必死に祈るキャロルの目にさらに驚くような光景が飛び込んできた。

信じられないほどの大きさの雄獅子が、至高聖所に追いたてられるように走りこんで来る。身体に響くような唸り声を上げるその獰猛な動物はまっすぐメンフィスとキャロルの居る場所に向かってくる…!
「いやーっ!」
キャロルが悲鳴を上げたのと、メンフィスが剣でその猛獣を一撃のもと倒したのはほぼ同時であった。
「何てこと、するのっ!何てこと…!も、もし、もし、あなたに何かあったら私…っ!」
涙に濡れ、がくがくと震えながら自分を責めるキャロルを、返り血を浴びたメンフィスは強く抱き寄せた。小さな身体の震えが、血に興奮して熱くなった体に心地よい。

「アメン神よ、この獣を御前に捧げる!今改めて我が最愛なるキャロルを娶り、夫婦の絆を結び直せる我に祝福を!」

701 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 11:16:42
棘の人が結構言われてるので、4年後の人の欠点。
(  )で感情表現をしてしまうのは安易すぎるんだよ
あまり多用すべき表現ではない

702 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 11:26:24
4年後様
いつも続きありがとうございます。
再び、キャロルとメンフィスの結婚式シーンですネ!!
メンフィスらしさが出ていて凄く良いです。

ありがたい作家様に難癖付ける前に、自分で書いてみたら?
一生懸命書いてくれる作家様に失礼だと思いませんか?

703 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 11:34:32
( ´,_ゝ`)プッ

704 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 11:41:37
>>701
でも、そんなこと言ったら独白だか独り言だかで、感情表現してるシーンは
原作の方が多いと思う。
私は、この雰囲気が原作イメージに近く感じさせてるんだと思ってたよ。

705 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 12:22:14
ありがたい作家様て……

706 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 12:33:10
>>702
2ちゃんは便所の落書きなんだからさー。
そこに萌えを書き流してるだけなんだから、作家様もクソもないからw
書き手も、きちんとした文責のもと、これは自分の創作という形で発表したいなら
サイトなり同人誌なりで発表するって。

書き手にしろ読み手にしろ、さらっと書いて(読んで)互いに楽しめばそれでOK。
ありがたい作家様とかって崇めるのはお門違い。
ついでに言うと、>>701のように文体や文章を責めるのは更にお門違い。
出版物じゃあるまいし、一時の楽しみを提供するための流し書きなんだから、
どう書こうと書き手の勝手でしょ

707 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 12:56:38
とにかく続きが読みたいのだよ。

708 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 13:28:01
>四年後
原作っぽい華やかな雰囲気にしばし酔いました。
神官がカプターじゃないところが
原作よりさらによし(笑)

709 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 13:49:36
原作っぽい?

710 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 13:55:35
絡んですまんが・・・。
どうして作品に難癖つけたがる人が多いの?
合う人もいれば合わない人もいる、合わなければスルー、それでいいじゃん。
楽しみにしている人だっているんだから。

711 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 14:26:28
>>706
お言葉ですが・・・
余所のスレで書いてる者ですけど、2ちゃんに生息する全ての書き手が
「さらっと書いてる」「流し書き」なんてことはないですよ。
私はすっげぇ悩んで書いてます。たぶんここの作家さんも同じだと思う。
誤字なんかも、何度見直しても、うpした後に気付いたりするもので・・・
後で青ざめたりします。
所詮自己満足ではあるけれど、それでも作家さんの頑張りは十分伝わるから、
作家様ありがたや〜と崇める人の気持ちも理解できます。
自分がそうされたら結構恥ずかしいけど。
ちょっと此処の作家さんが可哀相に思えてきたんでカキコしてみました。

712 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 14:27:15
それだけ期待してるってことじゃないのかな。


713 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 14:37:55
>711
それは人によるんじゃないかなー?
自分は某板のスレで、ごく限られた趣味の人対象に定期的に書いて出してるけども
書き捨てといったら聞こえは悪いが、そういう気分でさらっと書いてる。
萌えを感じてもらえればそれだけでいいから、話の背景を練りこんだり
情景描写に資料を集めたりと、話としての完成度を気にしたりは全くしない。

こういうとこで書くということは、あくまで流れていくもの。
読み捨てで喜んでもらうもの、ということを念頭に書いてるヤツも実際ここにいますので。
書き手の考え方にも色々あるよ。

714 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 14:51:27
>>711は、作家様といって崇めて欲しい願望がまる見え

715 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:04:29
じゃあもう書かねーよ

716 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:06:02
作家様と崇めて欲しい人、叩かれたくない人は
2ちゃんで書いてることが間違い。
自分でサイトでも開いて書くか、チラシの裏にでも書いてろ
とパロ書きの自分でも思うよ。

サイトを開くほどでもない、でも誰かに見て欲しい、反応が欲しい
だから手っ取り早く2ちゃんに書いてるわけでしょ?
だったら何を言われても仕方ない。

717 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:10:28
>>716
氏ね

718 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:15:29
どうしてこのスレはいつもこんなに簡単に荒れるんだ・・・。
自分は読みたいからここにくるんであって、別に
作家のポリシーとかは問題にしていないし(それは作家側の問題だし)
合わない話があったって構わないと思っている。
作家の自己満足の話だろうが、書いてくれたということにはありがたいと思う。
だって書いてくれる人がいるからスレが成り立つわけでしょ。
だから作家・作品叩きは止めて欲しいんだよな。
投下しやすい雰囲気ってあると思うし。

とにかく、話が読みたい。それで、良い話に出会えればラッキー。
それじゃいけないのかい?

719 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:21:50
>>713
711です。楯突くみたいでゴメン。
勿論自分みたいに悩んで書くのはごく一部だろうとは思ってますです。
自分でも「2ちゃんに垂れ流すだけの文章になんでここまで・・」って
いつも思うからw
ただ、これはまあ自分のおつむが足りないだけかもしれないけど、
王家って古代の話だから、会話ひとつとっても言い回しがこ難しいじゃないですか。
なのでさらさら〜っとは書けないんじゃないかな、と思ったわけです。
結構苦労してるんじゃないか、と・・・

つか、このスレいいなー。私が常駐してるスレは人が少ないから
賑わってて羨ましいよ・・・(T T)

720 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:21:55
王家スレらしくなって参りました

721 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:24:20
どうでもいいよ、続きさえ読めりゃ。
私は楽しみにしてるんだから早くねw

722 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:25:05
自動販売機みたいなもんでね

723 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:25:49
>>719
会話なんて古代エジプト語で書けば無問題てことでFA?

724 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:26:57
>>719
考え方の甘ったるさといい、顔文字といい、2ちゃん慣れしてない初心者かねえ。

大体言い回しが難しいって……w
マンガのパロなんだから、マンガ読んでりゃ充分書けるじゃん。
よっぽどアタマ悪いの?
頭悪くてサイト作ることもできないんだろうね

725 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:28:11
>>719
713じゃないけど、
だからそれは人によるんだって。苦労しているのはわかったが
そういうのをいちいちひけらかすから、
「崇めて欲しい」なんて疑いをかけられるんだよ。


726 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:32:44
>>716
ある意味同意。
面白い作品を読めたらラッキーと思うけど
所詮2chだからなぁ。

作家さんはそれを承知で書いてるんだろうに、周りが擁護しすぎなのもどうかと思う。

727 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:32:59
>>724
>2ちゃん慣れ
プ

728 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:33:33
またイタイ連中が活気付いて湧いてきた・・・

729 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:34:59
王家スレらしくなってまいりました

730 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:35:33
>>727
図星だな

731 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:40:58
>>4年後作家様ありがとう。
次回はいよいよ二人の初夜ですかね!

732 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 15:50:42
いやん

733 名前:抜けない棘 :2005/03/23(水) 16:07:29
>>684
25
慣れ親しんだはずのテーベの宮殿は、今はキャロルにとって恐ろしい牢獄のようだ。
つい先日までここでメンフィスと共に笑って過ごしていたのが夢のように思える。
庭園を見ても回廊を見ても、何もかもがキャロルにメンフィスと過ごした日々を思い出せるのが辛く、
キャロルは割り当てられた部屋からは到底出る気にはなれなかった。
そこへ一人の男がキャロルに面会を求めた。
断ろうとした矢先にキャロルにも覚えのある声で呼びかけた。
「ルカ!」
そこにいたのはルカだった、イズミル王子の密命を受け、キャロルを守ってきた男。
「姫君、良くぞご無事で・・・!」
いつも自分を守ってきてくれたルカが今も以前と同じように足元に傅き、キャロルの衣装の裾に口付ける。

「どうか以前と同じように私を側に置いてください。私が仕えるは姫君唯一人と決めているのです。」
ルカの言葉はエジプトのものと決別しなければならなかったキャロルを喜ばせた。
「・・・もう私はエジプトの王妃ではないのよ、それでもいいのなら・・・。」
ルカの存在がどれほどキャロルの心を慰めたことか、キャロルの口元にようやく笑みらしきものが広がった。






734 名前:抜けない棘 :2005/03/23(水) 16:09:51
26
ルカはここしばらくの王宮内の情勢にも通じており、それをキャロルにも教えた。
イズミル王子がキャロルにヒッタイトの衣装を纏わせて連れていることが、王宮内で大きな波紋を呼んでいることや、
アイシスは国を挙げての婚儀だったが、キャロルはいつの間にかイズミル王子と結婚していたが為に、
キャロル自身が裏切ったという勘繰りを入れる者、
キャロルの優しい人柄を慕う者との衝突があることなど。
またアイシスはラガシュ王を伴わず単身帰国していたので、以前のように女王と迎え入れる者もいるのだが、
結局アイシスの背後にはバビロニアが、キャロルの背後にはヒッタイトが控えているので、
エジプトがどちらかの属国となる憂慮は避けられない。
それ故に、キャロルに心から仕えていてくれたナフテラなども、王位継承者はあるが、
身柄が既にヒッタイトに属した今のキャロルには迂闊には近寄れないのであろう、というのである。

内心イズミル王子に忠誠を誓うルカはキャロルに王子の身にも危険が迫っていることをそれとなく伝える。
イズミル王子という後ろ盾を失くしてしまえば、後はキャロルを、またはアイシスと結婚したものがエジプトの王位に即けるのだ、
イズミル王子も悠然と構えてばかりは居られないだろう、と。
現にカプター大神官はアイシスにも取り入ってはいるが、ネバメンにも丁重に接している。
過去にも神官が王女と結婚して玉座に就いた例もないわけではない。
キャロルも歴史の知識を掘り返してみれば、エジプト側の主だった将軍や貴族にも心を許せる状態ではないと思いあたった。
「メンフィスをゆっくりと想い偲ぶわけにはいかないのね・・。」
考えたくはない現実が、キャロルの表情を暗くした。
メンフィスのことを思えば思うほど、後悔ばかりがキャロルの心を責め苛む。





735 名前:抜けない棘 :2005/03/23(水) 16:11:10
27
王宮では宴を開くこともなく静かな夜が更けて行く。
メンフィスに早く教えて居ればよかったのか、彼が最後の時にも自分の名を呼び死んで逝った、
その愛情が嬉しい反面、自分の胸に突き刺さった棘がいつまでも疼くのだ。
もう私はあなたのことを想ってはいけないの?
哀しみに沈んでいるキャロルにイズミル王子の大柄な体が覆い被さった。
「いやっつ!やめて下さい!王子!」
王子の抵抗などものともせずにイズミル王子の唇がキャロルの白い首筋を這い、手は肌を滑っていく。
「私に愛された痕を体中につけて尚も抵抗するか?諦めよ、そなたの体はいつも私を受け入れておろう。」
王子の言葉にキャロルの頬が燃え上がる。
夜着を剥せば衣に隠れる箇所、背中や胸元や脇腹や両足の付け根、太ももに散らばる濃い薔薇色の愛撫の痕があるのを
キャロルはその痕が一斉に疼きだしたような感覚に捕われた。
それを恥ずかしく思う共にともう一つの感情がキャロルを支配する。
上から見下ろすイズミル王子の冷たい笑みが浮かんでいる。
身に着けている寛衣の胸元が乱れてそれが更にエロティックにキャロルの眼に映る。
背筋を走る身が蕩けそうな快楽を予感してそれを期待する感情と、それを食い止めようとする理性が
キャロルの中で戦っているのを王子は見て取り嘲るような笑みを浮かべる。

「ここでは、エジプトではいやっ!私に触れないでぇっ!」
キャロルの悲鳴がイズミル王子の心を駆り立てる。
必死のキャロルの抵抗が益々王子の嫉妬心を煽った。
「誰がそなたを抱いているか、わからせてやる・・・。」
その夜の王子はいつになく執拗だった。





736 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 16:15:25
ムフ‥

737 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 16:19:52
・・・・・・・・・・・・・・・orz

738 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 16:23:34
>抜けない棘
アップありがとう!
すごいうれしいです。
ここエジプトではいやだって
キャロルの気持ちをわかってるんだろうに
逆に煽られてる王子。
とことん冷酷で嫉妬深くて、イイ!

739 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 16:26:17
私も冷酷な王子に(*´Д`)'`ァ'`ァです。
また続きを待ってます!

740 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 16:39:15
キモいね!

741 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 16:41:54
キャロル、舌でも噛み切って死ねばそれで終わるのにね。
抜けない棘のキャロルは完全に淫乱女だから、いや!というのもプレイの一環か


742 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 16:52:53
心には愛する男がいて、それが殿様の嫉妬を買い、結局は両手を切断されても
最後まで凛と愛する男への想いを貫いた小姓かなんかの話があったな、そういえば

743 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 16:59:01
メンフィス4年後作家様>大ファンです!壮麗な感じがよかったです、
続きを期待してます。

抜けない棘作家様>「「誰がそなたを抱いているか、わからせてやる・・・。」
いやぁあん、そんなこと王子に言われてみたい!「わからせてぇ、もっと!」
執拗にだったなんて…ぽっ♪
そーゆー私はM女?

いろんな意見があるけど、私はどの作家様の作品も楽しい。だからここへ来る。
作家様、最後まで頑張って下さい!

744 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 17:09:29
>>721
全面賛成。それだけのことなのよ。楽しみにしているんだから続きが早く
読みたいだけ。毎日うpされているのが嬉しい♪

745 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 17:12:05
抜けない棘作家が嫌われてるのが何となくわかった希ガス

746 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 17:21:37
♪なんて久々に見たな

747 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 17:27:27
いつも荒れてるなか真っ先に投下するのが抜けない棘なのがワロス
自分が荒れてる原因だってわかってないのかな。

748 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 17:37:02
わかってたら投下しないでしょう

749 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:02:14
抜けない棘27をエロパロで読んでみたい♪

750 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:05:42
エロパロに来ないでね♪

751 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:07:56
抜けない棘は、いかにも中年女の犯されたい願望丸出しみたいな感じが気持ち悪い

それを喜ぶのも、ご無沙汰のババアばっかりなんだろうな
>>743みたく

752 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:09:49
お前らぐちぐちとケチつけてばっかり
性格悪い女だな
日常生活もこんな感じなのか?
女ってこえー


753 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:10:14
ババアのくせに>>751


754 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:11:36
http://6611.teacup.com/hitora/bbs2

755 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:12:14
>>752
男のなりきりキモ杉

756 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:13:58
>>753
お前モナー

757 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:16:15
わかんないよ。
どうしてそこまで同じ作家を執拗に叩くんだ?
ずっと読んでいるがそんなにひどい作品とは思えない。



758 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:17:44
やっかんでるんだよねw
似たような話が書きたかったのかな?
負けずに書いたらいいのに。

759 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:18:11
面倒でログよく読んでないけど、
今日はメンフィス4年後が発端だったんじゃないの?

そのほとぼりが冷めるまで待てばいいのに、抜けない棘が投下したもんだから
荒れ荒れ

760 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:18:37
>>751
王子にだったら犯されたいよ。妾でも側室でもなんでもいい。囲われたい。
でも、ご無沙汰のババアは相手にされないから、ここで楽しんでいるんだよw
>こんなふうに答えてもらえたら満足ですか?

761 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:18:49
>>757
抜けない棘は願望が入りすぎだからじゃないの
読んでてキモい

762 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:19:59
>王子にだったら犯されたいよ。
>王子にだったら犯されたいよ。
>王子にだったら犯されたいよ。
>王子にだったら犯されたいよ。


欲求不満ババアの本音キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

まさかキャロルに投影して読んで(書いて)んの!?キモーーーーーーーーーー!!!

763 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:20:58
虹なんて、作家の願望が入るのは当然じゃん。
どうしてある作家はよくてある作家は駄目なの?

764 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:22:11
>>まさかキャロルに投影して読んで(書いて)んの!?

基本はそれだと思うよ。
いいじゃん、楽しむためのスレなんだしさ。


765 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:22:38
>763
願望入りまくりなのは最早パロじゃない。
ドリ小説。
チラシの裏向けではあるが、他人に見せるものではない

766 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:23:03
>>760>>762
自作自演やっているんじゃないよw

767 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:23:09

王子にだったら犯されたいよ。

というのは、王家スレの格言として祭り上げたい名文句だね




768 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:23:51
ドリと二次創作とどう違うんだよw
筋だってあるし、自分は面白いと思う。

769 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:24:05
王子は腋毛がクサそうだから、メン様に犯されたいわあ〜

770 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:24:45
>>769
根拠は?なぜ腋毛が臭そうなの?

771 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:25:25
王子は毛深そう

772 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:26:45
でも、ヒッタイト人ってアーリア人種だから、基本的に白人。
まあ、金色のうぶ毛なんだから私は好きだな。

773 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:27:13
>いやぁあん、そんなこと王子に言われてみたい!「わからせてぇ、もっと!」
>執拗にだったなんて…ぽっ♪
>そーゆー私はM女?

こういう感想は作品を貶めるので欲しくありませんねえ

774 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:27:25
どうでもいいじゃん。
続きはまだか?

775 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:29:17
なんかエロパロスレと勘違いしていませんか?

776 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:29:47
メンヒスの方が体臭キツそうだけどな。
まあそんなことはどうでもいいけど、
どの作品も続きが楽しみですよ。

777 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:29:50
煽りじゃなく抜けない棘は早く終わらせて欲しい
この作品が出ると最近必ず荒れるんで、スレ見るのが苦痛・・・

778 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:31:07
このスレにスルーという言葉はないのか?
でもここまで荒れるとスルーも無理か

779 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:31:54
>>778
本スレを見てみい。まともな会話がなりたたないじゃん
それが王家クオリティー

780 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:32:07
このままだとあっという間に1000までいきそうだね。
誰か、新スレの準備お願いしますね。(気が早いけど)

781 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:32:39
>>775
どうして?

782 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:35:17
メンヒスも王子も美形だから好きだよ。「王家」が好きなの、だから2次創作スレも
好き。古代1のばカップルでもなんでもいい、やっぱ王家ファンだよね、うんうん。
だからこのスレの作品もエロパロも全部読んでいるよ、楽しいよ。

783 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:35:47
>>781
775じゃないけど、犯されたいだの私はM女だの、全年齢向け板にふさわしくない発言が
多く出てるせいだとオモワレ

784 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 18:53:21


  *




785 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 19:00:57
あとは静かに作家様のご降臨をお待ちしましょうね。―――黙祷―――

786 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 19:21:54

死の沈黙

787 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 19:23:53
このスレの荒れ方(荒らされ方)知らない人、ふえたのかね。
777とか、なんでこうなるのみたいなレス含め、特定の人物を巧みに攻撃する者が
居ついてるわけ。
煽り目的の擁護とか、つねに多勢を装ってね。
釣られないでもらいたい。

788 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 19:27:50
鮮人は〜♪

ワケ     ワカ       ラン ♪
  ∧_∧   ∧_∧    ∧_∧
 ( ・∀・)  ( ・∀・)   ( ・∀・)
⊂ ⊂  )  ( U  つ  ⊂__へ つ
 < < <    ) ) )     (_)|
 (_(_)  (__)_)    彡(__)


789 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 19:39:25
 || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
 ||@・荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。.||
 ||A・放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。     . ||
 ||  ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。                ||
 ||B・反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。          .||
 ||  荒らしにエサを 与えないで下さい。      .。   ∧ ∧            ||
 ||C・枯死するまで孤独に暴れさせておいて     \  (゚ー゚*)   いいかな・・?
 ||  ゴミが溜まったら削除が一番です。        ⊂ ⊂ )旦~         ||
 ||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_____ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|_____||
      (  ∧ ∧__ (   ∧ ∧__(   ∧ ∧       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    〜(_(  ∧ ∧_ (  ∧ ∧_ (  ∧ ∧  は〜い、先生。
      〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)
        〜(___ノ  〜(___ノ   〜(___ノ


790 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 19:41:58
>>787
いや、その「特定の人物」を嫌ってるのは
もはや少数派ではないと思うよ

791 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 19:55:28
>>790
そういうレスも荒らしを呼ぶと思うが。

792 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 19:57:32
>>790
だから、漏れ(死語?)も含めて、こういう発言も一種の煽りというか、
荒らしが喜ぶ書き込みなわけね。
だから、沈黙、スルーあるのみよ。
おわかりでつか?

793 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 20:16:12
AA貼るなって

794 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 20:22:00
    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}



795 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 20:36:58



Ohちんちん Ohちんちん




796 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 21:01:45
賑わっているのかと思ったら・・・

797 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 21:09:09
メンフィス4年後 & 蓮と薔薇の今後の展開が楽しみです〜
  ↑          ↑ 
オトナのメンフィス&オトナのキャロルがいいわ〜
モリオ姐さんのがんばりにも期待。
抜けない棘のエジプト後の展開も楽しみになってきた〜


798 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 21:52:09
>>796
賑わっていますともw
なにか?

799 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 22:34:33
>>775
エロパロはエロパロ板で進行中。
ID出るしすっきり。

800 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 22:40:26
800getできたかな〜?
みんな、どの作品も楽しみでここに来ているんじゃないの?
ま、批判も意見の1つなのかな?でも、荒らしはやっぱり困るよね。
作家様、次なる作品お待ちしておりますよ〜

801 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 22:44:29
王家が終わるかどうかもわからんとに、何を言うか。オマイは。

802 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 22:45:53
>>800
私は作家じゃないけど、ひねくれた批判は正直嫌だなー。
2ちゃんなんだからって言われればそれまでだけど。

803 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 22:49:30
>>801
誰にむかって言っているの?

804 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 22:51:32
はぁ…こんなつまらない意見読むために来たんじゃない。
作家様が書き込みしないなら帰ろうっと。

805 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 23:47:04
帰れ、屑!!!!

806 名前:名無し草 :2005/03/23(水) 23:52:06
作品の感想レス以外で「作家様、作家様」って崇めすぎるのもどうかと思う。

807 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 00:12:05
べつに崇めているわけじゃないけど
普通に「◯◯様」ってよく使うんじゃない?
「作家さん」がいいとか?

808 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 01:12:41
新手のあらしがやってきたな。
みなさんスルーしましょう。
レスすると思う壺。

809 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 01:22:40
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

810 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 01:27:07
>>808
>スルーしましょう

って言われてもどのレスがお前のいう新手のあらしなのかわかんねーよ
ALLキティじゃんw

811 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 01:48:16
                    .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+  マターリ
                    (\(\_/)   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      .          〜  (\ヽ( ゚Д゚)′<   換気致しましょうね〜
.    ∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+  〜 (\ (ナフテラ)つ .\__________
                      (____)        .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+            ∪∪
                             .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
            .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+                  マターリ



812 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 01:55:42
あ〜続き読みたいと思って来たのにこんなふいんきじゃ
アップしづらくなっちゃうさ

作家様方、毎日作品を読むのが楽しみです!スルーして続きを
お願い致します!



813 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 08:04:00
>>810
君が「新手の荒らし」。わかってないなあ…って、漏れもそうか!?(愕然)

作家様、今日こそ作品お待ちしております〜荒らしが去れば晴れるw

814 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 10:49:03
さっか さく― 0 【作家】

(1)詩や文章を書くことを職業とする人。特に、小説家。

作家って呼ぶこと自体おこがましいのに、ましてや様をつけるとは……
「書き手さん」でいいんじゃない?
2ちゃんでは、「職人さん」って読んでるスレも結構ある。
読み手が「作家様」なんていって、その「作家様」がそれを当たり前のように受け入れてるなんて
このスレくらいだよ


815 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 11:17:42
ウルサイナ
医者も作家も政治家も教師もカテキョも絵描きも漫画家も、全部おんなじ「先生」呼ばわりしてんのと一緒で
ただの代名詞的なつもりで言ってるだけ。
「職人」ならいいっていうのは、職人をヴァカにしてるのかね。

816 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 11:22:33
>815
作 家 様 ですか?wwww

必死だね


817 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 11:30:42
>>816
おめーうぜえよ いい加減にしろ

そんなにここの書き手が気にくわないのなら来なきゃいいだけでしょ?
作家様、気にせず続けてください。応援してますんで

818 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 11:34:30
>>817
お前みたいなスルーできないヤツが一番タチ悪いんだよ、バカ

819 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 12:50:34
>>818
オマエモナー


ヲレモナー

820 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 13:16:09
馬鹿ばっかりだね、ここ

821 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 13:35:44
「作家様」ってのは一部の読者が勝手に言ってるだけで
パロ作家が呼べと言ったんでも、読者のみんながそう呼んでるわけでもない。

822 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 13:55:45
作家様とお呼び、この愚民どもめ!!

823 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 13:56:24
エロパロ板よりこっちに作品が投下されると荒れるんだよなぁ。

824 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 14:19:06
IDがないから、自演で誉めるも叩くもやりたい放題だからね

825 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 14:40:19
場所は2chであれ、創作物をわざわざ時間を潰して書いて下さる作家様たち。
読み手は読むだけなんだから、もう少し殊勝であってもいいと思うな。
作家様だって暇な人ばかりじゃない、楽しみですというコメントを貰って
貴重な時間を削って書いて下さってる方もいるだろうに。

読み手はただぶらっと立ち寄って読んで好き放題、言いたい放題言って貶せばいいという
楽な仕事かもしれないけれど、作家様たちはきちんとした労力をかけて創作されてるんだから。
読ませて頂いてる、というくらいの気持ちがあっても少しもおかしくないと思う。それはこのスレだけに限らずね。

826 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 15:04:38
そうそう。その通り。


827 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 15:06:08
一言一句に禿同。
叩いてるのなんて、作家様に対するやっかみにしか見えないしww

828 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 15:11:50
どうでもいいから続きを早くっ!!!

829 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 15:21:15
続きを早く!!って言ってる人昨日からいるけど、それもまた随分失礼じゃない?
自動販売機じゃあるまいし、金も入れないのにすぐ出せすぐ出せって礼儀知らずもいいとこだよ。
せめて、続きをお待ちしておりますとか、楽しみで待ちきれませんとか、書き方があるだろうに。

830 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 15:47:20
やっばり馬鹿ばっかりだね、ここ


831 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 16:27:56
酒飲みてえ〜。
誰か「森伊蔵」抽選で当てて、漏れに安く売ってくれ。
一回しか当たったことないんだよ。

832 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 16:46:50
>>825>>829に禿同。
育った環境の違いとはいえ、謙虚さを知らない人間はイタイ。
ここもIDつければいいのにね。

833 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 16:53:30
いっそのこと、作家様やめて 御 大 って呼ぶとかは?


834 名前:月影の詩 :2005/03/24(木) 17:05:41
38.
ハットゥシャに遅い春が巡り来ようとしていた。宮殿の中庭にある美しい泉のほとりには、
杏やアーモンドの薄紅色の花々が咲き誇り、その花びらをたゆとう水面に落としていた。
「ムーラ様、きれいな泉ですね…」
ムーラと共に泉を訪れたキャサリンは、揺れる水面に煌く陽差しを眩しげに眺めながらつ
ぶやいた。
「この泉は、夜、月が昇るとその影を宿して輝きそれは幻想的な眺めにございます、古く
は神官たちが禊に使ったと言われている聖なる泉なのだとお聞きいたしておりまする」
「月の影を宿して輝く…そう、美しいでしょうね。今度、夜に眺めに来たいものだわ」
「そうでございますね、王子にお頼みなられたらよろしいかと思いまするが。キャサリン
様を夜中に後宮よりお連れ出しできるのは王子だけでございましょうし」
「王子に…ええ、そうしてみますわ」
キャサリンは寂しげに微笑んだ。

「まあ、キャサリン様ではございませぬか?」
二人の背後から艶やかな声が響いた。
「まあ、これは、たしかペネロペー様…。先日はこの真珠の首飾りをありがとうございま
した。とても気に入っております」
アイアイエ島の女王、ペネロペーが艶やかな衣に身を包み泉のほとりに立っていた。
「お気に入りいただきまして、嬉しき限りでござりまする。その真珠には不思議な力があ
ると言われておりまする、身に付けた方をお守りし癒すという…、癒しの真珠とわが島で
は呼んでおりまする。ぜひ、いつも身におつけになっていらっしゃるとよろしいかと。
ところで、今日は女官のお供の方お一人だけをお連れになって…ずい分と寂しげなご様子
で…。私も、この慣れぬ異国で話し相手もなく独りの身、キャサリン様、ぜひ私とよもや
ま話などをなさりませぬか?」


835 名前:月影の詩 :2005/03/24(木) 17:07:52
39.
「ペネロペー様とやら、わがヒッタイトのお世継ぎなるイズミル様のご寵愛を一身に受け
ていらっしゃるキャサリン様に対して、『お寂しげなご様子』とはご無礼にございましょう。
お言葉にご注意なさいませ!」
ムーラの鋭い言葉が女王の言葉を遮る。
「ムーラ様、良いのです、たしかに私は王子のお側にいないと寂しい身の上…女王と同じ
く異国から来たんですもの…しかも…」
『記憶も無い』と言おうとして、キャサリンは一瞬口ごもった。
「いえ…ペネロペー様、ぜひお話相手になって下さいませ」
「まあ、ご光栄にございまする!ムーラ殿、キャサリン様に対するご無礼、お許し下さり
ませ。でも、まことに美しい泉ですこと、花影に佇んでいるとそのよい香りにむせ返りそ
うになりまする…!」
「ペネロペー様のお国はギリシャのさらに西方に浮かぶ島とか?どんな島なんでしょ
う?」
「わが島はギリシャの太陽神ヘリオス様の祝福を受けし豊かな島にございます。海の幸、
山の幸に恵まれ、太陽の恵みに豊かな果実が島を彩っております。わが島の側を通る船乗
りたちは必ず島へ立ち寄られ、そうすることで、また島も交易の恩恵を受けて栄えており
まする。わが夫がいた折にはもっと栄えて…―――まあ、まあ、私の話ばかりして申し訳
ありませぬ…おや?イズミル王子がこちらへ…」
その時、女王の蒼い瞳が妖しげに輝いた。
(愛らしきイリスの娘よ…そなたはもう必要ありませぬなあ…元来た場所に戻るがよかろ
うえ…思い出すのじゃ、すべてを…)
「え…?なんかおっしゃいました?ペネロペー様?」
40.


836 名前:月影の詩 :2005/03/24(木) 17:08:25
40.
「キャサリン?そこにおるのか?」
――――キャサリンが王子の声に振り返ろうとしたその時、足元が崩れ泉へとまっ逆さま
に落ちていった。
「きゃあぁぁぁ――――っ!」
辺りにキャサリンの悲鳴が響いた。
「キャサリン様!」
ムーラの絶叫が王子の耳元にも届いた。
「どうした!ムーラ!」
駆けつける王子、しかしキャサリンの姿はどこにもなかった。
「キャサリン様が…、キャサリン様が泉の中に落ちてしまわれて…!ああ、王子っ!」
ムーラは恐怖のあまりその場に凍りついたようになっていた。
「なんだとーっ!それはまことか!」
王子はその視線の先を泉に向けたが、水面は何事もなかったかのように静かだった。
「本当にございます!イズミル様。キャサリン様は足を滑らせて、泉に落ちてしまわれた
のでございまする!」
ペネロペーも叫んだ。

「キャサリンっ!」
王子はそう叫ぶと、纏っていた長衣を投げ捨て、泉に飛び込んだ。
「王子っ!イズミル様っ!」

(――――キャサリン、どこだ?どこにおる?)
泉は思ったより深く、春まだ浅きゆえか水も身を刺すように冷たかった。王子は、必死に
水面下を見渡した。
ふと、泉底にキャサリンの姿を認めた、底から巻き上げる水の渦に巻き込まれようとして
いる。
(妖かしの水の渦!キャサリン!今行くぞ!)
王子は、沈み行くキャサリンの後を必死に追いかけ、やっとのことで衣の端をつかみ腕に
抱きしめた。
(おお、キャサリンよ!よかった…なぜにかようなことに…?)


837 名前:月影の詩 :2005/03/24(木) 17:08:52
41.
「おお、王子っ!ご無事にて…キャサリン様も…!よかった、よろしゅうございました!」
水辺のほとりで途方に暮れていたムーラは腕にキャサリンを抱えた王子の姿を認めると、
瞳に涙を浮かべて喜んだ。
「ムーラ!泉の水はかなり冷たい、キャサリンは気を失っていて幸いに水を飲み込んでは
いない様子だが、体が冷えて冷たくなっている、至急わが部屋に戻り部屋を暖めよ!私も
すぐに戻る」
「は、はい!かしこまりました」

「キャサリン、キャサリン、私の声が聞こえるか?もう大丈夫ぞ、おお、用心深いそなた
がなぜに泉に足を捕られるなど…」
王子は意識を失ったキャサリンを腕に抱きとり、必死の思いで問いかけた。
「――――ご無事にてなによりにございました…」
王子の頭上から、声が響いた。
「女王殿か…今日はこの一大事、これにて失礼させていただく。今日のことは、追って詳
しい話をお聞きするかもしれぬが、今はキャサリンの身が心配ゆえ。では」

(思い通りにゆきませぬなあ…美しきヒッタイトの王子よ…そなたはなぜに私の邪魔をな
さいますかえ…?ああ、わが胸がざわざわと騒ぎまする、なんとかせねばいけませぬなあ
…)
皆が引き上げた泉のほとりに独り佇みながら女王は囁いた、――水面に映りしその姿が妖
しき老婆の姿であったことは誰も気付かないまま…。


838 名前:月影の詩 :2005/03/24(木) 17:09:21
42.
「おお、キャサリンよ、こんなに手も足も冷たい!これでは、意識が戻るどころか命も危
ういぞ!ムーラ、もっと火を起して部屋を暖めよ!」
王子は、キャサリンを腕に抱き、寝台の上でその冷たくなった手足を必死に摩っていた。
「は、はい、王子。―――王子、どうかお許しくださりませ。このムーラが側についてい
ながらこんなことになってしまい…このムーラ、お詫びのしようもございませぬ!」
「もうよい、そんなことより何か身を包む暖かな布を持って参れ!キャサリンの冷えた体
は、この私がじかに温めようぞ!」
そう言うなり、王子は濡れた服を自ら脱ぎ去り、キャサリンの衣をも脱がせるとそのまま
腕に抱き締めた。
(おお、なんと冷たい体!キャサリン、キャサリン、意識を取り戻せ、その青い瞳を開い
て、私を見つめよ!キャサリン…その声を聞かせよ!)

――――夜の帳が王子の寝所を包み込んだ。王子はその腕と胸に冷たくなったキャサリン
を暖めようと必死に抱いて、じっとキャサリンの意識が戻るのを待っていた。
「…さま、…お父様…助け…て…ここは…どこ?お父様…」
やがて、キャサリンの唇から言葉がこぼれ落ちた。
「おお、キャサリン!気付いたか?私だ、イズミルだ、大丈夫か…?」
「…お父様……?あ……王…子…?」
「キャサリン…?お父様だと…?一体誰を呼んでおるのだ?」


839 名前:月影の詩 :2005/03/24(木) 17:13:55
>>676よりの続き

840 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 17:24:33
>月影の詩
続きありがとうございます!
タイトルの意味が明らかにされていくんですね。
展開から目を話せません!

841 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 17:27:37
作家様、素晴らしいですね!!
泣いてしまいました!!!

842 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 17:28:16
待ってました!うPありがとうございます!
王子がどんどんキャサリンに心を奪われていくのがイイです。
キャサリンもとても好感が持てる。

843 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 17:39:30
IDがないから、自演で誉めるも叩くもやりたい放題だからね >>832

844 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 17:39:46
作品を読ませて下さってありがとうございます、月影の詩の作家様……v
至福でございますわ♪


845 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 17:47:05
(*^ー゚)b グッジョブ!!月影の詩の作家様。
続きを楽しみにしております。

846 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 17:47:43
とかいいつつも、いざとなるとIDが出る板は嫌だって我がまま言うし・・・

847 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 17:48:40
素晴らしいっ!!
月影の詩作家様〜、ドキドキしてしまいます〜!!
読み返すたびにせつなくて、もう仕事が手につきません。



848 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 17:55:41
やっぱり月影の詩の作家様は一味違うな、と感じました。
素敵すぎて動悸が収まりません・・・ポッ

849 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 17:58:41
他の作家様方もお待ちしています!

850 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 18:02:41
月影の詩の作家様はプロじゃないんですか?
素晴らしすぎて、ここだけじゃ勿体無いですわ〜!
是非作家様の腕前をもっと多くの人にご披露くださいませね。

851 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 18:09:29
>>849
今は月影の詩の作家様の作品に皆が酔いしれてるのに、
他の作家様なんて野暮なことは言わないで頂戴な

852 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 18:14:58
>>851
そうか?
私も、他の作家さんの作品も楽しみだけど。

853 名前:851 :2005/03/24(木) 18:19:58
>>852
だから、今は月影の詩の作家様の作品が上がりたてなんだから、ファンコールが先でしょって話。
数時間して落ち着いてから、他の作家様にラブコールしてくださいな

854 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 18:34:20
作家様たちとお話がしたいのに、ここの作家様は作品を投下したあと
あまり口を利いて下さいませんよね。
時々ナマの作家様のお声が聞きたくなってしまったり……(*ノノ)キャッ

855 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 18:37:03
キタァ*・゜゚・:.。..。.:*・゜(n’∀’)η.*・゜゚・:.。..。.:*・゜

月影作者様乙ですー。お待ちしてましたっ。
毎回保存版にしてまつ。


856 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 19:04:32
やっぱり作品が投下されると和むなあ〜

857 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 19:07:46
>>834
いいわぁ〜〜 :*:・´゚☆。.:*:・´゚ 。.:*:・´゚☆。.
春の宵、月の影・・・幻想的でロマンチックだわ〜〜
読んでいるこちらにも花々の香りが漂ってくるようです☆.。.:*・°



858 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 20:04:01
栗の花?

859 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 20:21:44
どこから栗の花がでて来るんだw

860 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 21:07:55
>月影の詩作者様
独創的な物語展開ですね。先が読めずドキドキです。
これからも楽しみにしています。

>>854
私はあまり作者さんが表に出ない方がいいと思う。
それで荒れてしまった過去もあるし。

861 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 21:33:16
>>854
芝居ヘタだよ作家さん

862 名前:蓮と薔薇 :2005/03/24(木) 21:36:16
>>665
77
儀式は進む。
やがて王の妻である王妃に続き、王子の正妃であるモリオネーが神前に香を捧げる時が来た。
大きな金製の振り香炉を捧げ持ってモリオネーは進む。
周りの人間が少し怪訝に思うほどの大きな振幅で振られる重い香炉。たなびく煙。

(これを…ナイルの姫にぶつけて…)

ゆらぁり、ゆらぁり…。香炉を振るのは、嵩高く重い正妃の盛装に身を包んだモリオネー。神を愚弄する偽の妊婦。叶わぬ恋に慟哭する哀れな女性。

そして、不意に。

モリオネーはバランスを崩してよろめいた。
香炉の重さに引っ張られるように。大きな袖を翻すように。足を長い裳裾に絡め取られる様に。大きな腹部を下にして。

「危ないっ!」
国王がすかさず手を差し伸べてモリオネーの身体を支えた。その腕で腹部を庇い、支えようとした王の顔は、しかし驚愕で大きく歪んだ。
「これは…っ?!」

臨月の女性の腹部は固く張り詰め、ものを跳ね返すほどであることを王は知っていた。
だが今、モリオネーの腹部は王の腕の形に柔らかくへこんだではないか!まるで王の腕を包み込むかのように。柔らかな綿の袋にでも触った時のように。
王は驚きと恐怖で引き攣るモリオネーの腹部をいきなり鷲掴みにした。王の手指は羽枕でも掴んだ時のように妊婦の腹部にのめりこんだ。

全ては神殿内の人々に見えた。驚愕と不信の叫びが神殿を震わせる…。

863 名前:蓮と薔薇 :2005/03/24(木) 21:37:22
78
「神よ、これは子を孕んだ女の腹ではない!」
王は柔らかな腹部を思いきり引っ張りながら叫んだ。腹部の形はみるみる崩れていく。

「違います、違います、違いますったら!離して、離してっ!」
モリオネーは狂ったように絶叫し、王から身をもぎ離そうとした。その醜態は皆の見るところとなったのである。

─モリオネー様の懐妊は偽りなのか?
─あの腹の中身は何だ?

「助けてっ、誰か!私は身篭っているのですよっ!」
甲高い、半ば狂ったような声で叫ぶモリオネーは、王の手に噛みつき逃げ出そうとした。

「まこと身篭っているならば…神の御前で証を立てよ!」
イズミル王子は短剣を抜き放ち、いきなりモリオネーの腹部あたりの衣裳を切り裂いた。

絹の裂ける嫌な音。モリオネーの悲鳴。
そして。
切り裂かれた腹部からは赤い血ではなく、真っ白の羽が大量に飛び散った。
「モリオネーは身篭ってなどおらぬ!この女はヒッタイトを欺いたのだ!」
花のように散る白い羽の中で王子の声が響き渡った。

(これで…モリオネーは…もう…)
舞い散る羽の中、キャロルの腕を王子がぐいと引き寄せた。
「姫、しっかりいたせ!」
見詰め合う恋人同士。だが、二人の耳に入ってきたのは国王の驚くべき一言だった。

「おのれ、ナイルの姫。よもや、そなたまで我らを欺いているのではあるまいな?そうでないなら、臣下百官の前で潔白を証明せよ!」

864 名前:蓮と薔薇 :2005/03/24(木) 21:38:20
79
「父上?乱心されたか?」
イズミル王子が止める間もあればこそ、王は短剣でキャロルの衣裳を裂いた。

驚きで声も出ないキャロルの絹の衣裳が裂け、臍の黒さの目立つ、青白い静脈の浮き出た腹部が露になった。

「ナイルの姫は真実身篭っておりまする、陛下!」
王妃が叫び、素早く自分のマントでキャロルを覆った。
「姫は潔白でございます。国王様も他の方々も御覧なされましたでしょう!どうかこれ以上はお許しあそばして!」
王妃と侍女達が寄ってたかってキャロルを混乱する神殿から連れ出した。
されるままに足を運びながらキャロルは冥い喜びを確かに感じていた。
…そう、私はモリオネーに勝ったのだ、と…。


「離してっ、離して!私に無礼を働けば、アテネが黙っておりませぬ!
誰か助けてっ!誰か…。これは何かの陰謀です。私は何も知りませぬ…」
すっかり腹も凹み、涙と汗で顔を醜く汚しながらモリオネーは絶望的に叫んでいた。
「黙れ、モリオネー!偽りの懐妊にて我がヒッタイトとその民を欺きし罪、もはや言い逃れはできぬぞ。そなたは我が妃の地位を失ったものと心得よ!」
イズミル王子がモリオネーの手首を掴んだ。
自分を見つめる冷たく厳しいはしばみ色の瞳、秀麗ではあるけれど温かみの全くない容貌…モリオネーは初めて彼女の夫君の本性の一面を思い知ったのである。
「アテネの元首アンドロスの娘モリオネー、そなたの罪はもはや万民の前に明らかぞ。そなたは自室に篭り、裁きを待てい!
…さぁ、神官達よ!罪人が穢した祭壇を清めよ!」
ヒッタイト国王は視界の端にアテネよりの使者を意識しながら叫んだ。
罪人の眷属と成り果てたアテネ人達は王の視線に身をすくめた。

865 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 21:47:08
終わったなら終わったって書けやゴルァ!!

866 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 21:48:30
>>854
ファンサイトとかでBBSに感想を書くのとは
ちょっと違うんじゃないかな。
匿名の人からの感想にいちいちレスつけるのは
虚しいものもあるよ。
長文が嫌われる傾向もあるから
感想も短いものが多いしね。
でも、作家さんと話したいと思えるほどの作品に出会えたアナタは
幸せだと思う。
個人的には作家は作品で勝負がカコイイと思うけど
感想は確かにうれしいものだから
私はサイトを持ってたりするわけよ。
王家じゃないけどね。

867 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 22:03:55
感想はうれしいけど、馴れ合いはしたくないって人もいるから、
そういう人は2chなんかはいい場所なんじゃないだろうか。


868 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 22:07:39
白い羽の舞う中、ドラマチックに展開しましたね!
キャロルをさっとかばった王妃様、かっこいい!
ヒッタイト王、宮廷の女性という女性を敵に回したかも(笑)
今回も面白かったです!
モリオネー、このままおとなしく引き下がるか?
次回も楽しみにしてます!

869 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 22:36:48
ううっ!ついにバレましたね、モリオネー!本当に叩かれてもただではすまない
女性。これで終わるとは思っておりません!
ひとまず今回はキャロルに軍配が上がったけれど、うう〜ん、次なる展開は?
楽しみにしております。
冷たい王子がイイな〜!


870 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 23:05:25
ゆらぁり、ゆらぁり…。

という表現に爆笑してしまいました…!素晴らしいですね!!

871 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 23:22:57
>蓮と薔薇作家様
いやぁ、今回はいつにも増して目に浮かぶようでしたよ。
香炉を振る「ゆらぁり、ゆらぁり」という表現も
古代ヒッタイトの幻想的な儀式の雰囲気が出ているし
モリオネーの企みがどうなるのか…?という緊迫した場面だから効果的だと思った。

それに何やら、この作品のキャロルは清廉なだけではないような。
続きを楽しみにしています。

872 名前:名無し草 :2005/03/24(木) 23:25:26
今日も王子が読めてシアワセ(ノ´∀`*)
月影作家さま、ハスバラ作家さま、ありがとうございます。
続きを楽しみにしてます。

873 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 00:02:01
>臍の黒さの目立つ、青白い静脈の浮き出た腹部

キャロルは臍の掃除を全くしていなくて汚いんですね…!!
そんな人間味のあるキャロルが読ませてくださるのは蓮と薔薇の作家様だけですわ!!
感動しすぎて、涙が止まりません。

874 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 00:09:19
ウヒャヒャ

875 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 00:18:02
こんなに秀作でも叩くのかよ?

876 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 00:21:07
>>875
誰も叩いてないじゃん・・・・
被害妄想もいいかげんにしなよ

877 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 00:29:15
まあまあ、マターリ!

878 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 01:18:03
感動するシーンは人それぞれでつ

879 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 01:36:15
最近みんなイキイキしてるね

880 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 01:40:29
>>862-864
だから、今は月影の詩の作家様の作品が上がりたてなんだから、ファンコールが先でしょって話。
数日して落ち着いてから、他の作品投下してくださいな




881 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 01:42:20
おだまりっ!!!!>>880

882 名前:マイデータ ◆MYDATAJ0tU :2005/03/25(金) 01:51:19
蓮と薔薇の作品が好きです。
これからもドキドキさせてください。

883 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 02:13:59
王家スレらしい輝きが見えててとってもいいね

884 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 02:46:41
>>880
作家様方、真に受けないでね。
ご存知と思うけどそんなルールないから。

たくさん連載があって毎日のぞきにくるのがすごい楽しみです。
皆さんの感想を読むのも結構面白い。

885 名前:月影の詩 :2005/03/25(金) 09:36:48
>>838
43.
キャサリンは、未だ水の中を彷徨っていた。冷たい身を切るような水が全身を包み込む、
息ができなくなるほど苦しい…
(お父様…お父様…ここはどこ?堕ちてゆく…どんどん…飛行機ごと…お父様…!)
その時、『キャサリン、キャサリン』と繰り返し遠くから心配そうに自分の名を呼ぶ男の声
がした。
(誰…?あなたは…あなたは…?――――そうあなたは…「王子…?」あなたなの…?
ああ、温かい…先ほどまであんなに冷たい水の中だったのに…なんて、温かいの…!)

「王子…」
キャサリンの瑠璃色の瞳がゆっくりと開かれた。
「キャサリン…!気付いたのか、よかった…!意識を取り戻さぬゆえ、心配したぞ…」
王子はやさしく額に口づけをし、そっとキャサリンを抱き締めた。
(ああ、温かい…この温かさは、王子…あなたの胸の中にいたからなのね…!)
キャサリンは涙ぐみ、王子の胸に顔を埋めた。
「ああ、王子…、怖かった…私、どんどん底なしの水底へ堕ちていくところだった…!飛行機が、突然乱気流に呑み込まれて、墜落してったの…!隣にいたお父様が…、そう、お父様!お父様はどこ?」
突然、キャサリンは身を震わせて、王子の手を振り払い、飛び起きようとした。
「キャサリン!まだ無理だ、急に起き上がるでない!――――それに、先ほどから、そなた何をつぶやいておるのだ?私には、そなたの言葉が理解できぬ…!」
「え…?」
キャサリンは、王子の言葉に一瞬我に返った。
『だから、私…』
口をついで出た言葉は、明らかに王子が話し掛ける言葉とは違う種類の言葉だった。
『だから、だから…ああ、この言葉は…英語!私は、英語で話している、だから王子に通じないんだわ!私がヒッタイトの言葉を話せるのも魔女の妖かし…?』
「キャサリン、私の言葉が聞こえるか?そなた、何を話しておる?その言葉はいずこの言葉ぞ?私には判らぬ。それに『お父様』とは誰の名ぞ?キャサリン…っ!」


886 名前:月影の詩 :2005/03/25(金) 09:39:34
44.
王子は、キャサリンの言動が理解できぬまま、その琥珀の瞳を悲しげに曇らせている。
「王子…、申し訳ありません、私は…私の国の言葉を…思い出したのです…」
キャサリンは、息を軽く吸い込むと、ゆっくりと落ち着き、王子に理解できると思われる
ヒッタイトの言葉で、一語一語発音していった。
「――――そなた…おお、もしや、すべてを思い出したのか…?」
「――――たぶん…すべてとは言えないのですが…でも、思い出しました。自分の名も、
どこから来たのかも、何をしようとしていたのかも…!ああ、王子…!どうしてこんなこ
とに…?私は、私は…ああ、お父様は…私と一緒にいたお父様は、きっと海の底に沈んで
しまっているに違いない…!」

「キャサリン…、かわいそうに…落ち着いて、大丈夫だ、私が側におるぞ。話してみるが
よい、そなたのことを。そなたはいずこより来たのだ、このイズミルの元へ…」
王子は、そう言いながらそっと自分の胸の上にキャサリンの輝く頭を引き寄せた、そして、
その金色の髪を慈しむように撫でる。キャサリンは王子の香りに包まれた。
「はい…王子…で、でも私、衣も身に纏っておりません、それに王子、あなたも衣を…」
キャサリンは、初めて自分が衣を纏っていない王子の素肌の胸に抱き寄せられているのに
気付き、真っ赤になった。しかも、なんと自分も素肌のまま…!

「気に病むでない、何もしてはおらぬぞ。そなたは泉に落ちて体が冷え込んでいて命をも
危ぶまれた、だから、こうして私が温めたまで。それに、私はすでにそなたの体の隅々ま
で見ておるのだ、今更恥ずかしがらずとも良いではないか?おまけにそなたをこうして抱
いているのは気持ちよいぞ、キャサリン、しばしこのままで…よいな」
王子の瞳は、可笑しそうに笑っていた。
「はい…」
恥ずかしさに頬染めたキャサリンは、それでも温かい王子の素肌の胸にそっと頬を寄せた。
「素直なのだな…、で、そなたの思い出したこととは如何なることぞ?」


887 名前:月影の詩 :2005/03/25(金) 09:40:13
45.
「私の名は、キャサリン、そう、キャサリン・メアリー・スペンサーといいます。私の国
は、ここより遥か北にあるイングランドという国。エーゲ海をさらに北に、そしてギリシ
ャのそのまたずっと北…でも、今はまだありません。3000年以上もの時を超えなければい
けないのです。私は、父と一緒に―――『お父様』というのは、父に対する呼びかけの言
葉です―――ギリシャに遊びに行った帰りに事故に遭い、そして海に堕ちてしまったので
す…たぶん…そう、それこそがあの魔女キルケーの妖かし…私は、キルケーの声に導かれ
るままに3000年の時を超えた…そしてあなたに巡り会ったのです、王子」
途方もない話に王子がどんな反応をするかとキャサリンはこわごわと話を進めた。しかし、
王子はやさしく頷きながらただ黙ってキャサリンの話に耳を傾けていた。

「――――そうか…以前の私だったら途方もない世迷言と笑っていたかもしれぬな…しか
し、キャサリン、私はそなたの話を信じるぞ。そなたは、3000年もの気の遠くなるような
時を超えてわが元にやって来た…これこそ、あのキルケーの妖かしに相違あるまい。そし
て、『時を超えた』ということは、ナイルの姫から聞いた話とも一致しておる…姫もナイル
の女神の元からやって来たのではなく…そう、おそらくはそなたと同じ3000年の時を超え
やってきたのであろう…しかも、そなたと姫は、何らかのつながりがあるとしか思えぬ、
姫に会ったことのないそなたには判らぬかもしれぬが…。そしていつか姫と共にある時
、謎の武器で傷つけられたこの傷…あの時、その武器を使いし男もそうした時を隔てて、
私を傷つけたのであろうな…かように考えれば、すべて辻褄が合うというもの…、だから
こそ、ナイルの姫は未来を語ることができる…キャサリンよ、すべてを思い出したそなた
なら、やはり姫と同じく遠き未来を語ることができるのであろう?」


888 名前:月影の詩 :2005/03/25(金) 09:40:36
46.
世間に令名高きヒッタイトのイズミル王子…キャサリンは、王子の怜悧な頭脳を目の当た
りにして、その噂が誠であったことを改めて思い知った。幼き頃より賢者の元で修行を重
ねた王子は、3000年前の古代の王子とは思えないほどの広い視野をも持つ青年だった。
そして、今、自分はその王子の胸にやさしく抱かれながら話をしているのである…
キャサリンは、胸が詰まりそうな想いがした。
「はい…私が学んだ範囲でしたら、ある程度の過去の歴史―――いえ、今の時を考えれば
未来となりますが…わかります。私は、エジプトのこと、エーゲ海文明のこと、そしてこ
のヒッタイトのことなど学ぶのが好きでしたから」
「そうか…では、私たちがどうなるのか、そなたにはわかるのであろうな…聞きたくはな
いが…、聞いたところで途方もない話しぞ…。キャサリン…3000年の時の壁は、我らには
超えられぬものなのか?生身のそなたをこうして腕に抱いているというに、そなたを私の
ものにはできぬのか?キャサリンよ…そなたがどこから来たのでも、私はかまわぬ、そな
たを抱きたい…!キャサリン…!」
王子は、そうつぶやくとキャサリンを下にして身を入れ替え、激しく唇を求めた。
「王子…っ」
王子は、一瞬顔を上げ、キャサリンの頬を優しく撫でると、つぶやくように言った。
「キャサリン…キルケーの妖かしは解けた、そなたの記憶が戻ったということはそういう
こと。だから、私はそなたを私のものにするぞ…よいか?キャサリン…そなたは私のもの
ぞ、たとえ3000年の時を隔てていようが、何があろうがそなたは私のもの…他の男になど
決して、決して渡しはせぬぞ…」


889 名前:月影の詩 :2005/03/25(金) 09:41:02
47.
(――――この人は私に同意を求めているのではない…本当に私を抱こうとしているんだ
わ…ああ、王子…時には怜悧な眼差しで残酷とも思えることを平気で成し遂げるというあ
なた…でも、私のことをこんなに慈しんでくれている…王子、私はあなたを…)
そこまで考えると、
「王子…あなたを愛しています…私はあなたのもの…たとえあなたのお心がナイルの姫の
ものであっても、私はあなたを想っています…!」
切ない胸の内が、迸るように言葉となって唇からこぼれ出た。
「おお、キャサリン…!かようなことを申すな!私の心は…いまや姫のものではないぞ、
そして、そなたはこの私を愛しているのか…キャサリンよ…」
王子はつぶやくように息を洩らすと、そっと瞼を閉じる。
(愛されている…)
その歓びが、躯の奥深くから湧き出すような感覚に酔いしれた。

王子の唇はキャサリンの白い肌にやさしく触れていく。項から、肩…そして薔薇色の頂へ
と…。やがてその唇はその頂を覆い、そっとやさしく吸う。
「ああ…王子…」
キャサリンのため息のような声が唇から洩れている。
やがて王子は、愛撫の手をすんなりと伸びた脚へと下ろしていった。唇は一旦離れ、王子
は身を起し、陶酔し、薔薇色に白い肌を染めるキャサリンをそっと見下ろす。そして、そ
の脚を片方自分の肩まで上げると白い脚の指1つ1つに唇を触れていく。やがてその口づ
けは、脚の内側をたどり腿へと達した。
「キャサリン…私の為にその美しい体を開いておくれ…そなたは美しい…」
王子の長い指先が、キャサリンの濡れた花びらをやさしく弄ぶ。
「ああ…あなた…」
「しぃっ…、私に任せるのだ…大丈夫…」


890 名前:月影の詩 :2005/03/25(金) 09:41:33
48.
やさしい指の愛撫は、やがて唇へと変わった。
「ああ…ああ…王子…」
キャサリンの瞳から涙がこぼれ落ちる。そのやさしい口づけに、愛撫に耐え切れないとキ
ャサリンが思ったその瞬間、王子が、その身をそっとキャサリンの身に沈めた。
「王子…っ!」
体を突き刺すような痛みに、一瞬キャサリンは身をこわばらせた。
「…痛むか…?すまぬ…乙女のそなたには辛かったかもしれぬが、これでそなたは私のも
のぞ…キャサリン…」
「――――いいえ、大丈夫…痛くなど…ああ、あなた…愛しています…お願い、抱いて、
抱いて下さい…もっと…」
キャサリンは、自分が何を言っているのかわからないような気がしていた。わかっている
こと…それは唯ひとつ、3000年以上の時を隔てて愛する男性と結ばれたこと…その想いだ
けだった。
やがて、王子はためらいがちにそっと動き始めた。初めてのキャサリンを気遣ってか、あ
まりにもやさしい動きだった。キャサリンは波間を漂う小船のようにただただ揺れ続ける
…。
「感じるか…?キャサリン…私がわかるか?」
口づけの合間に王子がささやく。押し寄せるさざ波のような歓びに、もはやキャサリンは
答えることができなかった。
――――そして王子は深くその身を沈めた…
「ああぁぁ――っ!」
目も眩むような閃光に包まれたかと思うと、キャサリンは一気に落ちていった…。
「…キャサリン…!」
「……」
キャサリンは、自分の身の内に王子の熱い迸りを感じ、歓びに瞳から涙が再びこぼれ落ち
た…王子はその涙をそっと唇で吸い取った。王子は、キャサリンの耳元でやさしく囁く。
「キャサリン…そなたは私のもの、このイズミルのただ一人の妃ぞ…おお、キャサリン…
離しはせぬぞ!たとえ何があろうとも…」


891 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 12:45:06
作家様お待ちしておりました!キャサリンがとっても素敵ですね!
続きを心から楽しみにしております!!


892 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 13:08:56
王子の純粋な愛情がひしひしと伝わってきて、うっとりしてしまいましたわ…。
本当に詩的な作品を書かれますね…!


893 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 14:06:57
キャサリンの台詞、40代くらいのマダムがカマトトぶってる感じがする。
若さがないというか、恥じらいがわざとらしいというか。
でも、物語は好きだよ。
続きもすごい楽しみにしてる。
二人とも、キルケーに負けるなー!


894 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 15:04:41
やっぱエチーは強引にってのが萌える

895 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 16:46:43
イギリス娘つーので某作品を思い出したが、もしや同じ作家さま!?

896 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 16:47:03
>>880 ワロタ

897 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 16:49:30
作家のことを詮索するのは荒れる原因。およしなさい。
一つ一つの話を楽しみましょうよ。

898 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 17:10:22
様をつけて頂戴な

899 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 17:17:48
はあ?

900 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 17:19:30
ひい?

901 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 17:22:14
>>898は嵐。以後スルーしなされ。

902 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 17:29:35
ふう・・・

903 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 17:39:23
ぶーふーうーは3匹の子豚です☆

904 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 17:44:35
へー

905 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 17:52:18
作家様、負けないでくださいまし

906 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 17:53:00
ホーッホッホッホ

907 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 17:58:56
作家様を応援します!
是非またの更新をお待ちしております…!!

908 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 18:16:02
作家様は荒らしには負けないと信じております!
レス、950超えたら、どなたか新スレ立てて下さいね〜お願いいたします。

909 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 19:19:26
新スレ立てるならお約束に
「連載はいったんアップが終了したら文末に(続く)と記入」って
入れてほしいかも。
時々恐ろしくスレ消費が早いから
今週末中には新スレ立てたほうがいいかも。

910 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 22:04:50
月影・・・設定は好きなんだけど、
王子のセリフが王子らしくないのがチョト気になる。
妙に弱気というか。〜しておくれ。とか。王子は高飛車でいて欲しいんだよね。
あとキャサリンが王子のことをあなたって呼んでるのもなぁ・・・。
二人の初Hもちょっと淡白すぎかなぁ。
いきなり挿入されたのに、一突きでイっちゃうってキャサリンも・・・すごいね。
王子もみこすり半で放出しちゃったみたいだし・・・うーん。

911 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 22:50:08
>>908
お前はまた他力本願かい

912 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 22:57:04


913 名前:名無し草 :2005/03/25(金) 23:48:10
キャサリンのセリフに若さが無いように思えるのは
私だけではなかったか・・・

914 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 01:02:45
    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}


915 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 01:10:16
いいかげん流れたと思うと出てきますなあ

916 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 01:16:15
>>915
ほんとに。
あっちもこっちも・・・どんびきですわ

917 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 01:29:15
どんびき?
どこの言葉ですかい?婆様。
意味も教えてね。

918 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 01:50:37
春休みだからね〜。


919 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 07:32:39
>>910
みこすり半て・・・ワロタ
キャサリンはヴァージンだったのね、って当たり前か
王子のセリフ。何もしてはおらぬぞ、気持ちよいぞ、の「ぞ」がどちらかと言うと
メンヒスっぽい??王子だと、何もしてはおらぬ、のが合いそうだし
本来タカビーな王子が弱気で元気がなく、くたびれたメンヒスのようでもある

でも時代劇調のセリフって難しいよね。自分で考えてみたけど浮かんでこなかったw
月影の詩さまの設定はすごく好き。濡れ場シーンは引っ張って引っ張って
濃厚にキボンヌボンヌ

920 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 08:11:53
>>910>>919
>みこすり半王子

大ウケ!名言になるかもねw
嵐じゃなくて、こんな感想なら作家様もまた書いてくれる気になるよーな
そんな感じがする、きっと月影の詩作家様も笑っているに違いない、どーですか?

なんのかんの言って、自分を含めてここは楽しいお遊びの場
作家様の作品を読んで盛り上がることができるのが毎日楽しみだ
他の作家様の続きも期待いるよ〜

921 名前:920 :2005/03/26(土) 08:13:20
>期待いるよ〜?

訂正スマソ

期待しております〜デシタ



922 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 10:14:53
>>920

>嵐じゃなくて、こんな感想なら作家様もまた書いてくれる気になるよーな
>そんな感じがする、

ハゲドウ!!(´∀`)
作家様方、お待ちしていますーーー!!!

923 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 11:39:16
あらしと批評(耳に痛くてもね)の違いは
きっと作家さんたちもわかってくれると思う。
私もタマにチョトきついかなと思うこと書いちゃうんだけど
それってその作品を愛すればこそ。
苦手な作品はスルーするから
批評も愛情表現なのよ。
作家さんたちあらためてうpありがとー!

924 名前:923 :2005/03/26(土) 11:41:27
ちなみに私、>>893 です。


925 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 12:57:22
テンプレ相談です。

「あらしは放置。
AAも放置。
特定の作家・作品へのあらしに対する反論・擁護も不要。
反応したあなたもあらしになる。
擁護するより作品への感想をカキコしよう。
批評とあらしは違う。
批評はあくまでも冷静に、言葉を選んで愛情を込めて。
スレも荒れないしそれが作家の望むこと。」

こんなの2か3あたりに加えてほしい。
スレとしてあらしへの対応がよりきちんと明記されてるほうが
カキコしやすくなると思われ。

926 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 13:27:17
>>923
あなたのような方がいるからこそ、作家さんたちは次の作品を書いてうpしてくれるのだと
思うな
ぜんぜん、キツクはないよ、だって、作品を読んでくれていることは作家さんもわかっているよ、きっと
100%のほめ言葉も嬉しいだろうけど、作家さんたちにしてみれば、きっと読んでくれることの方がもっと
嬉しいことだと思うな…>生意気言ってすみません

927 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 14:47:31
昨日から自演レスがすごい増えたね

928 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 14:50:52
>>927
自演の女王はエロパロにお帰りッ!!
そして早く次の作品読ませてくださーい。

929 名前:エロパロ作家の自演(自慰)を公開 :2005/03/26(土) 14:55:56
422 :419:2005/03/26(土) 13:31:07 ID:znVTwqxC
>>421
ゴメ…私ってニブイのかな?作家さんの発言のどれとどれが自作自演なのか
全くわからない。
でも、自作自演していてもいいや、私は煉獄作家さんのファンです!(って言い切ってみるw)


423 :419:2005/03/26(土) 13:35:33 ID:znVTwqxC
>>420
連投スマソ

>王子にはムチ!縄!短剣!などなどを駆使して鬼畜街道突っ走って欲しい!

うぅ…できれば、王子は、「女奴隷・キャロル」くらいあれやこれや技を駆使
してキャロルを骨抜きにしてもらいたい。怜悧でクールな王子だからこそ、
冷静なままの絶倫ぶりを発揮してほしい…一晩に5回くらいキャロルを行かせて…


930 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 15:10:47
意味がわからないんだけど、一体何を言っているんだ?

931 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 15:15:30
>>929
あなたの言うところの「エロパロ作家」って誰のこと?「煉獄」作家さんのこと?
だとしたら、こんなところに貼り付けてもスレ違いでしょーがっ!!

932 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 15:24:38
なんでここの人達は一人で連続してカキコするんだ?

933 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 15:27:27
???

934 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 15:40:18
自作自演なんてどうでもいいや
パロさえ順調に投下されてれば無問題よん♪

935 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 15:41:42
>>925
なかなか難しいけど、やっぱ放置しかないかもね。
それか、特定の言葉やAAをフィルタ出来るならフィルタしたい。
誰かオミトロンで荒らし対策フィルタ使ってる方います?

936 名前:925 :2005/03/26(土) 15:46:45
こんなのを足してもいいかも。

「自作自演はご自由に。
わかる人にはわかります。
自演だと決め付けるカキコはただのあらしなので無視。」

937 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 16:27:27
>>934
自作自演なんてどうでもいいや
私のパロさえ順調に投下できれば無問題よん♪

・・・という意味ですね。
でも、お願いだからこっちでしないでー!
楽しみにしてる作品いっぱいあるので、お願いします。

938 名前:934 :2005/03/26(土) 17:42:02
???

939 名前:934 :2005/03/26(土) 17:46:35
>>937
そっか!
あんたみたいのがキメツケ厨っつーのね!!

940 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 17:54:03

いやん。

せめてヲヴァ厨って

 呼 ん で ☆



941 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 18:03:08
>>939=934も立派な荒しに認定。

ロパロ板はID出るから難民板のほうを荒らしてるの?

942 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 19:46:58
わからないけどさ、他所のスレの話は他所でやれば良いのではと思う。
エロパロの人らはわざわざこっちまで来て荒らさないで欲しい。
スレ分けた意味無いよね、これじゃ。

943 名前:925 :2005/03/26(土) 19:57:36
>>935
私は使ってないです・・・

比較的若いひとも来てるかもしれないスレだから
あらしへの対応の仕方とか投稿の仕方とか
わかりやすい言葉でちゃんと書いたほうがいいのかな。
難民のほかの少女漫画から流れてきた板、結構参考になるかも。

944 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 20:01:40
>924
エロパロだといちいち回線切断しないといけないからメンドクサイんでしょ。

テンプレですが、良心のある人は従うでしょうが、荒しには関係ないと思いますよ・・・。
嵐の時は過ぎ去るのを待つのみ・・・かもしれません☆

945 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 20:09:45
早目に立てました。

王家の紋章 Ψ別室―その8
http://aa5.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1111835186/

946 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 20:13:53
>>945


947 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 20:28:41
                    .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+  マターリ
                    (\(\_/)   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      .          〜  (\ヽ( ゚Д゚)′<   換気致しましょうね〜
.    ∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+  〜 (\ (ナフテラ)つ .\__________
                      (____)        .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+            ∪∪
                             .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
            .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+                  マターリ



948 名前:925 :2005/03/26(土) 20:38:54
>>945
ありがとう!
荒らしには何を言っても無理ですけど
良心的な読者がつられないようにする工夫は大事だと思うんです。
カチンとくる書き込みにはナフテラ様の心意気で
次スレもマターリいきたいですねー

949 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 23:45:09
いつまでも925ってウザイ

950 名前:名無し草 :2005/03/26(土) 23:58:22


951 名前:名無し草 :2005/03/27(日) 09:55:18
作家様方、新作うpお待ちしておりますね。
新スレでもOKです〜

952 名前:月影の詩 :2005/03/27(日) 10:54:10
>>890
49.
「―――Sous le pont Mirabeau coule la Seine.Et nos amours                  Faut-il qu'il m'en souvienne          
  La joie venait toujours apres la peine―――」
(―――――われらの恋が流れる…私は思い出す、悩みのあとには…――――私たちの恋
も時の流れに流されてしまったのね…)
キャサリンの頭の中には、詩人の言葉が繰り返されていた…
(王子…)
「キャサリン、キャサリン、マドモアゼル・キャサリン・スペンサー!これを英訳してい
ただけますか?」
窓の外をぼうっと眺めていたキャサリンの耳元に、フランス語の厳しい教師マダム・フェ
ーブルの声が響いた。
「は、はい…えっと…『ミラボー橋の下を…セーヌ河が流れ、わ、われらの恋が流れる…
私は思い出す…悩みのあとには…楽しみが来ると』」
「はい、結構。マドモワゼル・キャサリン、よく訳していますが…授業中に他の事を考え
るのはやめて下さい」
「すみません…マダム・フェーブル」
(授業中に王子のことを考えるなんて!キャサリン…呆れるわ!)
キャサリンが真っ赤になってううつむいたのに、マダム・フェーブルは気付かなかった。.

窓の外には、美しいスイスの風景が広がっている。良家の子女を預かるこのインターナシ
ョナル・スクールに来てまもなく1年が立つ。そして、3000年の時を超えて、遠い過去よ
り戻ってまもなく2度目の春が訪れようとしていた。夏が過ぎれば、ロンドンに戻り、念
願の大学への進学も決まっていた。すべてが順調であるはず…キャサリンは、無理にそう
思い込もうとしていた。しかし、未だ心の傷は癒えていない。

(王子…どうしたらあなたのことを忘れられるのかしら?)
キャサリンは、ふぅーっとため息をついた。
『そなたはわがただ一人の妃…』
王子の低い声が耳の奥で囁いていた…
(王子、あなたは、私を許さないでしょうね…この時代に戻ってしまった私を…)


953 名前:Ψ(`▼´)Ψ月影の詩 :2005/03/27(日) 10:55:28
50.
―――――夜の帳は、やがて暁へと替わろうとしていた。東の空のかなたには愛の女神イ
シュタルが輝く。長いこと抑えていたナイルの姫への想い、その姫に生き写しのキャサリ
ンを腕に抱き我がものとする…、
(これは、私に与えられし運命…金色の髪の乙女を愛することが…そうなのか?何故に
3000年もの時を隔てて…?おお、イシュタルよ)
王子は、腕の中に眠るキャサリンをそっと見下ろす。
「キャサリン…目覚めよ、そなたが欲しい…運命に逆らってでもこの腕の中からは逃さぬ」
王子は、眠るキャサリンに口づけをしながら、その白い体を再び愛で始める。
「う…ん、王…子?あ…」
「目覚めたか?いま一度そなたを愛したい」
「え…?」
「一度で済むと思ったか?キャサリン。夜はまだ明けぬ…そなたが私のこと以外は何一つ
考えることができなくなるまで、3000年の時が消えて無くなるまで、私はそなたを抱く
…!」
王子の愛撫の手は、初めてのキャサリンを思いやっての一度目の愛撫とは違い、その体に
自分の所有を確かめるような強引さがあった。
「あ…王子…っ…やめて…私…」
「逆らうな、キャサリン…、そなたがわが元へ来た時からずっと欲しかったのだ、この白
き体に私の唇で印をつけ…、そなたが歓びで気が遠くなるほどそなたを愛する…一度では、
この想いを抑えることはできぬ…!」

王子は、自らの体を下にしたまま、キャサリンの身を起した。王子の顔の両脇には輝くよ
うな髪がこぼれ落ちる。目の前にあるキャサリンの白い胸は、まだ熟しきっていない果実
のようだった、羞恥のためかうっすらと全身が薄紅色に染まる。王子は、頭をやや上げて、
まだ幼い薔薇の蕾をやさしく吸い上げた。
「ああ…」
片方を吸い上げるともう片方…その間、長い指は、先ほど自分を受け入れたキャサリンの
体の中心の花びらを愛でる。初めて彼を受け入れたばかりにもかかわらず、そこは再びイ
ズミル王子を求めて蜜で濡れそぼっていた。


954 名前:Ψ(`▼´)Ψ月影の詩 :2005/03/27(日) 10:56:00
51.
「そなたも私を欲しがっている…、わかるか?キャサリン…もっと欲しいのであろう?」
「王子…そんな…ああ…」
秘め事の間に囁かれる王子の低い声…淫らとも思える囁きに慣れないキャサリンは、どう
したらいいのか恥らいと王子への愛でわからなくなっていた。
「キャサリン、そなたは美しい…愛の女神イシュタルの光を浴びて…」
「王子…」
キャサリンは、その逞しい躯の上で震えていた。
王子は、キャサリンを自分の方に引き寄せると、両方の薔薇の蕾をもう一度一つ一つやさ
しく吸い上げ、そのまま体の位置を下へと下げていく。キャサリンは、立膝で枕に両手を
ついたまま、下から腰を王子の両手で支えられていた――――気付くと自分の白い足の間
に王子の顔が見えた。
「お、王子…や、やめて…!こんな…こんな…」
「いや、やめるわけにはいかぬ、キャサリン…すべてはそなたを想うがゆえのこと…」
そう呟くと王子は、キャサリンの腰を引き寄せ濡れた花びらに口づけを始めた。
「い、いや…お願い、やめて…あ…あ…ああっ…!」
キャサリンは泣きながらその白い体を揺らし始めた。ほの暗い夜明けの光の中で、波打つ
金色の髪が白い体にこぼれ落ちる…キャサリンは、王子の唇と舌によって与えられる歓び
にただただ翻弄されうち震えるばかりだった。やがて、長い指が誰も触れたことのない花
芯にやさしく触れる。
「あ、ああ…い…や…王…子…やめ…て…あぁぁぁ―――――っ…」

キャサリンは絶叫を上げ崩れ落ちた。
ふと気付くと、王子の乳香の香りが漂う胸の上で息を喘がせていた。
「感じたか…?」
「ひ、ひどい…!そんなこと…聞かないで!あんな…あんなことするなんて…さっきとは
全然違う…ひどいわ…!」
あからさまな王子の言葉に、キャサリンは泣きじゃくる。


955 名前:Ψ(`▼´)Ψ月影の詩 :2005/03/27(日) 10:56:39
52.
「なぜ、いけない?…そなたを愛するということは、この私の心と躯すべてでそなたを崇
め慈しむこと…そなたを抱くとはそういうこと。初めてのそなたにはわからぬのかもしれ
ぬがいずれわかる日も来るであろう…、愛らしきキャサリンよ…私が愛し方を教えるやろ
うぞ」
「王子…」
王子は涙を浮かべたキャサリンに口づけをすると、キャサリンを上にしたまま再び身を沈
めてくる。
「いや…このままでなんて…いやよ…」
「黙って…今度は痛みはないであろう?動いてみるがよい…そなたの歓びは私の歓び…こ
うしてそなたの体の奥深くわが身を納める事こそが歓びとなる…私を愛しているのなら、
その美しい体を愛でさせよ…その金色の髪も青い瞳も花のようなそなたの体も、そのすべ
てを…!」
王子の言葉に、少しづつではあるがキャサリンの恥らいも消えていった。
ためらいがちに、キャサリンは王子の躯の上で動きはじめた。体の奥深く、王子の力強さ
をその身の内に感じ、やがて絶え間のない歓びが湧き出してくる。
「あ…あ…王子…っ!」
「キャサリン、そうだ…!」
王子を愛するということは、その身と心を一つにして共に歓びを与え合うこと、互いに慈
しみ合うこと…古来より男女が愛し合うということがどんなことなのであったのか…キャ
サリンは初めてわかったような気がした。


956 名前:Ψ(`▼´)Ψ月影の詩 :2005/03/27(日) 10:57:45
53.
――――キャサリンが王子の躯の上で歓びに酔いしれている時、王子の両手はキャサリン
の腰を支えてやさしくその動きを促している…やがてその手は胸を包み愛撫する。そして
愛撫は手から唇へと替わり、揺れる薔薇色の頂をそっと吸い上げた。
「ああっ……ああ…」
届きそうで届かない…キャサリンは、愛の歓びと苦痛の狭間で漂っているかのようだった。
「お、王子…私…ああ…」
訳も判らず、届きたい場所へと向かって両手を翳したくなりながら、王子への懇願を続ける。王子の男らしい躯に貫かれたまま、キャサリンは風の中の花びらのように舞っていた。
「キャサリン…行きたいか?」
「…そ、そんな…わからない…私…でも…お願い…もう…ああぁっ!」
瞬間、王子は体を入れ替え、自分が上になった。震えるキャサリンの白い脚を両方高く肩にまで抱え上げると、深く激しくキャサリンを貫き始めた。
「ああ…ああっ…うぅ…ん……」
キャサリンは歓びの頂へと一気に駆け上がっていく。輝く頭は枕の上で左右に振り乱され
て…。脚を降ろしながら王子は、上半身をキャサリンに重ねてきた。貫きは一層深くなり、
キャサリンの華奢な白い腕は王子の背に巻きつき王子の愛を求める…

やがて、キャサリンは王子をきつく放したくないというほど締め付けてきた。
「ん、ん…ああぁぁぁ―――――っ」
「キャ…サリン…っ!」
長く尾を引くキャサリンの歓びの声と共に、王子も熱い迸りを再びキャサリンの中に放っ
た。体の奥にその熱い迸りを感じ取り、キャサリンの歓びはより深くなる…
「キャサリン…わが愛しき妃よ…」
キャサリンは気が遠くなっていく中で、王子のやさしい口づけを受けながら、その声を聞
いていた。
(王子……)
その瑠璃色の瞳からは歓びの涙が溢れた…。


957 名前:月影の詩 :2005/03/27(日) 11:09:48
(続く)

958 名前:名無し草 :2005/03/27(日) 11:15:04
月影の詩作者さま!
新たな展開にドキドキしております。キャサリンは現代に戻ってしまったのですね。
王子を想いながら。今後どのように物語が進んでいくのか、楽しみです!!

959 名前:名無し草 :2005/03/27(日) 13:27:18
月影作者様は回を重ねるごとに文体や表現がこなれていきますね。
今後の展開も楽しみにしております。

960 名前:名無し草 :2005/03/27(日) 16:01:47
>>959
禿胴。毎回技量が上がってこれていますね。そういう変化も物語を読むのと同様楽しいです。

961 名前:名無し草 :2005/03/27(日) 19:31:24
>月影の詩作者様
うpありがとうございます。
現代に戻ってしまうんですね…どういう展開なのか楽しみです。


962 名前:名無し草 :2005/03/27(日) 20:12:07
>>959-960
私も禿げ同です。
やはり謙虚で努力家なお人柄を感じます。
皆さん同様これからの展開がとっても楽しみです。頑張ってくださいね!

963 名前:名無し草 :2005/03/27(日) 22:15:01
えらそうに…


964 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 01:29:42
(〃∇〃) てれっ☆

965 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 09:32:55
新しいスレ立てました。
王家の紋章 Ψ別室―その8
http://aa5.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1111969312/

966 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 14:41:48
>>965
もうあるってば。

967 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 16:21:39
どっちに行きゃいいんだ

968 名前:月影の詩 :2005/03/28(月) 16:51:25
2つもスレがある…一体どうしたらいいの?どっちがメインか決めないとね…
メンフィス4年後様が後者の方にうpしちゃっているし…最初のスレにコピペ
して、後のほうを没にするとか?
どうしようか?

969 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 16:56:32
いいこと考えた。次の作家様がうpしたスレをメインにして、どっちかを没に
すりゃいいよw

970 名前:抜けない棘 :2005/03/28(月) 16:59:23
すみません、続きうpをしたいのですが
メンフィス系統と王子系統に分ける、などのレスもあって
ちょっと混乱しております。
どうしたらいいでしょう?

971 名前:月影の詩 :2005/03/28(月) 17:05:47
私もタイトル名でくだけた口調で突然出てきて、すみません(恥
いつもご感想下さる皆様には、感謝の言葉もありません。
作品の方は、もう少しお付き合い下さい。

<ここからは口語調子で一ロムラーとして>

やっぱり一つに決めるのがいいと思う…
どうしよう?

972 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 18:30:05
抜けない棘様、お待ちしております!
とりあえずこちらにUPしたらいかがでしょうか?

973 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 19:16:49
分けなくてもよいぞ。
作家様>>945にUPしてください。

974 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 19:20:57
どちらかにカキコを絞るとしたら
今メンフィス四年後作者様がアップしているほうを保守しましょ。
もう片方は現時点でどなたも作品アップしてないし。
ここ(その7)はだんだん1000に近いから作品のアップは微妙かも・・・
まだ大丈夫だとは思いますができたら新スレのほうがいいかな。

スレをメンフィス系と王子系に分けるのは反対です。
寂れる危険もあるしひとつのスレでマターリ共存しましょうよ。
エロパロ版もあることだしこれ以上スレ分けしなくてもいいと思う。

作家さんいつもありがとう!

975 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 19:23:34
>>945にはもうコピペされてるよ。

976 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 19:34:42
みなさま、945サンの方で新スレがスタートされました。
作家様方、お待ちいたしておりまする。

977 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 19:52:46
ついでにこちらも終わらせたいところだね。
みんな、何か書き込みしよう!!

978 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 21:03:57
はいよ^^^^^

979 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 22:01:37
>>974
>スレをメンフィス系と王子系に分けるのは反対です。
>寂れる危険もあるしひとつのスレでマターリ共存しましょうよ。
>エロパロ版もあることだしこれ以上スレ分けしなくてもいいと思う。

そういう問題じゃないだろ、このヴォケッ
そういう自分本位の考え方しかできないヤシばかりだから
てめえみてえな嵐が湧くんだよ。少しは自覚しろ!

980 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 22:14:34
何熱くなってるの?マターリしようや

981 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 22:17:57
エロパロはあいつの専用板だろーがよ!

982 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 22:19:33
>>979
ここ数年の経緯を考えていくと
974の言っていることは至極まともなご意見だと思います。
むしろ貴方の書き込みのほうが、「ヴォケッ 、てめえ、〜だよ。」
などと書かれていて不快です。


983 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 23:00:14
王子系でもメン様系でもないパロを書きたい作家さんも
いらっしゃると思うしねー
作家さんがどこにうpするか迷うようなことだけは避けたいと思う。


984 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 23:18:09
>983
はげどー。
それにメンヒスと王子が同じくらい登場する作品とかも激しく読みたい。

985 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 23:18:56
>>982
て優香、スレって欲しいと思ったら自分勝手にドンドンパカスカ立てていいものなの?

986 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 23:28:18
>>985
確かにドンドンパカスカは顰蹙ものだね。ありえねーw

987 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 23:38:52
でも王家スレがいっぱいあると嬉しいじゃない?
2chはもっと王家に配慮してもいいと思うわよね〜!!!

988 名前:名無し草 :2005/03/28(月) 23:55:01


989 名前:名無し草 :2005/03/29(火) 02:06:27


990 名前:名無し草 :2005/03/29(火) 09:55:55
最後??


991 名前:名無し草 :2005/03/29(火) 13:12:45
ううん、あと10カキコ

992 名前:名無し草 :2005/03/29(火) 14:02:05
王子らーぶ♪

993 名前:名無し草 :2005/03/29(火) 14:04:03
王痔

994 名前:名無し草 :2005/03/29(火) 14:33:04
王子ダイスキ(はぁと)

995 名前:名無し草 :2005/03/29(火) 14:42:14
王血

996 名前:名無し草 :2005/03/29(火) 15:00:42
王子の身長体重スリーサイズ血液型星座を教えてください

997 名前:名無し草 :2005/03/29(火) 16:18:39
麺さま しし座・B型

おう児 みずがめ座・RhマイナスAB型

998 名前:名無し草 :2005/03/29(火) 16:23:58


999 名前:名無し草 :2005/03/29(火) 16:24:42


1000 名前:名無し草 :2005/03/29(火) 16:25:20
王子:身長185p 体重72s 血液型AB型(2面性がある) たぶんクールで知的なみずがめ座
好きな女性のタイプ 金髪碧眼の美少女(中身は問わず)

1001 名前:1001 :Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

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