『 二日目の夜 』



「姫・・・?」
新婚二日目のイズミル王子はベッドの垂れ幕の向こうに誰も居なかったので一寸驚いた。
(先に湯浴みをさせて寝室で待たせておいたはずなのに?)
さして広くもない寝室を見まわすと窓枠に隠れるようにしてキャロルが居た。
「そんなところで何をしている?冷えるではないか。さぁ、おいで」
「え・・・・っと・・・・でも・・・」
キャロルをベッドに横たわらせ、あせる心を落ち着けながら寝巻きの腰紐を探れば結び目は固くこま結びにしてあった。
「な、何だ、これは?どうした、こんなに固く結んで。解けぬではないか」
王子は少し怒ったように言った。
「だって」(昨日みたいにイタイのはもうイヤ。今日はただ抱き合って眠るだけで良いわ)
「だってではない。どうしてこのような意地の悪い真似をして私を焦らす?」
「・・・・」
「・・・・分かった。昨日、私がそなたを痛くしたことを恨んでいるのだな?違うか?」
「う・・・・・だって王子は痛くないって言ったのに、あんなに痛くて。それに王子はなかなかやめて呉れなくて」
イズミル王子は新妻の幼さに苦笑した。
「私が可愛がってやったらあんなに悦んでその瞳からも・・・・下の口からも随喜の涙を零していたくせに」
言いざま、王子は髪の毛の中から短剣を引き抜くとキャロルの腰紐を切った。
キャロルの白い身体を素早く押し開いて王子は痛がる場所を検診し、舌で慰めてやった。
ほどなくキャロルは身体の疼きに負けて王子に貫いて欲しいと自分から腰を突き出した。王子はすぐにその望みを叶えてやった。
「まだ少し血が出るな」
「だって王子のは・・・だから。それにあんなに動かれたら痛い」
「じきに良くなる。早く慣れねばな」
王子はそう言ってまた花嫁の脚を大きく割り開いた。

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