『 Ψ(`▼´)Ψ・7 』

「どうしたの?そんなに見つめられては恥ずかしい」
キャロルは真っ赤になりながら王子に抗議した。恥ずかしさのあまり相手の顔はろくに見られない。
「冷たい言い方だな。ようやく婚儀を終えて我が腕の中に娶った妻を見つめて何が悪かろう?」
イズミル王子は他人には決して見せない柔和な微笑を新妻に向けた。長い長い時を経てようやく娶ったというのに、肝心の相手は相変わらず子供っぽく側に寄りつきもしない。
(昨日までは無邪気にまとわりついてきたというのに婚儀を終えた途端、他人行儀になるとはな・・・)
王子はからかうような苦笑を浮かべながらキャロルを寝台際に追いつめた。
「さぁ、もう子供っぽい真似はするでない。そなたは神の御前で私に心を捧げることを誓った。今度は私にその身を捧げてくれ」
王子は怯える少女をそっと抱き寄せ、寝台に横たえ、もう起きあがって抗えぬようにとでもいうように覆い被さって自由を奪った。
「愛しくてたまらぬ。こんなにも誰かを愛しく思えるとは。そなたが私に教えてくれた・・・人を愛しく思うとは・・・何も考えずにただ一途に誰かを愛おしむとはどういうことかを」
王子はただ「愛しい」と繰り返した。初めてその言葉を知ったかのように。その言葉の持つ甘やかさと重みを味わうように。
言葉と共に繰り返される接吻と愛撫にいつしかキャロルの緊張も解けていく。
「王子は・・・暖かい。暖かくて安心できる」
キャロルは初めて自分から王子の体に縋っていった。
「知らなかった、こんな暖かさ。安心できて何だか懐かしいの・・・。知らなかった、こんなにも・・・安心できるなんて・・・」
古代に来て以来、初めて心からの安らぎと、かつてないほどの暖かさへの渇望を覚えるキャロル。

「もっと・・・・もっと暖めてやろうほどに」
王子はゆっくりと頭を下にずらしていった。熱い欲望に満ちた唇が処女雪のように白い女の肌に紅薔薇を咲かせていく。胸の膨らみが、その頂を飾る紅玉が王子の指に触れられ、舌で弄ぶように味を確かめられ、固く凝(しこ)った。
キャロルは荒い息を吐きながらも、王子の与える快感に本能的に抗った。
「もう・・・もうやめて。のぼせて、変になってしまうわ。お願い。いやよ、もう・・・」
「こればかりは・・・・・そなたの望みとて叶えてやるわけにはいかぬな。
嫌だと抗っても、そなたの身体は・・・ほら、私を求めている」
王子はいきなりキャロルの白い脚を割り開いた。甘い蜜が滴る薔薇の花の中で、珊瑚珠が羞じらいながら王子の視線に震えていた。
王子は親指と人差し指で珊瑚珠を摘み上げるように揉みしだいた。
「ひぃ・・・・あ・・・・っ。ああっ・・・・!」
キャロルは全身を灼かれるような強い痺れを覚えた。だがその痺れの何と甘美なことか。
「何とうぶな身体であることか」
王子は溢れる蜜を珊瑚珠に塗りつけながら残酷に微笑んだ。そしてそのまま溢れる蜜を、固く勃ちあがった珊瑚珠を、花びらを舌で存分に楽しんだ。
いくらもたたないうちにキャロルは激しく痙攣して初めて味わう女の悦びに達してしまった。
「何とも妖艶な貌だ・・・」
王子はそういうと痛いほどにいきり立った自身を乙女の場所にあてがった。

「あ・・・・っ、やっぱり私・・・」
キャロルは腰を捻って逃れようとした。だが王子はそれを許さなかった。
「さぁ・・・そなたを私に与えてくれ。怖くはない。そなたは名実共に私の妻になるのだ」
王子はゆっくりと乙女の狭い場所に自身を沈めていった。一気に貫くことも出来ただろうが、痛みに耐えながら必死に男性を迎え入れる女の顔を堪能することを選んだのである。
「あ・・・・・あ・・ああ・・・・」
声も出ない苦痛の表情を浮かべるキャロルが王子を煽った。王子もともすれば暴発しそうになる己の欲望を必死に押さえながら、キャロルの身体を好色に弄びながら胎内に沈んでいく。
「・・・・・分かるか?私がそなたの中にいるのが」
王子は必死に嗚咽を堪えて涙を零す新妻の顔を見下ろしながら尋ねた。
誰にも触れられたことのない無垢の花を手折ったことへの後ろめたさ、倒錯した歓び。王子は大きく腰を動かした。
「王子・・・!」
王子はキャロルの耳朶にささやきかけた。
「許せよ・・・こうすることでしか、そなたへの愛を証拠立てることができぬ」
「王子・・・・」
キャロルは逞しい背中に必死に縋り、苦痛の海に流されぬようにするのが精一杯だった。

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