晴れた日の午後は、２人で海に行く。 それはもう日課になっていた。 波の定期的な音と、海の潮の匂いが鼻腔をくすぐればたちまち笑顔になってしまう２人。 「やっぱ海はいいなあ〜気持ちイイ〜〜！！」 金髪の少年は両手を広げ、空を仰ぐ。 そのまま浜に倒れこみ、潮の匂いを思い切り吸い込む。 「ガキくせえな、おめえはよ」 その金髪の少年を覗き込むようにジェクトはそのにやけた顔をつまんでやった。 「いいじゃんか、海好きなんだからさ」 立ち上がって、海に走り出す。ブリッツのユニフォームだからぬれたって大丈夫。 バシャバシャと足にかかる小波に満足そうな表情を見せるティーダに、ジェクトも幾分表情が やわらかくなる。 「ほんと・・・可愛いガキだぜ・・・」 「なんかいったぁー？？」 遠くで叫ぶティーダに、なんでもねえ、と言ってその姿を追いかける。 しゃがんで砂を掘り始めたティーダの近くまでいき、何してんだ？と尋ねる。 「貝殻探してるの。綺麗なヤツ」 「・・・女みてぇな事すんなあ・・・」 「うるさいよ」 ちょっと膨れてティーダはなおも浜を掘り続ける。寄せる波に邪魔されながらも段々と 必死になっていく様は本当にガキみたいで、ジェクトの心を激しく揺さぶった。 「ほんと可愛いな、おまえ」 「な、何が可愛いだよ！！」 ２枚の貝殻を見つけて嬉しそうなティーダについかけてしまった、ティーダがあまり好まない呼び方。 「可愛くてしょうがねえ！！！」 そのままぎゅって抱き締めてしまえばティーダはおとなしく抱かれるだけになる。 「・・・すぐ抱きつく癖直せよな・・・」 だがティーダも、まんざらではないようだ。 「ほら、これあげるからさ」 先程見つけた、裏が七色に光る綺麗な貝殻２枚をジェクトの手に握らせ、自分はさっさと別の場所 へと走る。 ・・・本当は、もっと大きくてもっと綺麗なやつ、欲しいんだけどな・・・ と思いながら再び穴を掘り始めた。 砂はさらさらして、水をふくんでもきめ細かく美しく。 その砂の下からまた、七色に光る貝殻が出てくる。 光にかざすと、貝殻はきらきら光る。 「・・・・綺麗だなぁ・・・・」 ティーダはしばしその光景を楽しんだ後、後ろを振り返る。 みればジェクトも砂を掘り始めているではないか。 「なんだよ、人の事バカにしといてアンタまでやってんのかよ」 「ああ？・・・うっせえな」 まあ、いいや。抱き付かれて探せなくなるより。 しばらく２人は近づいたり離れたりしながらしゃがんで砂を掘っていた。 遠くから見れば、大の男が２人しゃがんでなにやらしているのだから怪しい事この上ないが・・・。 いくらか時間がたった後、ティーダはひときわ大きい貝殻を手に入れた。 「あったｖｖ」 ティーダは手の平の半分程の大きさの光る貝殻を手に入れてご機嫌になった。 「オヤジみてみてｖｖこ〜んな大きいのみつけたｖｖ」 ジェクトにみせびらかすように近くに走り貝殻をみせつけてやると、ジェクトは、 「け、そんなのまだまだだな」 と強がってさらに探し始めた。 「ちぇ、つっまんねえの〜」 ティーダはその大きな貝殻をポケットに大事そうにつめこんだ。 「今日はあんまり汚れなかったんだねぇ」 服が濡れていなかった事に少し驚いたブラスカは二人の外着を洗濯機につっこんだ。 「うん、ずっと貝殻探ししてたからさ」 室内着に着替えたティーダは自分が見つけた貝殻を握り締めソファに座った。 「・・・・・随分と女みたいな事するんだな・・・」 向かいで本を読んでいたアーロンにジェクトと同じ事を言われて、ティーダは思わず 紅くなってしまう。 「・・・・・・・オヤジだって貝殻集めしてたんだからな」 「・・・・・救いようがないな・・・」 「なんだとアーロン？！」 ドカドカとうるさい音を立てながら白いTシャツにジャージ姿のジェクトがティーダの横に座る。 「可愛くていいじゃねーか。ティーダにゃぴったりだぜ」 「可愛いって言うな！！」 「・・・お前まで貝殻探しする事はないだろう。・・・ティーダじゃあるまいし」 アーロンは冷たく言い放つと、うるさいと言わんばかりに２階へとさっさと上がってしまう。 「うう・・・今バカにされたような気がするッス・・・」 「気じゃなくてバカにされたんだろーが・・・」 「２人共、帰ってくるの遅かったからご飯先に食べちゃったんだ。２人の分はとっておいたか ら、温めて食べてね」 ブラスカもそういい、２階へと上がろうとするのを、ジェクトが声をかけた。 「あ、ブラスカ。なんか・・・こう・・・細くて硬ぇモンねえかな？」 「？ドライバーとかでいいのかな？」 「おお、それだそれだ。どこにある？」 「うーん・・・アーロンの部屋かな？家の修理はアーロンに任せてあるから。一緒に取りに 行ってあげようか？」 「おう」 「・・・？・・・」 ２人のやりとりを、ティーダは不思議に見つめていた。 風呂に入り、すっきりした体に一枚適当に服を羽織って、ティーダはベッドに横になった。 掌には、貝殻。 太陽の下でなくともそれは電気の光で七色に輝く。少し動かすだけで、それはキラキラと 輝き、ティーダは知らず知らずのうちに笑みが浮かぶ。 それをサイドテーブルに置き、ティーダはもう一人が部屋に入ってくるのを待っていた。 目的の人物は酒を数本とグラス２本を器用に持ち、扉を開けた。 「よぉ」 「なんだよ、そのカッコ」 開いた扉を足で閉めて、ジェクトは酒をベッドに置く。 「ま、今夜は酒でもいきますか？」 「・・・いいの？」 「そりゃたまには。俺も２０前で飲みまくってたし」 だから酒癖悪いんだな・・・とは口には出さず、グラスを受け取り、酒を注ぐ。 １７とはいえ、ザナルカンドではアーロンの目を盗み飲んでいたティーダはなかなか強く、 次々と杯を重ねていった。 「・・・・オヤジさ」 「なんだぁ？」 ２人でダブルサイズのベッドの上であぐらをかきながら、ティーダは先程のジェクトの行動に ついて質問をした。 「さっきブラスカさんと話してたの、何？ドライバーがなんとかとか」 「ドアが壊れてたんだよ。だから・・・それで直してきた」 「ふうん・・・・」 再びジェクトの顔を見ると、ジェクトは何事もないような顔をしてグラスに口をつけている。 隠し事・・・はないようだ。 ジェクトは何杯目かの杯を飲み干したあと、同じくグラスをカラにしたティーダの手を取り、 ベッドに組み敷いた。 「なにすんだよ」 と、口では抵抗しながら反抗しない体を抱き締めて、ジェクトは耳元で囁いた。 「酒の後の、お楽しみって事で・・・」 「はあ？意味わかんね・・・ん・・・」 耳に吐息をかけられて、照れ隠しに言った言葉を最後まで言わずにティーダはその口を ジェクトに塞がれた。 [へへ・・・今日は寝かせないぜ・・・？明日は雨らしいからな・・・。練習は中止だ」 「な、ちょ、監督がそんな事言っていいのかよ！！」 ティーダは言われたセリフに顔を真っ赤にして抗議したが、ジェクト前ではまったく通用しない。 そのまま服を剥ぎ取り、胸に指を這わせた。 「あ・・・」 与えられた刺激に、胸の飾りは素直に反応し、立ち上がってくる。ジェクトはその様子をずっと 目で追いながら、クスッ笑った。 「・・・今日は意地悪してやるぜ」 「・・・は？」 ジェクトの言葉に嫌な予感がしたティーダだったが、今更反抗する気も失せ、ジェクトに与えられる 刺激に素直に反応する。 ジェクトの唇が、首筋・・・胸・・・腹へと移動する。ティーダの性感帯を知り尽くしているジェクトは、 脇腹の背中寄りの肌に口付けた。 「あっ・・・」 石鹸の香りのする肌をさらに下へと移動し、すでに立ち上がっているモノのそばにまで唇が這った。 ティーダは次に来るだろう強烈な刺激を予想して体に力を入れていた。 だがジェクトはそれを無視し、太腿に唇を這わせた。 「・・・？」 予想してなかった動きにティーダは不思議がってジェクトを見た。 その表情をみたジェクトはニヤリと笑い、ひたすら太腿に舌を這わせる。 「ん・・・あっ・・・」 ティーダの頭に、先程ジェクトが言っていた言葉がよぎり、その意味を理解し、ティーダは途端に 真っ赤になってしまった。 「や・・・オヤジ・・・」 「ん？どした？」 ニヤケ顔でいうジェクトにティーダはこの上ない屈辱を味わった。ジェクトはわかってやっているのだ。 触ってほしい、とそれはこんなにも訴えているのに。 ジェクトの唇は再び胸へと戻り、胸の飾りを銜える。 そっちじゃないのに・・・・ ティーダは伝わらない感情に涙を零した。いや、伝わっているからこそ、ジェクトはこんな意地悪を 自分にするのだろう。 「や・・だ、オヤジ・・・そこばっかり・・・」 ２つの突起は、もうこれ以上ないと言うほど紅く立ち上がっている。それを執拗に刺激され、ティーダ はジェクトの頭を両手で掴み、押し出そうとする。 「・・・じゃあ、自分で言えよ」 「・・・え・・・」 「俺にお願いしろよ。さわってってさ・・・ほら」 「あっ！」 突起を甘噛みされ、思わず腰が跳ね上がる。 「どうしてほしいか、言ってみろ」 「あ・・・」 絶対的な命令口調に、体中が反応した。じわじわと快感が駆け上がり、脳がとろけそうになる。 だが、あまりに屈辱的な言葉に、ティーダはいやいやをし、蒼い瞳をさらに濡らす。 「いわねぇなら、ずっとこのままだ」 胸を舌でいじりながら、両手でティーダの他の性感帯を指先でなぞる。 「ふ、う・・・はぁ・・・・」 鳥肌がたつ程気持ちよく。でも決定的な快感は与えてくれない。 素直に言えば快感は来るのだろうが、それをわかっていてもティーダはなかなか口を割ろうとは しなかった。 ジェクトの方も、少々焦る。 自分もまた、目の前の艶美な光景に欲情しまくっているから。 ならばと思い、銜える突起に吐息をかけながら口を開いた。 「・・・見ろよ・・・お前のココ、こんなに立ってるぜ・・・？」 「あ・・・やだっ・・・」 ジェクトの作戦はどうやら成功したらしく、ティーダは鼓膜に響くジェクトの言葉責めに激しく頭を 揺らした。 「ホラ・・・・こっちもビンビンだな。ティーダは淫乱だな。まだ触ってねぇのによ」 「あ・・・や、・・・いじわる・・・」 先走りの零れるそれを見つめながらいうジェクトに、とうとうティーダが折れた。 「ほら・・・どうしてほしいか言えよ。してやるから」 「・・・・えて・・・」 「あ？聞こえねぇよ」 「っ・・・意地悪・・・！！！」 本当は聞こえてたくせに、と睨むティーダに、ジェクトはもう一度、ちゃんと聞きたい、と返す。 「・・・ココ・・・銜えて・・・」 「了解」 返ってきた返事に満足し、ジェクトは満足に触れなかったそれを根元から銜えた。 「ああっ・・・」 強烈な刺激にビクンと揺れたティーダだったが、なんとジェクトは銜えたままで動かない。 「やっ・・・ジェクト・・・っ・・・」 もっと強い刺激が欲しくて、腰を揺らす。 「言われたとおりにしたぜ」 「ああっ・・・ひどいよ・・・」 「・・・言えよ。なんでもお前の言うとおりにするから」 早く次の刺激が欲しくてティーダは甘えた声でジェクトに訴えた。 「・・・舐めて・・・イカせて・・・」 その表情にゾクッとし、ジェクトは舌と唇を使いそれを刺激し始めた。 すっぽりと根元まで銜え直し唇でしぼるようにこする。舌先で亀頭をつつき、その下にある窪み をしつこく、何度も刺激した。 「ひゃあ・・・ああっ・・・やあ・・・」 若い体は、今まで焦らされていた事もあってかその刺激に白濁をジェクトの口に吐き出した。 ティーダの見ている間に、ジェクトはそれを飲み込んだ。 「ジェ・・・」 「ご馳走様。今日は随分と早いじゃねーか」 そう言って口を拭うジェクトにティーダはさらに紅くなった。 そして、嫌味とばかりにへの字にした口を開いた。 「んだよ・・・飲み込めなんて言ってないよ」 「ほおぉ〜〜〜・・・。ココいじくってやんないぞ？」 指先で奥底の蕾をつついてジェクトは意地悪く笑った。 「あっ・・・」 「なんつー声出しやがる。心配しなくても触ってやるよ」 指を唾液で濡らし、ジェクトはティーダのそこを指で再度つついた。 それに遠慮なく、指を根元まで一気に埋めこんだ。 「ああっ・・・・」 クイッと動かしてみると、一度精を出して柔らかくなっていたそれが再び立ち上がってくる。 蕾への愛撫を本格的にはじめた。ティーダを４つんばいにして、差し出された双丘に顔を埋める。 蕾に舌を差しこみ、内部から舐め上げる。ティーダから、高く掠れた声が出る。 自然とティーダの腰が前後に揺れ、蕾が収縮をし始めるまで、ジェクトはクチュクチュと音を立てながら そこを刺激し続けた。 「・・・すげえ音するな、ティーダ。それに・・・俺を欲しがってヒクヒクしてるぜ・・・」 「あああっ！ふぅ・・・あ・・・くう・・・」 舌を外し、その輪郭を舌で追いながら、今度は３本の指を束ねて埋め込む。 それもすんなりと受け入れるほど、ティーダのそこは蕩けきっていた。 肉壁は熱く絡み付き、ジェクト指を離すまいと絞めつけてくる。 ゆっくりと、抜き差しを繰り返す。快感から幾度となく涙が頬を濡らす。 「ああ・・・ジェクト・・・！も・・・」 「なんだよ、はっきり言えよ」 自分でも、つくづく意地が悪いと思う。 自分のだって、はちきれんばかりにいきり立っているというのに。 だけれども、ティーダが乱れるところをもっと見たい。 「ふうっ・・あ・・・ああ・・・っ・・れ・・・て」 「聞こえねーよ」 「ああ・・・ジェクトの・・・入れて・・・」 ジェクトは指をずるずると抜くと、腰を高く上げ、指の何倍もの質量の自身を蕾に押しこんだ。 「く、ああっあ・・・」 毎度毎度の事ながら、いきなり入れられるにはジェクトのそれは大きすぎて。 だけれども亀頭が入ればあとはなんとか入っていく。 なんとか全部埋めこんで、ジェクトは貫かれた喜びに涙を流すティーダの涙を拭い、 優しく囁いた。 「・・・もう我慢できねえ・・・動くぞ」 じらされたのはジェクトも同じ。腰を掴んで激しく突き出した。 「あっあっ！！！ふぁ・・・ああ・・・っ！！」 イク寸前に突くような勢いで、ジェクトは腰を打ちつけた。 ティーダの乱れるところが見たい。その一心で。 ひっきりなしに出る声と、艶美な表情、そして自身をきつく締め付けるティーダの蕾に、ジェクトの 絶頂もすぐそこまで来ていた。それを必死に耐え、ティーダを最奥をこれでもかと突き続けた。 「ああ、あ、ジェ、ジェクト・・・っ・・好き・・・あっ！」 「っ・・・！俺も好きだ・・・ティーダ・・・！」 きつく締め付けられ限界を感じたジェクトは渾身の力で最奥の柔らかいところを突いた。 ティーダは悲鳴を上げて、ジェクトをさらにきつく絞めつけた。 「くッ・・・」 ティーダが白濁で腹を汚したと同時に、ジェクトもティーダの中に欲望の証を放った。 気がついたのは、それからどれだけ時間が経ってからだろうか。 瞳を開くと、目の前には紅い瞳。 「・・・よぉ・・・良かったか？」 「・・・まぁまぁ・・・」 憎まれ口を叩いてやると、ジェクトはムクれて口を膨らませる。 「なんだぁ？俺様頑張ってやったのによ」 「ウソだよ・・・すげえ良かった・・・」 頬にキスをひとつ、お返しに。 「・・・おめえやっぱ可愛いなぁ・・・」 真顔で言われて、ティーダは昼の事を思い出し、ムッとしてしまった。 「・・・何が可愛いだよ」 「可愛いモンは可愛いんだ！！」 そして抱きつかれる。もうお決まりだ。 ・・・でも・・・こういうの・・・・実はすごく・・・・好き・・・。 なんてのは、きっともうジェクトには読まれているんだろう。 本気で嫌がってないのくらい。 「お、そうだ。忘れるところだったぜ」 「？」 ジェクトはズボンのポケットから、なにやら紐を取り出した。 「なに、オヤジ」 「ほら」 ジェクトが見せてくれたのは、ティーダの掌に辛うじて収まる程の大きさの一枚貝。 それが、丈夫そうな紐に通され、その大きな貝の左右に、昼にティーダがジェクトに持たせた ２枚の小さな貝殻。 「お前に似合うと思って・・・な。さっきこっそり作っといた。昼間見つけた貝だ」 「・・・・・・・」 「な、なんだよ。おめぇの見つけた貝殻より大きいからってグレるなよ。俺はハナからおめぇにやる つもりで探したんだからな・・・」 ティーダが沈黙するのを勘違いしたジェクトは、首をコキコキやりながら真っ赤になった。 「バカだな、オヤジ。そんな事で俺、怒ったりする程ガキじゃないぜ・・・」 首にかけてもらったそれを手にとりながら、ティーダは満面の笑みをジェクトに向ける。 「大好きだよ、オヤジ・・・」 「ティーダ・・・・」 優しく口付けて、ティーダは薄く瞳を開け、サイドテーブルを見遣る。 そこに乗っている貝殻を、今度ジェクトのために加工しよう・・・ そう思い、また瞳を閉じた―――――― end |