「先ほどは失礼いたしました。」
本当に申し訳なさそうに謝るフランス人形ちゃん。
そんな、頬をピンクに染めて今にも泣き出しそうなうるうるした瞳で見つめないでっ!
こっちが悪いことしてるみたいだから。
それにしても、謝られてもさぁ。

つーか、ここどこ?
あたしが首を傾げているとさっき『姫様〜っ!!』とかなんとか叫んでたジジイが頬に手を置いていった。
「それにしても、本当にサクラコ様に似ていらっしゃいますね。」
うー、しぐさがちょいキモい。
ってか、サクラコ様って誰?
「この国の救世主・・・・とでもいいましょうか。」
あっ、口に出してた、もしかして?!
「そして、今はきっとあの世界に帰ってございます。」
あの世界?って”あの世”ってことかな?
「貴方様の言う”あの世”とは死後の世界にございますか?それなら違います。あの方の元いた世界にございます。」
また口に出してた?!
「でも、なんであたしがその”サクラコ様”に似てるの?なんかのみ間違えじゃない?」
「何を言いますか?!この爺が見間違えるはずはございませぬ。」
あたしがそういうと、ジジイは指をパチンと鳴らしていった。
ジジイの鳴らした音を合図に(?)壁の方に突っ立ってた二人組みの男が「はっ。」とかなんとか
返事をしてこの部屋から出て行った。

しばらくして帰ってきた二人が持っていたのは誰かの肖像画らしい。
「これを見なされ!!」
ジジイはそういうとまた二人に合図してその肖像画を壁にかけてあたしたちが見えるようにした。
「はっ??」
その肖像画には一人の女性が描かれていた。
んにしても、その女性というのが・・・あたしにそっくりなんですよ。
つーか、微妙にあたしより大人っぽいから年上?
それにしても、これどっかで見たことあるような?
あたしは脳みそをテストのとき以上にフル回転させて考えた。
それは、もしかしたら脳みそに繋がる血管が切れてしまうかとおもうほどに(嘘つけ
あっ!
そうだ、ばあちゃんちだ!
そして、あのころ、まだばあちゃんはぼけていなかったはず!!


(回想スタート)
あれは確かまだ、あたしが7歳で純真でいたいけな子供だったころ。
「おばあちゃん、このひとだあれ?」
ばあちゃんちに遊びに行ったときに屋根裏から見つけた一枚の絵をあたしはばあちゃんの元へもってきて聞いた。
「ん?」
おばあちゃんは老眼鏡を掛けてその絵をよく見て言った。
「あぁ、懐かしいねぇ。これは、あたしの若かりしころちょっくら他の国に遊びにいったときにかいてもらったあたしだよ。」
「へぇ、おばあちゃんきれいだったんだね。それとも、このえをかいたひとがめがわるかったか、だよね。」
私がばあちゃんにそういうと、ばあちゃんは眉間にしわを寄せて、ドスの聞かせた声で言った。
「なぁ〜にいってんだい。ばあちゃんは今でも綺麗だよ。」
そう言っておばあちゃんはあたしの頭をぽんぽんと叩いた。
「おばあちゃん、ぼけちゃったの?それとも、りょくないしょう?」
あたしがそういうとおばあちゃんは笑った。
「あははははは。なにいってんだい、この子は。」
私もおばあちゃんに続いて笑った。
あたしが「ぼけちゃったの?」といった後、
おばあちゃんが頭を叩く力を強くしたのはあたしの気のせいではないはず。
(回想終了)

「あぁっ!!おばあちゃん!!」
あたしはそう言ってその絵を指差した。

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