「でねでね、隼人ってば超優しくて!」
「…ふ〜ん」
「は竜と何処までいった?」
「手ぇ繋ぐあたり…」
「…キスは?」
「…まだ」「…はぁ?」
『とけない魔法で』
ってなことで、私は友達のと何故かダブルデートとやらをする事になりました。
理由は簡単。
付き合って半年にもなる彼氏がいるのにもかかわらず、キスなんてしたコトがないから。
手を繋ぐのもたまにで、逆にそれが日課だからこの頃気にもしないし。「あの〜、さん。
私まだ眠いです…」起こされたのは6時半。
が突然家に来て、近所迷惑だろうと思われるくらい大きい声で、起きろ〜!!!
と言ったのが、今日の目覚めだ。
は、いつもよりバッチリキメていて、女の私でも、おぉ〜!と言える。「はい、まずお風呂場行って目ぇ覚まして来る!」
「…眠い」
「うるさい!早く直行する!」
「…は〜い」半泣き状態でお風呂場に行き、帰ってきたら即朝ご飯をたくさん食べさせられ、
歯を磨き、実紅が持ってきた服を着せられ、軽くメイクもされ。「か、完璧!」
「おぉ!!これが私!?」
「そう、それが!」は、似合ってるよ!と言ってにっこりと笑って軽く欠伸をした。
時刻を見ると9時を指す短針。
待ち合わせは9時半。
丁度いい時間だ。
メイクも着替えも全て入れて、時間通りに仕上げるは流石A型だな。と感心してしまう。
歩いて40分の待ち合わせ場所。
少し遠いところを待ち合わせ場所に選んだのは、が言うに、
男には10分ほど待たせるのが一番だからだとか。「行きますか」
に言われて、靴を捜していると、にミュールを渡された。
しかも、かなり踵が高い。
がこれを履けと目で訴えてくる。「のお気に入りミュール第2号だから、大切にしてね」
高かったのよ、それ。と言って、が玄関のドアを開ける。
「ありがとう」
にたくさんいろんなことをしてもらっているのに、
私は何もお返しが出来てないなぁなんて思うと急に泣きそうになって、
がそんな私を見て、泣いたらメイクが!!とあわわとしていて。「ありがたいって思ってくれるなら、竜との大接近に力を入れて頂きたいね」
その為には頑張ったのよ!とは呆れた様に言って先に歩いて行ってしまう。
うん、頑張るね!と言って、の後を慣れないミュールをカツカツさせながら追いかけた。「お待ち!」
やぁ!とが手を上げた先には、私の彼氏と、の彼氏の姿。
普段着の竜を見るのは久々だからか、すごく新鮮で、すごくカッコイイと思う。
竜に、お待たせ。と言うと、竜は明後日の方を向いて、少し頬を染めて、別に…と言った。「ねぇ隼人?
、ダブルデートよりも隼人と2人で居たい…」…な?
「だよな、俺もそう思う。
ってなコトなんで…!」そういうなり、と隼人君はラブラブしながら何処かへ行ってしまった。
はめられた。
最初から、はダブルデートなんてする気はなかったんだ。
しかも隼人君までグルだったとは。
気づかなかった私を誰か、バカだろ?と言って、殴ってくれないだろうか。「」
「え?」
「ほら、行くぞ…」差し出された竜の手。
手を繋いでデートをするなんてどれくらいぶりだろうか。
たったこれくらいの事なのにすごく嬉しい。
私は、頷きながら竜の手を取った。
時間はたっぷりある。
焦る必要なんてない。
何よりが、かけてくれた魔法が私に力をくれる。
だから、今日くらいは素直になって竜に甘えみようかな?なんて。「何処に行く?」
「竜は何処に行きたい?」
「いや、そういうのはが決めろよ」俺は何処でもいいし。といつもの竜らしくない感じで言う竜が可愛くて、
なら買い物がいい!と案を出すと、り竜はフッと笑っていいよ。と言った。
テクテクと歩いていると、回りの人達の視線を感じる。
竜ってば男前だもんね…と思いながら、繋いである手に力を少し加えた。
どうした?と聞かれたけど、首を横に振って何もないという合図を送る。
不安になったなんて口が裂けてもいえない。
すると竜は、そっか。と言って笑って、少し照れたようにしんどいならすぐ言えよって心配してくれた。
竜の後ろに居るから、竜には見えてないだろけど、うん!と頷いて、
竜に少し引っ張られる様に歩く。
くすぐったいなって思いながらも、心ではと隼人君に感謝した。買い物をして、いろんな服や、靴を買って、
次は何処に行く?と話をしながら歩く。
私が夢見てたシチュエーションと一緒。「これ可愛い!」
「…?」
「ペアリングだって!」アクセサリーショップに入って見つけたペアリング。
可愛くて、一瞬で虜になった。
でも、ペアリングだし、何よりお金がもうない。
諦めようとした時、突然竜がすみません!と店員を呼んだ。「これください」
「竜…?」
「いいから、これくらいはやらせろよ…」そう言うなり、竜はお金を払って、小さな紙袋に入ったさっきのペアリングを店員から受け取り、
そのアクセサリーショップを出た。
あたりはオレンジ色に染まりかけていた。
たくさん遊んだなぁと思いながら、ゆっくりと家に続く道を帰る。
たくさん遊んだのに、竜と別れるのが辛い。
私の家がだんだんと大きくなって、
当たり前だけど、家に着いてしまった。「今日はありがとう、楽しかった」
「…俺も」
「じゃあね!」あんまり長く話をしてると、離れたくないって思って涙が出そうになるから、
早く家の中に入ろうとする。「」
「…え?」名前を呼ばれて振り返ると、唇に暖かい感覚。
一瞬だけだったけど、私たちは確かにキスをした。「これ…」
「…あ、ペアリング」
「俺も付けるからも肌身離さず付けてろ」そう言って、竜は私の左手を取り薬指にその指輪をはめてくれた。
「竜のは、私がはめたげる」
竜が私にしたのと同じようにして、竜の左薬指に指輪をはめる。
おそろいだね。と言うと、
竜は、当たり前だろ、ペアリングなんだから。と言って笑う。
その笑顔を見てると涙が出てきて、
どうした!?と竜が焦ったように尋ねてくれる。「竜ともっといっぱい話したかった」
「」
「寂しい…」そう言って竜の顔を見ると、竜の顔が急にアップで写されて、
再びキスをされた。
でもさっきとは全然違う、長いキス。
唇が離れると、竜は紅くなって言った。「んな、可愛い子と言うな。」
と。
照れたように言う竜はとても恥ずかしそうで、
こっちまで恥ずかしくなってきて、
また、くすぐったいなぁって思った。「また、デートするから」
「うん」
「が寂しくないように、メールもする」
「うん」だから泣くな…と言って竜が涙を拭ってくれた。
「バイバイ」
寂しいのに変わりはないけど、大丈夫。
さっきほどの胸の痛みはそんなにない。
竜とのキスと、このペアリングがあるから、私はまた、笑顔でいれるよ。「竜!」
少し小さくなった竜の背中に向かって大きい声で叫んだ。
振り返る竜。「大好き!」
そう告げると、竜はびっくりした顔をしたけど、すぐに笑って、
俺もだよって返してくれた。
そう言って、夕日をバックに片手を軽く上げて手を振った竜は今までで一番カッコよく見えた…おまけ
「でねでね、竜ってば超カッコよくて!」
「…ふ〜ん」
「ふ〜んってちゃんと聞いてよ」
「…聞こえてるわよ。
だいたい、朝から何回同じ話してると思ってんの!?7回よ、7回!!!」
「だって、嬉しかったんだもん」
「…でもまぁが幸せそうでよかったわ」
「うん!幸せ!」
〜Fin〜〜あとがきっぽくないあとがき〜
何か、竜じゃないな。と思うのは、あっしだけじゃないよね?
ホントにごめんなさい。
しかも駄作でごめんなさい。
許してとは言わないけど、すまん!とだけは言っておきます。
すまん!
あっしの最愛のママンに捧げます☆
ちなみに返品不可やから。ありがたく頂戴しといて。何かリクエストがあるなら、書きますよぉ!こんなんでいいなら…ね…。
ではまたお逢いできる事を願って。2005・03・25・(Fri)