『忘れられた月(ライト)』
回る銀のスプーン。
その度にジャリジャリという音がカップから聞こえる。「…入れすぎ」
私は毎度言っている言葉を今日も言った。
回るのは銀のスプーン。
渦を作るのはコーヒー。
入れすぎなのはモチロンお砂糖。
角砂糖を何も考えず4つカップの中に入れて混ぜる。「太るわよ?」
コーヒーの隣には、これもまた糖分たっぷりなケーキ。
それを気にしていないという風な顔で口に運ぶ。「それだけ頭を使っているので大丈夫です」
そう言ってはケーキを口に含み、もぐもぐしながら再びパソコンを見るりゅう。
「」
「…はい?」
「…痛いです」まぁ確かに、切れている口元に消毒をして、しみらないはずがない。
「月君と殴り合う貴方が悪い」
「先に殴ってきたのは、月君です」あー言えばこー言うとはまさにこのこと。
一言言えば倍になって返ってくる。「はい、こっち向いて」
「…今は無理です」そう言われた瞬間にピンセットで摘んでいるガーゼを、
りゅうの鼻の中に入れてやろうかと思った。
しかしりゅうは面白い反応をしないだろうと思ったので、気をおさえることにした。「なら自分でやれば?」
「…イヤです」
「わがまま娘!」
「正確には息子です」
「貴方みたいな頭の固い子供を持った覚えはないわ」
「私も貴方から産まれてきた覚えはありません」少しだけムカッときたので、とりあえずりゅうの頭を殴ってみる。
すると、痛いです。と何故殴られたのかわからないと言う風な顔をするりゅう。
私によって殴られた頭をさすりながら、りゅうは視線をパソコンに向けたまま、
コーヒーを口に含む。「甘くない?」
「…どうでしょう」
「変な子」
「貴方に言われると何故かムカつきます」そう言ってまたケーキを口に入れもぐもぐするりゅうを見て、溜息が出た。
その溜息を聞いていたのか、りゅうが、どうしたのですか?と尋ねてきた。「そんなにキラが好きか?」
「キラは私にとって敵です」
「それにしては熱心よね」
「早く捕まえなければなりませんから…」あぁ、そう…と返すべきか、
そうだよねと言うべきか。
心の中は変な気持ちが渦まいている。
その渦まいている変な気持ちの正体は、もしかしたら嫉妬かもしれない。
相手はモチロンキラだ。「あームカつく」
「…何がですか?」
「貴方がムカつくわ」
「それはどうも…」
「でも、りゅうのことが好きな自分もムカつく」そう言うとりゅうはちらりと私の顔を見た。
私の顔を見たのは何日ぶりだろうか。「ヤキモチですか?」
「殺すわよ?」図星をつかれて少しムカッとくる。
「大丈夫ですよ、確かにキラのことを早く捕まえたくてパソコンと向き合ってますが、
頭の中は貴方だけですから…」嘘だねと言いたかったが、やっぱり嬉しかったので
りゅうの肩に頭をのせた。
重いですと言われたが、それは無視することにしよう。
フフッと笑って目を閉じた。「…僕も居るってコト、忘れてるよな…」
そう小さな声が聞こえた。
りゅうの声ではない。忘れてた…月君が居ることを…。
〜Fin〜
〜あとがきっぽくないあとがき〜
このごろ忙しくて、upされてなくてごめんなさい。
あっし、アイドルだから(えっ)休みがなくて…。
すごいですよ、殆ど暇なんてありません。
暇があれば寝ていたいくらい、疲れが溜まっています。
詳しいことは日記にのせるので、
私の一週間が知りたいと言う物好きな方はどうぞ、見てやってください。(いないでしょう、確実に)この作品は、知ってる人は知ってます。
パクリとかじゃないですよ!!
幼き日に書いたものなんで、友達に見せていたり、なかったり…(どっちやねん!)
でも、自分で書いてて面白かったのでのせました。
感想をくれる心優しき方、どうぞカキコしていってやってください。それから最後に、この作品に「ライト君も居ったんやー!!」と言うツッコミを
心の中でいいのでしておいて下さい。
そのツッコミがほしいがだけのために作った作品なんで。
ちなみに、りゅうチャン夢なんでそのヘンは間違えないようにしてくださいませ。それでは今日はこのヘンでぇ♪さようなりぃ☆
2005・06・05(Sun) (結人の誕生日じゃん!!おめでとぉ!!21歳だね☆)