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〜漢(おとこ)の浪漫紀行・膝枕編〜
「あじぃ…」
蝉の鳴き声がうるさい日差しの下。今日も切り札の人形劇で一銭も稼げなかった俺は
いつもの日課どおり、この廃駅にやってきた。
丁度日陰の位置においてある青色のベンチに腰を下ろす。
どうやら遠野とあの小憎らしいチビ…みちるはまだ来ていない…。

「じゃん♪」
「…あ?」
辺りを見回していた俺の前に遠野が突然姿を現す。いつもの制服姿ではなく、私服姿。
いつもの黒の上着に…今日は遠野にしては珍しい、いや、初めてなんじゃないだろうか。
白のミニスカートに黒のニーソックスと活発的な格好。
それがいつもの遠野とはまったく違う雰囲気を醸し出していた。

「…な、何だその格好は…?」
いつも突拍子な遠野の事だ、きっとまた何か企んでいるに違いない。

「国崎さん、いつも私に膝枕をさせてくれませんから、今日は国崎さんの『膝枕欲』をそそろうと思いまして♪」
そういって遠野はベンチに腰を下ろした。

「…ヘイ、カマーン」
ぱんぱん。

遠野は露になった柔らかそうな太ももを手で払う素振りを見せて俺を誘う。

(くうっ、いつもはロングスカートばっかりで気付かなかったが…意外と良い脚してんじゃねーか、こいつ…)
白のミニスカートと黒のニーソックスとの間の絶対領域が俺の目を釘付けにする。
ハァハア…あの柔らかそうな絶対領域に顔を埋めてすりすりしてぇーーー!!

(って何を考えてるんだ、俺は! 仮にも俺は大人の男…。ここでこんな小娘の誘惑に
簡単に転んでしまっては大人の威厳というものが崩れ去ってしまう!)
なけなしの理性を総動員し、俺は遠野の脚からかろうじて目をそらす。

「…駄目ですか?」
「あ、ああ…遠慮しておく」
「…がっかり」
肩を落とす遠野。
非常に勿体無い気がしたが、今日の遠野のミニスカート姿は永遠にこの俺の瞼に焼き付いていく
ことであろう…。

「それでは、ただ今キャンペーン中につき」
そんな俺の余韻を打ち消すように遠野は懐をごそごそと探り始める。
どうやらまだ膝枕は諦めていないようだった。

「じゃん」
遠野が懐から取り出したのは木製の小さな耳掻き。ま…まさか…。

「膝枕をさせてもらった方には特別サービスで私が耳掻きしちゃいます♪」
「なっ、何ーーーッ!!」
そりゃサービスしすぎだろ、奥さん!
ハァハァ…遠野の柔らかい太ももに顔を埋めながらしてもらう耳掻き…。
それはまさに漢(おとこ)のロマンのひとつといっても過言ではないだろう。

「…ヘイ、カマーン」
ぱんぱん。
遠野の柔らかそうな太ももが美味しそうに揺れる。それを見て俺は理性が飛んでしまいそうになった。

(…いっいかん! 落ち着け、国崎 往人! お前は今までこの程度の修羅場、
いくつも乗り越えて来たじゃないか! 
…そうだ、こんな時は素数を数えろ。素数は孤独な数字。いつも俺に勇気を与えてくれる…。
…3、5、7、11、13、17、19、23…)
素数を数え、必死に煩悩を振り払おうとする俺に、俺の中の天使と悪魔が話しかけてきた。



『ほらぁ、往人くん、ガマンは良くないよぉ。遠野さんもすっかりその気だし、ここは甘えちゃえ♪
膝枕にかこつけてエッチな事したって遠野さんは許してくれるよぉ』
ショートカットの小悪魔が俺の背中を後押しするように囁く。

『駄目だよ! 往人さん! 今まで培ってきた忍耐力をこんなところで放り投げちゃったりしちゃダメ!
往人さんはクールで紳士なキャラクターなんだから!』
ポニーテールの天使が俺の脚にしがみ付き、その場に留まらせる。



…………………

「…国崎さん?」
暫く固まっていた俺に遠野が話しかけてくる。…俺の腹は決まった。

「遠慮しておく」
「…え…」
勝った。俺は自分に打ち克ったのだ。俺を生んだ遠い記憶のおふくろ、見ているか。
俺はこんなにも強くなった。
誇らしげに青空に向かって胸を張る。
遠くを見つめると巨大な入道雲が山の向こうからその姿を現していた。

「それでは…」
そんな自己満足に浸っていた俺にまた遠野が話しかけてくる。
諦めろ、今の俺に勝てるヤツなどいない!

「倍率ドン、さらに倍です」
遠野はどっかのクイズ番組で聞いたようなセリフを呟きながら、ベンチから腰を浮かした。
そして、スカートの中に手を入れ…身に着けていた下着を膝付近までずり下ろした。


「…ヘイ、カマーン」
ぱんぱん。

「遠野ーーーッ!!」
がばあっ!!
一瞬で理性を吹き飛ばされた俺は無我夢中で遠野をベンチに押し倒す。

「…ゲッツ♪…んっ、ああんっ、だっ駄目っ、国崎さんっ、そんなところ激しくかき回したらっ…私っ…!」
もはや俺は人間ではなく、一匹の獣と化していた。
美凪の必死の訴えも他所に、欲望のままただ走り続ける。

カチャカチャ。
素早い手つきでズボンのベルトを外し、一気に下まで下ろした。

が、その時。

どごおっ!!

「ぐわっっ!?」
どこからともなくやってきた衝撃に俺は吹っ飛ばされ、地面に仰向けに倒れ伏した。

「こらあっ、国崎往人っ! 美凪に何やってんだぁ!!」
薄れいく意識の中でかろうじて何が起こったのか確認することが出来た。
みちるのダッシュとび蹴りinみぞおちが見事に俺に決まっていたのだった。

「…みちる」
「大丈夫? 美凪。変態ゆうかいまに変な事されなかった?」
「…もう、邪魔しちゃだめですよ、みちる?」
「ん? みちる邪魔したの?」
「そうですよ、みちるが弟か妹が欲しいっていうから、国崎さんに手伝って貰って
私がこしらえようと思ったのに…ぽっ」
「うに? どーやったらさっきのプロレスごっこで弟や妹が出来ちゃうの?」
「うふふ、みちるにはまだまだ早い話ですよ…ぽっ」

「さっ、国崎さん、さっきの続きを今度は駅の中で…あら?」
へんじがない。ただのしかばねのようだ。
「おーい、国崎往人ー? こんなところで寝てたらアリんこのエサにされちゃうぞー」
くうっ、たかがガキの蹴り一発で臨死体験まっしぐらの俺って一体…。

「国崎さん…つんつん」
美凪が俺の体をつついて来る。もはや体に感触は無い。意識がどんどん薄れていく。

「…不能?」
違うっ!!

「…がっかり」
そこで納得するなーっ!!

そんな心の中でのツッコミもむなしく、俺は天国から地獄へと突き落とされたのだった…。

●そういうわけで、初のクラナド外・日曜日のエロス第一弾キャラはわたし柊トモカイチオシの
美凪でした♪ いやあ、美凪って立ってるだけでもエロイ雰囲気醸し出してますよねえっ!(゜皿゜)

●どーでもいいけど、この絵を描きながら思ったんですけど、『のーぱんしゃぶしゃぶ』の例もあり、
どうして野郎様方は女の子がノーパンだったりするとイチローの大記録達成時みたいに
大喜びしたりするんですかねぇっ!(゜皿゜) いや、わたし別に男の子がパンツ穿いてなくても
別に嬉しくなんかないですよ? むしろ穿いてたほうが嬉しい。武装錬金のパピヨンみたく(死)

●次回は日曜日のエロスもめでたく連載20回目を迎えるという事で、
『日曜日のエロス・すぺしゃる』などをやってみようと思います♪(予定)
何処らへんが『すぺしゃる』かは当日に自分の眼で確かめろッ!!ΣG(+□+)
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戻ります〜♪