北アルプス裏銀座 |
2008年8月6日〜8月10日 |
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一日目=新穂高温泉→わさび小屋→鏡平(鏡平小屋泊) 二日目=鏡平→双六小屋→三俣山荘(泊) 三日目=三俣山荘→三俣蓮華岳→双六岳→双六小屋(泊) 四日目=双六小屋→布引岳→抜戸岳→(笠新道分岐)→笠ヶ岳山荘→笠ヶ岳→笠ヶ岳山荘(泊) 五日目=笠ヶ岳山荘→笠新道分岐→杓子平(笠新道)→林道→新穂高温泉 |
8月6日(一日目) 早朝4時過ぎに家を出発し、首都高速道、中央高速道と、 時々フロントガラスを叩く雨に不安を覚えながらひた走り、 目的の新穂高温泉に着いたのが、9時前、 蒲田川を渡って登山口に一番近い駐車場をと思って広い駐車場の片隅に車を止め、 身支度をして軽く準備体操をし、 9:10出発。 | |||||
林の中の林道を10分ほど行った所に有った標識、わさび平まで70分だって? 微妙な登り坂の林道歩きは苦手だなァ・・・・ | |||||
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10:30 わさび平小屋着 天気が良いので、林道歩きで大汗掻いたよ! もうバテバテで、こんなんじゃ先が思いやられるな〜! 昼食をかねて、うどんを注文¥700 仲間はカレーとか牛丼とか食べてたけど、イマイチだって うどんが正解だったみたい! | |||||
小屋の庭に丸木をくりぬいた水槽に, トマト、キュウリ、スイカが冷やしてある。 美味そう〜! | |||||
12:00 秩父沢着 大きな石がゴロゴロして豊富な水が流れ、多くの登山者が休憩している。 ここが最後の水場なので水筒に水を補給する。 冷たい沢の水で顔を洗った。 ヒャーーーッ!キモチイイーーッ! 目指す、鏡平方面は不気味な黒い雲に覆われて来た。 ヤバクナイ? のんびりしてはいられないよ! | |||||
14:00 シシウドヶ原 急な上り坂が続いて空模様も怪しくなり、 小屋まで降らないで居て欲しいと願うばかり・・・ 左→急坂早着きコース 右→らくらくコース らくらくコースを選んだけど、すぐに合流して急坂と大して変わらないよ〜! | |||||
15:30 鏡平小屋着 いやーー!やっぱり途中で雨が降ってきてしまい カッパを出そうかどうしようか迷いながら、ヤッケでしのぎ、 バテバテで小屋にたどり着いた。 結構な急坂でした〜! 小屋の前では登山者がそれぞれにくつろぎ 登山談義に花を咲かせている。 とりあえずビールで乾杯でしょう! | |||||
鏡平小屋の夕食 18:00 味噌汁美味しかったし、おかずもバラエティーに富んでたよ! 満腹、満足! | |||||
16:55 夕闇迫る鏡平から見た槍ヶ岳 | |||||
鏡平小屋で一緒の部屋になったグループの中で、今回が100名山の100個目の記念登山だという女性が居た。 スゴーーーイ! 私達が一年に3回ほどしか山に来ない事を知って、そんなんで良く登って来れますね!きついでしょ? と、言われちゃった。確かにしんどい! ふ〜ん!毎週山に登ってたらきつく無いんだぁ! でもね〜!他にもやりたい事いっぱい有るし〜!もう一つ身体が欲しい! 色んな話を一杯聞いて大層参考になりました! 就寝・・・・・ | |||||
8月7日(二日目) 昨夜は同部屋の10人は、誰もイビキも歯軋りも無くて皆静かに熟睡した。 こんな事も有るんだね。 鏡池に写った「逆槍」 今朝は快晴に恵まれて、爽快。 小屋近くの鏡池まで散歩。風が無く水面に波が立たないとこんなにはっきり槍ヶ岳が写ります | |||||
5:45 鏡平小屋出発 小屋から続いている木道を歩き、弓折岳への尾根を経て鞍部に出た。素晴らしいね〜! 向こうに雪をかぶって見える稜線を右に行って双六岳から三俣蓮華岳、鷲羽岳、水晶岳・・・はまだ見えないけど それから引き返して一番左に見える笠ヶ岳まで行き、 新穂高温泉に下りる予定なんだけど大丈夫かな〜!凄そう〜! 私のこの、か細い(?)足は持ち堪えられるかな??? | |||||
稜線に咲くお花畑 | |||||
ミヤマキンバイとハクサンイチゲ | |||||
お花畑に時間をとられながら、気がつくと広い鞍部を歩いていた。 所々湿地になっていて池になっている所もある。 これが双六池か〜!周りには、黄色や赤のテントが点在している。 目前に石垣で囲われた赤い屋根の双六小屋が見えた。 | |||||
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双六小屋から遠望した鷲羽岳 左下に小さく見える赤い屋根が三俣山荘。 今日はあの、鷲羽岳を越えて、その先の水晶岳まで行く予定なんだけど凄い上りだな〜!圧倒される! | |||||
8:20 双六小屋出発 メンバーの1人が中々双六小屋までたどり着かなくて、 ずっと待っていたので出発が遅れてしまった。 やっとたどり着いて、相当バテた様子の1人を残してひと足先に出発した。 双六岳方面と鷲羽岳方面の分岐地点に来た。 出発時間が遅れたので双六岳へは行かずにそのまま鷲羽岳に急ぐ事にした。 すこし登って稜線を歩くコースと、山の中腹を歩く巻き道が有る。 楽そうな巻き道を選んで歩く事にした。 | |||||
鷲羽岳の向こうに雲を頂いた水晶岳が姿を見せた。 今日中に水晶岳までいけるのかな〜! 後に残してきたメンバーも気がかりだし・・・・ 私自身も結構きついし! しかし、良い天気だな〜!気分爽快だ! | |||||
ミヤマシャクナゲ | |||||
11:30 三俣山荘着 山荘までの下りがきつかったな〜! 後ろ向きの男性の被っている日除け付きの帽子、最近良く見かけるけど、 旧日本軍の兵隊さんを連想するのは私が古い人間って事? 女性が被ってるのは、カラフルで結構優雅に見えるんだけど・・・・ | |||||
三俣山荘前の広場 途中で先に行ってもらった他のメンバーは、すでに昼食を済ませて待っていた。 三俣山荘は這い松が覆う広場に有り、庭では登山者が思い思いに石に腰掛けて休憩している。 | |||||
三俣山荘前の広場より槍ヶ岳を望む あの雲の中は槍ヶ岳らしい。 変わった雲だね! | |||||
左に向くと、これから登る?鷲羽岳がデーーーーンと聳えている。 アレを登るなんてもう無理!しかも、今夜の宿泊予定はそのまだ向こうの水晶小屋? 考えただけで怖気づいた 私は、後から来るもう1人を待って、ここで泊まる事にした。 まだ午前中なんだけど、午後3時くらいの気分だもん。 多分、後から来る1人も、この山を登る元気は無いと見たね! | |||||
結局一時間以上も小屋の庭で待って、ヨレヨレになってたどり着いた仲間と一緒に昼食を食べ、今日は、ここ三俣山荘に急遽宿を取った。 今日は混雑しているという事で、上段の三枚の布団に5人の寝場所が告げられた。水晶岳まで行く事が出来ても、あっちはもっと小さな小屋なので、最悪、隣の人の足が顔の前にある事も大いに考えられる、三俣山荘で泊まった方が、まだマシかもと、思う事にした。 左隣りは男女二人連れで右隣が男性1人だった。向かい側の下段に10人ほどのスペースが空いている。団体さんが来るらしい。 隣りの女性が目の上をタオルで冷やしているので尋ねると、歩いている時に虫に刺されて、まぶたが腫れて目が塞がり、痛いというので、小屋に隣接している診療所に行く事を進めた。保険証を持っていないとか高額を請求されるのではないかとか心配して、行き渋っていた女性を説き伏せ、医者に診て貰ったら、薬を塗っただけらしかった。他にも顔を虫に刺された女性がいたが、彼女は自分で薬を携帯していた。 今回の山はホントに虫が多くて、歩いている途中ずーーーっと虫が顔の周りを飛び回っていたのは確かだ。後になって気がついたのだけれど、他人の虫刺されの心配している場合ではなかった。自分の顔も三箇所も虫に刺されて大きく晴れ上がっていることに、そのときは全然気がついてなかったのだった。私ってマジ鈍い・・・・! 夕食は、庭で待っていた時から良い匂いが漂っていたので大いに期待して食堂に行った、大きなハンバーグでとても美味しかった。食事が終って部屋に戻ってきても10人分のスペースはまだ埋まっていない。山の夜は早く訪れる。辺りは薄暗くなってきた。同部屋の男性同士話し合っている。この団体さんが来なければ我々もっと楽に寝れるんだけど・・・・と、代表者が小屋側に掛け合いに行った。ガイド付きの団体なので遅くなっても必ず来る筈だということらしかった。 8時になってもまだ団体は到着しない。こんなに真っ暗くなって到着しないのはおかしい。何か有ったのでは?と全員心配する。 とうとう小屋の主人からキャンセルになったので自由に使って良いと言われ、こちらとしてはラッキーー!自分のスペースから一人減っただけで随分楽になるものだ。あちこちからいびきが聞こえて中々寝付かれなかった。山小屋ではこれが普通だけど・・・・長い一日だった・・・・ しかし、到着しなかった団体さんは大丈夫だったのかな?他の小屋に泊まったのかな?きっとそうに違いない・・・ZZZZ・・・・ | |||||
8月8日 (三日目) 6:30三俣山荘出発 今日も快晴、1人で水晶岳まで行った仲間とは、 今夜の宿、双六山荘で落ち合う事になっているので、 昨日の朝休憩した、双六山荘まで戻る道のりだ。 | |||||
お花畑 | |||||
15分くらい登って振り返るともう三俣山荘があんなに小さく見える。 あの奥の水晶岳までは行けなかったんだな〜! マッ!良いか〜! | |||||
タカネヤハズハハコ | |||||
昨日は雲の中に隠れて見えなかった槍ヶ岳が今日は良く見えるわ〜 | |||||
右の山が登れなかった鷲羽岳、そのずーーと先が水晶岳 やっぱり遠いわ〜!でも、三俣山荘に泊まっていた人はほとんど水晶岳まで行く人なんだよね! みんな凄いよね!やっぱり毎週山に行ってないと登れないのかな〜! 槍ヶ岳と空(雲が綺麗で思わす空を撮りました) | |||||
三俣峠 7:40 真っ直ぐ進むと昨日歩いて来た巻き道、右に登っていくと三俣蓮華岳。 ここで巻き道を行く仲間と別れて、 私は三俣蓮華岳方面へ登り、双六小屋で落ち合う事にした。 | |||||
稜線の下は、雪渓とお花畑が広がっている あの稜線を歩くんだよね!ワクワク! 昨日は巻き道を来たから、 稜線を歩いている人が羨ましかったんだよね〜! | |||||
8:15 三俣蓮華岳頂上(2.841m) すぐ隣りに黒部五郎岳が見える。 ここは、水晶岳方面、雲の平、黒部五郎岳との分岐の山のようだ。 | |||||
ウサギギク |
イワツメクサ | ||||
チングルマの骨が風にゆれて・・・ 三俣蓮華岳からの稜線には、高山植物の花々が咲き乱れ、1人歩きを慰めてくれる。 | |||||
ミヤマダイモンジソウ | |||||
コケモモ | |||||
槍ヶ岳その @ 槍ヶ岳その A 槍ヶ岳そのB 三俣蓮華岳から、双六岳までの稜線は、左側に槍ヶ岳〜穂高連峰〜笠ヶ岳と パノラマを堪能しながら、のんびり歩く快適な道だ。 | |||||
ミヤマリンドウ |
チシマギキョウ | ||||
9:50 ここで、左に下れば双六小屋 そのまま稜線を進むと双六岳だ。 せっかくだから、頂上を目指そう! | |||||
ハクサンフウロ |
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10:21 双六岳頂上(2860m) 這い松に覆われた頂上は平らで広々して、 一休みするには絶好の場所だ。 | |||||
頂上から、双六小屋への道は、 槍ヶ岳に向かって真っ直ぐに伸びる気持ちの良い道が続く。 | |||||
11:00 分岐地点に到着 昨日は、ここで巻き道を右に進んだのだった。 | |||||
11:15 双六小屋到着 三俣蓮華岳への分岐地点で別れた連れは、先に到着して小屋の前で待っていた。 | |||||
双六小屋に着いたのはまだ昼前、この時間の小屋は登山者も少なく、スタッフものんびりムードだ。 娯楽室で昼食にうどんを注文した。部屋は8人部屋の上段三人分だ。結局、下段も三人のグループだけだった。 水が豊富なので、洗面所で顔を洗ったり身体を拭く事が出来た。 洋式トイレも有り、気配りの行き届いた小屋だと思った。 3時ごろ、水晶岳まで行ってきた仲間が合流したので、庭に出てビールで乾杯! そのうち空模様が怪しくなり雨が降ってきた、慌てて軒先に避難、すぐに又、晴れてきたので庭に・・・・ ビール缶片手に、これを何度か繰り返して夕食の時間が近づく。 隣りのテーブルで、マズイ!マズイを連発しながらとカレーを食べていた老人がいる。何で?と聞くと、 今朝槍ヶ岳を出発してから、初めての食事なのにこんなに不味いのはけしからん。らしい・・・ 老人曰く、今から水晶岳まで行く、と言うのでビックリ!! えーーッ?これから、水晶岳まで行くって?これから?もう4時過ぎてますよ! 水晶岳までなんてとても行けませんよ〜!4時間半は掛かるんですよ! まわりの皆に止められるが、明日の目的地まで行くには、どうしても今日の内に水晶岳まで行かんといかん!らしい・・・ あんまり遅くに行っても小屋も迷惑ですよ〜!口々に止められるが、 野宿でも良いんだ!と言いながら、痩せた老人は仙人の様に消えていった。 イヤーーーー! やっぱり、山に来る人は変わり者が多いわ〜! | |||||
8月9日(4日目) 5:45 双六小屋出発 今日も快晴だ。 朝日に輝く笠ヶ岳に向かって、再会した三人でイザ出発。 今朝は結構冷えてるけど、テント泊の人は大丈夫かな! | |||||
オヤマリンドウ | |||||
6:45 暖かい朝日を浴びながらの稜線歩きは最高に気分が良い。 左手に槍ヶ岳〜穂高連峰を感じながら・・・・ | |||||
ハクサンイチゲ |
ミヤマキンバイ | ||||
左は北アルプス連峰、遥か右前方に、朝日を受けて、ポコンと高くなっているのが笠ヶ岳だ。 | |||||
ミヤマクロユリ |
ミヤマコゴメグサ | ||||
7:00 鏡平へ下る分岐地点を通り過ぎて | |||||
弓折岳頂上 7:20 標識まで折れなくても!・・・・ 頂上と言っても、この標識が無ければ、知らずに通り過ぎるような場所だ。 | |||||
ハクサンチドリ | |||||
7:45 ここは大ノマ岳頂上なのかな? 標識がぜんぜん分らないんだけど・・・・通り道にこれだけ有った。 | |||||
通り過ぎた人が「雷鳥親子がいましたよ」 と、教えてくれた。 居た、居た!母親と小さな子供が5羽(羽根が無くても5羽?) |
雷鳥の子供 可愛い〜! 全然人間を怖がらない。 チョコチョコ母親の後にくっついて花を食べている。 | ||||
秩父平 9:20 大ノマ岳から大分下った感じ。 お花畑が広がっている。 | |||||
秩父岩 秩父平から左を見上げると青空に奇岩が聳えている。 その荒々しさと、足元に咲き乱れる可憐な花々の、対称性が心を捕らえて、 魔力にでも掛かったような不思議な気持ちに陥る。 | |||||
秩父平のお花畑 | |||||
先に伸びる登山道を眼で追ってみると・・・・ ワーーーッ!あんなに人が小さく見えるって事は、まだまだ先が長いって事? 私の頭がボーーっとなっている間に、追い抜いて行った人たちだ〜! | |||||
10:00 やっと稜線にたどり着きました。きつかった〜! やっぱり、稜線歩きの方が良いわ! | |||||
11:11 行く手に最後の目標、笠ヶ岳が見えた。 オーーーッ!美しい山じゃないの! | |||||
11:30 笠新道分岐 明日はこの分岐から新穂高温泉まで下るんだね。 |
まだまだ遥か彼方だな〜! 足が疲れてきた! | ||||
抜け戸岩 切り抜いたようだな! そういえば、抜け戸岳が有った筈なんだけど、知らぬ間に通り過ぎた? | |||||
12:17 笠ヶ岳の右肩にに笠ヶ岳山荘が見えてきた 空模様が怪しくなってきたので急がないと! 小屋に着くまでもってくれればいいけど! | |||||
12:40 笠ヶ岳小屋着 暗雲はドンドン広がり、小屋を目の前にしてとうとう雨が降り出した。 岩の上で滑らないように、息を切らせながら兎に角走りあがった途端、 物凄いドシャ降りになり、雷ゴロゴロ一瞬にして小屋が雨で流されるのではないかと不安になったほどの、 バケツをひっくり返したような勢いの雨が20分ほど続いただろうか・・・・・ 濡れた衣服を乾燥室に干して、昼食を済ませていると、さっきの雷雨は嘘のように止んで、 暖かな太陽が小屋前の濡れた敷石を照らしている。 小屋に逃げ込んで来ていたテント泊の人達も自分のテントに帰っていく。 晴れて来たので、今日のうちに、笠ヶ岳頂上に登る人達で玄関は又ごった返している。 我々も又登山靴に履き替えて頂上を目指すことにした。 | |||||
15:00 小屋の後に聳えている石だらけの頂上に向かってカメラだけ持って出発。 | |||||
笠ヶ岳頂上に人がいるのが見えた。 | |||||
笠ヶ岳頂上 15:13 小屋から見上げると結構きつそうだったけど、10分余りで着いちゃった。 笠ヶ岳の頂上は角張った石に覆われて結構広く平らな場所で、 先ほどの雨を降らした雲の名残が、360度広がる山々のあちこちにしがみついているようだ。 ほとんど四角い石ばっかりなんだけど、これって自然に割れるのかな? 頂上には小さな祠が岩で積まれた塀で守られていた。 | |||||
笠ヶ岳山荘 こうして見ると、笠ヶ岳は石に覆われた山だと分る 向こう側の石の山のてっぺんにも石碑のような物が建ってるみたい、 でも、もう確認には行きたく無い・・・・ | |||||
笠ヶ岳小屋では、洗面所に石鹸が置いてあってビックリ! エーーーッ!?良いの〜!? とりあえず手だけ石鹸で洗って、水流も豊富なので頭から水を被った。 ツメテターーーイけど気持ちイイ!アアさっぱりした! 部屋は10人程で、あの雷雨の中、岩陰で雨宿りしたという女性もいて、 小さな子供がいるので普段は、日帰り程度の山を毎週登っていると話していた。やっぱりぃ! 皆、強いな〜!って言うか、好きだね〜! 夕食は何が出てきたのか憶えてない・・・・というのも、玄関脇の自炊コーナーで、すき焼きを長時間やってるグループがいて、 その美味そうな匂いが小屋中に充満して・・・・・分るでしょ?その時の気持ち・・・ 白菜、葱、豆腐、白滝まで用意して、肉はグラム800円の飛騨牛だなんて話しているのが聞こえる。 クッソー!帰ったら絶対すき焼きしようーーーー! でも、肉はグラム580円のにしとこう・・・・・国内産は外せないけど・・・・セコイ! | |||||
8月10日(五日目) 4:57 笠ヶ岳小屋から見た朝焼け 昨夜は余り眠れなかったので、12時ごろトイレに起きたついでに外に出てみた。 空一面の星が、手が届きそうに近くで、頭上に覆いかぶさるように瞬いていた。 天の川って、こんなだったんだ・・・・ やっぱり今朝はいい天気だ・・・・ | |||||
5:00 笠ヶ岳山荘から見た北アルプス連峰 今日は笠新道を下って、新穂高温泉まで・・・ | |||||
5:50 昨日の雨で、すっかり綺麗に洗われて朝日に輝く、笠ヶ岳山荘を後にする | |||||
山荘下のキャンプ場を通って | |||||
笠新道への分岐までは、朝日を浴びて気持ちのいい稜線歩きだった。 稜線から一気に下る笠新道では、何組もの団体グループと一緒になり賑やかだった。 途中で又、雷鳥も見れたし、ラッキー! これから続く長い下りに膝が心配だけど頑張ろう! | |||||
杓子平 7:35 左側のポッコリ丸い笠ヶ岳から、ずーーっと、稜線を歩いて、 右端の雪渓の脇を通って下りてきたんだよね〜! 休憩 今日中に東京に帰らなければいけない1人を先に見送って、少し遅れて出発。 これからは樹林帯の中を、3時間ほどひたすら下るのみだ。 | |||||
シモツケソウ |
ニッコウキスゲ | ||||
ミソガワソウ |
ベニバナイチゴ | ||||
10:10 長い下りが終わり、トンと下り立った林道脇には水場があり、 皆その水で汗を拭き取り生き返った気持ちになるんだろう 杓子平で別れた仲間が先に着いていた。 私も顔を洗って、新穂高温泉までの林道歩きに備える。 | |||||
2m位の木なんだけど、 下向きに咲いた花の先がクルッと丸まって 変わった花でした。名前は分かりません。 | |||||
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ヤマホトトギス | ||||
ゆるい下り坂の左俣林道には、登ってくる時は気づかなかった花々が咲き乱れていて すっかり棒のようになって、前に進まない足を休ませる口実になった。 今回の登山は、二日目の鷲羽岳から水晶岳、いわばメインの山を断念せざるを得なくなったのが 心残りでは有るが、初日の登りで、少し雨にあったのを除き、 ずっと快晴に恵まれて、天空に屹立する槍ヶ岳を望みながら、なだらかな稜線を1日中歩けた事が、これ以上ない喜びでした。 最近思うことは、登山も即ち、自然破壊に他ならないのでは?という事です。あんなに大勢の人が木の根を踏みつけ、 安全の為とは言え、岩にペンキで道標を書き、時には林の中で用を足す、 今、そこに唯有るだけで物言えない自然は、「やめてクレー」と叫んでいるのかも・・・・・ かく言う私も、我慢できなくなれば木の陰でトイレをするし、岩につけられた丸印を頼りに高みを目指す。 唯、山に対する畏敬の念と、自然への感謝の気持ちを忘れずに 稜線で感じる幸福感、頂上に立った時の喜びを、これからも感じ続けたいと思います。 完 |