崖の湯温泉  薬師平茜宿


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地図

瑞垣山の帰りに立ち寄ったにしては、かなり遠かった。インターネットで予約したのは良かったけど、予約確認の返事を貰ってなかったので、不安で途中で電話を入れて確認した。秘湯めぐり2番目だ。旅館について立派な建物にびっくり!ほんとに「日本の秘湯」の旅館なのか看板を確認した。宿泊予約は通ってましたか?女将さんに尋ねたら、可笑しそうに「通ってましたよ!」と言われた。

合掌造り風の玄関を入ると広い土間が有り、古い家具や焼き物が無造作に置かれて、まるで民芸美術館に来たようでした。フロントの脇に売店が有り、土地のみやげ物や農家で採れた野菜やスイカを置いている。

案内された部屋は廊下の突き当たり、「¥15000位で様式トイレの和室を希望」とメールで頼んでおいたら、ぴったり希望通りの部屋でした。メールで返事をくれれば良いのに!「お部屋は用意できます。ご検討ください」のメールしかこなかったから心配だった。そのメールも二日目くらいにやっと来たんだよね!秘湯だから仕方ないか・・・・(秘湯に電子メールは似合わない?)
窓から外を見ると、その一帯は旅館の敷地らしいけど、山を切り開いただけの野趣溢れる感じ、これが大手の旅館ならば、お金を掛けて庭造りをしているのでしょうが・・・・これが良いといえば言えるし、利用しないのは勿体無いといえば言えるし・・・・個人的にはこの方が好きだな!

別棟に研修場のような建物があり、新入社員の研修でしょか、社訓を唱和している声が聞こえてきます。食事処は合掌造り風で、太い柱の立派な建物、一部が畳になって、大人数のグループが和やかに食事をしている。料理長だろうか、でっかい身体に似合わない愛嬌の有る男性が大汗を掻いて料理の注文など取り、ウドの煮物があんまり美味しかったんで、春採れたウドの保存法など聞こうとしたら、「イヤーー!その辺で買ってきた」等とボソッと答え、いわゆる料理に命を掛けている風を装う昨今の料理人とは逆で好感が持てた。料理長の言葉とは裏腹に料理は絶品!盛り付けも美しい(ここ、ほんとに秘湯だよね?)って思わずつぶやく。

それに引き代え、揃いの作務衣に身を固めた給仕の女性は、全員美人で物腰柔らかく、プロ意識が備わっているのには感心させられた。両者の対比が面白い。

温泉の洗い場は広く、湯船も大きい。露天風呂から、塩尻市が一望でき、町の明かりが見える。雲が低く垂れ込めているので、眺望はいまいちだった。しかし、お湯がぬるい。露天風呂もぬるくて入っていたら寒くなってきた。源泉がぬるくて沸かし湯なんだろう!薄暗くなっても浴場に明かりが付かないので、電気のスイッチを探してON!ぼんやりした明かりに照らされる湯船は趣がある。

朝は、温泉も良いお湯加減に温まっていたし、朝食も美味しかった。
不思議な事に、夜も売店はそのまま、あちこちに無造作に置かれている古美術品や家具もそのままなので無用心では?と思ったら、女将さんは、「隠すわけにいかないし、うちはそのままです。いろんな物を持ち帰るお客さんが居るけど、部屋の油絵を持っていかれたのが一番痛かった」と言っていました。持ち帰った人、返しましょうね!帰りに売店のりんごを買って、「高ボッチ」まで行こうとしたけど、霧が出てきたので引き返しました。茜宿から上のほうにも何軒か旅館が有り、一様に同じ感じの家構えでした。

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