恋の角砂糖



奥の窄まりにそっと指で触れると、シルヴィーが慌てるように声を上げる。
「ボ、ボゥイ、そこは……!」
「いまさら、お預け何て言わないよね〜?君ばっかりいい思いしちゃってさ」
さっきシルヴィーが吐き出した白濁を潤滑油代わりにして、指で入口を丹念にほぐしていく。
ころあいを見計らって、指を一本シルヴィーの体内へと潜り込ませるとシルヴィーの体が大きく跳ねる。
薬のおかげかな、いつもより柔らかくて痛みもあんまりないみたいだ。
「ふ、ぅっ……あ、あ……」
丹念に慣らすように指を動かしながら、シルヴィーのいいところを探していく。
……って言ってもばっちり場所は覚えてるんだけどねー。
「シルヴィーのいいところは……ここだっけ?」
「あ、あっ?!」
ワザと直接刺激するんじゃなく、掠めるように場所をずらして刺激を与えてみる。
ああ、僕って意地悪。
「それとも……ここかなぁ?」
「ひ、ぅっ?!ち、違……」
「違うの?おかしいな〜ねぇ、どこがいいのか教えてよ」
「も、もっと上……あ、ああっ!」
「ここ?そっかぁ、ここがシルヴィーのいいところかぁ〜」
焦点の合わない目で僕のほうを見ながら、首をかすかにうなづくように首を縦に振る。
こりゃ、かなり快感におぼれちゃってるね。
僕はにんまりと笑みを浮かび、体内にうずめる指を二本に増やした。
「はぁ、あ、あ……ん……」
そのまま中をほぐすように、指を動かしつつ体内にうずめる指の数を三本、四本と増やしていく。
そろそろ、かな……。
「は、あっ……!」
僕はころあいを見計らって指をシルヴィーの体内から引き抜いた。
快感に貪欲なシルヴィーの体はそんな刺激も快感として認識したみたい。
今まで着てる事も忘れていた洋服を全て脱ぎ捨て、部屋の引き出しにしまっていたゴムを装着する。
ホントはナマでしたいけど、意識が戻ったシルヴィーにあれやこれや言われるのは嫌だもんなぁ……。
「ねぇ、シルヴィー……いれるよ……」
僕の硬くなったモノをシルヴィーのそこに押し当てる。
「う、ん……来て、ボ、ゥイの……欲しい……」
わお、こんなセリフ聞けるなんて僕、感激!
いつものシルヴィーじゃ絶対言ってくれないね!
「うん、いっぱいあげるよシルヴィー、だからちょっと力抜いててね」
僕はぐっと力をこめてシルヴィーの中に入り込んだ。
「は……ああっ、あう、ん……!」
「すご……」
熱い。
薬のせいかな、いつもより熱くて、すごいことになってる。
僕は体を奥までいっきに進めた。
「あ、ああ、あ……はぁ、あ」
「すごい……もう全部入ったよ、わかる?」
シルヴィーが目をぎゅっとつぶり、快感に耐えるようにして必死に首を振る。
「あ、あ……ボゥイ、動いて……」
ああ、もう今日というこの日を僕の脳にしっかり焼き付けておかなきゃ。
僕はにんまりと微笑みながら腰を使って動き始めた。
「望みどうりにしてあげるよ、シルヴィー」
「あ、ああっ!ひぅ……激し……!」
シルヴィーのいいところを的確につくようにして、シルヴィーを、僕を、高みに持っていく。
その限界は思ったよりも早くやってきた。
「は、あっ、あん……あ、ボ、ボゥイ……!」
「ん、もうイキそう……?」
もう首を縦に振ってるんだか横に振ってるんだかわからないけど、シルヴィーが僕の体にぎゅっとしがみ
つきながら首を動かす。
「僕ももうイキそう……一緒に、イこう?」
僕はフィニッシュに向けて腰をいっそう激しく動かした。
「あ、ああっ、あっ……!!」
「んっ……!」
腹部に熱い液体がかかったかと思うと、僕自身が激しく締め付けられ、僕は熱を吐き出した。
目の前にはぐったりとしたシルヴィーが横たわっていた。
シルヴィーの体内から僕自身を引き抜くも、ぐったりしてるシルヴィーに反応がない。
「シルヴィー……?」
僕の呼びかけにも反応はない。
どうやら失神してしまってるようだ。
「あちゃあ……気絶させちゃったか……こりゃ、目が覚めたときにお小言の一つや二つ覚悟しなきゃなぁ
……」
僕は近くにあったティッシュでそっと体についた白濁液をふき取ると、目覚めたときのお小言を少しでも
減らすためにシルヴィーを抱きかかえバスルームへと向かった。
さぁて、どうやって言い訳しようかなぁ……。
僕は今だ目覚める気配のないシルヴィーを見下ろしながら、飛んでくるであろう罵詈雑言の数々を思い浮
かべながら、さっきのシルヴィーを思い浮かべまた口元に笑みをこぼした。





「こんにちは、ショルキーさん!」
「ああ、ボゥイ久々だ……?!」
その二日後、ポップンパーティにて僕はショルキーさんの所に来ていた。
ショルキーさんは僕の顔を見た瞬間、言葉を止めて固まってしまっている。
「ボゥイ、その顔どうしたんだ……?」
「ん、何かついてます?」
「あ……うん、気にしてないならいいんだが……」
ショルキーさんの視線が僕の頬辺りに集中する。
そんなに気になるのかな〜?
「ああ、そうだ僕今日はショルキーさんにプレゼントがあるんですよ、手を出してください!」
そう言って、僕はカバンの中から一つの瓶を取り出した。
そう、例の角砂糖の詰まった瓶……。
全部白状させられてしまった僕が、シルヴィーに処分命令を受けてしまったあの砂糖瓶。
ショルキーさんの手のひらにその瓶をのせる。
「これは……砂糖かい?」
「ええ、『これを飲み物に混ぜれば意中の彼女も一発KO!恋の実る砂糖』です」
「……は?」
「効果抜群ですよ!是非是非意中の人に試してみてください、じゃ!」
「あ、ボゥイ?!」
僕はショルキーさんに有無を言わさずその瓶を押し付けてその場を立ち去った。
さーて、まだ機嫌の直らない彼の機嫌をどうやって取り戻すかが問題だなぁ。
……みんな僕の頬を見るけどそんなに変かな?
愛の証なのに、ねぇ。


さて、砂糖瓶を手にぽかんとする男がここに一人。


『これを飲み物に混ぜれば意中の彼女も一発KO!恋の実る砂糖』って何だそれ……。
もしかしてこの砂糖のせいなのか?
先ほど走り去っていったボゥイの顔が俺の頭に思い起こされる。
紅葉。
ボゥイの頬に色鮮やかにつけられた手形はまさに紅葉といって差し支えないほどのものだった。
……あんな姿になるなら使いたくはないな……。
俺はとりあえずその受け取ってしまった砂糖瓶を貴重品を入れるように持ち歩いていた小さなカバンにし
まいこんだ。

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