「とうとう来たぜDMDモード ヴァージ○!!!!」
俺のアドレナリンは最高潮。今なら負ける気がしない!
例え最高難易度と謳われていようとも!!!

SSStylishにキメる自身はある!
徐々に減らしていく敵体力!!
俺の勝利は目前!!!

「またゲームしてるのか?」

不意に耳に入る乙女さんの声。
そこから一気に集中力が奪われ、こちらの体力は順調に削り取られていく。

「おい!! 聞いてるのか!?」

ここでトドメの次元斬。

「あー…………」
「ん? どうかしたのか?」
「いや、なんでもない」

とは言っても、今回ほど絶好調と思えた時なんて無く、
クリア目前からのゲームオーバーは俺のやる気を非情なまでに奪い取っていった。

「む、そこまで落ち込まれるとこちらとしても…………そうだ!」

何かを思いついたのか階段を駆け下りていき、


日本刀片手に駆け上ってくる。

「さっきの技を実演して見せてやる!!」

どういった思考回路だとそれが励ましになるのか、と考える間に柄に手をやる乙女さん。

「行くぞ……破っ!!!!!」

歪む空間、刀が鳴く音。
しかし何も変わっている様には見えない。

「…………何も起きないけど?」
「甘いな。それをよく見ておけ」

乙女さんの目線の先にあるもの。
ガラス瓶が置いてある。
いや、あれは俺の宝物!!!!
「ちょっと待って乙女さん!!!!」

ビンを手に取り無事を確認する俺。どうやら何も無かったようだ。

「ふう、脅かさないでよ」
「何を言っている?」
その言葉と共に、部屋に響く鞘の音。それと共に崩れ落ちるビンの中の船。
刈り取られる俺の意識。
「どうだ、凄いだろう」
崩れ落ちる意識の中で、乙女さんの満足そうな声が聞こえた。
まさか出来るなんて思わなかったよ。
そんな人が姉なら、悪魔だって泣き出すだろ?


(作者・名無しさん[2007/01/24])

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