さて、あのへたれをどうやって落とそうか。
ある夜、ボクは1人ベッドに座って考えていた。
最近のレオは……なんというか、認めたくねーけどモテているように見える。
ココナッツのやろーといい、よっぴーといい、最近レオへの好意がちらちらと見えている。
いくらバカだと言われていようとも、ボクだって女のコ。そこらへんの空気はうっすら解る。
それを感じる度に、なんかもやもやした気持ちになったけど、理由が解った。
嫉妬、だな。
最近レオと一緒にいることが少なくなって、やっと自分の気持ちに気づけたぜ。
ちょっと遅かったけど……まだ間に合うよな?
手遅れになる前に気づけたボク、えらいぞっ。
それに乙女さんも姫も油断ならない。
あの2人も済ました顔して、いつのまにかレオを狩ってしまいそうな気がする。
いつまでも幼馴染っていう立場に甘えてちゃ、だめだよな。
実際、全っ然アドバンテージないしね。
……かなしくないっ、かなしくないもんねっ。
とりあえず今はへたれレオだから、誰かと特別に仲良くなってるわけじゃあなさそーだけど。
今回はそのへたれさに感謝、かな。
で、どーしようかな。
今までが今までだけに、レオの前でいきなりかわいくなるなんて……できそうにないし。
朝とかにレオがいきなり襲ってくれたら問題ないんだけどな。
あ゛〜、それが出来ないからへたれなんだよね。
ったく、美少女がぱんつ丸出しで寝てるのに何で襲わないかねあのへたれは。
今まで気づかなかったけど、なんでだよオイ。
ボクがあんなカッコするのはレオの前だけなんだぞ? わかってんのか?
アレか? しましましか履いてないのが不満か? えぇオイ?
よしっ、明日はとっておきの勝負下着ってやつでいくかっ。
ホントはいつかの日のためのだけど……きっとレオとのために買ったんじゃねーかなぁボク。
それさえ装備すればいくらあのボンクラだって
レオは いきりたって カニにとびかかった
ってなるはず。
そんでそのままラブラブに……うん、あるあr
「ねーよ……」
思わず声に出る。
そんなんでレオがボクに夢中になるなら苦労しねー。
ボクの体にえろえろな魅力がないことくらい分かってる。
……泣いてないっ、泣いてないもんねっ。
とりあえず、今ボクに出来ること。
それをやってくことかな。
あいつだって、ボクのことは嫌ってないハズ。
ただ女のコとして見てないだけ。
なら勝機はある。
他の女になんかぜってーゆずらねーかんな。
絶対負けられない戦いが、ここにはあるんだよっ!!
レオ、常にオメーだけが選択肢を持つなんて甘い考えは捨てた方がいいぜ?
明日からはボクがせーいっぱいアピールしてやるかんな。
バグじゃねーぞ? 覚悟しとくんだな。
「次回 『決戦、海浜都市松笠』!!」
「夜中にうるさいよ出涸らし! さっさと寝なっ!!」
(作者・空気詠み人知らず氏[2006/08/12])