「オッス、オラ鮫氷新一!シャークって呼んでくれよな!」
ん?誰に語りかけてるんだよってか?別に俺にしか見えない妖精さんとかじゃねーぞ。
今日は生徒会執行部の活動をお休みしてるんだよね。じゃあ何をしてんのかってーと…
 「ほらカメラさん、俺この右斜め45度の角度がバッチリ決まってんのよ。ちゃんと撮ってくれよな♪」
新聞部の助っ人だったりするんだなコレが。
実は新聞部が企画した『竜鳴館の謎を暴け!』ってヤツで、生徒達から寄せられた疑問を新聞部が取材して解決しようって事になったんだ。
でもまぁ例えば
「鉄先輩の3サイズを教えて!」「姫のハートを射止める方法が知りたい!」「スバル君てフリーなの?」「蟹沢さんてry」
みたいな露骨な質問は却下。っつーか乙女さんや姫の事なんて俺が真っ先に知りたいワケで。
つまり生徒の中にも、イマイチこの学園の事を理解してない奴が多いんだ。
だから新聞部の部長が「自分の学園の事をよく知らないなんて良くない。みんなが抱いてる疑問を、我々新聞部の取材で明らかにしよう!」ってな感じになったワケで。
良い企画だとは思うんだけど、不幸な事にいざ取材!て段になって取材担当の部員が事故に巻き込まれて入院しちゃったのよ。
他の部員はみんな西崎さんみたいに大人しくて口下手な奴等ばっかり。
んで、人見知りせずに他人のプライバシーを躊躇無く暴ける人間はいねがーっ?って事で…今俺がここにいるワケで。
まぁ何かと期待されてるんだよね。西崎さんの頼みとあっちゃあ断るワケにもいかないし。
さてさて…では、新聞部に寄せられたアンケートから、生徒達の関心が高いクエスチョン上位から、解決して行きまっしょーい!


クエスチョン@ 『2−Aのイガグリの本名は?』

 「……これ本当に知りたいかぁ?」
っつーかほとんど2年生からの質問だった。中には野球部員が何人か…直接聞けよな。
まぁでも同じクラスの俺でさえ、今更聞けないってのはあるからなぁ…っつーかそんなに興味は無いんだけどね。
でも質問が来てるんだから仕方無い…解決するか。
 「おーいイガグリー。ちょっとおいでー」
 「だからオラはイガグリじゃねえってばさ…ていうか何だべそのカメラマンさんは?」
 「まぁまぁ、今日は週刊ドラゴンの取材なんだよ。聞きたい事があってさぁ…イガグリ、本名教えて♪」
 「……まさか今更クラスメイトに聞かれるとは思わなかったべ…」
 「あ、いやいや…俺は別に興味は無…じゃなくて、みんな知りたがってるんだよ。みんなお前に興味津々なんだぜ?」
 「ほ、本当だべか?」
 「本当だべ。お前がここでババーンと名前を公表しちまえば、もう誰もお前をイガグリ扱いしねーよ」
 「ひ、姫もオラの名前呼んでくれるべか?」
 「え?あ、あぁ…多分ね(てか存在自体認識されてねーじゃん)」
 「そ、そうだべかぁ?じゃあ…勿体振ってもアレだから、名前発表するべ!」
 「そうだ!これでイガグリから華麗に卒業だぜ!」
 「よ、よし!言うぞ…オラの名前は……」
 「……」(緊張)

 「五十嵐亜久里(イガラシアグリ)だべ!!だべ…だべ…だべ……(エコー」

 「……お前やっぱりこれからもイガグリだわ…」
緊張して損した…俺はその場を後にした。
さて、次の質問は、と…


クエスチョンA 『土永さんて何者?』

 「…ずいぶんストレートな質問だよなぁ」
生徒の中には、あの喋るインコがかなり気になってる奴等が多いってワケだねこりゃ。
んじゃまぁ、こーゆーのは本人…て人じゃないな。本鳥に聞いてみよう。

 「ちわーす。新聞部の取材でーす」
 「んん?小僧、お前さんはいつから新聞部になったんだ?」
職員室に入ると、土永さんは元気に羽ばたいてたりした。チッ…祈先生はいないのか。
 「今…祈がいないからってあからさまに舌打ちしただろ坊主?」
 「え?あ、いやいや!今日は土永さんの取材に来たんですよ〜」
鳥類にも一応ヘコヘコしておく、それが俺の処世術さ!
 「んん?ようやく時代が我輩に追い付いたか…カメラマンよ、我輩は右斜め45度から写すべし!」
とりあえず写真を2〜3枚撮ってから取材開始。このインコの生態を詳しく調査せねば…
 「えーっと…で、よろしければ土永さんの過去を聞かせて頂きたいなぁと。出来れば祈先生と出会う前とか」
 「…坊主、男の過去を知りたいのか…高くつくぜ?」
 「あ、これ報酬のヒマワリの種です」
 「ん〜マイルド。酒のつまみに合うぜ…」
インコのご機嫌をとる事に成功した俺は、早速インコの話を聞いた。だけど…
 「あれは学生運動華やかなりし頃だった…我輩は警視庁の機動隊に所属しており、毎日学生達と死闘を繰り広げていたぜ…」
 「……それは土永さんの過去じゃなくて、中の人(川中島氏)の過去だろ…」
 「あの頃に比べたら、今の学生なんか腑抜けになっちまったよなぁ…」

…結局、どうしても鳥の半生とは思えない話を延々と聞かされたワケで。これ本当に週刊ドラゴンに載せんのか…?
なんて不安に思っていたら、校庭で拳法胴着姿の乙女さんと橘館長を見つけた。何か発声練習みたいな…?
 「ぶらーっ!ぶらーっ!」
 「違うぞ鉄ぇっ!ぶぅるあぁあぁーっ!ぶぅるあぁあぁーっ!だ!!」
 「は、はい!ぶ、ぶらーっ!ぶらーっ!」
 「まだまだ甘ぁい!格闘家なるもの、裂帛の気合いから発っせられる掛け声が何より重要と知れいっ!」

……何だかなぁ。


クエスチョンB 『2−Cのトンファーさんと浦賀さんて仲が良いんですか?』

 「…何か質問の大半が2−C絡みなんだよなぁ」
確かに生徒や担任に謎が多かったりするし、他の生徒から好奇の目で見られたりもしてるけどね。
でもこれは調べるまでもないだろ。
姫とよっぴー、レオとカニ程ではないけど、浦賀とトンちゃんも仲良しだし。

 「ちわーす。週刊ドラゴンですけどー」
 「間に合ぅてまーす」
 「はいはーい…て帰るかよ!浦賀とトンちゃん、ちょっと取材良いかな?」
 「取材?私達にカ?」
 「エェけど…ウチは高いでぇ?」
 「じゃあトンちゃんにだけ取材するから、浦賀は帰って良いよ」
 「あ、嘘や〜ん。ウチ取材とかごっつい受けたいねん。頼むからウチも取材したってぇな〜」
 「はいはい…トンちゃんもOK?」
 「私は全然構わないヨ。ていうか何の取材アルカ?」
 「えっと、竜鳴館の謎を解明するってコーナーでね。浦賀とトンちゃんの仲良し具合を知りたいのよ」
 「そんなんでエェんかいな?心配せんでもウチ等ごっつい仲良しやんなぁ?」
 「そうアル。気になると言ったら、たまに真名の関西弁がムカつくくらいだヨ」
 「何言ぅてんねんなwウチかてトンファーの怪しい中国訛りにイラッてくるちゅーねん」
ピキッ…2人の間に見えない亀裂が入ったような…気が……?
 「え〜?てゆーか私は正統派中国人アルヨ?真名の関西弁の方が嘘っぽいアル。」
 「んなアホな。っつーか今時そんなけったいな中国訛りな奴おれへんちゅーねん。ゼンジー北京かいなw」
 「んだとぉぉぉ!?お前なんか実は阪神大嫌いじゃねーかこのガングロぉ!その関西弁矯正してただのコギャルにしてやろうアルカぁぁ!?」
 「何をぉっ!お前こそ語尾からアルちぎって凡庸なキャラにしたろかぃ!?」
 「お、おい喧嘩はやめろって…落ち着けよ、な?」
 「うるさいアル!お前のその眼鏡叩き割って、何の特徴も無いモブキャラにしてやろうカ!?」
 「んだとぉぉぉコラアァァァァッ!?テメェ等はこのゲームにおける眼鏡っ子の大切さを解ってねーんだよっ!!」
結局取材どころじゃなくなった。結論としては「人間関係は上辺だけ見ても解らない」って事…かな?


クエスチョンC 『2−Aの近衛素奈緒さんについて知りたい!』

 「やっと2−C絡み以外の質問が来たか…」
2−Aの近衛か…強気で生意気で鼻持ちならなくて俺達を敵視してるけど、確かに可愛い。2年全体でも5本の指に入るくらい。
と言う事で、近衛に対して寄せられたアンケートを元に一問一答形式で取材してみた。

 『アナタが竜鳴館で1番尊敬している人は?』
 「何と言っても鉄先輩です!私もいつかはあんな完璧な乙女になりたいと思っていますw」
 『1番尊敬出来ないのは?』
 「姫こと霧夜エリカ及び2−Cの連中です。少しは竜鳴館の生徒だという自覚を持ってもらいたいです」
 『2−Cの対馬レオとは仲が良いのですか?』
 「んな!?そ、そんなワケないでしょ!?あんないい加減な軟弱者と仲が良いなんて、有り得ません!」
 『将来はどんな道を目指すんですか?』
 「母が舞台女優だったので、舞台に関われるような仕事が理想なんですが…ん〜…(苦笑)」
 『文化祭の時に対馬レオと校門前でフォークダンスを踊っていたそうですが?しかもメイド服で』
 「え?あ、あれは…その…そう!稽古です!新しい演劇の…稽古を…ほ、本当です!これ正論!!」
 『学園長の橘平蔵についての印象は?』
 「時代に逆行してるとか、やる事なす事非常識だという批判もあるみたいですけど…今という時代には館長のような人は必要だと思います」
 『その館長によって、アナタと対馬レオが烏賊島に島流しになったという情報がありますが?』
 「えぇっ!?どこからその事が…あ、いえ!そんなの根も葉も無いデタラメです!ほ、本当だってば!!」
 『今まで告白された事は?』
 「何度か…お手紙ももらったりしてますけど、全部お断りさせて頂きました」
 『それはやはり対馬レオの存在があったから?』
 「だから何でそうなるのよ!?トサカにくるわねぇ!!」
 『てかぶっちゃけ対馬レオの事が好きなんでしょ?』
 「好きじゃなーいっっ!!」
 『では嫌い?』
 「え?あ、嫌いって程じゃなくて…あの…て何言わせてんのよ!?私があんな奴の事を好きになるワケが…」
 『今日はどうもありがとうございました。では』
 「コラーっ!逃げるなーっっ!!」
結論:恋する娘は解り易い。


(作者・スカシ顔氏[2006/07/06])

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル