5月24日、人類は隕石衝突の恐怖に脅えていた。
隕石は今回の回帰で、5月13日に地球に1050万Km(地球〜月
間の約28倍)の距離まで大接近、この接近の過程で分裂を起こし
その一部が地球に向かっており、明日明け方、地球に衝突する可能
性は70%と発表されている。

親父達は結局、航空券が取れずに未だに出張先の国にいる。
乙女さんは大学に進学後、実家に帰った。
俺は今、1人で住んでいるこの家のソファーに座り今日の竜鳴での
スバルとフカヒレとの会話を思い出していた。

学校全体が何処か重苦しい空気に包まれていた。
生徒の出席率も目算で4割程度だろう。
「レオ、スバル俺遣り残した事を遣っておきたいんだ。ハアハア」
「おいフカヒレ犯罪だけは止めとけ。それで隕石が回避したら洒落
にならねえぞ。お前ブタ箱入りする気か?」
「・・・だけどよおスバル俺満足して逝きたいんだ、なあレオ俺お
前に昔話した事あったよな。実はロリコ」
「黙れ外道!!」
俺は、フカヒレの鳩尾に力一杯のボディーブローを叩き込んだ。


この1年乙女さんに叩き直され、乙女さんが進学で実家に帰った後
も風紀委員、そして乙女さんの後継者として恥ずかしくない様に鍛
錬を積んできた拳を受けたフカヒレは悶絶し、地面を這いずり回っ
ている。

「猛省しろ。」
俺はフカヒレを見下ろし、そう言い放つ。
「・・・やばい、癖になりそうだ。ハアハア」
反省どころか新たな性癖に目覚めそうな変態を何とかスバルと説得
し、フカヒレは最後の思い出にとオタクの聖地へと旅立っていった。

「・・・でスバルは?」
「俺か?俺はバイトだ、って言うのは冗談でまあ誰かと一緒に居た
って言うのが本心だな。なんならレオどうだ?」
「キモイからヤメレ」
「まあお前は今夜大変だろうから野暮な事は止めとくぜ。」
そう意味不明な言葉を残してスバルは去って言った。


さてそろそろ無意味な現実逃避を止めよう。
現在の時刻は夜7時、タイムリミットまで約9時間。ソファに座る
俺の目の前には竜鳴が誇る美女が勢ぞろいしていた。
右から姫、佐藤さん、素奈緒、椰子、乙女さん、カニ、豆花さん、
浦賀さん、西崎さん、そして祈先生の占めて10人。
「・・・いや、何でさ?」

対馬家のリビングは異様な雰囲気に包まれている。要約すると、皆
俺の事が好きらしく今日が最後かもしれないので来たと言う事らし
いがまさか皆に好かれていたとは・・・まあ嫌われてはいないだろ
うと思っていたが。

「でも姫がこんな事するタイプとは思わなかったな」
「まあ自分でもらしくないと思うけど処女のまま死ぬのもアレだし
対馬君ならいいかなって」
まさか憧れの姫にそんな風に思われていたとは、男冥利に尽きるぜ。
でも俺にこんな大人数相手にどうしろと?

そんな俺の心の動揺を見透かした様に祈先生が声を掛けてくる。
「私は心残りが無いように対馬さんの童貞を頂いておこうかと」
(対馬さん何を迷う事があるのですか?皆さん勇気を出してここ迄
来たのに、それに据え膳食わぬは男の恥ですわ)
「そうだぜ、ジャリ坊主」
祈先生、本音と建前が逆です。と言うか何故土永さんまでここに?
まあそれはさて置き


「いや、でも皆はそれでいいの?こんな大人数でなんてさ」
それに答えるのは椰子と、素奈緒。
「本当は複雑ですけど、この人数で言い争ってても時間の無駄ですし」
「対馬、あんたが私が原因で流される事をしなくなった事に関して
は解ってるけど、こういう時くらいさ。」
「椰子、素奈緒。」
そうだ俺は皆がこんなに思ってくれてるのに何を躊躇っているのか?
女の子が勇気を出して自分から抱いてくれと言うのにどれ程の勇気
を必要としたのか。
「ありがとう、俺皆の事大好きだし、欲しい。」
そう告げると皆は俺に対して笑い返してくれた。
「あっ、でもベッドどうしよう、流石にこの人数じゃ・・・」
「ふっ無問題、よっぴー準備は?」
「うん、ばっちりだよ」
自身有り気にそう言う姫と佐藤さんに連れられて俺の部屋に行くと
そこには不思議な光景があった。
俺の部屋から家具一切が消え、部屋の中には巨大なベッドが1つ。
物理的に入るはずが無いのだがまあその辺の詮索は止めておこう。


だが、いざとなればどうすればいいのだろう?
皆は既に同意しているのだが、どうやって切り出せばいいのか。

「おいレオこれを飲め、鉄家秘伝の一品だ。」
戸惑っている俺に乙女さんが不思議な色をした液体を差し出してきた。
おそらくは一種の精力剤だろう、特に気にすることも無くそれを口
にする。
その瞬間世界が変わった。

ドクン、と俺の中に渦巻く血がたぎる。
目の前の女を味わい尽くせとDNAが囃したてる。
「ぐあああああああああああああ」
そして・・・何かがキレた。


〜翌朝〜

「・・・ん、はあ」
朝、目覚めると妙に体がだるい。
辺りを見回すと裸の皆が眠っている。そして白いシーツは祈先生を
除いた9人分の血で染まっていた。
どうやら隕石は衝突を逸れたらしいが、まさか10人と関係を持つ
とは・・・本当に大変なのはこれからだろうな。

「対馬君、絶倫ネ」
「てめえ普段はヘタレのくせに」
「そうや、ウチまだ違和感あるわ」
「くくくのく〜」
朝食時、皆の視線が痛かった。どうやら昨晩かなり無茶をしたらしい。
記憶が定かではないが女性陣の哀願を無視して、暴走した結果身の
危険を感じた皆は途中で狸寝入りを決行、最後まで体力を持て余し
ていた佐藤さんが犠牲となり、限界を迎えても開放されなかったとか。
狸寝入りの話を聞いた佐藤さんは
「うぅ、皆酷いよう。起きてたら何で代わってくれなかったの?」
そう言っていたのだが、俺と目が合うとビックっと体を震わせ
「はい!!何でしょう、ご主人様!?」
などと呼び方が変わっていた・・・俺は一体何をしたのか、まあ思い
出さない方がいい事もあるさ。
「やはりあれを言わないと駄目でしょうか・・・あ、あの私はご主人
様の肉・・・ん、ぐう」
即座に佐藤さんの口を押さえ封じる、うわー俺って一体何やったんだ。
既に対馬レオは自己嫌悪に陥いっていた。


そして、いつもの様に登校する。通学路はまるで何事も無かったの様
に生徒で溢れかえっている。それはいつもの見慣れた光景、だがその
日常がどれほど貴重なのかを思い知らされた。
俺は女性陣8人の少し後を1人で歩く。乙女さんは大学に、祈先生は
まだ寝ていた為此処には居ない。
何故離れているか?そんな事は決まってる。俺には一緒に歩いて、周
囲から、主に男子生徒からの視線に耐える勇気など無い!!

「よう、レオおはよう。」
「うぃ〜す、レオ。今日はまた大所帯だな。」
後から、掛けられる声を振り向けばそこに居るのはフカヒレにニヤケ
面のスバル。
「なんであのメンバーが一緒に居るんだ・・・まさか」
目の前を歩く女性陣を見て、声を挙げるフカヒレ。気付かれたか?
「解ったぞ。昨日の夜、最後の思い出に皆でパジャマを開いたんだな。
やばい萌えるぜ、よっぴーのパジャマ姿・・・ハアハア」
何処かへ飛んでいったいったフカヒレを置いてスバルと2人で歩く。
「それにしてもまさか全員レオの家に行くとはな・・・複雑だね〜、
あとは乙女さんに、祈ちゃんか?」
「!?」
スバルの言葉につい息を呑み、その反応でばれてしまったらしい。
「解りやすいねえ。」
(まあカニの気持ちは解ってたし、昨日、他の女の所に居た俺がど
うこう言えた義理はねえしな)


「で、レオ避妊はちゃんとしたんだろうな?」
「・・・へ?」
・・・避妊?あれっ、昨日は確か・・・全身から汗が噴き出してく
るのが解る。
「・・・お前、あの人数相手にまさか?」
俺はそっと空を見上げる、地球の空は今日も青かった。

いつも〜通〜たこの道は〜♪変〜わらないけど♪


(作者・赤猫氏[2006/04/23])

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