<レオside>
「じゃあ乙女さん俺は先に行ってるよ。」
「ああ、解った。でも随分と早いな。集合時間までにはまだ2時間以上もあるだろう。」
「仕事結構たまってたから。」
「まあ頑張るのは良い事だ。私も後でおにぎりを持って手伝いに行く、レオ行ってらっしゃいのキス
だ。んっ」
「んっ、じゃあ行ってきます。」
唇を交わした後、俺は生徒会の仕事の為に家を出た。恋人関係になったこともあり、乙女さんは大学
に進学後も、俺を鍛える為と称して対馬邸に滞在を続けている。
俺としてはありがたいが今では毎日3個の生卵が欠かせなくなってしまった・・・まあ色々と大変だ。
<良美side>
竜鳴館の生徒会室、通称竜宮に1人悩める少女ー佐藤良美の姿が会った。
(はあレオ君最近ますます格好良くなってきたなあ。)
彼女はまだ自分以外誰も居ない竜宮で溜め息をついた。レオは最近乙女さんの鍛錬もあり成績も上昇、
腕の方も随分とたつようになってきており顔立ちも随分と精悍になってきた。今年度は風紀委員も務
めることになる。
「最近、レオ君のこと好きって言う子も増えてきたし、鉄先輩と付き合いだして一度は諦めたんだけ
どな・・・やっぱり諦められないよ。振られても良いから告白してみようかな」
ガチャッ
その時、扉が開き一人の男が入って来た。まさしく対馬レオであった
<レオside>
(・・・何だ、この雰囲気は)
集合時間より早く竜宮に着くとそこには既に良美の姿が会った。今は良美に入れてもらったお茶を2
人で飲んでいるのだが雰囲気が妙だ。良美は何も話さずチラチラとこちらを見てくるし、どうも頬が
紅潮している様に見える。
(そう言えば昔佐藤さんの俺に対する扱いが他とは違うって言われたことあったけど・・・まさかな)
自分のくだらない想像を打ち消しレオは良美に声を掛けた
「あの、佐藤さんどうかした?何か悩みでもあるなら俺でよければ相談に乗るけど」
良美は更に頬を紅潮させ、何か吹っ切ったような表情をすると椅子から勢いよく立ち上がるとレオの
側に寄った。
「・・・あのっ!」
「佐藤さん大丈夫だから落ち着いて」
「・・・うん、あのね私レオ君のことずっと好きだったの。レオ君に鉄先輩が居るって解ってるんだ
けどやっぱり諦められなくて。」
上目遣いで自分を見つめる目の前の少女は、途轍もなく可愛かった。それはもう理性が飛ぶくらいに。
1年前のレオなら狼狽しただろうが、今のレオはこの1年で培った経験がある。
(今日は4月1日か、まあ姫がその辺に隠れて俺の反応を見て楽しんでるんだろう)
それならあえて乗ってみるのも一興。その内出てくるだろう
・
・
(自粛)
・
・
「ねえ、レオ君私幸せだよ〜」
え〜何でこうなっているのだろう。目の前には自分の胸で幸せそうに微笑む少女が1人。と言うか凄か
った。間違いなく彼女は初めてだったのにそれは獣だった。
(何か大事なことを忘れている気もするが気のせいだろう)
ドアの外で誰かの声が聞こえる気もするがそれも気のせいだろう。しばらくは2人でこうしていよう。
「最近レオも頑張っているし私も安心して地獄蝶々を譲れた。」
「相変わらず仲がいいわね、まあ私とよっぴーには叶わないけど。それにしても鉄先輩がおにぎり持参で
来るのは解るけど、何でなごみんまでお弁当2つ持ってるのかな?おや〜おやおやおやおや〜」
「変な邪推はしないで下さい。ただのトライアル2です。」
「へんっ、レオがココナッツなんか相手にするわけないだろ。よしそれなら今度はボクがレオに作って来
てやるもんね」
ガチャ
今、運命の扉が開かれる(終われ)
(作者・名無しさん[2006/03/32])