〜エリカの場合〜


やばい! エリカとデートなのに寝坊しちまった!!
待ち合わせ場所にいるよな?
俺は不安になりながら必死に走った。

そして到着。

「遅い!!」
「エリカ、ゴメン!」

エリカのこめかみには怒りジワが。

「ホントにゴメン!!」

俺は地面に頭をつけるような勢いで頭を下げた。

「もう知らない! 私を待たせた罪は重いわよ! 今日のデートはコレでお終い!」

ズカズカと歩き始めたエリカを追った。

「そんな! 何でもするから!」

ピタっとエリカの足が止まった。


「本当?」
「ホント」
「嘘つかない?」
「つかない」

するとエリカは俺に向かって手を差し向けた。

「じゃあ手をつないで」
「へ?」

拍子抜けした俺。迷わずつないだわけだが…

「だけど、待たせた事は許さないわよ?」
「そんな!?」
「プッ」
「エリカ?」
「……ウ・ソ・よ♪」

そして脱力。

「今日はエイプリル・フール♪」

やれやれ。今日もこの悪戯好きなお嬢様に振り回される訳か。



〜なごみの場合〜

夜。対馬家にて。
「別れるって……。どういうことですか?」
「そのまんまの意味だよ」
「……うわあああん!!!」
なごみは突然泣き出してしまった。マジでやばいなコレ。
「なごみ、今日はエイプリル・フールだって! ウソだよ! ウソ!」
「ふえええぇぇぇん!!!」
俺はなごみの頭を撫でてなだめた。
「えぐっ! うぐっ! わああぁぁん!」
「よしよし、俺が悪かったからさ」
そして泣き声はピタッと止んだ。
「えへへ。センパイ引っかかった♪」
「なごみ、まさか……」
「センパイがそんな事言うわけないです。それに今日がエイプリル・フールだって知ってましたし」
「……このぉ。可愛い奴め!」
俺はぎゅーっとなごみを抱きしめる。
「そんな子にはおしおきだからなぁ?」
「センパイったら…」
夜は男を狼にする。俺は獲物(なごみ)に飛びかかった。



〜良美の場合〜

「今日がエイプリル・フールだからってあまり人をからかわないないで欲しいよね?」
4月1日。俺は佐藤さんと一緒に竜宮を後にした。
「佐藤さんは反応が可愛いからね」
「え? 可愛い???」
佐藤さん。顔真っ赤。
(まさか、ウソなのかな???)
「対馬君ったら。からかわないでよぅ」
「ウソじゃないよ。佐藤さんは可愛いと思うけど」
「ホント?」
「うん。付き合いたいくらいにね」
そして佐藤さんはうつむいてしまった。ちょっとマズイかな。
「ウソだよ。佐藤さん」
「ウソ……?」
そして俺は佐藤さんの前を歩いた。
「裏切……から、……して……すから」
「ん? どうしたの? 佐藤さん?」

サクッ

「うわああぁぁ!!??」

教訓:ウソの内容によっては人を傷つけます



〜乙女の場合〜

今日はエイプリル・フールだからちょっと乙女さんをからかってみるか。
「乙女さーん」
「なんだレオ。昼食はまだだぞ」
「いや、そうじゃなくて。友達から電話で聞いたんだけど、駅前にSABU.ちゃん(演歌歌手)
 が来ているらしいよ?」
「本当か!? よし、行ってくる!!」
ロケットダッシュで駆けて行く乙女さんだった。成功!!
2時間後―――
「レオ! いないではないか! 誰に聞いてもそんな話は無かったぞ!?」
かなり怒ってるなこりゃ。制裁を加える気満々でいらっしゃる。
「お、乙女さん! 今日はエイプリル・フールだって。だから怒らないで」
「エイプリル・フール? そうか。ならば私はお前を怒らない」
ホッ、勝った。
「と言うのはウソだ(怒怒怒怒怒)!!!!」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!?????」

俺は「ファイヤークラッカーローリングダンススペシャル乙女Ver.(168HIT)」を喰らって絶命した。



〜きぬの場合〜

「今日のお前、なんかカワイクないよな」
「何言うのさ!? レオ!?」
「なーんて、ウソ! 今日はエイプリル・フールだぜ? きぬはいつも俺のかわいい太陽だぜ?」
「レオ〜! 愛しのマイ・ダーリン。地味でイケてないけどな〜」
「なんだと〜?」
「ウソだよ。レオ〜。レオはいっつもカッコいいぜ?」
「なんだと? この〜?」
「レオ! くすぐったいって!」

「……ウザいんで潰していいですか?」
「いいわよ、なごみん」
「どうせならマリアナ海溝に沈めたいですわ〜」

〜おわり〜


(作者・TAC氏[2006/03/32])

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