「今日は野球をしようではないか!」
この一言が悪夢の始まりだった……
バットがボールを捉えれば――
「ボールが弾け飛んだ!!!」
ボール何ダースもの損失。
バットが空を切れば――
「うわああ! かまいたちがああ!!!」
ピッチャー負傷。
外野手をやれば――
ホームラン確実のボールを――
「あのジャンプ力ありえねえ〜!!」
当然のようにアウト。
ランナーは乙女さんで本塁上のキャッチャーとのクロスプレーの結果――
「グボベバ!!」
キャッチャー複雑骨折。
ピッチャーをやれば――
レーザービームが放たれて――
「ギギャー!!」
1球ごとにキャッチャー交代……。ついでに主審も……
……
「ハッ!!?」
どうやら夢だったらしい。
WBC(ワールドベースボールクラシック)を乙女さんと一緒に観たからかな…
考えるだけでもゾッとする。
「レオ、おはよう」
乙女さんが入ってきた。
「乙女さんおはよう」
カーテンを開けながら乙女さんは、
「今日はいい天気だ」
といってにっこりしていた。そして、
「みんなで野球をしようではないか!」
「……へ?」
予知夢だったのね……
……
「……野球部のオラは出番ないんだべか?」
無えよ。
〜おしまい〜
(作者・TAC氏[2006/03/22])