「よう」
夢の中で自分と良く似た着物の人物に挨拶される。
「お前の中でお前を見てると何だか少し哀れに思ったからな少し手伝ってやろう」
レオ「あんた何言ってるんだ」
「撫子、もとい乙女だったか、あれに武術で勝てる所があったらと思わんか?」
レオ「思うが、そうそううまい話はねぇ?」
「ま、切り替わればわかる」
レオ「訳わかんねぇ、だいたいあんた一体何者なんだ」
「俺か?俺は鉄獅堂紀元(くろがねしどうのりもと)、お前の前世ってやつだ」

日曜日の朝、対馬邸
レオ「なんだって〜!」
何ともオカルト的な夢だ、だがほかには特別変わった所は見当たらない。とりあえず顔を洗い、居間に移動する。
乙女さんは庭で重さ30キロの竹刀で素振りをしていた。
レオ「乙女さんご飯は食べた?」
乙女「おはようレオ、珍しいな、やすみの朝にこんな時間に起きるとは、お姉ちゃんは嬉しいぞ、うん、まだ食べてないな」
レオ「ありがとう、じゃあインスタント麺だけど作るよ、卵を落としたやつ」
乙女「おぉ!あっ!」卵に釣られたかは知らないが珍しく乙女さんは気を緩めてしまったらしい持っていた竹刀がすっぽ抜けてこちらに飛んでくる


まずい、俺の反応速度じゃあ直撃だ、と思った瞬間、身体が動いた、と言うより意に反して勝手に動いた、
竹刀の切っ先をギリギリ左にかわし竹刀のつかが通過する前に右手でパシッとつかみ拍子に乙女さんに向かって構えを取ってしまった、
レオ「我が剣はただこの一太刀にあり!二の太刀があると思うな!ってね」
うわ〜、口が勝手に〜、何言ってるんだ俺ぇ。って乙女さん固まってる。どうしたんだ?
乙女「あっ、すっ、すまない、しかし、まさかレオから物凄い剣気を当てられたから固まってしまったぞ」
左様デスカ、ボクはシリマセンヨ
レオ「俺、そんな怖い事出来ないよ、とりあえずご飯作るよ、お風呂入ってきなよ」
乙女「あ、あぁそうしよう、でもあれは一体なんだったんだろう、マグレでも出来る芸当ではないからな、試してみるか」
何やら不吉な事を呟きながら風呂場に向かう乙女さんを見送る。この後、物凄い嫌な予感がする。




カニ「ようレオ〜、遊ぼ〜ぜぇー!」
スバル「おす!昨日よ、面白い遊びスポット見付けたぜ、行かないか?」
レオ「きたか同士よ、良いなそれ、ぁ、フカヒレは?」
スバル「アイツなら先に現地で場所の予約しにいってるぜ」
カニ「乙女さんも来ない?絶対満足出来るよ」
乙女「いいのか?」
スバル「久々に体を動かすレジャーだからな、むしろ乙女さんは得意分野だし誘わないとバチが当たるかなって」
乙女「伊達がそこまで言う位ならこちらとしても行かないのは無礼だな、よし、行ってみるか」

やってきました、市民体育館、どうやらやることは、
カニ「チャンバラだぜぇ、さぁ、どっからでもかかって来やがれ!」
パス!
早速ちびっこに一発貰うカニ
カニ「ゴルァ、ソコのクソガキ!いきなりやりやがったなぁ、まちやがれ〜」
乙女「ほぅ、スポーツチャンバラとは、今朝の事もある、伊達には感謝しなければな」
スバル「それはよかった、で、今朝の事ってなんすか?」
乙女「それはな・・・、レオをみればわかるぞ」


フカヒレ「久しぶりにやるな、いつもながら手加減しねぇぞ」
レオ「はよう来い、昔みたいに逃げるダケはつまんない真似はすんなよ」
と言いつつはなから決めにかかる俺、自分では最高速度の袈裟掛けをくりだしたが、
フカヒレ「フッ、残像だ」
ちっ、分身回避は健在か、でも攻撃はからっきしだなぁ、
レオ「残像は面喰らったが駄目だな、どれ、乙女さんを驚かせるか」
な、また勝手な事言ってるよ俺
フカヒレ「テメー、余裕こいてんじゃねぇ!」
レオ「悪いが余裕って言う言葉自体に失礼な感じだ」
正直、結構速かったぞ
レオ「我が前に、残るは屍、薙祓え焔・・・」
乙女「な、あの構えは鉄流剣術奥技焔之舞!」
ニヤリッ、体はしてやったりと満足げ、でも私そんなのシリマセン体が勝手にぃ。
レオ「鉄流剣術剣技!焔之舞・閃流!」
どっかーん!フカヒレスマン、成仏してくれ。


レオ「じゃあ、乙女さんやろうか」
乙女「レオ、いや貴様誰だ、様子がおかしいとは思ったがよりによって鉄流剣術を使うとは、次期当主としては捨てて置けないな」
レオ「微妙な気配の違いを感じるとは、撫子が付いているだけあるな。では、その剣技存分に披露召されよ」
乙女「レオ、少し痛いが我慢しろ、今お姉ちゃんがお前にとりついているもののけをやっつけてやるからな」
なんでこうなるんだ!チクショウ、勝てる訳ねぇよ!てか撫子って誰?

カニ「ねぇスバルぅ、何かレオ雰囲気ちがくね?」
スバル「あぁ、熱血モードとは違うが、何かやるぜアイツ」
カニ「そうなんだけど、今のレオ、別人だよ、ボクの知ってるレオじゃない」
スバル「確かにな、あんなにふざけた余裕のかましかたはしねぇ、でも乙女さん相手に大丈夫か?」
カニ「大丈夫じゃね?何だか知らねぇがそんな感じがする」

乙女「では、行くぞ、獲物は本物ではないが手加減はなしだ、万物悉く刻め!地獄蝶々!」
まてー、スポチャンの竹刀でその台詞は違うだろ〜!
レオ「地獄蝶々とは、なんと縁深いな、ならば!眼前の敵をただ祓うのみ!焔之剣・真打!」
俺もかぁ〜、恥ずかしいからもう辞めてくれぇ。


乙女「鉄流剣術奥技!桜舞吹雪!」
レオ「剣技、風薙・春一番!」
どうやら乙女さんはかくらんついで撃破狙いで必殺の太刀を決めた筈だった、だが回転を加えた力任せ横薙ぎで弾かれる。
乙女「ちっ、まだまだぁ、奥技・雷激星!」
レオ「その技はいつから奥技になってしまったのかねぇ、奥技にするならもう少し捻ろうか、奥技・雷撃星・徹甲!」
乙女「ぐはぁっ、な、突き抜けたのか!」
乙女さんは同じ技を撃った『俺』を恐怖し始めていた、
乙女「例え、敵わなくとも一太刀は!レオ今助ける!」
レオ「悪いな、だが安心しろ、俺は今の鉄を知るためにコイツの体を借りてるだけだ、
一本気なのは良いがもう少し柔らかくせんとな、撫子に習わなかったのか」
乙女「何を訳の分からない事を!次は全力で行く!鉄乙女、推して参る!」
レオ「改めて名乗られたら、こちらも名乗らないと無礼か、ならば。
我はつれあい撫子が守護、鉄獅堂紀元、我が最大の一撃を持ってお応えしよう」
もう、恥ずかしい事をさらって言うとはね、もう、あきらめました、体育館壊さないでね


双方の取り巻く空気がかわる、次で決めるらしい。
もう既にスポチャンの域を越えているというツッコミは今更なんでとりあえずどちらも無事に家に帰りたいッス、片方俺の体だし。
レオ「鉄流剣術、獅堂が秘技・大和撫子!」
乙女「鉄流剣術秘奥技外伝・撫子・舞乙女!」
名前がかなりの変化があるがくりだす技は同じだった、スポチャンの竹刀がぶつかり合う。
ドッカーン!
何処をどうやれば出来るのか分からない爆発が起きた。煙が晴れる、乙女さんは納得いかない顔で呟いた。
乙女「何故、完全相殺した」
レオ「『乙女』だろ?傷ものにする訳にゃいかないだろ?」
乙女「完敗だ」

カニ「どうやら終わったみたいだぜ」
スバル「体育武闘祭以外でこんなの見れるとは思わなかったな」
カニ「おぉ!後でレオに必殺技教えて貰おぅ!」


夕方、対馬邸
レオ「・・・と、いうわけです」
乙女「なるほどな、だから私の技の一枚も二枚も上回ってたのか、ただ今のレオの筋力で奥技を撃てるのは正直驚いた」
レオ「俺も人間じゃなくなると思った、でもお互い無事で何よりだ、あれ、これは涙?」
乙女「でも鉄最強と詠われた獅堂どのと手合わせ出来たとは光栄だな、
私の技にまだ改良の余地があると分かった、それと」
レオ「それと?」
乙女「例えご先祖様が付いていたとは言え、コンジョーナシじゃないレオを見れて嬉しかったぞ」
レオ「惚れそうになった〜?」
乙女「うっ、そういう事を言うな、お前はすぐに調子にのる癖がある、さぁ、明日は学校だ寝ろ」
レオ「は〜い、おやすみ」
乙女「ああ、おやすみ」


翌日、通学路
小学生1「おい、昨日体育館でよ、スッゲーチャンバラやってたぜ!」
小学生2「見たぜしんじらんねぇけど世の中あんなんあんだな」
小学生1「あ、あの兄ちゃんだぜ!必殺技教えて貰おうぜ!」
小学生2「行こうぜ!」

レオ「・・・ていう感じだ」
スバル「ハハハ、ここまで来ると何でもありだな、しっかしまぁご先祖様とはな」
カニ「恐くない、恐くないもんね!(ガタガタ))」
レオ「そんなに震える事ないぞ、しかも取り付いてる人間にしがみついてもな、何なら技のひとつでも教えてやろうか?」
カニ「おおう?出やがったな!オカルトレオ!」
あぁ、また勝手に・・・。
カニ「ホントに技教えてくれんのか〜?」
スバル「げんきんな子蟹ちゃんだ、獅堂さんよほどほどに頼むよ」
レオ「遅刻しない様にするさ」
小学生1「兄ちゃん!昨日のチャンバラ凄かったぜ!」
小学生2「必殺技教えてよ!」
レオ「ヨシ!じゃあ飛び道具でもやるか、手を開いて縦に空気を切るかんじで・・・」
しゅぱん!
小学生2「スッゲー」レオ「じゃあそっちの、やってみよう、そう、良いな、行け!」
しゅぽん!
小学生1「マジかー、出たぜ〜!」
スバル「出るのかよ!」
カニ「終わっとけ!」


(作者・時給255円氏[2006/03/12])

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