特に欲しいものもなく
してもらいたいことは始終してもらってる。

そんな女の子に送るプレゼントは何がいいのか。

何を送ったって喜んではくれるだろう。
だけど、驚いて、心の底から喜んでくれるような
そんな物を送りたいじゃないか。

年に一度しかない、バースデープレゼントなんだから。

アクセサリーは前に送ってる。
服か、化粧品か、コンサートに誘うとか……
いっそ花束……ダメだ、家が花屋じゃないか。バカか俺は。
食べ物にはうるさそうだし……

……あ、ちょっといいの思いついた。
けど、あんまりその手のものには詳しくないからなぁ。
ちょっと相談してみるか。

「それで、私に相談というわけか」

「うん、乙女さん詳しそうな気がして」

「……私の誕生日には、おにぎりしかくれなかったくせに」

「え、あ、だって乙女さん喜んで食べてたじゃん!?」

「冗談だ。まあ相談に乗った以上
 お姉ちゃんが最高のプレゼントを選んでやろう」

……人選、間違えたかも。


「レオ、頼まれていたプレゼントだが」

「あ、選んでくれたの?」

「うむ、人選は終わった。
 最適にして最高の人物を見つけ出したぞ」

「……人選?人物?……その人が選んでくれるの?」

「いや、造ってくれる人だぞ?」

造る?……なんかえらく本格的になってませんか?

「それで、次の日曜日に伺うことになっているからな。
 私が同行するから、レオもあけておけよ?」

「はあ……どっちにしても、その日に買いに行くつもりだったから
 あけてはいるけど……どこまで行くの?」

「うん、岐阜県だな」

「岐阜ぅ!?」

「最高のものを贈りたいのだろう?
 ならば、手間隙を惜しまぬことだ。
 それと、よく体を休めておけよ。体力のいる仕事だからな」

「……体力!?なんで俺の体力が関係あるの!?仕事ってなに!?」

「当たり前だろう。お前も一緒に造るんだから」

今さら遅いけど、やっぱりスバルに相談すればよかった……


「……というわけで、誕生日おめでとう、なごみ」

「ありがとうございます、センパイ……
 あの、何か疲れてませんか?」

「いや、たいしたことない。それより……はい、プレゼント」

「わ、ありがとうございます……開けてもいいですか?」

「ああ、どうぞ」

「えへへっ、何かな〜♪
 わ、すごい……これは本格的ですね!」

「うん、まあね」

「あの……高かったんじゃないですか、これ?」

「いや、そうでもない。
 何しろ……造ったのは俺だから」

「ええ!?センパイがこれを!?」

「うん、一昨日ちょっと岐阜まで行って造らせてもらった。
 本職の人の作業を手伝っただけだけどね」

「スゴイです!……センパイの手造りなんて!これ、一生大事にしますね!
 あ……銘が彫ってある」

『地獄包丁』

「……えっと…大事にします、ね……?」


(作者・Seena ◆Rion/soCys氏[2006/02/28])

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