「透子〜」
「なに、祈?お金なら貸さないわよ。OK?」
「そんなこと言ってませんわ〜」
「ナンパにもつきあわない。OK?」
「借金でもナンパでもありませんわよ。
今度の日曜日、ドライブ行こうかな〜と……」
「ドライブ?……あなた、まさかひょっとして……」
「新車買ったんですの〜」
「……いい加減、衝動買いで車買うのやめなさいよ」
「だって可愛かったんですもの」
「はぁ……で、何買ったの?」
「DAIHATSUのコペンですわ」
「この寒いのにオープン?全然OKじゃないわよ、それ」
「寒い中をオープンスタイルで走るのが粋なんです。
ね〜、行きましょうよ〜、どうせヒマでしょ〜?」
「……なんか最後の一言がムカつくけど…
まあいいわ、つき合ったげる」
「それじゃ、透子の家に迎えに行きますわね〜♪」
「こういうときは寝坊しないのね、祈」
「当然ですわー」
「学校もそれぐらい余裕で来られればいいのにね。
…いつものオウムは?」
「おいてきました。何かと五月蠅いんですもの」
「OKOK……道もすいてるし、気晴らしにはなるわねー。
ちょっと寒いけど。何か暖かい飲み物とかないの?」
「そこまでは考えませんでしたわね……
あ、あそこにコンビニがありますわ」
「ん……ちょっと止めて。
何か買ってくるわ。何がいい?」
「お汁粉お願いしますわ」
「……OK、お汁粉ね、買ってくるわ」
「あれ?祈先生?」
「あら、対馬さん?どうしたんですの、こんなところで」
「バイトの帰りっす。これ、祈先生の車ですか?」
「そうですわよ?」
「へー……可愛くて、祈先生にすごく似合ってますねー」
「あらあら、お世辞が上手くなりましたわね」
「いや、お世辞じゃないですよ……へぇ〜、いいなぁ〜」
「乗ってみます?」
「え……いいんですか?」
「ここから松笠まで帰るのは大変でしょう?」
「いやー、助かります!えへへ……
祈先生の車のナビに座れるなんて、ラッキーだな♪」
「ま、可愛いこと言いますのね♪
では…何か忘れてる気もしますけど…行きますわよ!」
「祈ー、お汁粉なかったから甘酒……
祈?……ちょ、冗談でしょ!?何あれ、隣りに男乗せてる……!?
…あ・の・ア・マ・ァ ! 纏 身 !」
「祈先生……なんか後ろから白い怪人みたいなのが
『いーのーりー!』とか叫びながら
すごいスピードで追いかけてきますが知り合いですか?」
「知りません。でもイヤな予感がしますので……
ちょっと、飛ばしますわよ!」
「え…って、うひょおおおおぉっ!?」
「気分壮快ですわー♪」
(作者・Seena ◆Rion/soCys氏[2006/02/23])