7月初旬、朝七時半過ぎそれはやって来た。
乙女「ここの所起こしに行くと、この状態か、何故か言い知れぬ怒りが込み上げてくる」
とりあえず、朝の目覚まし蹴り一発はれおをクッションにしつつまとめて吹っ飛ばす。
れお「いてぇ!」
カニ「ふぁぁぁ、あ、乙女さんウィース」
乙女「ウィースじゃない!蟹沢はとりあえず着替えろ」
そういってカニを部屋に返しこちらに事情聴取を始める。
乙女「ここの所毎日起こしに行くと何故か蟹沢が横に寝ているが説明してみろ」
れお「うーん、それがイマイチわからない、いつもの集まりが終わって寝ているだけだからかな〜、そういや何かヤケに寝付きがいいなぁ」
乙女「そうか、お前がその、引き留めたりはしてないんだな?」
れお「ちゃんと返して寝ている、誤解されることは為てない」
乙女「ふむ、分かった、じゃあ私は先に学校に行ってるぞ」
乙女さんを見送り、この日は少し早めに家を出てみる事にする。

蟹沢家
カニ「言う通りやったけど効果ネェじゃんかー」
マダム「おかしいネェ、普通はもうドツボにハマっているはずなんだけど、出がらし、何かミスは為てないかい?」
カニ「えーっと、まず怪しまれずにれおの飲み物に一服盛る、れおが寝るまでまつ、れおを抱き枕にして寝る」
マダム「確かにミスはない、あ、あんた、薬見せてみな」
カニ「これなんだけど」
マダム「あーた、これバファ○ンだよ、眠気を誘発させるだけだ、最初に渡したこっち(媚薬)を使いな、もう、最初の一歩で間違ってどうするんだい!」
カニ「おぉ、わりいなオフクロ!明日こそれおをボクのモノにするから楽しみにしてろよ」


行きの通学路
乙女さんは朝の光景を思い出していた。
「まったく蟹沢には困ったものだ、れおも一緒に寝るのを黙認するのにも原因でもあるが、
ここ2週間毎日だ、少し指導しなければならんな・・・
一緒に寝るか・・・、小さい時以来だな」
幼い頃を思いだしてみる
「れおと一緒にねると何か暖かくてぽかぽかして良かったな、
そういえば蟹沢はここ毎日そうやって寝ているな」懐かしい感触を思い出しながら考える
「何か羨ましいな・・・」
十秒後
「羨ましい?・・・私が?蟹沢を?・・・しかしあのぽかぽか、捨てがたい・・・、でも、今のれおと寝るんだぞ?」
少し考える、でも今度考える方向を間違えてしまったらしい。カニの寝ている姿の影響か、自分に甘えて来るれおの図ではなく、
れおに甘えてしまった自分を想像してしまった。恥ずかしい、非常に恥ずかしい。
考えただけでも顔も耳も真っ赤だ。しかもそれが至上に嬉しい事と感じてしまったのがまずかったのか、乙女の心中で何かが弾けてしまった、
そして思った事、れおと添い寝してぽかぽかしたい、勿論自分だけ。
いつもだったらここで理性が働きそこでストップだったが、今回は乙女の心中では満場一致だった。
「今夜、れおにそれとなく話してみよう」
いつもと違う色の炎を瞳にともしながら彼女の歩みは登竜門(校門)へと早めた。


同じ頃、よっぴーの部屋

「―――っ!!」

いつもの日課、しかしここ一週間は朝に三回とややオーバーペースである。
それもそのはず、今まで特定の異性を己の欲求の対象にしていなかったからだ。
それを考えると自分で少し不思議に思う。けど、しかしそれを考えるだけでも欲望を吹き出す材料にしかならない。
「対馬くん・・・」
思いの人の名前を口にする。また欲望が込み上げる。
「ぁ、でもだめ、学校行かなきゃ」
思考を社交的自分に切り替える。でも今までの様に欲望を抑えるのは容易ではなくなっていた。
「もう、私だめかも。対馬くんが欲しくてたまらないよぉ」
その欲望を振り払う様に再度冷静になる、ここで初めて初歩的なミスに気づく。
「対馬くんって、私の部屋知らないんだっけ」
そうだった、何度も部屋に誘おうとした自分を思い出す。
「今日こそ部屋に誘わなくちゃ」
で、なければ数日中には欲望の虜になり、予想では対馬レオに一方的な欲望をぶつけてしまうだろう。
多分『正気』は保てない、だからせめてその前に、
「れおくん、私の・・・」
熱を帯び部屋をでる。「私の青い鳥になって・・・」
そして、サイは投げられた、今日、私、佐藤良美は対馬レオに告白する。


前日の昼休み
教室
チャコ(なごみクラスメート)「ヤコ〜、今日こそ白状しなさいよぉ」
なごみ「?何、いきなり、弁当食べてる時に」
チャコ、なごみが後学の為に食べ歩きをしていて、たまたま寄った定食屋(なごみ和食ランク現在一位)の娘である。
なごみは旨いものに会うと厨房に入って技を聞きに行くという癖がある、
で、たまたま家の手伝い(メニューの約六割担当)をしていたチャコと意気投合、
以来なごみの数少ない盟友のひとりである。お絹(前に書いたフカヒレ編参照)「そうですよぉ、身体の毒ですよぉ」
なごみ「そ、そんなことない」
チャコ「と、言ってまーた屋上でため息するんだから」
お絹「ここ毎日ですよ、悩みとかあったら言って下さいよ」
なごみ「分かった、もう、一回しか言わないからきちんと聞いて、対馬先輩って女子に人気ある?」
チャコ「あぁ、生徒会の、うーん地味に人気あるなぁ」
お絹「ルックスとは裏腹に少しラフな感じですし」
チャコ「しかも荒事も多少こなすワイルドさもある、こないだヤコ助けてもらったでしょ?」

なごみ「あ、あれは・・・」
チャコ「ウチのクラスメートでも何人か狙っているのもいるしねぇ、ふーん分かった、いじめるのはここまで」お絹「えっ?えっ?
なごみ「なんか負けた気がする」

その夜、なごみの部屋
バフッ
布団にくるまってため息をする。
「そんなに顔にでてるかなぁ」
しばらく考える、いつの間にか考える事は対馬レオの事になっていた、最初は何故自分を生徒会のメンバーに入れたのか、だったのが今は、
「対馬先輩、好き嫌いあるかな」
前はここいらで思考をカットしていたが今はもう止めない。
「明日先輩にあったらなんて言おう」
多分いつもの通りになってしまいそうだ、またため息をつく。
今考えても仕方ない事だ、今日のところは寝よう。
パサッ
寝返りをうつ
「いつかは・・・」
静かに夜は更けていく。


前日の夜、姫の間

かなり大型の模造紙をひろげ何やら書きこんでいる姫、題名はこうだ
『エリカの夏休みハーレム計画』
どうやらそのプランを立てているみたいだ。
ポンッ!きゅーー、きゅきゅ!
最初は集中して書きこんでいたがだんだん楽しくなってきたせいか鼻唄を歌い始める
「知らないことがぁ〜♪おいでおいでしーてるぅ♪でぇかけよぉー口笛吹いてさ〜♪
びっくり(ハプニングセクハラ)しようよあららのら♪
調べて(いたずら)納得♪うん!そうか!おもしろ対馬を見てみよぉ〜♪
探求ぅ〜発見〜対馬くん〜♪っと、かんせ〜!」
どうやらハーレム計画の最初の捕獲対象者はれおらしい。
「意外に対馬くんたら、私のツボにズッポリなのよねぇー、明日は逃がさないわよぉ。
栄えある「ハーレム」入居者1号にしてあげる、覚悟なさい」
どうやら今回は恋愛というよりもいたずら(セクハラというか逆レイプ)目的である。
間違った方向性だが本人は本気で取り組んでいるところが救い様がない。
「最初のひとり(異性はれお、同性はよっぴー)は可愛い(ルックス)のに限るわぁ」
違う路線のダメ人間の夜は更けていく。


前日の夜、祈の部屋
祈「47、48、49、あらあらあとひとりで記念すべき50人目ですわ」
土永「おーぅ、そいつはめでたいなぁー、祈よぉ、そんで今度の獲物はどんなヤツにするんだぁ?」
祈「土永さんたら殺るき満々ですわねぇ、でしたらいつも通りお手伝い願いますわ」
土永「あたぼぅよぉ、俺はお前のためだったらなんだってしてやるぜぇ」
祈「はい♪では今度の記念すべきお相手は、前々から決めていたのですが対馬くんにしました」
土永「あのジャリボゥイか、確かに祈好みの童顔だがなぁー。む、どぅしたぁ祈ぃ」
祈「今度のお相手を決定した途端に物凄い胸騒ぎを感じましたの」
土永「そいつは占って詳しく調べたほうが良いんじゃないか〜?」
十分後 占いを三回やった後
祈「まずいですわね、明日にでも決行しないと二度とチャンスがないとでましたわ」
土永「いつも通りやれば楽勝よぉ」
祈「土永さん、どうやら明日は本気でかからないと望み薄とも出ています、しかも気の流れも物凄い不安定ですので土永さん、
明日は朝から第一戦闘配置(コンディションレッド)発令します」土永「祈がマジになったぁ、任せろ、お前の望み通りに事を運んでやる。うでがなるぜぇ」


(作者・時給255円氏[2006/02/12])

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