今日はバレンタイン。
俺は何人かからチョコを貰った。
だが、付き合ってる彼女からはまだ貰ってない。
なんせ調理実習で作ったクッキーもくれなかったしな。
そういう性格だって分かってはいるけど、やっぱ欲しいだろ普通。
という訳でレッツトライ。
「エリカ、今日は何の日か知ってる?」
「ん? バレンタインでしょ? それがどうしたの」
「チョコ欲しいなあ」
「あるわけないでしょ。私は忙しいの」
「そうだよね、エリカ大変だもんね。ホントに欲しかったけど、涙を飲んであきらめるよ」
「そこまで大げさにヘコまなくてもいいでしょ。しょうがないわね」
そう言いながらポーズをとるエリカ。
出てくるのは当然バラなんだけど。
「このバラもしかしてチョコ……これもお嬢のたしなみ?」
「応用編よ」
「もはや何でもありだな。ところで、ちょっと右手見せて」
「ちょ、ちょっと」
「このけがどうしたの?」
「自転車に乗ってるときにこけたのよ」
「ふーん、けっこうドジだね」
「うるさいっ!!!」
ビシッ
エリカに当身を食らわせられた。
しかし遠ざかる意識の中で確かに聞いた。
「バラの形に削ってるときに切ったなんて言える訳ないでしょ」
やっぱけっこうドジだ。
それじゃあ俺はチョコの味に期待しながら眠りにつくとしますか。
(作者・名無しさん[2006/02/09])