「センパイ」
もう日付が変わろうとしている時間、椰子が部屋に入ってきた。
「どうした、眠れないのか?」
椰子は無言で頷いた。
「お前も今日は色々あっただろうし、それに男1人の家に泊まるのは不安かもしれないけど…もう夜も遅いぞ」
駅前で1人立ち尽くしていた椰子を見つけ、無理やり家に連れてきたのはいいけど…やっぱりまずかったかな?
あのまま放っておくことも出来ないけど、椰子も女の子だ。誰もいない家に突然連れてこられたのだから、緊張もするだろう。
「眠れないなら、一緒に寝るか?」
「良い…ですか?」
「あぁ、もちろん。おいで、なごみ…」
「センパイ…」
なごみは持ってきた枕を横に並べると
「失礼します」
といいベッドに入ってきた。その光景が何だかおかしかったので、ついふきだしてしまった。
「センパイ…笑わないで下さい。すごく…恥ずかしいです」
なごみは目に涙をためて恥ずかしそうにうつむいた。
「ごめんごめん、もっとこっちにおいで。おちついてゆっくり休むといいよ」
家に連れてくると言ったとき、何も言わず黙ってついてきてくれた。繋いだ手を離すこともせず、握り締めてくれた。
お互いの気持ちは分かっている。もう迷いもない。後は俺が勇気をしめす番だ。
俺はなごみをゆっくりと抱き寄せ、頬に優しくキスした。
なごみは体を硬直させ、顔を真っ赤にして俯いている。
今度は中にもぐりこみ、下からなごみの顔を覗き込んだ。目が合うと、きゅっと恥ずかしそうに目を瞑った。
そのまま唇にキスをした。軽いフレンチキスだったがなごみの甘さと柔らかさは十分に伝わってきた。
俺はもう一度キスをするとなごみの頭を撫でた。
「なごみ、好きだ。お前の事が大好きだお前にはちゃんと居場所があるんだ。だから、俺のそばを離れるなよ」
「センパイ…センパイ…。あたし、あたしは…」
「とりあえず今日はゆっくり休もう。まだ俺たちにはたっぷり時間があるんだ」
「…はい、センパイ。…おやすみなさい…」
なごみは俺の胸に顔をうずめるとすぐに寝息を立て始めた。よほど疲れていたんだろう。
俺はその寝顔を見て、ずっとなごみを守り続けることをちかった。もう二度と孤独を感じさせることの無いようにと…。


(作者・名無しさん[2006/01/28])

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!