「今日もいい天気だぞ」
今日もいつもと同じ一日が始まる。


俺が乙女姉さんと暮らし始めて1年が過ぎた。乙女姉さんは教師になる為に大学に通い、俺は3年になった。


「……くー…」
「西崎さんに村田か。おはよう。」
「対馬も大分様になってきたではないか。まぁ鉄先輩には及ばないがな。」「3ヵ月も続ければな。
それはそうと今日も仲が良いみたいじゃないか。」
「くっ…。ま・まぁいい。それよりも今年の体育武闘祭楽しみにしていろ!
西崎行くぞ!」
「くー!」


そう俺は登竜門に立っている。手に地獄蝶々を持って…。


「おはようございます、先輩。」
「おはよう。そろそろ生徒会長になる決心着いたか?」
「興味ないんで。」


椰子は次の生徒会長にしようとしている姫の説得(セクハラ)を半年以上断り続けている。
性格から言って生徒会長などやりそうもない椰子をここまで姫が推すのは、乳を揉みたいだけなのだろうと俺はみている。

「椰子には性格的に無理だろうけど…」
「…先輩には言われたくありません。」
椰子が引きつった笑みを浮かべている。
「…!では私はこれで。」

「ちっ。逃がしたか!
じゃあよっぴーのおっぱいにしよ〜。」
「や・やめてよエリー…」
朝から何をやってるんだ姫は。
「あら。いたの?最近妙に落ち着き払ってからかい甲斐がなくなったから気がつかなかったわよ。
ねぇ?よっぴー?」
「私は別に…でも対馬くんかっこよ」
グイッ
「対馬くんには大切な大切なお姉ちゃんがいるでしょ〜?ほら行くわよよっぴー!」
「エリー。いたいよぅ。」

あの二人は相変わらずだ。姫は乙女さんがいなくなって、したい放題してるように見えるがよっぴーがストッパーになっているのか前とあまり変わったことはなかった。


「ったく。あいつらは…
10、9、8…」
ダダダダダダ…
「おっす!レオ!」
空っぽの頭がカラカラ音をたてながら走ってきた。
「普通ならあそこがCG回収ポイントなんだけどな…ブツブツ」
「朝から色んな意味でかわいそうなヤツ達だな。
おいカニ!お前はなんでスバルが起こしてくれんのに毎朝ギリギリなんだ?」
カニとスバルがくっついたのは執行部しかしらないトップシークレットになっている。(みんな興味がないので放置されている)
「けっ!一年中熱血モードのシスコン野郎に教えてやる義理はねーぜ!
言うことまで乙女さんに似てきたんじゃねーのか?このイカレポンチ!」
「それは言えてる。」
ちっ!フカヒレいつのまに現実世界(こっち)に戻って来たんだ。
「…お前等言いたいことはそれだけか?
俺が制裁を加えてやる。」
「上等じゃねぇか!
いけフカヒレ!」
「あれ?」
「きりもみ(乙女)パンチ!」
「ぐはっ…」
「カニは逃げたか。」

まったく…
俺は一年中熱血モードというわけではないのだが、乙女さんのトレーニング(調教)のおかげですっかり体育会系になってしまったようだ。
本当は乙女さんが喜んでくれるというのが一番の理由なんだけど。


それにこうして校門に立っていると乙女さんと一緒にいる気分になれる。

「対馬さん。ニヤついて気持ち悪いですわよ。」
祈先生は捨て台詞を残し去っていった。





放課後


「対馬先輩!」
「?」
「体育武闘大会頑張ってください!応援してます!」
去年のトーナメント・委員会で知名度とともに人気も上がったらしく、たまに今みたいに話し掛けられるようになった。
「ありがとう!頑張るよ!」
「それじゃあ」
今の下級生が走って行った。

「モテる男はツライねぇ『風紀委員長』!」
「スバルか。部活か?」
「あぁ。お前も乙女さんの影響か年下にモテるようになったじゃないか」
スバルがニヤニヤ笑っている。

「昔は心も体もオレの物だったのに。」
「…」
「こうやって並べて見ると親戚だけあって似てるよな。」

スバルが壁に並べて貼ってあるポスターを見て言った。
去年の役員募集のポスターの隣に今年のポスターが貼られている。
姫の両脇を椰子と地獄蝶々を肩に担ぎ乙女さんと同じ服を来た俺が写っている。

「…じゃあ俺はそろそろ行くぜ。」
スバルが意味深な視線を送り消えて行った。


「レオ。随分と鼻の下をのばしていたようだが?」


「乙女さん!何で学校に?」
「久しぶりに拳法部の面倒をを見てやろうと思ってな。
レオもちゃんと風紀委員の仕事をこなしているそうじゃないか。」
「まぁ乙女さんには敵わないけどね。」
「レオとは鍛え方が違うんだ。あたりまえじゃないか。
それにしても私という許婚がいながら随分親しそうに話していたな。」

乙女さんが不貞腐れている。そんな乙女さんが愛おしくて思わず抱きしめていた。

「(レオはみんなに優しいから心配なんだぞ)」
俯いてしまった乙女さんが小さい声でなにか呟いた。

「えっ?なに?」
「修業が足りないから気持ちがフラフラしてると言ったんだ!」
何かに気付いた乙女さんは
「まぁいい。今日は許してやる。」赤い顔をしてそう言うと手を振りほどいた。
「さぁ!久しぶりに竜宮にでも行ってレオの仕事ぶりでも聞くとするか!」
そう言うと俺の頬に唇を落とし走って行ってしまった。




「レオ〜早く来い!」
満面の笑みを浮かべ手を振る乙女さんの反対の手には2枚のポスターが握られていた。


(作者・名無しさん[2005/12/19])

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