「エリカ、大事な話があるんだ」
「何よ、改まって?」
覇道を目指して突き進む毎日は本当に忙しく、こうやってお昼時にレオと2人っきりで食事をすることも珍しい。
「私の方も1つ報告があるんだけど、レオの用件から聞きましょうか」
「うん……。その、ええっと」
さっきからレオは私の顔を見ない。それに何時に無く嫌な予感がしている。
「その、実は俺と別れてほしいんだ」
「えっ……」
予感はあたった。レオの表情がそれを真実だと告げている。
「どうしてよ!」
「実は、良美が俺の子供を妊娠した。俺は良美のそばに居てやりたいんだ」
「なっ、浮気してたの!?」
薄々怪しいとは感じていたけれど、まさか妊娠までいっていたとは、ぬかったー!
「ちょっとまって。子供なら私も妊娠してるわ。昨日わかったのよ。それでもよっぴーを取るって言うの?」
「……もう付いていけないんだよ、エリカには。良美や俺はエリカにとって何なのさ? ただの都合の良い駒じゃないんだよ」
「私はちゃんと二人のこと大切に思ってるわよ!」
「でもエリカは1人で歩いていける。良美は1人じゃダメなんだよ。だから俺は良美とこれからを歩んでいきたい」
「……レオ、私を捨てるの?」
目の前が真っ暗になる。ああ、これが絶望ね。


「そういうことだよ、エリー」
「よっぴー!?」
隠れていた良美が出てきて、レオに寄り添った。
「レオ君はエリーじゃなくて私を選んだんだよ」
「!? この裏切り者ぉ!」
よっぴーの笑みに思わず手を上げてしまう。
「ふん、先に裏切ったのはエリーじゃない。信用できる仲間? ただ単に都合のいい、裏切らない駒が欲しかっただけじゃない。ああ、安心してね仕事はちゃんとするから。エリーの野望の邪魔はしないよ」
信じていたのに。唯一の親友だと信じていたのに。
「この売女! レオは私のモノよ! 返して!!」
「なによエリーの人でなし! 私たちの気持ちなんてわからないくせに!」
「この薄汚い泥棒猫がよく言うわ!!」
「き、汚いっ? いやぁぁぁーーーー!!」
発作を起こして取り乱す良美をレオが抱きしめて落ち着かせる。その光景に私の体はバラバラになりそうだ。
「……エリカ、良美を苦しめないでくれ。それに、俺はモノじゃない」
レオの視線にはもはや私への敵意しかなかった。レオの腕の中で、良美が私にしか見えないように笑みを浮かべている。
「さっ、行こう良美」
待ってレオ。行かないで。私を捨てないで。
もう私はレオがいないとダメなの。
レオ、レオ、レオ行っちゃヤダーーーーー


「レオ、行かないで私を捨てないでーーーー!!」
自分の叫び声で目が覚めて、私はようやく悪夢から抜け出した。
「……夢?」
嫌な夢だった。全身に冷たい汗をかいている。
「まったく、私をこんなにメロメロにさせるなんて生意気だぞ」
横に眠るレオの頬をひっぱってみる。
「……ううっ」
起きないレオはかわいくうなされている。やっぱり離れられないなぁ。
けれど夢の光景にはゾッとした。あの黒よっぴーならやりかねない。レオと私の絆を信じているけど……。
「そーよ、既成事実で先に王手をかけてしまえば……。うふっ」
思い立ったが吉日。さっそく作ってしまおう。
「レーオ、2人の子供作ろうね。……いただきまーす」

翌朝
「あれ、何か腰が抜けてるんだけど?」
「気のせいじゃない? レオ」
「そういうエリカは妙に肌がつやつやしてないか?」
「昨日はたっぷり満足したからね〜。えへへっ」


(作者・ノネコ氏[2005/12/08])

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