「ようレオ、遊ぼ〜ぜ!」
「カニ…お前窓から入ってくんなと、何度言えば分かるんだ?」
「え〜、めんどくせ〜じゃん!そんなんどうでもいいから何かしようぜ」
この甲殻類は全く…
んっ、今日は確か…よし、いっちょからかってやろう。
「おっ、新しいゲーム買ってんじゃん!」
カニはゲームに没頭し始めた。今がチャンスだ。
俺はカニを後ろから抱きしめた。
「うえっ、いっ…いきなり何すんだよっ!」
カニはビックリしたように叫ぶ
「きぬ、好きだ…」
何故か俺がドキッとした。
「お前名前で呼ぶなって…えっ!?」
「お前が好きなんだ」
「ちょ、レオおめ〜何言ってんだ!?気でも狂ったか!?」
「俺はマジだぜ」
「すっ…好きって…。おめ〜がボクを…か?」
「あぁ、そうだ。ずっと好きだった」
カニはゲームをする手を止めて顔を真っ赤にしていた。照れてんのか、こいつ?
「んなこといきなり…っつ〜か、…その…」
「お前はどうなんだ?俺のこと…好きか?」
その質問に、カニはさらに顔を赤くした。まるで蟹だ……あれ?
「で、どうなんだ?お前の気持ちも聞かせて欲しい」
「んっと…えっと……。ぼっ、ボクは…レオ…のこと…えっと…」
困ってる。やべ、おもしれ…。
「レっ、レオのこと…ボクも…」
「ボクも…何?」
目まで潤んできやがった…。風邪でもひいてんのか?
「ボクも…、すっ…好き…だよ…」


はぁ?こいつ何言ってんだ?もしかして、バレてたのかよ…。
俺はカニの頭にチョップした。
「ば〜か、嘘って分かってんなら止めろよな」
「いたっ、てめ〜何すんだ…って…うっ、嘘?」
「当たりめ〜じゃね〜か。今日、何月何日か言ってみろ。
お前も嘘って分かってたから『好き』なんて言ったんだろ?」
「今日…は、4月…1日…」
カニがはっと息を呑んだ。
「じゃ、じゃあ…好きって言ったの嘘…なの…か?」
「はぁ、何言ってんの?お前、まさか本気で俺のこと好きなのか…」
俺はぎょっとした。カニは目に涙をためていた。
「お前、泣いてんのか?」
「おっ、おめ〜のチョップが痛かったんだよ!
ってか、泣いてない!泣いてないもん…ね」
カニはとうとうボロボロと涙をこぼし始めた。
「わっ、わりぃ!そんな強くやったつもりは無かったんだが…ちょっと見せてみ?」
俺がカニの頭を触ろうとするとその手を振り払って
「さわんじゃねーよ!レオの…レオの大馬鹿野朗―!!!」
そう言ってドアをはね開け部屋を出て行った。
「おい、ちょっと待てよ!ちゃんと窓から帰れよ!…って、あれ?」
何もそんなに怒らなくてもいいじゃないか…。
そんなに強く叩いてね〜じゃん…。それとも…まさか…な。
「あいつが俺のこと好きなんて、そんなことあるわけないよな」


「…ってなこと覚えてる、レオ?」
俺の横で寝ていたきぬが思い出したように聞いてきた。
「あぁ、覚えてるよ。去年の話だよな…。本当にごめんな…変なことしちまって…」
「昔の事だし良いんだけどね…。たださ、ボク本当に嬉しかったんだよ」
「分かってる…。思えば俺も、あの時位にはこの気持ちが芽生えてたんだと思うよ。
 気付くのはちょっと遅れたけど、あながち嘘でも無かったって事だな」
「じゃあ許してあげるよ!あの嘘がボク達を結んだってことだからね!!


(作者・名無しさん[2005/11/30])

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