「キャー、鉄センパーイ!」
「鉄先輩!!」
校門の前で拳法部の後輩と、女子たちが乙女さんの周りに群がる。
それだけの人気があったという事だ。
「では、村田。後のことは頼んだぞ」
「押忍!! お任せ下さい!」
竜鳴館卒業式。今年も3年生が去ってゆく。
村田のヤツは拳法部主将になった。風紀委員にもなっていた。
責任感の強いヤツなら、まあ何とか大丈夫だろう。
それにしても男女問わず、すげえ人気だ。女子からもラブレター貰ってたぐらいだし。
にしても、コレじゃいつまで経っても乙女さんの傍には行けない。
乙女さんの困惑した顔が少しだけ見えた。
(仕方無い。無理矢理行くか)
人だかりに突っ込む俺。もうすぐ乙女さんのところに出れそうだったが、拳法部の奴らが群がっていた
のをすっかり忘れていた。
屈強な拳法部に太刀打ちできるわけが無く、つぶされる俺。
諦めてたまるか!(熱血モード)
火事場のクソ力で突っ切った。やっと出たと思ったら後ろから押される。
「うわっ!」
倒れるかと思ったが人に捕まることができ、何とか助かった。
でも両手に何か柔らかい感触。

ごごごごごご!

乙女さん+拳法部一同の怒りの炎が燃え盛る。
「アノ、コレハフカコウリョクデシテ」
片言ニホンゴ。
「レオ、、人前で恥かかせるとはな……」
「対馬ぁ。なんてうらや……ゴホンッ、いかがわしい事を〜」
ちょっと、話し合おうよ…ね?


生徒たちが帰路につく中、校門脇の木に垂れ下がる布切れが一枚。
正しく言うと、乙女と拳法部一同の一斉攻撃により絨毯爆撃の犠牲者の様になってしまったレオ。
そこへ、一人の女性が。
その女性はレオを軽々と肩に担いで並木通りを歩いて行った。


そして夜。
「すまなかった」
私は未だに気絶しているレオに添い寝して顔を撫でた。
あれぐらいの事で腹を立ててしまうとは。まだまだ人間としての修行は足りないという事か。
レオが私を嫌いになってしまうのではないかと不安になってしまう。
(どうか私を嫌いにならないでくれ…)
私はそのまま眠りについた。


外が明るい。朝だろうか。俺は体を起こそうとしたが激痛が走った。
(そういや、昨日…)
昼間からずうっと寝てたのか。目を開けると乙女さんの胸の中に俺は埋もれていた。
乙女さんの体から顔を離し、顔を見た。まだ寝ているらしい。
乙女さんの目からは涙が流れていた。
「レオ……嫌いに…ならないで」
寝言とはいえ、すごく女らしい台詞に思えた。
(嫌いになれるワケがないだろ?)
涙を拭い、額にキスをしてから乙女さんの再び胸の中で眠りについた。

大好きだよ。乙女さん。

後日、
「私も揉んでみたかったな〜」by



(作者・KENZ-C氏[2005/11/29])

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