「レオ、いいか?」
コンコンとドアをノックする音が俺の部屋の中で響いた。
「どうぞ」
俺がそう言うのと同時に、乙女さんが入ってきた。何の用だろ…?
すると、俺の姿を見るや否や乙女さんは深いため息をついた。
「レオ……お前、最近ちょっとたるんではいないか?」
「そうかな?」
なんだ、またお説教か。
まぁ、俺のためを思って言ってくれてるんだろうけど、ちょっとしつこいかも。
「私が部屋に入った時、お前が机に向かっている姿を見たことがないぞ」
「う〜ん…今日は宿題ないから」
「それなら、明日の授業の予習や今まで習ったところの復習とかすればいいではないのか?」
「うん、これ読み終わったらやるよ」
俺はベッドの上に寝転がりながら漫画を読んでいる。
そんな状態で生返事を繰り返している。乙女さんのありがたいご高説も馬の耳に念仏だった。
今読んでいる漫画がいい所なのに、そう簡単に頭の切り替えなどできるはずがない。
やはり聖闘士星矢はいつ読んでも面白い。不朽の名作だと俺は自信を持って断言できる。


「…お前、私を舐めているな?」
ボソっと呟くような乙女さんのひと言。
部屋の空気が変わった。
ヤバイ!
慌てて漫画を閉じ、乙女さんの様子を窺うと、うつむいたままプルプル震えていた。
「ごめんなさい、今すぐやります! 調子に乗ってすいませんでした!」
俺は一目散に机に向かって鞄から教科書とノートを取り出した。
…だが、もう全てが手遅れだった。
俺を見据えた乙女さんの双眸からは明らかに殺気を感じることができた。
「喰らえ! この根性なしがッ!」
必殺の乙女さんの右足。アレを喰らったらタダでは済まない。
間一髪でなんとかかわすことに成功した。まさに奇跡!
「む、よくかわしたな! ならば…!」
乙女さんが大きく息を吐き、呼吸を整える。
何だ! いったい何をする気なんだ
!?
「破ッ!」
乙女さんが繰り出した右の拳が閃き、無数もの拳が残像となって俺に向けて放たれた。
まさに光速の拳。こ、これはもしや――!
「ぐはっ!」
こんな人間離れした攻撃、かわせるはずもなく俺は全てをまともに喰らってしまった。
薄れゆく意識の中で見た乙女さんは、身体中を湯気が揺らぐような感じで光のオーラが包み込んでいた。
そして、俺はそこで気を失った。
だが、これだけははっきりと言える。
俺は小宇宙を見た。


(作者・名無しさん[2005/11/15])

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